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旗竿地が売れない7つの理由とは?売れる旗竿地との違いを解説

最終更新日: 2024年06月28日

旗竿地の売却を検討しているなら、売れないとされる理由を知っておきましょう。売れる旗竿地の特徴も押さえておけば、売却の成功率を高めることが可能です。旗竿地が売れない7つの理由や、売れる旗竿地との違いを解説します。

監修者

髙杉義征

髙杉義征(セカイエ株式会社元執行役員/宅地建物取引士)

株式会社日京ホールディングスの元取締役、セカイエ株式会社の元執行役員を経て、現在は株式会社ミツモアの事業部長として全体を統括。一貫して不動産業界に携わり、不動産仲介会社、不動産管理会社、不動産テック企業での経験を有する。不動産売却希望者と不動産会社をマッチングするサービスでは、執行役員として事業立ち上げからグロースまでを担当。また、不動産関連のセミナーやライブ配信にも登壇している。

旗竿地(はたざおち)とは?

旗竿地

旗竿地とは道路に接する部分が細長く、奥の方にまとまった敷地がある土地のことです。竿に旗が付いたような形状になっていることから、このような名称で呼ばれています。

持ち主が手放した広大な面積の土地を、売れやすい面積に分割する際に、分割後の土地が旗竿地になるケースが多いようです。条件を満たせば家を建てられることから、土地の利用価値が高い都市部で、多く売り出されています。

旗竿地は土地の形状が整っていないため、同じ広さの整形地より価格が下がりやすいのが特徴です。デメリットが多く売りにくい側面もありますが、旗竿地ならではの特性をアピールすれば、高く売れる可能性もあります。

旗竿地が売りにくい7つの理由

旗竿地は面積が同じ整形地よりも売りにくいため、売却までに時間がかかってしまう恐れがあります。どのような理由で売れないのか、旗竿地のデメリットを見ていきましょう。

建築が制限されている

旗竿地が売りにくい理由の1つに、建築が制限されている点が挙げられます。旗竿地の特徴的な形状により、家を建てたくても再建築の基準を満たしていないケースがあるのです

建築基準法第43条では再建築の条件として、接道部分が2m以上あることを規定しています。現在建てられている家を壊して新しい家を建てようとしても、道路に接している部分が2m未満ならば、原則として再建築を認められません。

接道部分に関する現在の規定ができたのは1950年です。それより前に行われた区画整備で誕生した旗竿地の中には、現行法の条件を満たしていない土地も存在します。

建物を解体する費用が高い

旗竿地は道路から敷地への通路が狭いため、一般的なトラックや重機が出入りできない恐れがあります。家を建て替える目的で建物を解体する際に、普段は使わないような機材が必要になる可能性があるのです。

通常の解体作業に比べて手間がかかる場合も多く、人手が増えるとその分人件費も上がります。このように旗竿地では建物を解体する費用が、割高になりやすい点がデメリットです

また建物の解体だけでなく建築の際も、同様の理由から費用が割高になるケースが多々あります。旗竿地のような土地に建築する建物は、設計自体も困難になるため、建築費用はより高額になるでしょう。

日当たりが悪い

広い面積の土地を分割してできることが多い旗竿地は、周囲を建物に囲まれているケースが多くなります。周囲の建物に太陽光を遮られるため、日当たりが悪くなる点がデメリットです

不動産の購入希望者の多くは、日当たりの良好な物件を求めています。日当たりが悪い土地は洗濯物が乾きにくいほか、湿気によるカビも発生しやすくなるため、なかなか売れない状況に陥りやすいのです。

日当たりを確保できるような構造の住宅に建て替えれば、日当たりの問題は解消されます。ただしそのような物件は建築コストがかかるため、最初から日当たりが良好な整形地を選ぶ人も多いでしょう。

風通しが悪い

周りの家に囲まれている旗竿地では、日当たりだけでなく風通しも悪くなりやすいため、物件選びの際にマイナスポイントと認識されやすい要素の1つです

建物に風が当たりにくいと、洗濯物が乾きにくくなったり、結露やカビが発生しやすくなったりします。夏の暑い時期に涼しい風が室内に入りにくい点もデメリットです。

また熱・湿気・においがこもりやすくなるため、快適に過ごせない空間になってしまいます。風通しが悪い物件の多くは日当たりも悪いことから、売れるまでに時間がかかるでしょう。

隣から家の中が見えやすい

旗竿地の周辺は住宅が密集しているケースが多いため、隣から自宅の中を見られたり、声が筒抜けになったりしやすくなります。そのためプライバシーの問題からも売れにくいのです。

逆に自宅から道路に抜ける道を通る際も、隣家のすぐ近くを通ることになり、隣人から嫌がられるケースもあるでしょう。旗竿地に住むとお互いに心地よさを損なう恐れがあります。

プライバシーを守るために防音対策を施すといった方法もありますが、その分のコストがかかってしまうため、プライバシーを気にする人にはなかなか売れません。

隣家とのトラブルが増えやすい

住宅が密集している旗竿地に住むと、リフォームをしたい場合にトラブルにつながりやすい点もデメリットです。工事中の騒音や業者の駐車スペースなどで、迷惑をかける恐れがあります。

また自宅から火事が発生したケースを考えると、隣家に類焼するリスクが大きくなります。逆に隣家から火が出た場合の、自宅への類焼リスクについても同様です。

プライバシーの問題も併せて、旗竿地に住む場合は隣家とのトラブルが増えやすくなるため、売りに出してもなかなか売却できない時期が続いてしまうことがあります。

市場で安いと認識されている

旗竿地は整形地に比べデメリットが多く、同じ広さの整形地より価格が安くなるのが一般的です。安い土地という認識が持たれるため、物件自体の価値も低いと判断されやすくなってしまいます

実際に旗竿地では狭い間口に建物を建築できず、同じ敷地面積の土地よりも建物を建てられるスペースが小さくなるため、どうしても市場価値が低く見られやすいのです。

不動産の評価額が低い場合は、ローンも組みにくくなります。住宅ローンを利用して不動産を購入しようとしている人は、評価額が低い旗竿地には手を出しにくいでしょう。

売れる旗竿地の特徴

旗竿地には売れにくい要素が数多くあるものの、デメリットをカバーできれば高く売れるケースもあります。売れる旗竿地の特徴は次の通りです

  • 竿部分の間口が別の用途で活用できる
  • 日当たりや風通しが改善するように工夫されている
  • トラックや重機が敷地内に進入しやすい
  • プライバシーや防犯に関する対策が施されている

旗竿地をできるだけ早く売りたいなら、物件の魅力を少しでも高められるような工夫を凝らすことが重要です。

また旗竿地特有の欠点が解消されていなくても、立地条件によっては売れる可能性があります。駅に近い物件や周辺に便利な施設が多い物件なら、旗竿地のデメリットを補えるでしょう。

旗竿地を売るときの注意点

戸建が残っている旗竿地は無理に土地を売却しようとせず、貸し出しや中古物件として売りに出す方法があります。隣人への売却を検討してみるのも1つの方法です。

また旗竿地に残っている戸建の、安易な取り壊しはおすすめできません。更地にすると固定資産税が大幅に高くなる上、条件を満たしていなければ再建築ができないためです。

どうしても旗竿地が売れない場合、売却ではなく買取を選択する方法もあります。買取とは不動産会社に不動産を直接買い取ってもらう方法です。売却価格は相場より安くなりがちですが、早期に売却できる可能性が高くなります。

旗竿地の売却は特徴を把握することが重要

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旗竿地とは間口が細く奥にまとまった敷地がある土地のことです。建築が制限されている点や日当たり・風通しが悪い点、隣家とのトラブルが増えやすい点など、売りにくい理由が数多くあります。

ただし旗竿地特有のデメリットを少しでも解消できれば、売れる可能性を高めることが可能です。旗竿地だからといって諦めるのではなく、欠点を補う工夫を凝らしてみるのがオススメです

旗竿地の売却を依頼する不動産会社は、一括査定サービスで探すのがおすすめです。査定額やそれぞれの会社の得意分野などを比較検討し、最適な不動産会社を見つけましょう。

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