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家の査定をネットで依頼する方法!注意点や上手な使い方を解説

最終更新日: 2024年06月28日

ネットで家の査定を依頼する方法は、『AI査定』『匿名査定』『一括査定』があります。それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるため、自身のケースに適した方法を選択しましょう。家の査定をネットで依頼する方法や注意点・上手な使い方を紹介します。

監修者

髙杉義征

髙杉義征(セカイエ株式会社元執行役員/宅地建物取引士)

株式会社日京ホールディングスの元取締役、セカイエ株式会社の元執行役員を経て、現在は株式会社ミツモアの事業部長として全体を統括。一貫して不動産業界に携わり、不動産仲介会社、不動産管理会社、不動産テック企業での経験を有する。不動産売却希望者と不動産会社をマッチングするサービスでは、執行役員として事業立ち上げからグロースまでを担当。また、不動産関連のセミナーやライブ配信にも登壇している。

ネットで依頼できる家の査定方法3つ

土地査定

ネットで家の査定を依頼したいとき、選択できるのは『AI査定』『匿名査定』『一括査定』です。それぞれどのような特徴があるのか、違いを確認しましょう。

AI査定サービス

AI(人工知能)を活用して、家の金額を評価・判定するサービスです。近年人工知能分野の技術発展は著しく、AIの精度も向上しています。AIの信頼性が向上したことにより、家の査定をAIに任せるサービスが増えているのが現状です。

AI査定サービスは『シミュレーション査定』などとも呼ばれ、過去の取引事例や周辺環境を基準に物件を査定します。手軽かつ気軽な査定方法ですが、個々の事情・特徴などは勘案されません。提示される査定額は、あくまでも『目安』です。

匿名査定サービス

売却希望の物件情報のみで、売却金額を評価・査定するサービスです。『匿名』という言葉の通り、査定希望者は住所・電話番号などの個人情報を入力する必要がありません。査定サイトで求められる情報を入力していくだけで、物件のおおよその売却価格が分かります。

売却を希望する人の中には、「個人情報を知られたくない」と考える人も少なくありません。匿名査定サービスは、匿名性を重視したい顧客ニーズに応えるため、提供されるようになりました。

一括査定サービス

複数の不動産会社に、一括で査定を依頼できるサービスです

売却希望者が物件査定に必要な項目に回答すると、内容は複数の不動産会社で共有されます。不動産会社はそれぞれに査定を行って、売却希望者に査定額を連絡する仕組みです。

提携している不動産会社の数は、査定サービスサイトによって異なります。査定後のやりとりの方法もサイトによる違いがあり、使用方法・連絡方法について事前に確認しておくのがおすすめです。

AI査定サービスの特徴とおすすめなケース

AI査定サービスは、人間ではなくAIが物件売却価格の査定を行うサービスです。サービスの特徴や、AI査定サービスがおすすめなケースを紹介します。

AI査定サービスのメリット

AI査定サービスのメリットは、査定の手間が少ないこと・査定後に不動産会社とやりとりする必要がないことです

AI査定では、AIが『公開されている土地の価格相場』『物件の推定状況』『周辺の類似事例』などのデータから対象物件を評価します。売却希望者は物件情報を正確に入力するだけでよく、査定結果が出るまでもスピーディーです。

本格的に売却を検討する前の段階であっても、気軽に物件査定を依頼できます。

またAI査定は、匿名性が高いのもメリットです。査定の際に電話番号を入力する必要がなく、不動産会社から電話が入る心配はありません。不動産会社とのやりとりの煩わしさから査定をちゅうちょしている人でも利用しやすいのはメリットです。

AI査定サービスのデメリット

AI査定サービスのデメリットは、査定価格と実際の売却価格が乖離する可能性がある点です

AI査定サービスでは、『レインズ(REINS):不動産流通機構が運営する、全国の不動産情報を網羅したネットワークシステム』を利用した査定が行われません。査定の精度は運用会社のデータベースの量・質に左右されるところが大きく、査定価格は必ずしも実際の売却価格と一致しないことを覚えておきましょう。

またAI査定では、物件それぞれについての細かい特徴・事情が反映されにくいのもデメリットです。通常であれば評価ポイントとなる『日当たりがよい』『有名デザイナーが手掛けた』『眺望がよい』などがあっても、AI査定では除外されます。

AI査定サービスがおすすめなケース

AI査定サービスがおすすめなのは、物件の売却について迷っている人・物件のおおよその相場を把握しておきたい人です

「高く売れるなら売却を考えてもよい」程度の軽い気持ちなら、売却価格の目安が分かれば十分です。AIによる簡易な査定でも、必要な情報は得られます。

また築年数が古い中古マンションは、物件についての売却データが豊富にそろっている傾向です。AI査定でも精度の高い査定額が出やすく、満足できる結果を得られるかもしれません。

ただしリノベーションやリフォームを施している場合、査定額は大きく変わる場合があります。中古マンションでもAI以外の査定方法がおすすめです。

匿名査定サービスの特徴とおすすめなケース

匿名査定サービスは、個人情報の入力を必須としない査定サービスです。匿名査定サービスの特徴や、匿名査定がおすすめな人を紹介します。

匿名査定サービスのメリット

匿名査定サービスを利用するメリットは、査定時の個人情報入力が不要な点です。査定を依頼した後、不動産会社からの営業アプローチに悩まされる心配がありません。

また不動産会社が提供する匿名査定サービスなら、レインズを使っての査定が可能となります。AI査定と比較すると精度が高く、実情に近い売却価格を提示してもらえるのも魅力です。

このほか匿名査定サービスは、査定の目的・理由を問われないのも魅力といえます。遺産分割や財産分与などで「査定額を知りたい」と思った場合でも、気軽な査定が可能です。

匿名査定サービスのデメリット

匿名査定サービスで提示される査定額は、相場や過去の事例・周辺の事例に基づくものです。売却希望物件について特別な事情があっても、査定額には反映されません。「高く売りたい」「早く売りたい」などの希望がある場合、ニーズに即した査定額を期待するのは難しくなります。

また匿名での査定は、専門家に相談できないのもデメリットです。「査定額に納得できない」「どうしたら査定額が上がるのか知りたい」などの場合は、個人情報を明かした上で詳しい査定を依頼することとなるでしょう。

匿名査定サービスがおすすめなケース

匿名査定サービスは、「いつか売却するかもしれないから、目安にしたい」「相場を見て売るかどうか決める」など、売却本気度の低い人におすすめの査定方法です

匿名での査定は、あくまでも概算でしかありません。提示された売却価格を根拠に売却を進めていくのは難しい上、リスクが大きすぎます。「今すぐ売却したい」という緊急性の高い人は、匿名査定ではなく、名前や住所を明かした上で現地を見てもらった方が正確です。

ただし物件売却で不動産会社を必要としない人は、匿名査定サービスでも事足ります。専門家のサポートなしで物件売却を進める自信があるのなら、わざわざ査定を依頼する必要はありません。

一括査定サービスの特徴とおすすめなケース

一括査定サービスは、複数の不動産会社に同時に査定を依頼する査定方法です。一括査定サービスのメリット・デメリットや、一括査定がおすすめなケースを紹介します。

一括査定サービスのメリット

一括査定サービスを利用すれば、物件情報や個人情報を何度も入力する必要がありません。1度の手間で複数の不動産会社から査定額を提示してもらえるのは、大きなメリットです。

また一括査定を行えば、不動産会社ごとの対応や、提案の質・担当者の熱意なども比較できます。媒介契約を結ぶ不動産会社を選択する上で、目安とすることが可能です。

査定結果から対応まで満足できる不動産会社が見つかれば、物件売却に向けての活動はスムーズに進みます。

一括査定サービスのデメリット

一括査定サービスの利用に当たっては、氏名・住所・メールアドレスなどの情報入力が必要です。複数の不動産会社に個人情報を知られることにより、各担当から営業電話や営業メールが送られてくる可能性があります。不動産会社によってはしつこく営業電話をかけてくるケースもあり、査定後の対応に悩まされることがあるかもしれません。

また複数の不動産会社が同程度の査定額を提示してきた場合、『どの会社を選ぶべきか』という問題が発生します。不動産会社を決めるポイントが明確化されていない場合、かえって不動産会社選びの難度が上がるかもしれません。

このほか、一括査定サービスのみで不動産会社を決めると、『掲載されていない良質な不動産会社を、見逃すリスクがある』という点も注意したいポイントです。

一括査定サービスがおすすめなケース

『売るかどうか分からない』レベルではなく、『売りたい』と明確な意思がある人は、不動産会社による精度の高い査定を受けた方が、後の売却工程がスムーズに進みます

物件売却の本気度が高い人の中でも、特に一括査定サービスがおすすめなのは『忙しい人』『不動産会社とのやりとりが面倒な人』です。一括査定サービスを利用すれば、複数の不動産会社に一つ一つアプローチする必要がありません。時間のない人・不動産会社とやりとりする回数を抑えたい人も、スムーズに査定を依頼できます。

また一括査定サービスなら、不動産会社のサービス内容や、担当者の対応品質を比較することも可能です。信頼できる不動産会社を見つけたい場合も、一括査定を依頼することをおすすめします。

不動産のネット査定で起こるトラブル

不動産のネット査定は気軽に利用しやすい点が魅力ですが、トラブルにつながるケースも少なくありません。物件の査定をネットで依頼する前に、ネット査定のトラブルリスクについて把握しておきましょう。

しつこい営業電話がかかってくる

一括査定サービスは、個人名や電話番号の入力が必要です。査定を依頼した不動産会社の中には、積極的に営業電話をかけてくる担当者も少なくありません

しつこい担当者に当たると、1日に何度も電話がかかってくる・早朝夜間にも着信がある・一度電話を取ると、なかなか切らせてもらえないなどのトラブルが発生することがあります。

不動産のネット査定サービスを依頼した人は、『物件を売却する可能性がある人』です。不動産会社からは確度の高い顧客と見なされやすく、営業のターゲットになります

営業電話を受けたくない場合は、査定依頼時の備考蘭に『電話不要』と記載する、最初の営業電話で「不要です」ときっぱり断る、などの対策が必要です。

査定額が相場とかけ離れている

不動産のネット査定でのトラブルを防ぐなら、査定額が著しく高い・低い不動産会社は避けましょう

不動産会社が高額な査定額を提示するのは、確実に媒介契約を結びたいためです。「なるべく高額で売却したい」という査定依頼者の心理を突いた作戦であり、実際にその価格で売却できる保証はありません。売却に出しても買い手がつかず、最終的には値下げが必要となるケースがほとんどです。

また、相場よりはるかに低い査定額を提示する不動産会社にも、注意しなければなりません。低い査定額を提示する不動産会社は、『安く物件を仕入れたい』『短期間で売却させたい』などと考えています。査定額は不動産会社の利益重視で算出されており、依頼者にメリットはありません。

個人情報を利用される危険性

ネット査定サービスでの個人情報トラブルとしては、『査定を依頼していない業者から連絡があった』『知らない業者から営業メールが送付されてきた』などの例があります。具体的な情報流出経路の特定は困難ですが、インターネット上に個人情報を入力する以上、個人情報流出のリスクは常にあると考えるのが妥当です。

また不動産業界は、比較的横のつながりが強い業界といわれています。魅力的な物件を所有している場合、『好条件の物件を売りたがっている家主がいる』と伝わる可能性はゼロではありません。

「個人情報の流出は、絶対に避けたい」と考える人は、匿名査定サービスやAI査定サービスを活用した方が無難です。

ネット査定を利用するときのポイント

不動産のネット査定サービスのポイントを押さえておけば、トラブルに遭ったり不本意な査定になったりするリスクを低減できます。

不動産のネット査定を利用するとき、気を付けるべきポイントを見ていきましょう。

複数社の査定を比較する

不動産のネット査定サービスを利用する際は、2~3社以上に査定依頼を出すのがおすすめです。1社のみの査定では、物件の相場感を把握できません。複数の不動産会社の査定額を比較することで、物件の適正価格を判断しやすくなります。物件の売却価格を決定するときも、提示された査定額を参考にすることが可能です。

ただし、やみくもに不動産会社に査定を依頼することはおすすめできません。査定額の比較に手間がかかる上、個々の不動産会社の特徴を把握するのが難しくなります。査定を依頼した不動産会社から媒介契約を結ぶ1社を決めるつもりなら、選択肢を広げすぎないことが大切です。

提携している不動産会社を確認する

『好条件の不動産会社を選びたい』『戸建て売却に強みのある不動産会社を見つけたい』などと考える人は、ネット査定サービスの『提携している不動産会社の数』に注目しましょう。提携している不動産会社が多いほど、媒介契約先の選択肢が増えます。

注意点は、ネット査定サービスによって、得意とする地域や情報の質が異なる点です。

ネット査定サービスによっては、優良な不動産会社のみに絞ることで、サービスの質を担保しているところもあります。『提携不動産会社数○○社』などの文句をうのみにせず、『自身の地域・分野を扱う不動産会社がそろっているか』『信頼のおける優良な不動産会社があるか』を確認しましょう。

運営元の個人情報の取り扱い方針を確認する

個人情報が適切に扱われていることも、ネット査定サービスを利用する上で重要なポイントです。一括査定サービスでは、住所・氏名の入力が必要となります。情報管理が徹底していない査定サービスに、個人が特定できる情報を残すのは不安です。

信用できる査定サービスサイトには、プライバシーポリシーが記載されています。また個人情報保護意識の高い運営会社なら、プライバシーマークを提示してサイトの安全性をアピールしているかもしれません。

プライバシーマークとは、個人情報の取り扱いが適切であると認められた事業者にのみ付与される認定マークです。プライバシーマークがある査定サービスサイトは、個人情報保護の仕組み・ルールが確立されていると判断できます。

個人情報漏えいリスクが少ないサイトであると判断してよいでしょう。

査定可能な不動産の種類を確認する

不動産ネット査定サービスによって、査定できる不動産の種類は異なります。サイトを選定するときは、不動産の種別項目が多いサイトがおすすめです。

不動産の種類が『一戸建て』『土地』『マンション』しかないようなシンプルな査定サービスは、業界に不慣れな事業者が運営している印象です。大手や有名不動産会社が少なく、査定を依頼しても参考にならないかもしれません。

不動産の種類は、『一戸建て』『マンション』『土地』『1棟マンション・アパート』『事務所』『農地』などとさまざまです。幅広い種類に対応している査定サービスの方が、質の高い不動産会社と出会いやすくなります。

複数社から査定を受けるときは一括査定サービスがラク

家の査定をネットで依頼する場合、『AI査定サービス』『匿名査定サービス』『一括査定サービス』という3つの選択肢があります。物件売却についての意思が固まっていない場合は、AI査定や匿名査定で相場感を把握するのも有益です。

一方、物件売却を真剣に検討しているなら、個人情報を入力する一括査定サービスを選択しましょう。査定の精度が高い上、複数の不動産会社の査定額を比較できます。売却のサポートを依頼できる不動産会社ともつながりやすく、売却がスムーズに進むかもしれません。

ただしネットに個人情報を乗せると、流出のリスクがあります。プライバシーポリシーやプライバシーマークを確認し、信頼性の高い査定サービスを活用することが大切です。

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