「電子署名と電子サイン、電子印鑑の違いがわからず、無料ツールで作った署名が法的に有効なのか不安」
「今すぐ無料で電子署名したいが、クラウドサービスとAdobe、Officeのどれを使えばよいかわからない」
「立会人型と当事者型のどちらが自社に必要なのか判断できない」
電子署名には法的効力の裏づけが異なる立会人型と当事者型の2方式があり、電子契約システムの無料プランで使える立会人型なら電子証明書なしで利用できます。この記事では、無料で電子署名ができる電子契約システム4製品を比較し、署名方式ごとの選び方のポイントを解説します。
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電子署名や電子サイン、電子印鑑、タイムスタンプの違いと法的有効性
電子署名、電子サイン、電子印鑑、タイムスタンプは、どれも紙の押印を置き換える手段として語られますが、法的な意味はまったく異なります。無料のツールを探すときにここを混同すると、証拠として使えない手段を選んでしまうおそれがあります。
| 用語 | 仕組み | 担保できること |
| 電子署名 | 暗号技術を用いて署名の措置を文書に施す | 本人性と非改ざん性 |
| 電子サイン | 手書きの署名を画像化して文書に貼り付ける | 合意した見た目の記録 |
| 電子印鑑 | 印影の画像をPDFに貼り付ける | 押印した見た目の記録 |
| タイムスタンプ | 第三者機関がその時刻の文書の存在を証明する | 存在時刻と、その後の非改ざん性 |
電子署名は暗号技術を使い、誰が署名したのかと、署名後に文書が書き換えられていないかの2点を技術的に確認できる措置です。電子サインと電子印鑑は署名や印影を画像として貼り付けたもので、見た目は整いますが、貼り付けた人が誰かを技術的に示す仕組みはありません。タイムスタンプは電子署名と組みあわせて使い、署名した時点で文書が存在していたことを証明します。
無料で電子署名をしたいときに探すべきなのは、画像を貼る機能ではなく、暗号技術による措置に対応したツールです。
電子署名法が認める法的効力と本人性・非改ざん性の要件
無料のツールで作った署名でも法的に有効なのか。ここがいちばん引っかかる点ではないでしょうか。
電子署名法第2条1項は、電子署名を、その情報が措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであり、かつその情報について改変が行われていないかどうかを確認することができる措置と定義しています。本人性と非改ざん性の2つを満たしていれば、有料か無料かにかかわらず電子署名にあたります。無料であること自体が法的効力を弱めるわけではありません。
そのうえで電子署名法第3条は、本人による電子署名が行われた電磁的記録は真正に成立したものと推定すると定めています。これが推定効で、紙の契約書に押印した場合と同等に扱われる強い効力です。
ただし第3条がかっこ書きで対象としているのは、これを行うために必要な符号および物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなる電子署名です。本人名義の電子証明書を使う当事者型がここに該当します。立会人型の扱いは次の項で整理します。
無料で使える電子署名の3つの手段と使い分け
立会人型のクラウド型電子契約システムの無料プランで送信する
無料で電子署名を始める手段として、まず検討したいのがクラウド型の電子契約システムの無料プランです。立会人型を採用しているため、送る側も受け取る側も電子証明書を用意する必要がなく、費用をかけずに署名の依頼から締結までを完結できます。
相手方はメールで届いたリンクを開いて署名するだけで、製品によってはアカウント登録も不要です。受け取った契約書に署名して返すだけであれば受信者に費用はかからないため、取引先に負担をかけずに電子化を始められます。締結した文書には認定タイムスタンプが付与される製品が多く、いつの時点の文書かを後から証明できます。
無料プランで当事者型まで使えるかどうかは製品によって分かれます。この違いが、そのまま製品選びの第1の軸になります。どの製品がどの方式に対応しているかは、選び方と比較表で整理します。
Adobe Acrobat Reader で無料で自己署名する
Adobe Acrobat Readerには、PDFに署名を入力する機能が無料で備わっています。ただしここで作れるのは、第三者機関を介さずに自分で用意した証明書を使う自己署名か、手書き風の署名画像の貼り付けです。署名した人が本人であることを外部から検証する仕組みがないため、法的な証拠力は限定的だと考えてください。
社内の回覧文書や、相手方との間で証拠力が問題にならない書類であれば十分に役立ちます。一方で、業務委託契約や秘密保持契約のように後から争いになりうる文書では、立会人型に対応したクラウド型の電子契約システムの無料プランを使うほうが安全です。まずは無料プランで契約書を1通送ってみると、自社の運用に合うかを判断しやすくなります。
Microsoft Office や Google ドキュメントの機能で署名する
Microsoft WordやExcelにはデジタル署名を追加する機能があり、Google ドキュメントでも描画機能で署名画像を挿入できます。すでに使っているツールだけで完結するため、追加の申し込みなしにすぐ試せる点が利点です。
ただしWordやExcelのデジタル署名は、認証局が発行した電子証明書を用意しなければ本人性を証明できず、自己署名では警告が表示されます。Google ドキュメントの署名画像は電子サインにあたり、暗号技術による本人性の担保はありません。正式な契約書を締結する用途では、立会人型に対応したクラウド型の電子契約システムを選ぶのが確実です。
無料で電子署名ができる電子契約システムの選び方

対応している署名方式で選ぶ
無料で使える電子契約システムを比べるとき、真っ先に確認したいのが対応している署名方式です。ここを外すと、締結したい契約書に必要な証拠力が確保できません。
立会人型だけに対応している製品と、立会人型と当事者型の両方に対応している製品があります。両対応の製品でも、無料プランの範囲では立会人型に限定されている場合があるため、有料プランの機能表ではなく無料プランの条件を見る必要があります。
取引先から実印相当の署名を求められる可能性があるなら、両対応の製品を選んでおくと切り替えの際に乗り換えずに済みます。
本記事で取り上げる4製品では、電子印鑑GMOサインとWAN-Signが立会人型と当事者型の両方に対応し、クラウドサインとfreeeサインは立会人型に対応しています。無料プランで当事者型まで使えるかどうかにも差があるため、各製品の解説であわせて確認してください。
無料プランで使える方式の範囲は、電子印鑑GMOサインとWAN-Signの解説で確かめられます。
電子署名法第3条の推定効に対応できるかで選ぶ
締結した契約書が裁判で争われたときにどこまで通用するか。稟議を通すうえで説明を求められるのがこの点ではないでしょうか。
電子署名法第3条の推定効は、本人だけが行うことができる電子署名を対象としており、本人名義の電子証明書を使う当事者型が該当します。立会人型は、二要素認証などによって固有性の水準が確保されていれば第3条が適用されうるという整理であり、方式そのものに推定効が備わっているわけではありません。
判断は契約書の性質で分けるのが現実的です。業務委託契約や秘密保持契約のように反復して締結する書類は立会人型で運用し、金額が大きい取引や長期の契約、相手方が当事者型を指定してきた契約に限って当事者型を使う。この線引きなら、無料プランを軸にしながら必要な場面だけ費用をかけられます。二要素認証に対応しているかどうかも、立会人型の製品を選ぶ際の確認事項です。
WAN-Signと電子印鑑GMOサインなら当事者型でも推定効の適用を見込めますが、無料プランでの利用条件は製品ごとに異なります。
電子証明書の要否と費用で選ぶ
当事者型を使う場合は、署名者本人の電子証明書が必要です。証明書の交付を受けるか、マイナンバーカードに搭載された署名用電子証明書を使う方法があり、認証局の証明書は署名者1人あたり年単位の費用が発生します。署名する担当者が複数いる部署では、人数分の費用を見込んでおく必要があります。
立会人型であれば電子証明書は不要です。追加料金なしで運用できるのは、この方式を選んだ場合に限られます。
注意したいのは、無料プランを提供している製品でも、当事者型を使う段階で電子証明書の費用が別に発生する点です。無料と表示されている範囲がどこまでかを、署名方式とセットで確認してください。
無料でできる範囲と対応文書形式で選ぶ
無料プランには機能の制限があります。確認しておきたいのは、署名できる文書形式、テンプレート機能の範囲、タイムスタンプの付与可否の3点です。
対応形式はPDFのみという製品が多く、Wordのまま送信できる製品は限られます。契約書をWordで管理している場合は、PDFに変換する手間が毎回発生するかどうかで運用の負担が変わります。テンプレート機能は、同じ書式の契約書を繰り返し送るときに効いてきます。
無料プランでも登録できる件数に上限が設けられている製品があるため、扱う契約書の種類の数と照らしあわせてください。
タイムスタンプは無料プランでも付与される製品が増えています。ただし長期保管に向けた延長タイムスタンプは有料プランに限る製品もあります。
無料でできる範囲の差は、対応する文書形式に幅がある電子印鑑GMOサインと、テンプレートの登録に条件があるfreeeサインを比べるとわかります。
無料で電子署名ができるおすすめ電子契約システム4選
無料で電子署名ができる電子契約システムを4製品紹介します。立会人型と当事者型の両方に対応する製品を先に、立会人型に対応する製品を後に配置しています。4製品はいずれも期間の区切りがない無料プランを提供しています。
| 製品名 | 提供会社 | 署名方式 | 無料プランの有無 | 電子証明書の要否 | タイムスタンプ対応 |
| 電子印鑑GMOサイン | GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社 | 両対応 | ○ | 当事者型は必要、立会人型は不要 | ○ |
| WAN-Sign | 株式会社NXワンビシアーカイブズ | 両対応 | ○ | 当事者型は必要、立会人型は不要 | ○ |
| クラウドサイン | 弁護士ドットコム株式会社 | 立会人型 | ○ | 不要 | ○ |
| freeeサイン | freee株式会社 | 立会人型 | ○ | 不要 | ○ |
電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)
電子印鑑GMOサインは、無料プランのまま立会人型にあたる契約印タイプを使え、必要に応じて当事者型の実印タイプへ切り替えられる電子契約システムです。1つの製品の中で署名方式を使い分けられるため、日常的な契約は立会人型、相手方から実印相当を求められた契約は当事者型と、契約書の重要度に応じて切り替えられます。
無料プランはお試しフリープランとして提供されており、期間の区切りなく使い続けられます。無料プランで使える署名方式は立会人型に限られ、当事者型は有料プランでの提供です。対応する文書形式はPDFやWordなどで、認定タイムスタンプは無料プランでも付与されます。ただし10年を超える保管に向けた延長タイムスタンプは有料プランの機能です。
従業員数十名規模で、総務や法務が業務委託契約と秘密保持契約を回しながら、一部の取引で実印相当の署名を求められる企業に向いています。まず無料プランの立会人型で運用を固め、当事者型が必要になった時点で有料プランへ切り替えれば、製品を乗り換えずに済みます。
WAN-Sign(株式会社NXワンビシアーカイブズ)
WAN-Signは、認印版と実印版の2方式を備えた電子契約システムです。認印版が立会人型、実印版が当事者型にあたり、契約書ごとに選べるため、日常的な取引は認印版、相手方が実印相当を求めてくる契約は実印版と、書類の性質で使い分けられます。
無料プランは期間の区切りがなく、その範囲で認印版と実印版の両方式を使えます。立会人型だけでなく当事者型も無料プランの範囲に入っている点は、他の3製品とは異なる特徴です。ただし実印版で使う電子証明書は、署名者1人あたり年単位の費用が別に発生します。対応する文書形式はPDFで、締結した文書には認定タイムスタンプが付与されます。
費用をかけずに当事者型の運用まで確かめたい企業に向いています。従業員数十名規模の総務や法務が、業務委託契約や秘密保持契約は認印版で回し、金額の大きい取引だけ実印版に切り替えるといった使い分けを、無料プランのうちに社内で固められます。両方式の運用実績をもとに稟議を上げたい場合に適した製品です。
クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)
クラウドサインは、事業者署名型とも呼ばれる立会人型の電子契約システムで、送信者がメールで署名を依頼すると相手方はリンクを開いて同意するだけで締結できます。当事者型には対応していません。
無料プランはフリープランとして提供されており、期間の区切りなく使い続けられます。対応する文書形式はPDFで、認定タイムスタンプは有料プランと同じく全プランで標準付与されます。無料だからタイムスタンプが付かないという制限がない点は、証拠力を重んじる場面で効いてきます。一方で当事者型そのものに対応していないため、実印相当の署名を求められたときは別の手段を用意する必要があります。
立会人型に絞って運用を始めたい企業に向いています。従業員数十名規模の総務や法務が、業務委託契約や秘密保持契約を電子化する用途であれば、無料プランのまま実務に乗せられます。取引先が電子契約に慣れていない場合でも、受け取る側の操作が簡単で説明の手間が少ない点が選ばれる理由になります。
freeeサイン(freee株式会社)
freeeサインは、月1通までの送信に対応する立会人型の電子契約システムです。メールで署名を依頼し、相手方がリンクから同意する流れで締結が完了します。当事者型には対応していないため、契約書ごとに方式を切り替える使い方はできません。
無料プランは期間の区切りなく使えますが、送信できる契約書は月1通まで、登録できるPDFテンプレートは3つまでという制限があります。対応する文書形式はPDFで、タイムスタンプは無料プランでも付与されます。無料で使える範囲は、実務を丸ごと置き換えるというよりも、電子契約の流れを実際の契約書で確かめる用途に向いていると考えてください。
まず少数の契約書で試してから導入を判断したい企業に向いています。総務や法務が、操作感と取引先の反応を確かめて稟議の材料をそろえる段階に適しています。テンプレートを3つまで登録できるため、業務委託契約や秘密保持契約など、定型の書式で運用を試せます。無料の範囲で判断材料を集め、必要になった段階で有料プランに移るという使い方ができます。
ぴったりの電子契約システム選びはミツモアで

電子契約システムは製品によって特徴や機能もさまざま。「どの製品を選べばいいかわからない・・・」といった方も多いのではないでしょうか。
そんなときはミツモアにおまかせ。最短1分の自動診断で、ぴったりの電子契約システムが見つかります。
ぴったりの電子契約システムを最短1分で無料診断
従業員数や欲しい機能などの項目を画面上で選択するだけで、最適な電子契約システムを最短1分で自動診断。もちろん費用はかかりません。
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