テレビを観ているとノイズが発生する、映りが悪い・・・そのようなテレビのトラブルは、もしかしたら「アンテナレベル」の低下が原因かもしれません。
アンテナレベルとは電波の受信強度のことで、安定してテレビを視聴するためには一定の数値を保つ必要があります。
この記事では、アンテナレベルが下がる原因と原因別の改善策を紹介します。
アンテナレベルとは?確認方法と数値の目安
アンテナレベルとはどのような指標で、具体的にどれくらいあればテレビを問題なく視聴できるのでしょうか?
アンテナレベルの確認方法と、必要な数値の目安を解説します。
アンテナレベル=電波の受信強度を示す数値
アンテナレベルとは、地上デジタル放送、BS・CS放送などの各種テレビ放送の受信電波の強さをあらわす指標のことで、「受信強度」とも呼ばれます。
鮮明な映像を安定して観るためには、基準値以上のアンテナレベルを保つことが必要です。
アンテナレベルの確認方法
現在のアンテナレベルはテレビのメニュー画面から確認することができます。メーカーによって確認方法が異なるので、自宅のテレビの取扱説明書や公式サイトを確認しましょう。
ここでは主要なメーカーの確認手順を紹介します。
SHARP/AQUOS(アクオス)
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Panasonic/VIERA(ビエラ)
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SONY/BRAVIA(ブラビア)
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アンテナレベルの目安
アンテナレベルは、使用しているテレビのメーカーによって数値の目安が変わるので、他メーカーの数値を基準にしてはいけません。
主要な国内メーカー製テレビにおける、地上デジタル放送を受信する際のアンテナレベルの基準はそれぞれ以下の通りです。
メーカー | 全くない~不足している | 十分にある |
Panasonic(パナソニック) | 0~44未満 | 44以上(50以上あれば安定) |
SONY(ソニー) | 赤~黄 | 緑 |
SHARP(シャープ) | 60未満 | 60以上 |
東芝 | 0~30未満 | 30以上(30~60を推奨) |
三菱 | 0~22未満 | 22以上 |
日立 | 0~18未満 | 18以上(18~37を推奨) |
同じメーカーであってもテレビが製造された年や機種によって基準の数値が変わることがありますし、BS・CS放送の場合は地上デジタル放送と基準が異なる可能性もあります。
取扱説明書やメーカーの公式サイトから自分の使っているテレビの数値基準を確認すると確実でしょう。
アンテナレベルが低下する原因は?
突然アンテナレベルが下がってしまった、または0になってしまったけれど、まったく原因に心当たりがなく、どう対処したら良いかわからないという方もいるかもしれません。
アンテナレベルが低下したときに考えられる理由をいくつかご紹介しますので、原因を突き止めてみましょう。
アンテナケーブルの接続不良
ケーブルは一度接続してしまうとその後なかなか意識しないものですが、何かの拍子に接続不良を起こしていたり、ケーブル・端子の劣化が進んでいたりする可能性があります。
配線まわりに以下のような不具合が起きていないか確認してみましょう。
- アンテナ端子とケーブルの接続がゆるんだり抜けたりしている
- 地デジ放送のアンテナケーブルをBS/CS放送用の端子につないでいる、またはその逆
- ケーブルが長すぎる
- ケーブルが損傷している
- アンテナ端子の芯線が折れたり曲がったりしている
特に「テレビの配線付近を掃除した」「引越しやテレビの移動、新調で配線をやり直した」というタイミングでアンテナレベルが下がった場合は、接続状況に原因がある可能性が高いです。
分配器を使ってテレビやレコーダーの台数を増やした
1つのアンテナ端子から供給される電波を分配器で複数のテレビやレコーダーに分けた場合、各機器に入力される信号は等分されて弱くなります。
その結果、安定してテレビを視聴できるアンテナレベルを下回ってしまったという可能性もあるでしょう。
アンテナの向きがずれている
テレビ用のアンテナは指向性アンテナといい、特定の方向からの電波のみを受信する仕様になっているものがほとんどです。
テレビ放送の電波は、電波塔(地デジ放送の場合)や人工衛星(BS/CS放送の場合)から発信されて各家庭のアンテナに届きますが、アンテナの向きが電波の発信方向とずれていると、アンテナレベルが下がるのです。
強風などの外部要因によって元々正しい位置にあったアンテナの向きがずれた場合は、突然テレビが映らなくなるということもあり得ます。
室内アンテナの場合は指向性の弱いものが多いですが、そもそも電波の受信性能が屋外用のアンテナと比べて高くありません。
機器の劣化、故障
テレビを視聴するためには、アンテナ、ケーブル、端子、テレビ、場合によってはブースター(増幅器)やアッテネーター(減衰器)といった周辺機器が必要です。
どれかが壊れたり、劣化して不具合を起こしていたりすると、電波をうまく受信できない可能性があります。
特にアンテナの故障は電波の受信に直結しますが、高所にあるアンテナの状況を自力で確認することは難しいため、まずは室内のテレビやケーブルを確認し、問題がなければアンテナの不具合を疑ってみましょう。
雨や雪などの悪天候で電波が弱い
大雨や大雪など、天候が大きく崩れたときには、届く電波が弱まる可能性があります。
特に衛星放送であるBS/CS放送の電波は、雨や雪に吸収されやすい性質があり、悪天候の際にはアンテナレベルが下がりやすいです。
悪天候の際には、一時的に映像の画質を下げる「降雨対応放送」に自動的に切り替わることがあります。
周辺地域一帯の電波が弱い
電波塔から遠いエリアや、電波が届きにくい山間部、電波塔との間に高い建物などの障害物が多い場所は、周辺一帯に送られる電波が弱いことがあります。
「家の中でワンセグを視聴できるかどうか」が、地域一帯の電波の強さを確かめる1つの指標になります。
家の中のどこでもワンセグを視聴できれば電波の強い地域といえますし、家の中ではほとんどワンセグが映らないのであれば、家のある場所は電波の弱い地域である可能性が高いです。
電波が弱い地域の場合、普段はなんとか視聴できていても、悪天候など他の要因の影響も受けやすいといえるでしょう。
こんな症状が出たらアンテナレベルの低下かも
アンテナレベルが下がっていると、具体的にテレビはどのような状態になるのでしょうか?
ここで紹介したような症状がみられる場合は、一度テレビのメニュー画面からアンテナレベルを確認してみましょう。
ブロックノイズが発生する
映像が四角いモザイク状に乱れる現象を「ブロックノイズ」といいます。このブロックノイズが現れる原因の1つに電波不足があり、アンテナレベルが低下している可能性があります。
すべてのチャンネルが映らない/映りが悪い
すべてのチャンネルでアンテナレベルが下がっている場合は、電波を受信する段階、テレビに送られてくる段階に異常が生じていると考えられます。
つまりアンテナ自体の故障・不具合であったり、ケーブルの接続不良が原因である可能性が高いです。
特定のチャンネルが映らない/映りが悪い
地デジ放送では、特定のチャンネルだけアンテナレベルが下がることがあります。
放送局ごとに電波を送信しているため、「方角が異なる別の送信所から受信している」「同じ送信所から送っていても電波の強弱差がある」という状況が起こり得るのです。
もともとの受信電波が安定して視聴できるレベルぎりぎりのチャンネルは、悪天候などの影響で映らなくなる可能性が高いでしょう。
アンテナレベルを上げる方法
アンテナレベルが不足すると映像が乱れたり、テレビの視聴自体ができなくなったりします。正常な状態に戻すにはアンテナレベルを上げなければなりませんが、どのように対応すればよいのでしょうか?
テレビを再起動する
アンテナレベルはテレビを再起動するだけで回復することがあります。簡単にできるので、時間のかかる改善策を実行する前に、まずは一度試してみましょう。
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ケーブルや周辺機器を正しく接続する
アンテナケーブルやテレビの接続状況に問題があった場合は、正しく接続し直したり、新しいものに取り替えたりしましょう。
- アンテナ端子とケーブルを正しく接続し直す
- 適切な長さのケーブルに交換する
- 劣化したケーブルを新しいものに交換する
- B-CASカードを入れ直す
アンテナの向きを調整する
テレビアンテナは指向性が強く、電波が発信される方向に向けて調整する必要があります。
屋根の上に設置されたアンテナは通常かなり頑丈に固定されていますが、強風にあおられたり、鳥や飛来物がぶつかったりして角度がずれる可能性も否定できません。
アンテナレベルが下がってしまったら、地上波デジタルのアンテナは近くの電波塔の方向へ、BS・CS放送を受信するには人工衛星がある南西へアンテナの向きを調節しましょう。
屋根の上での難易度の高い作業なので、無理に自分で何とかしようとすると危険が伴います。プロのアンテナ工事業者に依頼するのが安心でしょう。
ブースター(増幅器)を設置する
電波が届きにくい地域に住んでいる場合や、分配器で分けたことによって電波が減衰してしまった場合は、「ブースター」の設置が効果的でしょう。ブースターは安定したテレビ放送の視聴に必要なレベルまで電気信号を増幅してくれる機器です。
地域の電波状況はA-PAB(一般社団法人放送サービス高度化推進協会)という団体のホームページで確認できます。
ブースターを設置するとアンテナレベルが強すぎて逆に映像が乱れることもあるため、導入前には業者に相談すると安心です。
受信強度の高いアンテナに交換する
お住まいの地域が電波の弱いエリアの場合、既存のアンテナがうまく電波を受信できていない可能性があります。
その場合、魚の骨の形をした「八木式アンテナ」など、受信強度の高いアンテナに交換することでアンテナレベルが改善するかもしれません。
新しいアンテナを設置するときの流れや費用については以下の記事も参考にしてみてください。
アンテナレベルが高すぎる場合の対処法
ここまでアンテナレベルが低い場合の対処法を解説してきましたが、逆にアンテナレベルが高すぎる場合もうまくテレビが映らないことがあります。
高いアンテナレベルを適切な状態に下げる方法を解説します。
ブースター(増幅器)のレベル調整をする/取り外す
電波を増幅するブースターを取り付けている場合、何の調整もしないままだと逆にアンテナレベルが高くなりすぎてしまい、うまく映像を映すことができません。
適切な定格出力(安定して信号を出力できる電波の範囲)を超えないように、ゲインコントロールや入力ATTといった機能を使って調整しましょう。
特段電波の弱い地域ではないにもかかわらずブースターを取り付けている場合は、取り外してみると改善されるかもしれません。
アッテネーター(減衰器)を設置する
アッテネーターとは、電波が強すぎる場合に適切な強度まで電気信号を減らすことのできる機器です。
もし受信する電波が強くて適切なアンテナレベルを超えてしまっている場合は、アッテネーターを取り付けるという選択肢もあります。
アンテナレベルを上げて安定した受信環境を
テレビの映像がきれいでなめらかに動かないと、テレビの視聴を心から楽しめません。
もしテレビ画面が乱れたり見たいチャンネルが見られないというトラブルが発生したら、アンテナレベルをチェックしてみましょう。
アンテナレベルが下がっていた場合は、この記事で紹介した解決策をぜひ試してみてくださいね。
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アンテナレベルの異常が配線や周辺機器の不具合によるものだった場合は自力での対処も可能ですが、アンテナの故障や向きのずれの場合は自分で修理・調整することが非常に困難です。
危険も伴う作業ですので、プロのアンテナ工事業者に任せるのが一番安心でしょう。
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