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3,000万円で買った家の売却額は?築年数別の目安と高く売るコツを解説

最終更新日: 2024年08月22日

3,000万円で買った家がいくらで売れるかを考えるときは、購入費用のうちいくらを建物が占めているかが重要です。建物は築後年数が経過するほど価値が減少するので、土地代が高い住宅ほど築後年数が経過しても売却価格が低くなりづらいです。

3,000万円で購入した家の築年数別の売却相場や高く売るコツなどを紹介します。

監修者

髙杉義征

髙杉義征(セカイエ株式会社元執行役員/宅地建物取引士)

株式会社日京ホールディングスの元取締役、セカイエ株式会社の元執行役員を経て、現在は株式会社ミツモアの事業部長として全体を統括。一貫して不動産業界に携わり、不動産仲介会社、不動産管理会社、不動産テック企業での経験を有する。不動産売却希望者と不動産会社をマッチングするサービスでは、執行役員として事業立ち上げからグロースまでを担当。また、不動産関連のセミナーやライブ配信にも登壇している。

【築年数別】3,000万円で買った家の売却相場

3,000万円で買った家がいくらで売れるか知りたいときは、土地の価格と上物(建物)の価格を分けて考えましょう。

土地の価格は年数で急激に変化することはほとんどありませんが、上物部分は築年数が経過すればするほど市場での価値が安くなります

3,000万円で購入した家がだいたいどのくらいの金額で売れるのか、おおまかな目安を見ていきましょう。

以下のグラフは、家の購入価格3,000万円のうち建物部分が占める価格別に、築年数が経つごとに売却価格が下落する目安を表したものです。

3,000万円で買った家の築年数別価格減少を示したグラフ

築年数と上物の価格の特徴や減少傾向をチェックしましょう。建物の価値の算出方法はいくつかありますが、今回は減価償却分をマイナスする方法で計算します。

築後5年なら2,700~2,800万円

築後5年の木造一戸建て住宅の減価償却費用の計算式は以下の通りです。

取得価格(購入費用) × 0.9 × 償却率(0.031) ×経過年数(5年)

3,000万円で家を購入したうちの2,000万円分が上物の代金だった場合の減価償却費は以下の通りです。

2,000万円 × 0.9 × 0.031 × 5年 = 2,790,000円

ここで求められた減価償却費を建物部分からマイナスし、土地の価格を足すとおおよその売却相場が確認できます。

家の購入費のうち土地代の割合が高いほど全体の売却額の下がり幅は緩やかになります。

建物部分の購入時価格 売却料金の目安
2,000万円 2720万円
1,800万円 2750万円
1,600万円 2780万円
1,400万円 2800万円

住宅の価値は新築時が最も高いです。極端な話をすれば誰かが入居し、1秒でも生活をした時点で中古住宅となり、価値の減少が始まります。

しかしながら築5年の住宅であれば、築浅で設備や外壁の傷みも最小限なので比較的高額で売買可能です。

築後10年なら2,400~2,600万円

建物部分の購入時価格 売却料金の目安
2,000万円 2440万円
1,800万円 2500万円
1,600万円 2550 万円
1,400万円 2610万円

築10年の住宅も築浅に分類されることが多いです。ただし築5年の物件と比べるといくらか傷みが気になり始めるころ合いなので、売却時は修繕が必要かのチェックを忘れずに行いましょう。

築後10年の一軒住宅であれば外壁や屋根の張り直しなど大規模な修繕ではなく、壁の塗り直し程度の簡単な手入れで問題ないことが多いです。

築後15年なら2,100~2,400万円

建物部分の購入時価格 売却料金の目安
2,000万円 2160万円
1,800万円 2250万円
1,600万円 2330万円
1,400万円 2410万円

築後15~20年が経過すると建物の法定耐用年数が近づくので、売却額は建物の価値よりも土地の価格が占める割合が大きくなります

築後10年が経過すると大規模修繕が必要になるケースが多いので、築後15年以上の家を売るときは修繕履歴や修繕済みの部分をリストアップしておくと、論点が明確になるので買主との交渉もスムーズに進みやすくなります。

築後20年なら1,800~2,200万円

建物部分の購入時価格 売却料金の目安
2,000万円 1880万円
1,800万円 1990万円
1,600万円 2100万円
1,400万円 2220万円

築後20年以上が経過した家を売るときは、法定耐用年数の観点から建物の価値はほぼゼロ円になる点に注意が必要です。取引金額は土地の価格が主です。

築後20年が経過した住宅の場合、広さなどの条件がよい家を比較的安く手に入れて、リノベーション等で自分好みに作り変えることを前提として住宅を探している人もいます。

住宅の工法によって大規模リノベーションのやりやすさが異なるので、もしリノベーションがしやすい工法で建てられているのであればその点をプッシュすると良いでしょう。

間取りを変えるようなリノベーション・リフォームが行いやすい工法の例

  • 在来工法(木造軸工法)
  • 2×4(2×6)工法

築後20年が経過した木造一軒家の売却について、もっと詳しく知りたい方は関連記事をご確認ください。

3,000万円で買った家がいくらで売れるか分かる売却相場の考え方

3,000万円で買った家の売却相場を考えるときは、建物(上物)と土地の価格を分けて考える必要があります。

上物の売却相場を考えるときは「原価法」という方法で計算します。原価法で上物の価格を求めた後、土地の価格をプラスするとおおよその売却価格になります。

似たような条件の不動産の取引事例と比較して、売り出し価格や売却額の目安を求めることも可能です。これは「取引事例比較法」と言います。

戸建てやマンションなど上物査定では「原価法」

家の売買をするときは土地と建物がセットになって取引します。建物は徐々に劣化が進み、資産としての価値が少なくなります。そのため「原価法」を用いて現時点での価値を計算し、いくらで売却するか戦略を立てる必要があります。

原価法での価値の求め方は以下のように求めます。

  1. 同一の建物を今建てるときの原価(再調達原価)を求める
  2. 経過年数に応じた価値の減少を差し引く(原価修正)

価値はおおざっぱに以下の式で求められます。

原価法における価値 = 面積 × 単価 ÷ 耐用年数 × 残存年数

残存年数は法定耐用年数から築年数を引いたものです。たとえば築後10年の木造一戸建て住宅であれば、法定耐用年数の22年から10年を引き、12年となります。

過去の事例から売却額等を算出する「取引事例比較法」

原価法は比較的高精度な売却額を算出できるものの、素人が簡単に計算できるものではありません。そのためおおまかな売却額等を推測するために、過去の取引事例をもとに類推する「取引事例比較法」が用いられます

取引事例比較法で相場を確認するときは、国土交通省の不動産情報ライブラリや民間企業が運営する不動産情報ポータルサイトを利用しましょう。

不動産情報ライブラリでは成約価格ベースでの比較が可能です。不動産情報ポータルサイトの場合は成約価格ではなく売り出し価格のみ参照できるので、売却価格の目安を計算するときは注意してください。

3,000万円で買った家の売却額に影響を与える5つの要素

3,000万円で購入した家は築年数のほかにも以下にあげる5つの要素によって売却額が変わります。

不動産市況や景気の良さ

不動産市場にも景気があります。好景気であれば売買取引がしやすく、高額で売却できることが多いです。オリンピックや万博など公共性の高い大規模イベントを控えているときが特に顕著です。

たとえば2025年には大阪・夢洲で大阪万博の開催が予定されています。これに伴い夢洲やその周辺エリアの地価が上がっており、開発も進んでいます。

注意点は不動産業界における景気の良さは一般人が判断できる性質のものではありません。そのため好景気のときに売却できたら運が良い、と考えると良いでしょう。

都市部など人気のエリアに建っている

複数の鉄道路線が利用できる、新宿や渋谷、横浜など人気のあるエリアへのアクセスが良いエリアに建っている住宅は比較的値下がりしづらいです。

また都市部は家の購入費用のうち土地代が占める割合が大きいので、古い家を売却する時であっても他地域より高値で売れる可能性があります。

物件の周辺環境や治安の良さ

駅やスーパーなど生活の中でよく使う施設が近いなど、物件の周辺施設や環境が整っている住宅はそうでない物件と比べると高値で売買できます

物件が建っているエリアの特徴によっても評価される特徴は異なります。たとえばファミリー向け物件が多いエリアであれば、公園などの自然施設、学校や博物館など教育機関が近い物件であれば子育て世帯から注目してもらえるでしょう。

家の構造や建材の種類

家の法定耐用年数は構造や建材の種類によって長さが異なります。法定耐用年数については国税庁ホームページで建材の種類・構造別の年数が確認できます。

一般的な住宅に多い構造・建材の法定耐用年数の一部を抜粋すると以下の表のようになります。

住宅の構造・建材 法定耐用年数
木造 22年
鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造 47年
金属造(軽量鉄骨) 19~34年

そのほかにも地震や火事などの災害に強いつくりの住宅は築年数が経過していても価値が下がりにくいです。住宅の建っている土地の気候・風土に適した対策が取られている住宅も同様です。

建物が劣化しないよう手入れをしている

生活をしているうえで、どうしても建物に傷がついてしまうことがあります。多少の傷であれば取引時に問題になることはほとんどありませんが、場合によっては家の構造に大きなダメージを与えてしまい、減額の要因になることがあります。

大きな傷や設備の不備などの劣化が感じられにくいようこまめに手入れをして、きれいな状態を保つことが大切です。売却時に慌てて修繕等をしようとしても、金銭的余裕も時間的余裕もないことが多いので日ごろから気をつけましょう。

特に気をつけたいのは水濡れです。特に木造一軒家では、構造体の腐食・カビなどの被害のほか、シロアリ被害の遠因になることもあるので濡れた場所はすぐに拭く、配管はすぐに修理するなど心がけてください。

3,000万円で買った家をなるべく高く売る5つのコツ

3,000万円で買った家をなるべく高く売るには5つのコツがあります。建物価格が占める割合が大きくとも利用できるテクニックなので、売却活動を始める前に必ず目を通しておきましょう。

住宅の売買が活発な時期に売り出す

1年の中でも住宅の売買が活発な時期とそうでない時期があります。売りに出す時期をある程度コントロールできるのなら、なるべく需要が高い時期に売り出せるように予定を立てましょう。

2~3月や9月前は比較的売買の件数が増える月です。4月の新年度までに引き渡しを完了していたいのであれば、売り出すのは前年の8~9月頃、9月までに引き渡しを完了するのであれば3月頃に売り出せると余裕を持って売却活動ができます。

複数の不動産会社に査定を依頼する

不動産の査定を複数社に依頼することは、より高い価格で売却できる業者を見つける以外にもメリットがあります。

査定時にチェックする項目するものは各社ともに大きな違いはないものの、どの項目を重要視するかは査定をする業者によって異なります。複数社に査定を依頼することで、自分では分からなかった物件の強みを見つけて評価する業者を発見できます。

業者によって査定額は数百万円単位で変わります。査定額の根拠を尋ね、今までの実績に基づいた根拠のある説明をしてくれる業者や担当者は信用できるでしょう。

不動産の売買では情報共有が重要なので、連絡が取りやすい相手であるか、好感を持てる対応をしているかなどもチェックすべきポイントです。

媒介契約を結ぶ相手によって満足度が大きく変わるので、適当に決めてしまうのではなく、比較検討をするようにしてください。

適切な売り出し価格で売り出す

不動産の売り出し価格は「この価格を基準に売買の交渉を受けます」という意味合いのものです。そのため売り出し価格がそのまま売却価格になるケースは稀です。

たいていの場合、値引き交渉を行い売り出し価格から1割ほど値引いた価格で売買契約を結びます。売り出し価格を決めるときは、「この価格で売りたい」という価格に1~2割ほど上乗せした価格にしておくと思っていたより売却額が低かったという事態を避けられるでしょう。

売り出し価格は相場と比べて高すぎても安すぎても売りにくくなります。適正価格を見極めるために、不動産会社の過去の取引事例や不動産情報ポータルサイトでの調査を忘れずに行いましょう。

外観・内装が魅力的に見えるようきれいさを保つ

広さや間取り、価格などが似た条件の物件であれば、外観や内装に損傷が少なく、設備の傷みが少ない物件の方が住み始めるためにかかるコストが少ないので売れやすくなります。

広告用の写真を撮影する前に家の片づけをするだけではなく、内見の前にも改めて家の内外をよく掃除しておきましょう。

新居では使わない家具・家電があるのなら早めに処分をすることをおすすめします。荷台に積み切れる分を回収してくれるトラック積み切りプランを利用すると一度に大量の不用品を回収してもらえます。

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売却理由の内容について不動産会社と相談する

家を売却する理由は子供が増えるなどポジティブなものだけではなく、経済的困窮や離婚などネガティブなものもあります。売却の理由についての伝え方は、あらかじめ不動産会社とよく相談しましょう。

売却理由について嘘をついてはいけませんが、正直すぎるのも考え物です。

購入希望者はどうして家を売りに出したのかを気にしています。どれだけ物件に魅力があったとしても、たとえば近隣住民とのトラブルによって手放すのであれば「せっかく家を買っても、トラブルの当事者になってしまいすぐ手放すことになるかもしれない」と考えることがほとんどでしょう。

内見時に売却理由を尋ねる人は多いので、内見時までに売却理由の伝え方について、不動産会社の担当者に相談しておきましょう。

3,000万円で買った家がいくらで売れるか確認しよう

3,000万円で買った家がいくらで売れるかどうかは土地代と建物代との割合や築年数が大きく関係します。

一般的には築年数が経過している家ほど安価で取引されますが、建物の構造や工法によっては相場よりも高額で売れることもあります。

家の売却を考えているのであれば、まずは物件の情報だけで売却額を計算する簡易査定を受けましょう。

ミツモアなら最大5社からの簡易査定が受けられるので、それぞれの査定内容を比較して自分にあった不動産会社を簡単に見つけられます。

3,000万円で買った家がいくらで売れるか確認

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