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電子契約の法的効力とは?法制度とあわせて解説

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最終更新日: 2024年03月07日

「契約書は署名と押印が基本」と考えている人にとって、パソコンの中で交わされる電子契約は、効力があるのか不安に思うでしょう。電子契約は数々の法律によって、法的効力が裏付けられています。法律をチェックして、電子契約の有効性を確認しましょう。

電子契約は署名の有効性が認められれば法的効力がある

電子契約の法的効力は、電子署名の有効性が認められれば成立します。電子署名の有効性を考えるとき、重要になってくるのが、電子契約の種類です。

電子契約には2種類あり、契約を結ぶもの同士が電子署名を行う「当事者署名型」と、電子契約サービスを提供する事業者が、電子署名を行う「事業者署名型」があります。

当事者署名型の場合は、本人が署名をしているため、電子署名の有効性は高いといえるでしょう。一方の事業者署名型は、当事者に代わって事業者が署名を行うため、正当な契約となるのか、疑問視されていました。

疑問に対して総務省・法務省・経済産業省が出した「電子署名法に関するQ&A」では、「事業者署名型の電子契約も、本人が行ったものとして法的効力を認める」と見解が出されています。

正しい方法で手続きを踏めば、事業者署名型の電子契約でも、「電子署名を行ったのは契約者本人」とみなされ、法的効力が生まれるのです。

参考:利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A(電子署名法2条1項に関するQ&A) METI/経済産業省

紙の書類との違い

電子契約と書面契約の違いは、「何をもって契約に法的効力を付加するか」にあります。書面契約では契約書としての法的有効性を保つため、「契約者双方の名前」を手書きで記入し「押印」します。

電子契約で署名や押印の代わりになるのが、「電子署名」です。電子署名とはデジタル化された書面に付けられるサインで、契約が正式に交わされた事実を証明します。

また紙での契約の場合、改ざん防止のために割印や契印を押す場合もあるでしょう。電子契約では割印や契印に代わり、「タイムスタンプ」を使って、契約の正当性を担保します。タイムスタンプとは契約が交わされて以降、改ざんが行われていないことを証明する技術です。

関連記事:タイムスタンプとは?電子契約や電子保存に欠かせない仕組みをわかりやすく解説
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電子契約の法的効力を証明する法制度

電子契約には契約の法的効力を、確かなものにする法律があります。法律に準拠する形で交わされた電子契約は、書面契約と同等の法的効力を持ちます。

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法とは帳簿や領収書などの書類や、電子取引に関する書類の保存を規定している法律です。一定の要件を満たした書類を電子データで保存することを認めています。電子契約を行う際には、電子帳簿保存法に則った方法で契約書を保存する必要があります。

2022年1月に行われた改正では、電子取引における電子データの保存義務が、盛り込まれました。従来の電子帳簿保存法では、データで受け取った書類をプリントアウトして保管することが、認められていましたが、今回の改正により「2024年以降にデータで受け取った書類は、データで保存する」ように義務付けられています。

参考:電子帳簿保存法の概要|国税庁
参考:令和3年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しについて

電子署名法

電子署名法とは電子署名の法的効力を、規定している法律です。正式名称を「電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律102号)」といいます。

電子署名とは書面契約における、押印に該当するものです。契約を本人が行ったことや、契約書に改ざんがないことを証明する役割を持っています。電子契約書に電子署名が付与されていれば、契約が契約者双方の合意のもと、行われたことになります。

電子署名が有効と認められるためには、第三者による「認証業務」または本人による「特定認証業務」が必要です。

  • 認証業務:第三者機関が身分証による「身元確認」やID・パスワードによる「当人認証」などによって、電子署名が本人によるものだと証明する
  • 特定認証業務:本人が印鑑証明書のような役割を持つ「電子証明書」や割印や契印の役割を持つ「タイムスタンプ」によって、電子署名が有効と証明する
参考:法務省:電子署名法の概要について

IT書面一括法

IT署名一括法とは正式名称を、「書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律」といい、金融庁・総務省・財務省などの各省庁が、個別に定める法令をまとめたものです。

事業者に対して書面の交付や、手続きを義務付ける法律で、一定の要件を満たせば電子メールや電子ファイルの、アップロードなどでの文書交付や提出を認めています。

経済が次々とデジタル化を果たす中で、書面での契約が義務付けられている取引の存在は、スムーズな商取引を妨げていました。IT書面一括法の制定により、さまざまな形での取引が可能になり、円滑な商取引を後押ししています。

参考:民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律 | e-Gov法令検索

e-文書法

e-文書法とは「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」と「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」からなる法律です。

もともと電子データとして作成された文書に加え、書面によって管理・保管されてきた契約書や請求書などの文書を、電子データとして保管することを認めています。

電子帳簿保存法との違いは、「電子化を認められている文書の種類」にあります。電子帳簿保存法で電子化が認められている書類は「国税関係の文書」に限られますが、e-文書法では「商法に関する文書」もデジタル化が可能です。

なお、2021年以降、電子帳簿保存法とe-文書法のいずれも、電子化の際に税務署長からの承認を受ける必要は、なくなっています。

参考:厚生労働省:民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う省令の整備について

印紙税法

印紙税法とは契約書や領収書に課される、印紙税に関する法律です。印紙税法では課税対象を、下記に当てはまる文書に限定しています。

(1) 印紙税法別表第1(課税物件表)に掲げられている20種類の文書により証されるべき事項(課税事項)が記載されていること。

(2) 当事者の間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること。

(3) 印紙税法第5条(非課税文書)の規定により印紙税を課税しないこととされている非課税文書でないこと。
出典:No.7100 課税文書に該当するかどうかの判断

紙の契約書なら印紙税がかかる契約書でも、デジタルデータとして送付し契約を結んだ場合は、課税文書の作成には当たらないため、印紙税の課税対象にはなりません。

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電子契約を結ぶ際の注意点

電子契約を結ぼうとするときに、注意したいポイントを解説します。注意点をあらかじめ知っておけば、いざというときでも、焦らず対応できるでしょう。

書面契約が義務付けられている契約がある

電子契約システムを導入したからといって、すべての契約書をデジタル化できるわけではありません。「法律によって書面での契約が義務付けられている」場合には、電子契約は不可能です。

書面でのやり取りが求められる文書には、宅地建物の売買や交換、賃貸借契約の際の契約書や、事業用の定期借地契約などがあります。契約内容が長期かつ、高額になる契約に関しては、書面での契約が義務付けられている傾向です。

電子契約が一般的ではない契約を、デジタル化したい場合には、その契約が電子契約可能であるか、監督省庁や弁護士に確認するとよいでしょう。

相手に拒否されれば電子契約を結べない

電子契約を行うには、契約相手から同意を得なくてはなりません。「書面による契約に慣れているから」や、「電子契約の導入にコストがかかるから」などの理由により、電子契約に難色を示す企業もあります。

また契約者双方で電子署名を付与する必要がある、当事者署名型の電子契約の場合、契約相手にも、同じ電子契約サービスを利用してもらうことが前提です。相手の会社の規模によっては、承認までに時間がかかるなど、電子契約締結へのハードルが高くなることがあります。

なお相手側に電子契約を拒まれた場合には、書面による契約書と電子契約書をそれぞれ1通ずつ締結したり、書面による契約書を原本として、コピーをデジタル化して保存したりするなどの対応が求められます。

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法律に準拠したシステムで電子契約を有効に

電子契約は関連する法律により、法的効力が認められている立派な契約です。各法律に準拠した形で契約を結べば、書面による契約と同等の法的効力を持ちます。

電子契約を導入するときには、電子契約システムを利用するのがおすすめです。法律に準拠したシステムを使えば、契約書として立派に機能する電子契約が結べます。電子契約システムを賢く利用して、抜かりのない電子契約を締結しましょう。

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