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ホームインスペクションにかかる費用とは?物件の種類ごとに解説!

最終更新日: 2023年09月21日

ホームインスペクションの実施を検討しているなら、費用相場を把握しておくのがおすすめです。適切なタイミングや所要時間なども理解すれば、実施を決める際の参考になるでしょう。ホームインスペクションにかかる費用を物件の種類別に解説します。

ホームインスペクションにかかる費用

ホームインスペクションの費用の内訳は、人件費・出張費・事務所費・報告書作成費・広告宣伝費などです。これらの総額は物件の種類によって異なります。

まずはマンションと戸建の費用目安を把握し、内覧会同行サービスの相場もチェックしておきましょう。

マンションの費用相場

マンションのホームインスペクションは、天井や床下の検査が困難な傾向があるため、基本的に目視検査のみとなることが多くなります。

費用相場はオプションを含むと5万~8万円程度です。基本的な調査項目以外にも調査範囲を広げたい場合は、さらに費用が高くなります。

マンションのホームインスペクションで調査する主な部分は次の通りです。

  • 床・天井・給排水管
  • バルコニー・テラス
  • 廊下やエントランスなどの共用エリア
  • 建物の外壁・基礎・躯体

戸建物件の費用相場

戸建のホームインスペクションを実施する場合、広さによって費用が異なるケースがあります。基本の調査項目を行っただけの場合は、4万~6万円程度が目安です

より詳細な調査を行いたい場合は、オプション料が別途発生します。目視では確認できない部分を調査するオプションサービスでは、専門の機材を使用するためです。

戸建のホームインスペクションの調査内容は、マンションの場合と基本的には変わりません。マンションでは調査が難しい床下や天井裏も、戸建では目視での調査が実施されます。

内覧会同行サービスの費用相場

ホームインスペクションの依頼先によっては、内覧会に建物のプロが同行し、内覧と並行して調査を行ってくれるサービスを提供しているケースがあります。

内覧会同行サービスの費用は、4万~7万円程度が相場の目安です。通常のホームインスペクションと同様に、物件の種類や検査の内容によって費用が変わります。

マンションより検査の種類が多くなる戸建の方が、費用が高くなるのが一般的です。内覧会同行サービスだからといって、特別に費用が変わるわけではありません。

ホームインスペクションの費用負担者

ホームインスペクションは売主・買主のどちらも行うことが可能で、実施を希望する側が費用を負担します。ホームインスペクションの費用負担者と併せて、売主・買主がホームインスペクションを実施するメリットも見ていきましょう。

売主の場合

物件の売主がホームインスペクションを実施する場合、費用負担者は売主です。中古物件で売主がホームインスペクションを行うメリットは次の通りです。

  • 物件の状態をきちんと調査できるため、査定の精度が高まる
  • 状態が可視化された物件を扱えるため、取引が成立しやすくなる
  • 物件のリスクを洗い出せるため、売買後のトラブルを予防できる

買主の場合

買主がホームインスペクションを実施する場合、費用負担者は買主です。買主がホームインスペクションを行うメリットは次の通りです。

  • 不具合の内容や有無を確認した上で物件を購入できる
  • 物件購入後のメンテナンスコストを把握しやすくなる

売主によるホームインスペクション実施済みの物件であっても、買主が再度ホームインスペクションを行うケースがあります。売主の調査は売主に有利な内容になっていることがあり、買主の信頼を得にくいためです。

不動産会社が売主となる新築物件の場合も、簡易的な調査しか行われないことが多いため、一般的には買主がホームインスペクションを行います。

不動産会社が負担するケースも

不動産会社が物件の所有者である場合、買主のホームインスペクション費用を不動産会社が負担するケースもあります。この場合は無料で調査できることがメリットです。

ただし不動産会社が費用を負担する場合、基本的に買主はホームインスペクションの依頼先を選べません。不動産会社と提携している業者が、ホームインスペクションを行うケースがほとんどです。

完全な第三者が調査を行うとはいえないため、買主が納得できる内容の調査が行われない恐れもあります。買主としてより確実な調査を行いたいなら、不動産会社が費用を負担する形でのホームインスペクションは、避けた方が無難です。

ホームインスペクションの依頼先

ホームインスペクションをどこに依頼すればよいのか分からない人のために、代表的な依頼先を紹介します。それぞれの特徴をチェックし、依頼先を決める際の参考にしましょう。

不動産・リフォーム会社

ホームインスペクションの依頼先としては、不動産会社やリフォーム会社が挙げられます。物件の売買を不動産会社に相談している場合は、そのまま不動産会社に依頼することが可能です。

不動産・リフォーム会社にホームインスペクションを依頼すれば、瑕疵担保保険の加入条件を満たしたサービスを受けやすくなります。瑕疵担保保険とは売買後に見つかった建物の欠陥に対して、補償を受けられる保険です。

専門業者が独自に提供しているホームインスペクションサービスによっては、瑕疵担保保険に加入できないケースもあります。売買後のトラブルに備えたい場合は、不動産・リフォーム会社にホームインスペクションを依頼するのが安心です。

専門業者

ホームインスペクションは専門業者に依頼することも可能です。不動産・リフォーム会社を通さないため、完全な第三者として調査を行ってもらえるメリットがあります。

本来のホームインスペクションは、売主・買主のいずれとも利害関係のない第三者が行うべきものです。そのため専門業者に依頼すれば、あくまでも客観的な視点で正しい調査を行ってもらえます。

専門業者の探し方が分からない場合は、日本ホームインスペクターズ協会に依頼するのがおすすめです。独自の認定試験に合格したホームインスペクターを検索できます。

ホームインスペクションの依頼先を選ぶ基準

自分でホームインスペクションを依頼する場合は、ポイントを押さえて業者を選ぶことが大切です。ホームインスペクションの依頼先を選ぶ基準について解説します。

インスペクションの実績があるか

ホームインスペクションはさまざまな物件が対象となります。新築・中古やマンション・戸建など、物件の種類が違えば見るべきポイントも異なります。

自分で業者を探す場合は、依頼したい物件と同じインスペクションの実績があるか、何件くらい調査してきたのかを確認することが重要です

例えば中古マンションの調査を依頼したい場合、中古マンションのインスペクションの実績が豊富な業者なら、安心して任せられるでしょう。依頼先の経験や実績を重視して業者を選ぶのがおすすめです。

人当たり・コミュニケーション能力

ホームインスペクションの依頼先を選ぶ基準としては、人当たりやコミュニケーション能力も挙げられます。ホームインスペクションは専門性が高い仕事であり、調査内容を分かりやすく説明してもらう必要があるためです。

物件に関する専門用語や不具合の内容、なぜ修理が必要なのかといったことは、住宅の素人にはすぐに理解できません。人当たりのよい人やコミュニケーション能力が高い人なら、依頼者にも分かりやすく説明してくれます。

コミュニケーション能力は事前に把握するのが困難な項目ではありますが、依頼前のやりとりを通じて、人柄や雰囲気の把握に努めてみましょう。

担当者の住宅に関する知識

ホームインスペクションには住宅に関する優れた知識が求められます。業者を選ぶ際は、保有資格についてもチェックするのがおすすめです

ホームインスペクションに関する資格の中には、比較的難易度が低い資格も存在します。1級・2級建築士既存住宅状況調査技術者の資格を保有していれば、住宅に関する優れた知識を持っていると判断できるでしょう。

業者の責任者だけが専門知識を持っているのではなく、実際の調査員がどのような資格を持っているかを確認することも重要です。誰が担当者になるのかをまずはチェックし、その人の保有資格を確認しましょう。

複数業者からピックアップしていく

ホームインスペクションの依頼先を探す際は、いきなり特定の業者に決めるのではなく、複数業者をピックアップした上で比較検討することが大切です

実績やコミュニケーション能力、住宅に関する資格を比べた上で、希望日の空き状況も確認しましょう。報告書のサンプルがあればチェックしておくのがおすすめです。

ホームインスペクションの依頼先を探すなら、国内最大級の一括見積もりサービス「ミツモア」を利用しましょう。最大5社から最適な提案を集められるほか、豊富な口コミもチェックできるため安心して依頼先を探せます。

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ホームインスペクションに適したタイミング

ホームインスペクションを行うのに適したタイミングを、売主と買主の場合に分けて紹介します。なぜそのタイミングがおすすめなのかも理解しておきましょう。

売主の場合

売主がホームインスペクションを行うおすすめのタイミングは、物件を売り出す前です。インスペクションは査定額に影響を与えるため、売り出し前に実施すれば、理想の価格で売れる可能性が高くなります。

ホームインスペクションで問題が見つかった場合、売却前に修繕しておけることもポイントです。評価が下がる部分を減らせるため、査定額アップにつながります。

売却を決意したのであれば、できるだけ早いタイミングで依頼するのがベターです。ただし売主が依頼したホームインスペクションの結果は、買主に信用してもらえないこともあります。

そのため実施の判断を買主に任せるのも、1つの方法です。

買主の場合

買主がホームインスペクションを行う最もおすすめのタイミングは、購入の申し込みが済んでから契約するまでの間です。契約前に物件の調査を行うことで、重大な不具合が見つかった場合に無条件で引き返せます。

申し込み前なら他者に先を越される恐れもありますが、申し込みが済んでいれば基本的には他者に買われる心配もありません。申し込み後に契約しない選択をしても、申込金は返還されます。

契約までの間に実施できなかった場合は、引き渡しまでの間にホームインスペクションを行っておきましょう。引き渡し後に入居してしまうと、発覚した問題が元々存在したものなのかどうかを判断することが難しくなります。

ホームインスペクションの流れと所要時間

ホームインスペクションの費用相場や依頼先について理解できたら、全体の流れを把握しておきましょう。必要書類や所要時間についても解説します。

基本の流れ

ホームインスペクションの流れは、売主・買主ともにほとんど同じです。全体の基本的な流れは以下のようになります。

  1. ホームインスペクションを依頼する業者を決める
  2. 必要書類の準備・発送を行う
  3. 実施日までに調査範囲の清掃・整頓をしておく
  4. ホームインスペクションが実施される
  5. 業者から報告書を受け取る
  6. 業者のアドバイスを参考に疑問点を解消する
  7. 修理が必要な場合は対処する

中古物件の買主がホームインスペクションを行う場合、他者が先に物件を購入してしまうリスクがあるため、できるだけスムーズに進めることが重要です。

必要になる書類

ホームインスペクションの実施にあたり、必要となる主な書類は次の通りです。

  • 現地案内図
  • 家の間取り図
  • 建築年月日や耐震性が分かる書類

マンションの場合は上記に加え、長期修繕計画表や過去の修繕履歴の提出も求められます。これらを用意できれば屋上の防水検査の省略が可能です。

ホームインスペクションで実際に必要となる書類は、業者や調査項目によって変わります。スムーズに調査を進めるために、必要書類は早めに準備しておきましょう。

調査自体の所要時間は短め

ホームインスペクションの調査自体の所要時間は、一般的に2~3時間程度です。より詳細な調査を希望する場合は、さらに1~2時間程度の時間がかかるでしょう。

立会人の質問数が多くなるケースでも、最終的に必要な時間は長くなります。当日のスケジュールには、余裕を持たせておくのがおすすめです。

書面による報告書が業者から届くのは、調査終了から約1週間後です。依頼者が立ち会っている場合は、調査終了と同時に報告が行われるケースもあります。

インスペクションの費用で「安心」を買おう

ホームインスペクションにかかる費用は、マンションの場合が5万~8万円程度、戸建物件の場合は4万~6万円程度です。売主と買主のうち実施を希望した側が費用を負担します。

ホームインスペクションの依頼先は、不動産・リフォーム会社や専門業者です。専門業者に依頼すれば、完全な第三者として調査を行ってもらえます。

ホームインスペクションは売主と買主のどちらにもメリットがあります。費用相場を把握した上で、自分に合った業者を探しましょう。

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