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タイムスタンプとは?その仕組みや改正電子帳簿保存法の影響を解説

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最終更新日: 2024年10月02日

タイムスタンプは、PCで作成された契約書(電子データ)の存在時刻を証明する重要な技術です。電子帳簿保存法の改正により、その役割がさらに注目されています。

本記事では、タイムスタンプの基本概念から電子帳簿保存法における位置づけ、仕組み、利用方法までわかりやすく解説します。

タイムスタンプとは

パソコン間の電子データ移動

タイムスタンプとは、電子文書が改ざんされていない原本であることを証明する技術です。タイムスタンプは、第三者機関である時刻認証局(Time-Stamping Authority: TSA)が存在時刻を証明し改ざんを防止します。

従来、重要な電子文書の信頼性を確保するために使用されていたタイムスタンプですが、最近では電子帳簿保存法の改正によって、役割がますます重要になっています。企業はスキャナで取り込んだ電子データについてもタイムスタンプを付与することで、信頼性を担保し、物理的な保管スペースの節約や管理の効率化を図ることが可能です。

また、税務分野や法人設立手続きにおいてもタイムスタンプの利用が拡大しています。たとえば、マイナポータルを介して新設法人が電子情報処理組織(e-Tax)を利用して法人設立届出書を提出する際、タイムスタンプによって電子署名や電子証明書が不要となり、手続きを簡素化・迅速化できます。

タイムスタンプを利用することで、電子データの改ざん防止や信頼性の確保が可能となり、デジタル社会における重要な技術としてその役割はますます広がりつつあります。

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電子帳簿保存法によるタイムスタンプの役割の変化

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2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法では、タイムスタンプの役割が大きく変化しました。電子データの保存にタイムスタンプの付与が義務化され、受領から2カ月以内、もしくは課税期間の確定申告書の提出期限までに付与する必要があります。

タイムスタンプの付与時期が明確化され、受領から2カ月以内に付与した場合、契約書の原本の出力・保存が不要になり、ペーパーレス化と業務効率化が促進されます。

電子データは法定保存期間(7年間)以上の長期保存が必要であることから、長期保存に対応したタイムスタンプの利用が求められています。改正電子帳簿保存法では、タイムスタンプが電子データの改ざん防止と真正性保証に不可欠なものとして位置づけられ、企業は適切な運用をおこなう必要があります。

参照:電子帳簿保存法が改正されました|国税庁

タイムスタンプ認定事業者と認定制度

タイムスタンプ

タイムスタンプの利用拡大と海外とのデータ流通促進のため、総務大臣による時刻認証業務の認定制度が設けられています。2022年4月に改正された電子署名法では、タイムスタンプ認定制度が強化され、認定基準の見直しや認定事業者に対する監督措置の強化などがおこなわれました。

改正によりタイムスタンプサービスの信頼性と安全性がさらに向上しました。認定事業者は、厳格な審査を経て選定され、定期的な監査を受けることで、サービスの品質と信頼性を維持しています。

認定事業者のタイムスタンプは国内外のさまざまな場面で利用可能であり、電子文書の真正性を証明する上で重要な役割を果たしているといえるでしょう。

国による認定制度(総務省告示)の概要

国による時刻認証業務の認定制度は、電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)第17条にもとづき、総務省告示「時刻認証業務の認定に関する規程」によって定められています。

時刻認証業務を提供する事業者が、一定の基準を満たすことを総務大臣が認定します。認定基準には、時刻配信の正確性、セキュリティ対策、設備の冗長性などが含まれ、認定を受けた事業者は、信頼できるタイムスタンプサービスの提供が可能です。

参照:
タイムスタンプの国による認定制度|総務省
認定タイムスタンプを利用する事業者に関する登録制度 | 日本データ通信協会

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タイムスタンプの仕組み

タイムスタンプ

タイムスタンプは、以下の手順で発行されます。

まず電子データのハッシュ値(データの要約)を計算し、時刻認証局に送信します(①要求)。時刻認証局(TSA)は受信したハッシュ値に現在時刻を結合し、署名をおこないます。署名はタイムスタンプトークンが発行され、電子データに付与されます(②発行)。

タイムスタンプを検証する際は電子データのハッシュ値を再計算し、タイムスタンプトークンに含まれるハッシュ値と比較することで文書が改ざんされていないことの確認が可能です(③検証)。

これにより電子データの存在時刻と内容の完全性が証明されます。

関連記事:ハッシュ値とは?ハッシュ関数との関係性や活用例をわかりやすく解説|ミツモア

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タイムスタンプを取得する方法

まずタイムスタンプを付与したい電子データ(書類や契約書)を作成します。そのデータをPDFや画像データに変換します。

タイムスタンプの取得方法は主に2つあります。1つは電子契約システムを利用する方法です。変換した書類をシステムにアップロードすると、自動的にタイムスタンプが付与されます。

もう1つは自社のシステムにタイムスタンプ機能を組み込む方法です。電子データのハッシュ値を計算し、タイムスタンプ局にリクエストを送信します。

タイムスタンプ局は、ハッシュ値と現在時刻を組み合わせ、デジタル署名をおこない、タイムスタンプトークンを返送します。電子データに付与することで、タイムスタンプが取得可能です。

関連記事:【2024年最新】電子契約システム比較35選!おすすめ製品の選び方や特徴を解説|ミツモア

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電子帳簿保存法改正に伴うタイムスタンプの重要性とソフトウェアの活用

電子帳簿保存法の改正により、タイムスタンプの重要性がさらに増しています。とくに、電子文書の改ざん防止と信頼性の確保が求められる中、タイムスタンプの活用は不可欠です。この改正を受け、電子契約システム以外にもタイムスタンプ機能を搭載したソフトウェアの利用が広がっています。

たとえば会計ソフトの弥生シリーズや勘定奉行、クラウド会計のFreeeなどが該当します。また、ドキュメント管理システムのDocuWorksやAdobe Acrobatもタイムスタンプを活用し、電子帳簿保存法に対応しています。これにより、企業のデータ管理が一層効率化されています。

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