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築30年の一戸建ての売却相場は?高値で売るコツや注意点も解説

最終更新日: 2024年06月28日

一戸建ての住宅を建ててから30年、ライフスタイルの変化などを理由に売却したいけど、売れるかどうか心配ですよね。実は築年数が30年経ったとしても、土地や建物の状態によっては、比較的高い価格で売却できる可能性があります。

今回は築30年の一戸建ての売却相場について、高値で売るコツや注意点を含めて解説します。

監修者

髙杉義征

髙杉義征(セカイエ株式会社元執行役員/宅地建物取引士)

株式会社日京ホールディングスの元取締役、セカイエ株式会社の元執行役員を経て、現在は株式会社ミツモアの事業部長として全体を統括。一貫して不動産業界に携わり、不動産仲介会社、不動産管理会社、不動産テック企業での経験を有する。不動産売却希望者と不動産会社をマッチングするサービスでは、執行役員として事業立ち上げからグロースまでを担当。また、不動産関連のセミナーやライブ配信にも登壇している。

築30年の一戸建ての売却相場

物件の資産価値によって異なりますが、築30年の一戸建ての売却相場は3,000万円程度といわれています。不動産流通機構が運営する「REINS」が公表した「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」のデータによると、中古の戸建住宅に関する成約物件の状況は以下のとおりです。

築年数 価格 土地面積 建物面積
0~5年 4,821万円 119.58㎡ 97.05㎡
6~10年 4,653万円 121.47㎡ 99.10㎡
11~15年 4,436万円 133.71㎡ 103.50㎡
16~20年 4,024万円 139.07㎡ 105.24㎡
21~25年 3,955万円 138.76㎡ 111.81㎡
26~30年 3,333万円 157.91㎡ 116.35㎡
31年~ 2,345万円 170.47㎡ 101.14㎡

出典:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)|レインズ

築年数が20年までの場合、4,000~4,800万円と高値で売却していますが、21年を経過すると下がっていきます。26〜30年を経過すると約3,300万円、31年を経過すると2,300万円と一気に値下がりしていることがわかり、できる限り早めに売却活動を始めたほうがよいことがわかります。

築30年の一戸建てを売却する方法4選

築30年の一戸建てを売却するとき、不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。一戸建ての売却先を見つけるための宣伝活動や売買契約書の作成などを依頼できる一方で、仲介手数料がかかる点に注意が必要です。

そんな築30年の一戸建てを売却する方法は、主に4つあります。

一戸建ての売却方法 メリット デメリット
古家付き土地として売却する 解体にかかる費用や時間をかけずに売却できる 更地にして売却するよりも買い手が見つかりにくい
一戸建てを解体して土地だけを売却する 買い手が見つかりやすくなる 売主が一戸建ての解体にかかる費用を負担しないといけない
不動産会社に売却する 短期間で売却できる可能性がある 仲介よりも7~8割ほど売却価格が下がる
空き家バンクを利用して売却する
  • 無料で一戸建ての情報を掲載できる
  • 仲介よりも買いたい人が見つかりやすくなる
サービスを実施していない自治体がある

1.古家付き土地として売却する

不動産を購入したい人の中には、建物だけでなく土地を探している人がいます。そんな人をターゲットに土地をメインとした古家付き土地」として買い手を募るといいでしょう。解体にかかる手間と費用がかからずに済むほか、比較的に状態が良ければ売却できる可能性があります。

ただし、土地だけで売却するよりも買い手が見つかりにくい場合があります。見つからないときは、一戸建てを解体する選択肢も考えておきましょう。

2.一戸建てを解体して土地だけを売却する

人が住めないほど劣化や損傷が激しいときは、建物を解体して土地だけで売却するのも方法のひとつです。築30年の一戸建ては築浅の物件と比べて、価値が低いことから買い手を見つけるのが難しくなります。土地だけにすることで、「新たに家を建てたい」という買い手が見つかりやすくなるため、売却の可能性が高くなります。

ただし、一戸建ての解体には時間と費用がかかる点に注意が必要です。あくまでも目安ですが、建物の構造次第では1坪につき3万円〜8万円ほどかかるケースがあります。土地だけで売却するか自分で判断せず、不動産会社に相談してから決めましょう。

3.不動産会社に売却する

仲介ではなく、不動産会社に直接売却する方法もあります。不動産会社が一戸建てを買い取ってもらうことで、売主はリフォームやリノベーションを行わなくても短期間で売却できるほか、仲介手数料もかかりません。

ただし不動産会社に直接売却する場合、売却価格は相場の7割〜8割となります。

4.空き家バンクを利用して売却する

地方自治体が運営する空き家の仲介サービス「空き家バンク」を利用して売却するのも選択肢のひとつです。登録すると、自分が売りたい一戸建ての情報を無料で掲載できるほか、買主に対して自治体から助成金を出してもらえるため、仲介よりも買い手が見つかりやすくなります。

ただし、すべての地方自治体で用意されているわけではありません。利用するときは、国土交通省の公式サイト「全国地方公共団体空き家・空き地情報サイトリンク集」を参考に、一戸建てのあるエリアで利用できるのかを確認しましょう。

築30年の一戸建てを確実に売却するためのポイント6選

築30年の一戸建ては、築浅と比較して確実に売却できる保証はありません。より確実に売却できる可能性を上げるためには、以下6つのポイントを押さえる必要があります。

  1. 売却前に相場を確認しておく
  2. ホームインスペクションを実施する
  3. リフォーム・リノベーションしないで売却する
  4. 水回りの劣化は修繕する
  5. 家財は残さずに売却する
  6. 一戸建ての売買実績が豊富な不動産会社に依頼する

1.売却前に相場を確認しておく

自分が所有する一戸建てがどれくらいの価格で売却できるか、不動産会社に査定を依頼する前に相場を確認しておきましょう査定の基準は不動産会社によって異なっており、全く同じ金額を提示されるわけではありません。相場は下記2つのサービスで調べられます。

レインズマーケットインフォメーション」は、過去に売買された一戸建ての価格や面積、築年数などの情報が掲載されているサービスです。これらの情報をもとに売りたい一戸建ての売却価格を算出できます。

一方で「不動産情報ライブラリ」は国土交通省が運営する不動産情報のサービスです。売却したい一戸建てのあるエリアについての不動産取引価格や、地価公示に基づく地価などの情報が把握できます。

2.ホームインスペクションを実施する

一戸建てを売却する前に建物の状態や改善点などを確認する「ホームインスペクション(住宅診断)」を受けましょう。国による調査基準に基づいて、住宅診断士が劣化状況や不具合の有無などを診断してもらえます。

インスペクションを実施したことで買い手も安心して購入の検討ができる一方で、調査が終わるまで約2週間かかるほか、費用も5万円~7万円かかります。時間と費用に余裕があれば、ホームインスペクションの実施も検討しましょう。

3.リフォーム・リノベーションしないで売却する

築30年の一戸建ては、耐震基準の問題はほとんどありません。建物の見栄えがあまり良くないからといって、むやみにリフォームやリノベーションをしないほうがいいでしょう。

自らリフォームやリノベーションをしたい買い手が多く、できるだけ安価で物件を購入したいと考えています。売主がリフォーム、またはリノベーションをすると、購入価格が上がり、買いづらくなるので注意が必要です。

4.水回りの劣化は修繕する

安易なリフォームやリノベーションをやらないほうがいい一方で、水回りの修繕を行うと売却しやすくなる場合があります築30年を超えると、台所やトイレ、浴室などの水回りで細かな傷や劣化が発生しやすくなります。内覧時に見られてしまうと購入しづらくなってしまうので、水回りをきれいにしておきましょう。

5.家財は残さずに売却する

家具や家電などの家財は、事前に撤去したうえで売却しましょう。残ったままだと、不動産会社に仲介や買取を依頼できない可能性があります。加えて建物の解体時に家財を残しておくと、処分ができないため解体工事そのものを断るケースもあるので、注意が必要です。

6.一戸建ての売買実績が豊富な不動産会社に依頼する

数多くある不動産会社の中でも一戸建ての売買実績が豊富な不動産会社に依頼することも大切です。売却実績や知名度だけでなく、得意分野も異なってきます。築30年の一戸建てを売却したいときは、会社のホームページだけでなく、不動産一括査定のサイトの情報も参考にしましょう。

築30年の一戸建てを売却する際の注意点

築30年の一戸建てを売却するにあたって注意すべき点は、下記4つです。

  1. 契約不適合責任の内容を確認したうえで売却する
  2. 土地の境界線が明確になっているか確認する
  3. 査定額だけで売却を決めない
  4. 売却価格より仲介手数料が割高になることがある

1.契約不適合責任の内容を確認したうえで売却する

築30年の一戸建てを買い手に売却する前に、売買契約書に記載される「契約不適合責任」の内容をよく確認しましょう契約不適合責任とは、売却した一戸建てにシロアリ被害や水漏れといった不具合が見つかったとき、買い手が売主に損害賠償を請求できる権利をいいます。

売主は契約時に不具合を見逃して内容を伝えていないと、買い手から損害賠償等が発生することがあるので注意が必要です。売却後に契約不適合責任が発生するリスクに備えて、ホームインスペクションを実施した瑕疵保証に加入することをおすすめします。

2.土地の境界線が明確になっているか確認する

築30年を超える一戸建ては、不動産会社による査定で土地の価格を算出する際、土地の面積がいくらなのか明確にしましょう土地との境界線が明確でないと、実際の土地面積よりも小さい面積で売却価格を算出する可能性があります。

土地の測量には60万円〜80万円ほどかかることがありますが、売却時に損を出さないためにもプロの測量業者に依頼してから売却しましょう。

3.査定額だけで売却を決めない

複数の不動産会社に査定を依頼して仲介会社を決める際、査定額だけで決めるのはおすすめしません。一戸建てを売却できるかどうかは買い手にかかっており、高額な査定額で実際に売れる保証はないからです。

売却活動中のサポートや対応も含め、信頼できる不動産会社を決めましょう。

4.売却価格より仲介手数料が割高になることがある

一戸建てを売却したとき、売却価格が安くなると仲介手数料の負担が大きい場合があります。たとえば売却価格が400万円以下のとき、現地調査費用などを含めると最大18万円まで加算できます。特に地価の安い地域では、売却価格が400万円に満たないケースがあり、その分仲介手数料が割高になることがあるので注意しましょう。

築30年の一戸建てを売却するなら不動産一括査定で

築30年の一戸建ての売却相場は3,000万円程度といわれていますが、工夫次第では相場よりも高く売却できる可能性があります。売却を考えている人は、自分で一戸建ての資産価値を確認したうえで不動産会社に査定を依頼しましょう。

ミツモアでは、全国2,300社以上の不動産会社からニーズに合った優良な不動産会社を紹介します。売却したい一戸建ての面積や査定方法など、簡単な質問に答えるだけで複数の不動産会社から無料で査定を受けられます。

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