「耐震診断を検討しているけど、費用がどのくらいかかるのか分からない」
「コストを抑えて耐震診断をしてもらうには、どの業者を選べばよい?」
マイホームの住み替え時やリフォームなどのタイミングで、このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
耐震診断では、簡易的な無料の診断をした上で、さらに詳細な診断が必要な場合は「一般診断」を依頼します。その上で、耐震工事が必要だと判断された場合は「精密診断」を依頼する流れが一般的です。それぞれ10万円〜20万円程度がおおよその目安ですが、家の状態や補助金の有無などで実際にかかる費用は異なります。
とはいえ耐震診断を初めて依頼する場合には、何にいくらがかかるのか分かりにくいですよね。
そこで本記事では、耐震診断にかかる費用相場について、全体の流れを踏まえて解説していきます。
耐震診断の費用相場は10万~20万円
耐震診断には、以下の3つの診断があります。
- 簡易診断…無料(耐震工事が必要な場合は精密診断へ、不明な場合は一般診断へ進む)
- 一般診断…10万円程度(耐震工事が必要な場合は精密診断へ進む)
- 精密診断…20万円程度
まずは簡易的な無料の診断をした上で、耐震工事が必要か不明な場合は「一般診断」へ進みます。耐震工事が必要だと判断された場合には、精密診断を実施した上で補強箇所や具体的な工事方法について判断します。
耐震診断の種類別の費用
ここからは、それぞれの診断にかかる費用について解説します。
- 簡易診断|無料
- 一般診断|10万円程度
- 精密診断|20万円程度
それぞれ1つずつ見ていきましょう。
簡易耐震診断(無料)
簡易診断は、無料で公開されている診断表を参考に、自分で実施することができます。以下に診断表をまとめているので、物件の耐震性の判断にお役立てください。
【問診1】建てたのはいつ頃ですか? | 建てたのは1981年6月以降 | 1点 |
建てたのは1981年5月以前 | 0点 | |
不明 | 0点 | |
【問診2】いままでに大きな災害に見舞われたことはありますか? | 大きな災害に見舞われたことがない | 1点 |
床下浸水・床上浸水・火災・車の突入事故・
大地震・崖上隣地の崩落などの災害に遭遇した |
0点 | |
不明 | 0点 | |
【問診3】増築について | 増築していない。または、建築確認など必要な手続きをして増築を行った | 1点 |
必要な手続きを省略して増築し、または増築を2回以上繰り返している。その際、壁や柱を一部撤去するなどした | 0点 | |
不明 | 0点 | |
【問診4】傷み具合や補修・改修について | 傷んだところは無い。または、傷んだところはその都度補修している。健全であると思う | 1点 |
老朽化している。腐ったり白蟻の被害など不都合が発生している | 0点 | |
不明 | 0点 | |
【問診5】建てたのはいつ頃ですか? | 建物の平面はどのような形ですか? | 1点 |
どちらかというと長方形に近い平面 | 0点 | |
不明 | 0点 | |
【問診6】大きな吹き抜けがありますか? | 一辺が4m以上の大きな吹抜はない | 1点 |
一辺が4m以上の大きな吹抜がある | 0点 | |
不明 | 0点 | |
【問診7】1階と2階の壁面が一致しますか? | 2階外壁の直下に1階の内壁または外壁があるまたは、平屋建である | 1点 |
2階外壁の直下に1階の内壁または外壁がない | 0点 | |
不明 | 0点 | |
【問診8】2階外壁の直下に1階の内壁または外壁がない | 1階外壁の東西南北どの面にも壁がある | 1点 |
1階外壁の東西南北各面の内、壁が全くない面がある | 0点 | |
不明 | 0点 | |
【問診9】屋根葺材と壁の多さは? | 瓦など比較的重い屋根葺材であるが、1階に壁が多い。または、スレート・鉄板葺・銅板葺など比較的軽い屋根葺材である | 1点 |
和瓦・洋瓦など比較的重い屋根葺材で、1階に壁がない | 0点 | |
不明 | 0点 | |
【問診10】どのような基礎ですか? | 鉄筋コンクリートの布(ぬの)基礎またはベタ基礎・杭基礎 | 1点 |
その他の基礎 | 0点 | |
不明 | 0点 |
問診1~10の評点を合計して、以下の結果と照らし合わせてみてください。
評点の合計 | 診断の結果 |
10点 | ひとまず安心ですが、念のため専門家に診てもらいましょう |
8~9点 | 専門家に診てもらいましょう |
7点以下 | 心配ですので、早めに専門家に診てもらいましょう |
一般診断(10万円程度)
先の簡易診断で9点以下の場合は、業者に依頼して一般診断を実施するようにしましょう。一般診断のおおよその料金目安は約10万円程度です。
一般診断の時点では、実際に耐震工事が必要かどうか判断がついていません。そのため壁の破壊等は行わず、目視での診断となります。
具体的には工事履歴や図面などの既存情報を踏まえて、外観等と照らし合わせながら耐震性を評価します。
精密診断(20万円程度)
一般診断で耐震工事が必要であると判断された場合は、精密診断に進みます。精密診断のおおよその料金目安は約20万円程度です。
精密診断では、建築士が実際に現地で計測を行い、補強が必要な箇所は施工方法、補強度の耐震性等を診断します。精密診断は耐震工事を前提とした診断になるため、壁の破壊等も行われます。
耐震診断の費用は補助金が出る
耐震診断では、ほぼすべての都道府県で補助金制度が設けられている。特に木造住宅の耐震診断は、5万~20万円程度の補助金が出ることが一般的です。また、一部の自治体では特定の条件を満たした場合に無料で耐震診断を提供しているところもあります。
各自治体に相談窓口を設けてられているので、不明点がある場合や、補助金を受けられるかどうか知りたい場合は活用してみるとよいでしょう。
耐震診断業者の探し方
耐震診断の依頼先がわからない方も多いことでしょう。主な探し方としては、以下のような選択肢があります。ただしいずれの場合も、実際に耐震診断を行うのは建築士をはじめとした専門家です。
- 自治体・建築士事務所に相談する
- 日本建築防災協会の事務所一覧で探す
- ミツモアなら耐震診断が可能なリフォーム会社を簡単に比較!
耐震診断で損をしないためには、業者選びが非常に重要です。信頼できる耐震診断業者の探し方を知って、適切な業者に依頼しましょう。
自治体・建築士事務所に相談する
各都道府県や市区町村では、自治体ごとに耐震診断や改修に関する相談窓口を設置しています。また、日本建築士事務所連合会の窓口から相談してみてもよいでしょう。
なお、自治体や建築事業所からの紹介を受けた場合も、複数社を比較検討して選ぶことをおすすめします。
- 日本建築士事務所連合会の相談窓口はこちら
日本建築防災協会の事務所一覧で探す
日本建築防災協会では、耐震診断や耐震改修、リフォームなどに関して、信頼できる専門家や団体を一覧化して紹介しています。
都道府県ごとの業者一覧を閲覧できるので、地域の業者を探す際に便利です。
- 日本建築防災協会の専門家一覧はこちら
耐震診断業者の比較サービスで比べる
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耐震診断の流れ
耐震診断を専門業者に依頼した際の具体的な流れは以下の通りです。
- 診断計画を立てる
- 実測する(図面がない場合)
- 現地調査を実施する
- 耐震診断・耐震性評価を実施する
- 耐震補強のための対策を提案する
建築物の診断計画を立てる
まずは既存の状態・情報を踏まえて、診断内容についての計画を立てます。
建築物の構造や基礎の状態、これまでの改修履歴の有無など、建物の状態や耐震性能に関わる事柄を調査して、どのような診断が必要であるのか見通しを立てていきます。
図面がない場合は対象物件を実測する
必要に応じて実測を行います。特に図面が残っていない場合や紛失してしまった場合などは、実測作業が必要となります。敷地と建物の位置関係や、柱・壁の場所などを実測し、現場の状況をもとに図面を作成します。
現地調査を実施する
次に、実地調査を実施します。図面が手元にある場合は、実測は行わずに現地調査からスタートすることになります。ただし、柱や壁が本当に図面の通りになっているのか確認し、整合性が取れない場合は図面と照らし合わせて調査していきます。
特に増改築の履歴がある場合は注意が必要です。
耐震診断と耐震性評価を実施する
資料や現地での調査をもとに、建物の耐震性能を計算・評価します。様々な指標が用いられますが、一般的には、「Is値」「Iw値」などを用いて基準を満たしているかどうかの判断をおこないます。
耐震基準を超えていた場合は震度6〜7程度の地震による崩壊の可能性が低いと判断できます。一方で、基準を満たしていない場合は何かしらの対処が必要ということになります。
耐震補強のための対策を提案する
耐震診断を行うだけでは、実際の地震対策にはなりません。何をどのように補強すればよいのか、対策の提案を提出してもらいます。
物件ごとに耐震の弱点となる箇所は異なるため、例えば「壁を増やす」「屋根の素材を軽いものに交換する」といったように、具体的なリフォームの方法を提案してもらいましょう。対策の提案の中から、もっとも費用対効果の高い方法を実施するのがおすすめです。
耐震診断が重要な理由
ここからは、「そもそも本当に耐震診断は必要なの?」といった疑問を持ちの方に向けて、耐震診断が重要な理由をご紹介します。
耐震診断が重要であるとされる理由は以下の通りです。
- 耐震基準が年々更新されているため
- 現行の耐震基準と照合するため
- 家の状態を把握できるため
それぞれ見ていきましょう。
現行の耐震基準と照合するため
耐震基準は1950年以来何度も更新され、更新の度に基準が厳しくなっています。また、1981年の「新耐震基準」では、大きな震災にも耐えられるように大幅な改正が行われました。
このように、耐震基準は住宅の状態を知るための重要な判断指標となっているのです。
築年数が経過した古い建物の場合、現行の耐震基準を満たしているかどうか判断する必要があります。新しい耐震基準に適合している場合は改修工事の必要はありませんが、基準を満たしていない場合は補強工事などを検討する必要があります。
家の状態を把握できるため
家の状態を把握するためにも、耐震診断は重要です。実際に、ホームインスペクション(住宅診断)のオプションとして耐震診断を提供しているところもあります。
新築物件は問題ありませんが、これまでに一度も耐震診断をしていない中古物件などはリスクを抱えた状態であるといえます。自分の住居としている物件はもちろん、不動産売買を行う際も耐震診断は重要です。
ホームインスペクション(住宅診断)ならミツモアにご相談を!
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コストを抑えて、気軽に信頼できる業者を見つけたい方におすすめです。耐震診断やリフォームを検討している場合は、まずはプロに相談をしてみてはいかがでしょうか?