3,000万円で買った家がいくらで売れるのか、売却価格の相場を紹介します。売却のコツを知らないと、相場より数百万円も安く売ってしまうかもしれません。損をしないように、できるだけ高値で家を売却するための方法を、確認しておきましょう。
3,000万円で買った家の売却相場(築年数別)
家の上物部分は築年数がたつごとに市場価値が下がるため、売却相場は新築時より安くなるのが一般的です。3,000万円で購入した家がだいたいどのくらいの金額で売れるのか、おおまかな目安を見ていきましょう。
築年数と売却価格の減少割合
土地と建物を合わせて3,000万円で購入した家は、築年数とともにどの程度値下がりしていくのでしょうか。以下は3,000万円のうち建物の価格が占める割合ごとに、建物の価格下落率から算出した売却価格の参考値です。
築年数 | 建物の価格 下落率 |
新築時の建物購入価格 | |||
---|---|---|---|---|---|
1,400万円 | 1,600万円 | 1,800万円 | 2,000万円 | ||
築5年 | 25% | 2,650万円 | 2,600万円 | 2,550万円 | 2,500万円 |
築10年 | 50% | 2,300万円 | 2,200万円 | 2,100万円 | 2,000万円 |
築15年 | 75% | 1,950万円 | 1,800万円 | 1,650万円 | 1,500万円 |
築20年 | 85% | 1,810万円 | 1,640万円 | 1,470万円 | 1,300万円 |
上物部分は築15年まで1年につき約5%ずつ急速に資産価値が下がり、築15年以降はゆるやかに下落していきます。木造戸建ては築20年を過ぎると、建物の価値はほぼゼロになり、土地のみの価値になると考えてよいでしょう。
なおこちらは築年数のみで算出した数字のため、実際の査定額とは大きく異なるケースもある点には注意が必要です。
築年数以外で売却価格に影響を与える要因
建物の売却価格に影響を与えるのは、築年数だけではありません。相場より高く売れるケースと、相場より安くなってしまうケースについて解説します。
相場よりも高く売れるケース
相場より高く売るには、以下のような条件が必要です。
- 住環境が良好である
- 売れやすい時期に売り出している
- 集客力が高い不動産会社が仲介している
例えば日当たりがよい・駅近の立地・近隣にスーパーや学校があるなど、住みやすい環境が整っている家は売れやすいため、査定額が高くなる傾向にあります。
家の価値は需要と供給によって決定される部分が大きいため、引越しや転勤が多い時期に売り出すなど、売却するタイミングも重要です。
また広告が多くの購入希望者の目に留まりやすいなど、不動産会社の集客力も決して無視できません。
相場よりも安くなるケース
以下のような条件だと、相場よりも安い売却価格になってしまう可能性が高いでしょう。
- 不便な住環境
- 設備の傷みが目立つ
- 間取りが独特
例えば商業施設や学校が遠い・近隣トラブルがある・家の前の道路が狭いなど、住みにくい環境だと、なかなか買い手がつかず、値下げせざるを得ない場合もあります。
自然な経年劣化は問題ないものの、築年数と比較して設備の劣化が過剰に進んでいたり、手入れが行き届いていなかったりすると、売却価格が下がります。
また個性的な間取りの家や二世帯住宅なども、一般受けしにくい要素であり、売れない原因となるでしょう。
3,000万円で買った家をなるべく高く売るコツ
家を売却する際は、売り出し価格のつけ方や、なぜ売却するのか理由の伝え方などにコツが必要です。3,000万円で購入した家をなるべく高く売るための、コツについて紹介します。
適正な売り出し価格をつける
売り出し価格が相場より安ければ、損をする結果になります。一方で相場より高すぎる価格で売り出しても売れにくく、売れ残り物件というレッテルを貼られかねません。
そのため売却の際には、適正価格で売り出すことが重要です。おおよその査定額は、以下のサイトで調べられます。
- 土地総合情報システム
- レインズマーケットインフォメーション
- 不動産情報サイト
『土地総合情報システム』と『レインズマーケットインフォメーション』では、過去の取引事例のデータベースを検索できます。購入者向けの不動産情報サイトでは、類似物件の売り出し価格を参考にしましょう。
売却理由をなるべく正直に伝える
家を売りに出すと、購入希望者が内覧にやってきます。そのときによく出る質問が「なぜ家を売却するのか?」というものです。
プライベートな理由まで詳しく伝える必要はありませんが、売却理由はできるだけ正直に伝えることをおすすめします。シロアリ被害や雨漏りなど、内容によっては告知義務が生じるためです。
とはいえ何を明かすべきで何を黙っていてよいのか判断するのは、難しいかもしれません。明らかにすべき内容を明確にするためにも、不動産会社には、全て伝えて相談しておくとよいでしょう。
リフォームを検討する
高く売るには、内覧にきた人の購入意欲を高める必要があります。買いたくなる家とは、広くてきれいな家です。そのため内覧当日までに、徹底的に掃除しておきましょう。
床にいろいろ置いてあると狭く見えてしまうため、不要な家具は処分し、小物は整理整頓して収納しておきます。特に水回りは入念にチェックされるポイントなので、汚れがひどい場合はホームクリーニングを済ませておくと印象が改善します。
目立つ傷や落書きなどがある場合は、修繕も考えなければいけません。リフォームすべきかどうかは、不動産会社に相談しましょう。
優良な不動産会社を選ぶ
家を希望に近い価格で売れるかどうかは、不動産会社のよしあしも大きく影響します。不動産会社を選ぶ際には、以下のような点に注目しましょう。
- 類似物件の売買実績が豊富
- 査定額の根拠が明確
- 営業担当者の対応が丁寧かつ誠実
例えばマンション販売が得意・首都圏に強いなど、不動産会社はそれぞれ得意な物件やエリアがあります。また査定額の根拠が明確であるか、営業担当者が積極的にサポートしてくれるかという点も判断材料になります。
入念な準備で高く売却できる可能性もある
戸建ての上物部分は築年数とともに、資産価値が下落していきます。築浅ほど高く売れますが、築20年を超えると上物部分にはほとんど値がつきません。
ただし査定額は住環境・内装や設備の充実度・不動産市場の動きによっても変動します。見た目を整えタイミングを見計らって売りに出せば、相場より高く売却できる可能性があります。
適正価格を見極められるよう相場を把握し、優良な不動産会社を選んで、大切な家をなるべく高く売却しましょう。