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テレビのパラボラアンテナとは?特徴や種類、設置に関する疑問を解決!

最終更新日: 2024年06月28日

テレビのBS/CS放送を受信するのに使われるパラボラアンテナ。名前は聞き慣れなくても、白いお椀の形をしたアンテナといえばすぐに外見が思い浮かぶかもしれません。

この記事では「地デジの受信にも使えるの?」「取り付けにかかる費用は?」といったパラボラアンテナに関するさまざまな疑問にお答えします。

BS/CS放送を受信するパラボラアンテナ!仕組みや特徴は?

パラボラアンテナ

パラボラアンテナはBS/CS放送の受信に使われる

「パラボラアンテナ」として一般的によく知られているのは、テレビのBS/CS放送(衛星放送)を受信するのに使われる家庭用のアンテナです。

白いお椀型をしたアンテナで、衛星放送の電波を含む短い周波数の電波を受信するのに使われます。「パラボラ」は「放物線」という意味を持ち、お椀型の部分が放物面を描いていることから名づけられました。

業務用のパラボラアンテナは、マイクロ波通信や電波望遠鏡などにも使われますが、一般家庭に設置されるものはほぼ全てテレビ用です。

衛星放送は宇宙から受信するので山や建物など障害物の影響を受けにくく、災害時にも強いのが特徴です。またBS/CS放送では、地上波放送とは異なる番組が放送されています。BSでは30チャンネル、CSではオプションによって80〜240ものチャンネルを視聴することが可能です。沢山の番組を楽しみたいという方は、パラボラアンテナの設置をおすすめします。

他にBS/CS放送を受信できるアンテナとして、テーブル上に置けるような小さな室内用のアンテナもあります。しかし受信性能はあまり良くないので、屋外に設置できる環境があるならパラボラアンテナがおすすめです。

パラボラアンテナの特徴!外見や向きに決まりがある?

パラボラアンテナ

衛星放送の電波受信に使われる家庭用のパラボラアンテナには、以下のような特徴があります。

  • 色が白い
  • お椀型
  • 直径は45〜60cmほど、重さは約2〜4kg
  • 向きは南西、角度は地域によって異なる

パラボラアンテナの色が白いのは、電波の送受信を妨害する太陽の熱の影響を受けにくい色だからです。例えばアンテナを黒色にしてしまうと、太陽の熱を多く吸収してしまい電波の送受信が正確にできなくなってしまいます。

また一般家庭で使われるパラボラアンテナの直径は、45〜60cmがほとんどです。お椀部分の直径が大きいほど受信感度は高くなります。しかし大きければ大きいほど設置や向きの調整が困難です。

パラボラアンテナは指向性も強く、南西の空にある衛星のほうを向いていないと受信できません。そのためアンテナの向きは、どこの家でもおおよそ南西です。ただし細かい向きや角度は地域によって異なります。

パラボラアンテナの仕組み

パラボラアンテナは、テレビを視聴するだけの十分なレベルの電波を受信できるよう、以下のような仕組みになっています。

  1. ディッシュで電波をキャッチして反射させる
  2. 一次放射器に電波を集める
  3. お椀の中心部分についたコンバータで電波の周波数を変換させる

衛星からの電波はアンテナに届くまでに弱まってしまいます。お椀型の部分で広く電波をキャッチして反射させ、お椀の中心部分についた金属棒に集中させることで、短い周波数の電波が弱まるのを防いでいるのです。

パラボラアンテナでは地デジ放送は受信できない!

パラボラアンテナ1つで地デジ放送もBS/CS放送も受信できたら楽だと思うかもしれませんね。残念ながら、パラボラアンテナは地デジ放送の電波を受信することはできません人工衛星からの電波のみを受信するつくりになっています。

地上波を受信するパラボラアンテナもありますが、一般家庭向けの製品はなく、事業用のみが存在しています。衛星の電波よりも波長の長い地デジ電波を受信するためには、お椀型の部分をかなり大きくしなければならないのが理由です。

地デジ放送を見たい場合は地デジ専用のアンテナを取り付けましょう。具体的には大きく分けて以下の3種類があり、どれもパラボラアンテナとは大きく異なる形をしています。

八木式アンテナ
デザインアンテナ
室内アンテナ

地デジアンテナについては以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:地デジアンテナ3種類の違いと選び方!おすすめの人気アンテナと設置方法も解説|ミツモア

パラボラアンテナの寿命は10~15年

パラボラアンテナの寿命は、地デジアンテナとあまり変わらず10〜15年程度といわれています。

ただし地デジアンテナと同様、屋外に設置されることで強風や大雨、落雷などのダメージを受けやすいです。そのため、設置される環境によって劣化するスピードは大きく左右されます。

潮風にさらされる海の近くや、雪が積もりやすい豪雪地帯だと、アンテナが錆びたり痛んだりしやすいため、一般的な寿命よりも早く交換が必要になるかもしれません。

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パラボラアンテナ設置にかかる費用相場

青空バックのパラボラアンテナ

パラボラアンテナは、屋根の上やベランダの柵、壁などに設置するのが一般的です。

「お金をなるべくかけず、自力で設置したい」という人もいるのではないでしょうか。しかしパラボラアンテナの自力での設置は高い技術を必要とし、なにより危険なのでおすすめしません。

パラボラアンテナの設置費用については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:テレビアンテナの設置費用はどれくらい?種類別の相場と業者の選び方|ミツモア

パラボラアンテナ設置の費用相場

自力では無理となると「業者に頼むとどのくらいの費用になるの?」というところが気になりますよね。

アンテナの設置費用は、以下の項目の合計で決まることが多いです。

  • アンテナの本体価格
  • 周辺機器
  • 取り付け工事費用

上記のほかに、出張費や現地調査費などがかかることもあります。

しかしアンテナの種類や取り付ける場所、配線の有無などによっても費用は大きく変わります。複数の業者から見積もりを取り、費用や作業内容・保証内容などを比較して納得のいく業者を選びましょう。

工事費用のみの相場はおおよそ以下の通りです。

種類 費用相場(工事料金のみ)
BS/CSアンテナ(2K) 12,000~20,000円
BS/CSアンテナ(4K8K) 15,000~25,000円

ブースターを設置すると費用は高くつく

テレビの映像や音声を安定させたい場合はブースターの設置がおすすめです。取り付ける場合、機器代と作業費で15,000〜30,000円ほど工事費用が上乗せされます。BSや4K8Kに対応しているブースターは高性能なものがほとんどなので、地デジ用のブースターを設置する場合よりも工事費が高くなります。

テレビブースターの仕組みや設置方法を知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

関連記事:テレビブースター(増幅器)とは?映りをよくする仕組みや必要性、選び方までまるっと解説

パラボラアンテナの設置は業者への依頼がおすすめ

アンテナ設置 業者

パラボラアンテナの設置は自力で行わず、業者へ依頼しましょう。自力での設置をおすすめしない理由は以下の4つです。

  • 少しのズレが映りに影響するため高い技術が必要
  • 屋根などの高所での作業は命の危険が伴う
  • 壁に穴を開けなければいけない場合がある
  • しっかり固定できていないと落ちる可能性がある

しっかりと電波の受信が行われるようにするには、パラボラアンテナの正確な向きと調整が欠かせません。1mmのズレでもテレビが映らなくなることもあります。専門技術がないまま自力で角度調整を行うのは難しいでしょう。

またパラボラアンテナは、45cmのもので約2kg、取付用の金具も3kg以上あります。それらを高所で扱わなければいけないため、自力での設置は危険大。

さらに複数台のテレビで衛星放送を視聴したい場合は、複雑な配線作業も行わなければなりません。分配器やケーブルを壁の中に通す作業を高所で行うのは、難しく危険です。リスクを取ってまで自分で取り付けるよりもプロに任せるほうがはるかに安全です。

パラボラアンテナの設置場所の注意点!室内や集合住宅の場合は?

チェックリスト

パラボラアンテナを設置する前には、以下の3点に注意しましょう。

  • 南西に遮るものがないか
  • 設置場所は適切か
  • ケーブルはつなぎやすいか

パラボラアンテナは南西にある人工衛星から電波の受信を行います。受信に支障が出ないよう、南西に障害物がないかどうか確認する必要があります。高い建物や樹木、山などがあると電波を遮る可能性があるので要注意。

設置場所がパラボラアンテナの重さに耐えられるかどうかもチェックしましょう。特にベランダや外壁に設置する際は、安定度が高い場所を選定することが肝心です。

またアンテナケーブルがつなぎやすいかどうかも重要な判断基準です。パラボラアンテナの設置後は、受信した電波をチューナーに届けるためにアンテナケーブルを繋がなければいけません。室内の引き込み口があれば問題ないですが、ない場合は新たにケーブル用の穴を開ける必要があります。

アンテナケーブルを分配器・分波器に接続する方法については、以下の記事を参考にしてみてください。

関連記事:分配器と分波器の違い!用途や役割を比較してどっちを使うべきか判断しよう!

パラボラアンテナは室内にも設置できる?

パラボラアンテナは一応室内に設置することも可能ですが、南西向きに窓があることが設置条件です。また壁や窓ガラス、カーテンなどの障害物で受信感度は低下するため、映りが安定しない可能性もあります。

アンテナスタンドを活用することで、室内にパラボラアンテナを設置することができます。スタンドの先端部分にアンテナのお椀部分を取り付けるだけの簡単作業ですが、ズレが生じると映りに支障が出るので慎重に行う必要があります。

詳しい設置の仕方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
関連記事:BSアンテナを室内に設置しても受信できる?電波感度やよく映る設置方法・必要なものを解説!|ミツモア

またBSアンテナには、「平面アンテナ」と呼ばれるお碗型になっていないアンテナもあります。

こちらはコンパクトなので、お出かけ先に持ち込んでBS放送を楽しむこともできます。ただし受信感度は通常のパラボラアンテナを屋外に置いた場合と比べて劣るため、メインでの使用は難しい可能性もあります。

マンションやアパートでもパラボラアンテナを設置できる?

マンションやアパートのベランダなどにパラボラアンテナを取り付けたい場合は、家主や管理会社に相談して許可をとる必要があります。ベランダは共用部分にあたるため、入居者が勝手に設備を追加することはできません。

共同受信用のアンテナがすでに設置されていることもあるので、まずは住んでいる物件の設備を確認してみましょう。

もしパラボラアンテナの設置許可が下りなかった場合は、以下のような方法でBS/CS放送を視聴することができます。

  • 室内用のBSアンテナを設置する
  • 光回線を契約する
  • ケーブルテレビ回線を契約する

ケーブルテレビ・光回線は、どちらも物件自体に回線が導入されていないと引込工事をして利用することができないので注意が必要です。

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パラボラアンテナは3種類ある!視聴できる番組の違い

パラボラアンテナ

衛星放送を見るためのパラボラアンテナは、以下の3種類があります。BS/CS放送のうちどんな番組をどの画質で見たいかによって、選ぶべきアンテナが変わってきます。

種類 見られる番組 費用相場
110°BS/CSアンテナ(2K) BS/CSの2K(フルハイビジョン)放送 5,000~10,000円
110°BS/CSアンテナ(4K8K) BS/CS放送の4K8K放送 5,000~12,000円
CSアンテナ CS放送(スカパー!)のみ 8,000~10,000円

①110°BS/CSアンテナ(2K)

110°BS/CSアンテナ(2K)は、2K(フルハイビジョン)放送を視聴できるアンテナです。アンテナ単体の価格相場は4,000〜10,000円が目安になります。

高画質にこだわらず、手持ちのテレビでBS/CS放送が見られれば問題ない」という方は、このアンテナがあればスペック的には十分です。ただし今後10年前後使用することを考えると、次に紹介する4K8K対応のアンテナのほうが良いかもしれません。

中にはCS放送に対応していない110°BSアンテナもあります。CS放送を見たい方はアンテナ購入時に製品の説明をよく読み、CS放送対応と記載されているかよく確認しましょう。

②110°BS/CSアンテナ(4K8K)

110°BS/CSアンテナ(4K8K)とは、従来の2K放送に加えて4K・8K放送に対応したアンテナのことです。最新型のパラボラアンテナはこちらのタイプが増えています。

アンテナ単体の価格相場は5,000円〜12,000円で、従来のBS/CSアンテナとほとんど変わりません。

4K/8Kの高画質な映像を楽しみたい」という方は、従来の2Kにしか対応していないアンテナではなくこちらを購入しましょう。またこのタイプであれば、4K8K専門チャンネルも視聴することができます。

BSのみ対応した従来のアンテナを4K8K対応アンテナに交換する場合は、設置工事にあたって国から助成金がもらえる可能性もあります。

関連記事:4Kアンテナは必要?いらない?既存のBSアンテナを変更すべきかどうかの判断方法!|ミツモア
参考:衛星放送用受信環境整備事業 中間周波数漏洩対策事業|総務省

③CSアンテナ

CSアンテナはCS放送、つまり「スカパー!」を見るためのアンテナです。番組視聴のためにはアンテナを取り付けるだけではなく、スカパー!との有料契約が必要です。

CSアンテナの価格相場は8,000〜10,000円ほどで、110°BS/CSアンテナとあまり変わりません。迷ったらBS・CS両方に対応するアンテナを選ぶと良いでしょう。

ただし主流の110°BS/CSアンテナを設置するには、NHKと衛星契約をして受信料(月額2,170円〜)を支払う必要があります。CS放送のみであればNHKの受信料は支払わなくても良いので、「地デジやBS放送を全く見ず、それらの受信設備もない」という方であれば、CSアンテナの設置がおすすめです。

またスカパー!の契約加入と合わせて、CSアンテナの設置工事が割引になるサポートもあります。

アンテナ取り付けはいくらでプロに依頼できる?

パラボラアンテナ以外にBS/CS放送を視聴する方法は?

テレビ

パラボラアンテナを設置する以外にもBS/CS放送を見る方法はあります。

ケーブルテレビ回線や光回線を契約

ケーブルテレビ・光テレビといった回線を通してテレビ放送の電波を受け取るサービスに加入すると、パラボラアンテナを設置しなくてもBS/CS放送を見ることもできます。

地デジ放送もまとめて契約できるので、家の屋根に一切アンテナを設置したくない、設置できないという場合は有力な選択肢です。

パラボラアンテナと比較したメリット・デメリットは?

パラボラアンテナとケーブルテレビ回線・光回線のメリット・デメリットを比較してみました。

自宅のある地域や物件の設備条件によって、どちらを選ぶべきかは異なります。それぞれの選択肢のメリット、デメリットを踏まえ、自分の家にはどの方法が適しているのか検討しましょう。

パラボラアンテナ

メリット

  • 設置後の維持費用が安い(有料チャンネルの契約料や劣化時の交換費用のみ)
  • アンテナの指向性が高く、受信時に余計なノイズが入りにくい
デメリット

  • 悪天候や自然災害の影響を受けやすい
  • ビルや木などの障害物の影響で受信しづらいことがある

ケーブル・光

メリット

  • 悪天候や自然災害の影響を受けにくい
  • 同じ回線でインターネットも利用できる(要契約)
  • ビルや木などの障害物に左右されない
デメリット

  • 契約料金を毎月支払う必要がある
  • 物件によっては回線が引けないことがある
  • ケーブルテレビ回線はインターネット速度が遅い・ノイズを拾いやすいという問題がある

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