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築40年の一戸建ての売却相場は?耐震基準による違いや高く売るコツを解説

最終更新日: 2024年04月10日

空き家は放置する期間が長くなるほど倒壊する危険性が高まるため、誰も住まなくなった築40年の一戸建てを所有しているなら、一刻も早く活動を始めて売却するのがおすすめです。築40年の一戸建てが抱えている問題と、相場について説明します。

築40年の一戸建ての売却相場

築40年の一戸建ての建物部分は、価値ゼロとして評価されるのが一般的です。価値ゼロの評価となる根拠は建物の法定耐用年数にあります。木造住宅の法定耐用年数は22年に設定されているため、これを大幅に超過した築40年の一戸建ては資産価値なしとされるのです。

建物の価値がゼロと評価される根拠としてもう1つ存在するのが、耐震基準の問題です。1981年5月31日までに建築された旧耐震基準の住宅は、新耐震基準で建築された住宅と違い、震度6~7の揺れには耐えられないとされています。

地震が多い日本では、旧耐震基準の住宅は低評価になる傾向があるため、築40年以上の一戸建てにはほとんど価値が見いだされないのです。

『建物に価値なし』と判断された一戸建ては、土地のみの価格で値踏みされます。築40年の一戸建ての内、東京都で2020年4月から2021年3月までの間に売却されたものの相場は、約4,852万円です。

築40年の一戸建ての売り方とメリット・デメリット

築40年の一戸建てを売る方法には、主に3つのパターンがあります。それぞれの売却方法にはメリットとデメリットがあるので、それらをよく理解した上で最も適切な方法を選ぶのが大切です。築40年の一戸建ての売り方を解説します。

古家付き土地として売却

古家付き土地とは、古い家が建っている土地のことを指します。中古住宅が欲しい人ではなく、土地を購入したい人をターゲットにした売り方です。

築40年の一戸建てを古家付き土地として売り出すメリットは、最低限の費用と時間で売却ができることです。建物を解体する必要がないので、とにかく早く空き家を売り払いたいと考えている人に適しています。

古家付き土地として売却するデメリットは、相場よりも売却価格が低くなる傾向があることです。売却後の解体を前提としている場合、解体費用を差し引いた価格で販売されるため、高い値段がつきにくいといえます。

解体して更地で売却

住宅が建っている状態で売れなかったとき、次に選択されるのが、建物を解体して更地にして売却する方法です

築40年の一戸建てを更地にして売り出すメリットは、古家付き土地として売るよりも買い手がつきやすい点です。すでに更地となっている土地は、一刻も早く土地を使いたい買い主にとって利便性が高いため、購入希望者が現れやすいといえます。

更地にして売却するデメリットは、固定資産税における軽減措置の適用が受けられなくなり、税負担が重くなることです。更地にしてもなお買い手がつかない場合、固定資産税を多く支払う羽目になります。

リフォーム・リノベーションを施して売却

建物をリフォーム・リノベーションし、すぐに住めるような状態にしてから売るのも、築40年の一戸建てを売却する方法の1つです

リフォームやリノベーションを施してから売るメリットは、購入後すぐに入居を希望する買い主候補にアプローチできることです。居住するための物件として築古物件を探している人の目に留まりやすくなります。

リフォームやリノベーションを施すデメリットは、逆に売れにくくなる可能性をはらんでいる点です。リフォームやリノベーションを実施すると、カスタマイズできる余地がなくなるため、「築古物件を自分好みに作り替えたい」と考えている買い主候補から、相手にされなくなる危険性があります。

築40年の一戸建てを売却する方法

築40年の一戸建てを売却するには主に3つの方法があります。それぞれ売却が決まるまでのスピードや、予想される売却価格などに違いがあるので、違いをよく理解した上で理想的な売却を実現できる方法を選びましょう。築40年の一戸建てを売却する方法を解説します。

不動産会社の仲介で売却する

仲介とは、販売活動を不動産会社に任せ、買い主との契約を仲介してもらう売却方法です

仲介を選ぶメリットは、相場よりも高い価格で売却が決まる可能性があることです。販売価格を売り主本人が決められるため、できるだけ高い値段で一戸建てを売却したい人にとって、仲介は選択肢となるでしょう。

仲介で不動産を売るデメリットは、スピーディーな売却が実現しにくい点です。仲介では買い手が現れるまで売れない上に、買い手が見つかっても住宅ローンの審査や各種手続きを行う必要があるため、現金化までに時間がかかります

不動産会社に買い取りしてもらう

買い取りとは、不動産会社や買取業者を買い主として売買契約を結ぶ売却方法です。不動産会社や買取業者と買取価格を直接交渉し、売買契約を結びます。

買い取りで不動産を売却するメリットは、買い手を探す必要がないため、現金化までが早いことです。不動産会社と交渉を始めて数日から数週間で売却が決まります。新しい物件を購入する資金が早く手に入るので、住み替えの計画も立てやすくなります。

買い取りを選択するデメリットは、仲介よりも売却価格が3割程度低くなる点です。買い取りでは、建物のリフォーム代や再販にかかる費用を差し引いて価格を決めるため、どうしても売却価格が低くなってしまいます。

空き家バンクに登録する

空き家バンクとは、地方自治体が運営する空き家のマッチングサイトです。買い主を募っている不動産情報を掲載し、買い主と売り主をつなげます。

空き家バンクを利用するメリットは、不動産会社で取扱不可となった物件でも登録できることです。立地条件が悪かったり極端な田舎にあったりする物件でも、登録して買い手を探せます。

空き家バンクに登録するデメリットは、起きたトラブルを当事者間で解決しなければならない点です。不動産取引には専門的な知識を要する場面が多々あるため、知識のない素人同士で取引を進めると、大なり小なりトラブルに見舞われる可能性があります。

トラブルが起きても自治体は仲裁してくれないので、売り主と買い主同士で解決するしかありません。

築40年の一戸建てをなるべく高く売るコツ

思い出が詰まった築古物件を売るなら、少しでも高い価格をつけてもらいたいと考えるものです。築40年の一戸建てでも思いは同じでしょう。築40年の一戸建てをできるだけ高い価格で売却するためのポイントを解説します。

複数の不動産会社に査定してもらう

築40年の一戸建てを売りに出すときは、複数の不動産会社による査定を受けましょう

複数社からの査定を受けずに不動産会社を決めてしまうと、査定を依頼した不動産会社が提示した額が妥当なのかが判断できません。相場感を把握できないため、本来の価値に見合った価格で売却できない可能性が高まってしまいます。

物件の大まかな相場感を知るためにも、複数の不動産会社から査定を受けるのは、高値での売却実現に欠かせないステップです。「複数の不動会社にいちいち査定を依頼するのは面倒」という場合には、不動産会社の一括査定を利用するのがおすすめです。

築古物件の売却実績が豊富な不動産会社に依頼する

築40年の一戸建ての売却を検討するなら、築古物件の売却において、確かな実績を持っている不動産会社をパートナーに選びましょう

不動産会社にはそれぞれに得意・不得意があります。築古の一戸建てを売却したいのに、築浅のマンション売却が得意な不動産会社に売却を依頼してしまうと、スムーズな販売活動は実現できません。買い手を見つけるのに時間がかかるばかりか、希望している価格で売れない事態も起こり得ます。

築古物件も築40年ともなると、売却の難航が予想されます。築古物件の売却実績が豊富な不動産会社なら、経験と知見に基づいた対策で、希望に近い売却価格を実現してくれるはずです。

売却期間を長めに設定する

築40年の一戸建てを高い値段で売却したいなら、ゆとりを持った売却期間を設定しましょう。築40年の一戸建ては、築古故に購入したい人が少ないため、なかなか買い手がつきにくい物件です。

このような条件下でいち早く売り払おうとすれば、売却価格を下げて販売するしかなくなってしまいます。現金化を焦れば焦るだけ、高値で売れるチャンスを逃すことになるのです。

築40年の一戸建てをできるだけ高く売りたい場合には、余裕を持った販売計画が不可欠です。『そもそも築40年の一戸建ては売れにくい』ということを頭に入れた上で、高値をつけてくれる買い手が現れるのをじっくり待ちましょう。

一戸建てを売却して空き家問題を解消しよう

築40年の一戸建ては、中古市場に出される不動産の中でも、とりわけ築古な物件に分類されます。その古さ故に「売りに出しても買い手がつかないのでは?」と考える人も多いでしょう。

しかし、築40年の一戸建てにも確かな需要があります。建物自体の価値はゼロと評価されるものの、「格安な築古物件を購入して自分好みにリフォーム・リノベーションしたい」と考えている人にとっては、魅力的に映るのもまた事実です。

築40年の一戸建てを手放すなら早いに越したことはありません。理想的な売却を実現できる方法を検討して、一刻も早く空き家問題を解決させましょう。

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