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【2024年】日本の不動産価格の推移と今後の動向は?価格に影響を与える要因も考察

最終更新日: 2024年05月02日

不動産の売却を検討しているなら、不動産価格の推移を知っておくのがおすすめです。自分でも価格相場を捉えられるため、納得感のある不動産売買を行えるようになるでしょう。日本の不動産価格の推移と今後の動向、価格に影響を与える要因について解説します。

過去の不動産価格の推移

不動産価格指数や地価公示の動きを見れば、一定期間内における不動産価格の推移が分かります。長期的にはどのような動きを見せているのか、まずは過去の不動産価格の推移をチェックしましょう。

不動産価格指数(住宅)の推移

『不動産価格指数(国土交通省):2008~2023年』によると、不動産価格指数(住宅)の推移は以下のようになっています

住宅価格指数

不動産価格は2008年のリーマン・ショックで下落して以降、しばらくはほぼ横ばいで推移していましたが、ここ10年強は上昇傾向です。新型コロナウイルス感染拡大の影響も、限定的であったことが分かります。

またマンション価格の高騰が著しい点も特徴です。投資需要が高まっていることも大きく影響しており、特に好立地の物件は投資家から人気を集めています。

地価公示平均価格の推移

『地価公示(国土交通省):昭和62年~令和5年』によると、主要都市における住宅地の平均価格の推移は以下の通りです

地価公示平均価格のグラフ

1991年のバブル崩壊を機に、主要都市の住宅地の平均価格は軒並み下落に転じました。リーマンショックの前には上昇傾向を見せる都市もありましたが、リーマンショック以降は再び下降しています。

その後も多くの都市が停滞気味に推移を続けている中、東京23区は2013年より上昇に転じています。

東京・首都圏の不動産価格の推移

東日本不動産流通機構が発表している資料によると、首都圏の中古マンションと中古戸建て住宅の価格は、以下のように推移しています

中古戸建て住宅・マンションの価格のグラフ

首都圏の中古マンションと中古戸建て住宅のいずれも、2012年以降は上昇傾向です。新型コロナウイルス感染拡大の影響で一時的に落ち込んだものの、その後は高騰が続いています。

住宅価格が変動する要因

住宅価格が変動する主な要因は、金利政策・国際情勢・国際的イベントです。それぞれが住宅価格にどのような影響を与えるのかを解説します。

金利政策

住宅価格が変動する要因の1つに、金利政策が挙げられます。金利が上がると不動産取引が少なくなって価格が下がり、逆に金利が下がると取引が増えるため価格が上がるのです。

フラット35が公表しているデータによると、住宅ローンの変動金利はバブル崩壊で急落した後、低水準の状況が現在まで続いています。かつて8%を超えていた変動金利は、バブル崩壊後30年近くも2%台を推移しているのです。

住宅ローンの金利が低ければ不動産を購入しやすくなるため、不動産価格は上がります。このまま低金利の状態が続くなら、不動産価格は下がらないでしょう。

国際情勢

国際情勢も不動産価格に影響を及ぼすことがあります。近年不動産価格に大きな影響を与えているのが、新型コロナウイルスの世界的な流行です。

新型コロナウイルスの感染拡大により、アメリカでは自宅にこもる人が増え、住宅建築の需要が伸びました。その結果建築用木材の供給が需要に追いつかなくなり、輸入木材価格が上昇する『ウッドショック』と呼ばれる現象が起こっています。

輸入木材の価格上昇が長引けば、住宅需要が減って不動産価格の下落を招く可能性もあるのです。このように世界のさまざまな出来事がきっかけとなり、住宅価格が変動するケースがあります。

国際的イベント

不動産価格の変動に影響を及ぼす国際的イベントの代表例がオリンピックです。みずほ総合研究所が公表する資料を見ると、オリンピック開催国の住宅価格の推移が分かります。

過去の夏季オリンピック4大会(ロンドン・アテネ・シドニー・アトランタ)において、開催後に住宅価格が下落したケースはありません。いずれも開催後は好調に推移しています。

2021年に開催された東京オリンピックに関しても、2013年に東京での開催が決定して以降、首都圏の不動産価格は上昇し続けています。

2024年現在の動向と今後の予測

日本の不動産価格は今後どのように推移していくのでしょうか。2024年現在の不動産価格の動向と併せて解説します。

住宅ローン金利の上昇

2024年現在、日本の金利は依然として低水準のままです。基本的には今後も低金利の状況が続いていくと予測されています。

ただし住宅ローンの10年固定金利は、2022年7月ごろから上昇し始めています。10年物国債の利回りが上昇していることが要因です。10年固定金利の上昇は、住宅需要の減退を招きかねないため、引き続き注視する必要があるでしょう。

一方の変動金利は政策金利と連動しており、日銀が容易に政策金利を上げられる状況にないため、変動金利はこのまま低水準が続くと考えられています。

円安

近年の急激な円安は不動産価格にも大きな影響を与えています。円安により建築資材の輸入価格が上昇しているため、住宅市場全体の価格上昇につながっているのです。

歴史的な円安の原因は世界の主要国の金利上昇にあります。アメリカの利下げが2024年夏以降になると予測されており、今後もしばらくは円安が続きそうです。

逆に日本の不動産は海外の投資家に売れる可能性が高くなっています。円安の影響で日本の不動産の割安感が高まっているためです。

ウクライナ侵攻

近年の不動産価格の変動に大きな影響を与えているのがウクライナ情勢です。2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻により、輸入木材の価格が高騰しています。

日本政府は対ロシア輸入禁止措置を取っており、ロシア産の木材も輸入禁止の対象です。安価なロシア産木材は日本の木造住宅建築で重宝されていたため、ウクライナ侵攻による建築市場への影響は大きくなっています。

新築物件の価格が上昇すると、中古不動産の需要も高まり、中古不動産価格も上昇していくと予測されています。2024年5月現在もロシアとウクライナの争いは続いており、いまだに収束の道筋は見えていません。

大阪万博

近い将来に開催予定の国際的イベントとして、2025年の大阪万博(大阪・関西万博)が挙げられます。大規模な万博が日本で開催されるのは、2005年の愛知万博以来です。

万博は国際的な大規模イベントであるため、開催都市におけるインフラの整備と不動産の開発が進められます。大阪万博でも都市インフラの整備や不動産開発が進み、不動産価格が上昇するでしょう。

2021年の東京オリンピックでは、開催前から地価が上昇し始め、不動産価格も跳ね上がりました。大阪万博でも同じような状況になることが予測されています。

不動産価格の推移を知って売り時の見極めを

不動産価格指数の推移を見ると、リーマンショックにより停滞していた時期はあるものの、ここ10年強は上昇傾向にあります。首都圏の中古マンションと中古戸建て住宅の価格も、2012年以降は上昇傾向です。

住宅価格が変動する主な要因としては、金利政策・国際情勢・国際的イベントが挙げられます。日本の不動産価格が上昇を続けている背景には、久しく続いている低金利や歴史的な円安、新型コロナウイルス感染拡大による輸入資材の高騰などがあるのです。

不動産価格に影響を与えている金利・円安・ウクライナ侵攻については、今後もしばらくは大きな変化が見られないことが予測されています。不動産を売るなら価格の推移や価格が変動する要因を知り、自分でも価格の動きを予測してみましょう

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