テレビを観ていたら突然画面に四角いブロック状に映像が乱れ、観づらくて困ってしまった経験はありませんか?
それは「ブロックノイズ」と呼ばれる症状である可能性が高いです。
この記事では、ブロックノイズとはどういう現象なのか、原因別にどうすれば除去できるのかを解説します。
ブロックノイズって何?
ブロックノイズとはどのような現象?
ブロックノイズとは、テレビの映像の一部または全部が乱れて、四角いブロック状のモザイクになってしまう現象のことです。現在の地上デジタル放送において発生するノイズ現象は、ほとんどがこのブロックノイズです。
映像だけに異常が発生することもあれば、映像と同時に音声も乱れることもあります。
ノイズというといわゆる砂嵐を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、これは主にアナログ放送時代に発生していたものです。
ブロックノイズが発生する3つの原因
ブロックノイズが発生する原因は、大きく分けて以下の3つです。
|
電波不足
ブロックノイズが発生する原因の1つとして、放送を鮮明に映すために必要な電波レベルが足りていないという可能性があります。電波不足の場合、影響範囲は全チャンネルに及ぶことが多いです。
具体的には以下の状況が考えられます。
- アンテナに届いている電波自体が弱い
- アンテナの受信強度(アンテナレベル)が低い
- テレビとアンテナの距離が長く、届くまでに信号が減衰している
- 分配器で電波を分配した結果、個々のテレビに届く電波が弱くなった
テレビに十分な電波が届いておらずブロックノイズが発生している場合の対処法を確認してみましょう。
接続不良、アンテナのずれ
テレビ周りのケーブルや機器の接続に問題がある場合も、ブロックノイズが発生する原因となります。以下のポイントに注意して配線を見直してみましょう。
- アンテナケーブルの接続先を間違えている
- 端子の接続がゆるんでいる
- 子どもやペットが触っている
また、テレビ放送はチャンネルごとに電波が発信されているため、アンテナがずれたことによって特定の放送局の電波が受信しにくくなっている可能性もあります。
機器の故障、劣化
周辺機器の故障や劣化が原因でブロックノイズが発生することもあります。
リアルタイムでの視聴には異常がないのに、録画した番組を観ようとしたらブロックノイズが入っていたという場合は、録画関連の機器の故障や劣化が原因かもしれません。
まずはこれらの機器の電源がきちんと入っているか、外見に異常がみられないかを確認してみてください。
- アンテナ
- テレビ本体
- BD/DVDレコーダー
- ブースター
- 分配器
アンテナとテレビの間に機器をつないでいる場合、一旦外した状態で接続をしてみましょう。これでブロックノイズが除去された場合は、外した機器に異常があると考えられます。
急にブロックノイズが出たときに試す対処法4選
急にブロックノイズが発生すると、原因もよくわからず困ってしまうかもしれません。
ここでは、すぐにできる対処法をご紹介します。これらを試してみても解決しない場合は、状況別に詳しい対処法を説明しているので記事を読み進めてみてください。
まずはアンテナレベルを確認
ブロックノイズの原因としてアンテナレベル(電波の受信強度)の低下が疑われる場合は、テレビのメニュー画面からアンテナレベルを調べてみましょう。
メーカーによって操作方法が異なりますので、取扱説明書を見て確かめてみてください。ここではSHARP(シャープ)のAQUOS(アクオス)を例に挙げて操作手順を説明します。
アンテナレベルの確認方法(SHARP/AQUOSの場合)
|
アンテナレベルは各チャンネルで異なるので、チャンネルごとに調べるようにしましょう。
また時間帯・天候にも左右されるため、できれば時間を置いて、何度か調べてみることをおすすめします。
①B-CASカードをきれいにして正しく挿入する
テレビに差しているB-CASカード(暗号化された電波を視聴可能な状態に変換する役割をもつカード)がうまく読み込めていないことが原因で、ブロックノイズが発生する可能性もあります。
以下のポイントを確認しましょう。
- 挿入口に汚れやほこりが付着していないか
- 正しい向きで奥まで差し込まれているか
- B-CASカードに傷がついていないか
以下の手順で、B-CASカードをきれいにして再挿入してみましょう。
|
B-CASカードが破損している場合は、発行元に申請して新しいカードに交換する必要があります。
詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
②チャンネルを再設定する
現在のデジタル放送では、地域ごとにチャンネル番号と電波の組み合わせが異なるので、テレビ放送を視聴するためにチャンネル設定という作業を行う必要があります。
引越しをした後や、テレビを買い替えた後にブロックノイズに悩まされている場合、チャンネル設定がうまくいっていないことが原因かもしれません。
以下の手順でチャンネルを再設定してみましょう。
|
③ケーブルの接続を直す
テレビ周りのケーブルや機器の接続に問題がある場合も、ブロックノイズが発生する原因となります。
以下のポイントを中心にテレビ周りの配線を見直し、きちんと接続できていない部分があればつなぎ直しましょう。
- アンテナケーブルの接続先を間違えている
- 端子の接続がゆるんでいる
- 子どもやペットが触っている
ケーブル自体が破損している場合は、新しいものに交換する必要があります。
④周辺の電波障害情報を確認する
自宅のテレビやアンテナなどの設備ではなく、周辺環境の影響で電波を受信しづらい状況になっているかもしれません。
以下のような状況下では、電波障害が発生することがあります。
- 近隣で大きな工事をしている
- 自宅と電波塔との間に高層ビルが建設された
- 近隣で強い電波が発信されている
自宅以外にも近隣の住宅でもテレビ視聴に問題が発生しているのであれば、地域の電波障害である可能性が高いです。
マンションやアパートなどの集合住宅にお住まいの場合はまず管理会社に、一軒家の場合は地域の自治体に相談をしましょう。
全てのチャンネルでノイズが出たときの原因と対処法
原因①:電波強度(アンテナレベル)が弱い
ブロックノイズの原因としてよくあるのは、電波が安定した視聴に必要なレベルに満たないことです。
この場合、ブースターというアンテナから受信した電波をテレビに送るときに増幅させる機器の設置で解決することがあります。
アンテナとテレビの距離が遠い場合や、電波塔から遠かったり、電波をさえぎる障害物が多かったりして電波の弱い地域の場合は、設置を検討してみましょう。
また分配器を使って複数のテレビに電波を送る場合も、分けた電波は信号が減衰してしまうため、ブースターを併用することが望ましいです。
ブースターには屋外用と屋内用の2種類があり、それぞれ特徴と適した状況が異なります。
種類 | 特徴 | こんなときにおすすめ |
屋外用 | 設置の際に業者への依頼が必要。 屋内用に比べて高い増幅効果が期待できる。 |
電波が弱い地域の場合 |
屋内用 | コンセントに差すだけで簡単に設置できる。 増幅効果は弱く、元々の受信電波が弱い場合は十分に効果を発揮できない。 |
アンテナからテレビまでの距離が長い場合 |
ブースターの選び方やおすすめの商品はこちらの記事も参考にしてみてください。
原因②:テレビ本体の故障
テレビ本体の故障や劣化が原因でブロックノイズが発生する可能性もあります。
テレビが故障していないかを確かめるために、以下の通りテレビを再起動してみてください。
- テレビ本体の電源ボタンを押して電源を切り、1分後に再度電源を入れる
- テレビの電源をオフにした状態でコンセントを抜き、1分後に差し直してから電源を入れる
どちらを試しても改善されない場合には、テレビが故障している可能性があります。
家電量販店やメーカー、修理業者に修理を依頼するか、思い切って処分、買い替えを検討しましょう。
原因③:アンテナの故障
室内の機器を点検しても異常が見当たらない場合、アンテナが破損しているかもしれません。
アンテナの寿命は一般的に10〜15年ほどといわれており、使用状況によってはもっと早く壊れてしまうこともあります。
まずはアンテナが劣化・故障していないかを確認してみましょう。明らかに折れたり傷ついたりしていない場合は、自分で高所に登って確認するのは危険なので、アンテナ工事業者に調査をしてもらう必要があります。
結果として交換が必要な場合も、その場で業者に依頼をするとよいでしょう。新たなアンテナを設置するときの費用は以下の記事を参考にしてみてください。
特定のチャンネルでノイズが出たときの原因と対処法
原因①:ケーブルの接続に不備がある
特定のチャンネルが映らなくなった場合、原因はケーブルの接続不良の可能性が高いです。以下のポイントに注意して問題のある箇所を発見、修正しましょう。
- 接続部分のゆるみや外れ
- 接続部分の芯線が折れていないか
- ケーブルが断線していないか
目に見える接続不備がなくても、一度取り外して改めて接続することで改善することもあります。テレビの電源を切り、配線し直してみるとよいでしょう。
ノイズの発生しにくいケーブルを選ぼう!
テレビの接続に使用するケーブルは、太くて保護層が厚いほどノイズが発生しにくいです。
細いケーブルは曲がりやすく、室内での配線に向いている一方で、ノイズに弱く断線しやすいという特徴があります。
電波が弱く不安定な地域では、なるべく太いケーブルを選ぶと良いでしょう。
アンテナがずれている
テレビのアンテナはほとんどが「指向性アンテナ」という、電波の発信方向に向いていないと受信できないタイプです。
電波塔や通信衛星に向けて設置されているはずですが、台風などの悪天候や何らかの外的要因で向きが変わってしまった場合、今まで受信していた電波が拾えなくなっている可能性があります。
向きがおかしくなっていた場合は、アンテナ工事業者に依頼して調整してもらいましょう。
BS/CS放送でノイズが出るときの原因と対処法
原因①:ケーブルが間違った端子に接続されている
地デジ放送とBS/CS放送を両方とも視聴している場合には、ケーブルを逆の端子に接続しているかもしれません。
それぞれのアンテナケーブルが、地デジ用端子とBS/CS用端子に正しく接続されているか確認してみましょう。
原因②:悪天候で電波が弱まっている
人工衛星から発信されるBS/CS放送の電波は、雨や雪に弱い性質をもっており、悪天候のときは電波が反射したり吸収されたりして弱まってしまいます。
結果として、電波が安定して映像を視聴できるレベルを下回ってしまい、ブロックノイズが発生することがあります。
この場合は天候が回復するまで待つしかありません。
録画した映像にノイズが出るときの原因と対処法
原因①:レコーダー本体の不具合、故障
録画した映像にのみブロックノイズがみられるのであれば、DVD/BDレコーダーの故障を疑った方がよいでしょう。
これらの機器も家電量販店やメーカーに修理を依頼するか、買い替えを検討することになります。
原因②:レコーダー周辺の配線の不具合
レコーダー周りの配線に不具合がある場合も、録画した映像にノイズが発生する可能性があります。
ケーブルがレコーダーの正しい位置にきちんと接続されているか確認してみましょう。
ケーブルテレビ・光回線でテレビを視聴している場合
アンテナによる電波受信ではなく、ケーブルテレビ回線や光回線を使ってテレビを視聴している方も多いと思います。
自室のケーブルや機器に異常がみられなかった場合は、回線サービスを提供している各会社に問い合わせをしましょう。サービスの公式サイトや説明冊子に問い合わせ窓口の記載があるはずです。
回線に問題がある場合は自力での対処ができませんので、早めにサービス提供側に相談することをおすすめします。
【ちなみに】ブロックノイズ以外のノイズの種類
地上デジタル放送で発生するノイズはほとんどがブロックノイズですが、まれに異なるノイズ現象が発生することもあります。
ブロックノイズ以外のノイズの種類を紹介します。
その他のノイズの種類
「映像の乱れがみられるけど、これがブロックノイズなのか分からない」という方は、他に発生するノイズの特徴も踏まえて判断しましょう。
ブロックノイズ以外でデジタル放送に発生する可能性があるノイズは、次の3種類が挙げられます。
ノイズの種類 | ノイズの特徴 |
モスキートノイズ | 一時的に映像全体の画質が劣化してしまうもの。4K放送の視聴時に発生しやすい現象。 映像を高画質化する信号に対して、テレビ側の処理が追い付かないときに発生する。 多くの場合ノイズが出るのはごく短時間で、すぐに元の画質に戻る。 |
バーストノイズ | 画面の一部のみが止まってしまう現象。 受信電波の不足が原因で、長く続くことはなく自動的に回復する。 |
降雨対応放送 | 厳密にはノイズ現象ではない。 悪天候で電波が弱まったときに、あえて画質・音質を下げる放送。「E201」というエラーコードが出ることがある。 天候が回復したら通常の放送に切り替わる。 |
ちなみに、アナログ放送時代に発生していた「砂嵐」として知られるノイズは「スノーノイズ」といい、多数の白い点がランダムに現れることから、降雪にたとえてそのように呼ばれます。
テレビの「ブロックノイズ」の正式名称は「ベリノイズ」
ちなみに、正確にいうと「ブロックノイズ」はデジタル画像を強く圧縮した際にあらわれるブロック状の歪みのことです。
画像を圧縮するときは全体を正方形のブロックに区切り、各ブロックに情報を割り当てます。圧縮率が上がると情報量を大きく間引くため、隣のブロックとの連続性が保てずにこのような現象が起こるのです。
ブロック圧縮された映像情報が伝達の過程で破損して起こるノイズ現象は「ベリノイズ」または「ドロップノイズ」というものであり、テレビ放送において発生するノイズはこちらに該当します。
ただし一般的にはテレビの映像ノイズも「ブロックノイズ」と呼ばれていることが多いです。
ノイズが出て視聴できなかった番組を見るには?
ブロックノイズのせいで楽しみにしていた番組が十分に見られなかった、録画した番組にブロックノイズが入っていた・・・ということもあるかもしれません。
現在は各民放テレビ局の動画サイトや、テレビ局連携のポータルサイトが充実しており、見逃し配信を行っていることがあります。
地上波放送後に期間限定で無料配信がされていたり、過去の放送作品が公開されていたりとさまざまなコンテンツが楽しめます。
ノイズのせいで番組が見られなかった場合は、見逃し配信がされていないか一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
民放テレビ局公式ポータルサイト | TVer |
日本テレビ | 日テレ無料!(TADA) |
TBS | TBS FREE |
テレビ朝日 | テレ朝動画 |
テレビ東京 | ネットもテレ東 |
どうしても直らない場合は業者に相談しよう
可能性のある対処法を試してもブロックノイズが除去できない場合は、プロの業者に相談してみましょう。
原因の究明から、修理・交換など適切な対処の提案まで行ってくれます。危険の伴う高所での点検・修理・交換作業も、プロにお任せすれば安心です。
アンテナ業者を選ぶときのポイント
アンテナ工事業者は普段から頻繁に依頼をすることがないため、どうやって選べばよいのか分からないという方も多いかもしれません。
以下のポイントをおさえれば、安心して依頼できる業者を見つけられるでしょう。
- 見積もりや現地調査が無料
- 料金体系が明快
- 問い合わせや見積もり依頼に対する回答が丁寧
- 工事後の保証が手厚い
業者を選ぶ際は、複数の業者に見積もりを依頼して比較・検討することをおすすめします。
マンションやアパートの場合はまず管理会社に連絡を
マンションやアパートなどの集合住宅にお住まいの場合は、「共聴アンテナ」と呼ばれる建物共通のアンテナで電波を受信し、各戸に電波を送信しているパターンが多いです。
アンテナに不具合が生じている場合でも、勝手に修理を手配することはできません。
専有部分の機器に問題がみられない場合は、まず管理会社に連絡し、テレビにブロックノイズが発生しており、共有部分の設備不良が疑われることを相談してみましょう。
ミツモアでプロに見積もりを依頼しよう!
ミツモアで簡単な質問に答えて見積もり依頼
ミツモアなら、サイト上で簡単な質問に答えていただくだけで見積もり依頼が完了します。パソコンやスマートフォンからお手軽に行うことができます。
最大5件の見積もりが届く
見積もり依頼をすると、プロから最大5件の見積もりが届きます。その見積もりから条件にあったプロを探してみましょう。プロによって料金や条件など異なるので、比較できるのもメリットです。
チャットで見積もり内容の相談ができる
依頼内容に合うプロがみつかったら、依頼の詳細や見積もり内容などチャットで相談ができます。チャットなので自分のペースでやり取りを進めることができ、自分の要望もより伝えやすいでしょう。
ミツモアで見積もり依頼をしてみてはいかがでしょうか?