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空き家の解体費用の補助金を受け取る条件は?自治体ごとの違いに注意

最終更新日: 2023年09月20日

多くの自治体で、空き家の解体費用の補助金が活用されています。長年空き家を放置すると、倒壊する危険性があります。解体費用は高額になりがちなので、補助金を使って経済的負担を抑えましょう。自治体別の条件の例や、注意点などを紹介します。

解体費用に使える補助金の支給条件

解体費用の補助金が支給される条件は、自治体によってさまざまです。代表的な条件の例をチェックしましょう。

  • 長期間活用されていない
  • 一定基準以上の老朽化が進んでいる
  • 1981年以前に建てられている
  • 施主の所得が一定以下

長期間活用されていない

空き家の解体費用の補助金の活用をする際に問題になるのが、どのような状態の家が空き家に該当するかです。まずは国が定める空き家の定義を押さえておきましょう。

「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、居住やその他の利用がされていない状態が、長期間続いている建築物を空き家に定義しています

空き家の種類は住宅とは限らず、住んでいなかったとしても物置にしているなど、何らかの目的で使用をしている場合は対象外です。1年以上、何の目的にも使用されていない建物を所有している場合、補助金の支給条件に当てはまる可能性があります。

一定基準以上の老朽化が進んでいる

老朽化の程度が基準を超えているかどうかも、条件の1つです。長年手入れがなく倒壊の危険性が高い建物は、補助金が支給されやすくなります

メンテナンスされなくなった古い建物は、劣化した部分から雨水や風などが入り込み、破損しやすい状態です。このような建物の取り壊しを促進するための補助金です。

腐朽破損の基準や調査項目の例は、自治体のガイドラインで明示されています。担当者の目視によるレベル分けや、耐震診断などを使った計測をしているケースが一般的です。

1981年以前に建てられている

いつ建てられた建物なのかも、重要なポイントです。築年数が古く、地震に弱い建物ほど補助金の対象になりやすいといえます。対象となる建物の築年数に、条件を設けている自治体もあります。

施工時期が1981年5月31日以前かどうかが、1つの目安になるので押さえておきましょう。1981年は耐震基準の法律が改正された年です。改正以前に建築確認申請を受けたものは「旧耐震」と呼ばれ、新しい基準で建てられたものとは分けて考えられています。

補助金を活用して現代の基準に合っていない建物を早く解体すれば、地震に強い街作りに役立つことから、より古い建物が優先される傾向です。

施主の所得が一定以下

空き家の所有者の所得が一定以上あり、十分に費用を捻出できると認められる場合、補助金が支給されなかったり、減額されたりするケースがあります

「前年の所得が1,000万円を超える場合、補助金の対象外にする」というように、所得制限を設けている自治体も珍しくありません。所得が多ければ、解体費用を自力で捻出できると判断されるためです。

補助金は予算や上限が決まっているので、経済的に苦しい人を優先して支給することが一般的です。建物の使用目的も重要で、「営利目的ではない個人所有の建物に限る」といった条件が決められていることもあります。

補助金の支給に値する人物かどうかを判断するため、税金の滞納がないかなどもチェックされるポイントです。

空き家の解体に補助金を支給する目的

空き家の解体に、なぜ補助金が出るのか不思議に思う人もいるでしょう。空き家の解体に補助金を支給する目的を紹介します。

施主の金銭的負担を和らげるため

解体費用の補助金を支給する目的は、施主の金銭的負担を減らすことです。費用の問題があって、空き家の解体や活用ができない人は少なくありません。補助金で費用面をカバーすれば、空き家の解体や土地の再利用などを促進できます。

空き家を解体する費用は広さや建物の構造によって異なりますが、数十万から数百万円程度と、決して安い金額ではありません。

補助金によって解体費用の負担が減れば、相続などで所有者が変わり、新たな所有者が扱いに困って放置してしまうケースに対処しやすくなります。

犯罪や倒壊による被害を防ぐため

補助金により空き家を解体しやすい状態にし、防犯性を高めることも目的の1つです。放火されたり、違法な取引を行うために利用されたりと、空き家が犯罪の現場になることがあります。

いつのまにか不法投棄の現場になっていて、景観の破壊や臭いなどの問題が起こるケースもあるでしょう。頻繁に空き家の様子を見に行ったり、掃除やメンテナンスができる環境であればトラブルの原因になることはまれですが、そうでない場合は近隣住民に不安な思いをさせてしまいます。

道に面した空き家が崩れれば、通行人や近隣住民にケガを負わせる可能性もあるでしょう。こうした問題やリスクを防ぎ、「住人が安全に暮らせる環境を作ること」も重要な目的です。

地域の活性化と景観保全のため

空き家

解体されない空き家が増えると、街の景観を損ねてしまいます。窓が割れたまま放置されたり、壁や塀などに落書きされたりしている古い家屋を見て、近くに住みたいと思う人はいません。

長年手入れされていない雑草が生い茂った庭は、見栄えがよくないだけでなく、害虫や野生動物の住処になってしまうこともあります。

新しく土地や家を買おうとしている人が周辺環境を調査したとき、このような空き家ばかりでは、購入をためらいます。周辺の地価が下がり、地域の活性化を妨げる原因になるでしょう。

空き家の補助金を支給する目的は、これらのデメリットを解消するためでもあるのです。

空き家解体に利用できる補助金制度の事例

補助金を受け取るための条件は、自治体によって違います。自治体別に、補助額や支給条件の例を紹介します。

荒川区:古い空家住宅の解体費助成

東京都荒川区では「古い空家住宅の解体費助成」を行っています。対象者は区内にある空き家の所有者で、個人以外に中小企業(宅地建物取引業者以外)も含まれます。

対象となる空き家の条件は、1年以上使用されておらず、住宅部分の面積が1/2以上であることなどです。築年数の条件もあり、1981年5月31日以前に建築されているものが対象と決められています。

さらに現場調査などによって、倒壊のリスクが高いと判断されることも必要です。助成金額は解体費用の2/3で、最高で100万円まで支給されます

助成金を受けるには区の「住まい街づくり課」へ行き、事前に相談します。申請後であっても、交付の内定を受けていない状態で解体すると、補助金が支給されないので注意しましょう。

横浜市:住宅除却補助制度

横浜市の「住宅除却補助制度」は、1981年5月31日以前に建築されている旧耐震の建物の中から、下記のいずれかに当てはまるものを対象にしています

  • 耐震診断の上部構造評点が1.0未満の木造住宅(2階建て以下)
  • 倒壊の恐れがあるもの

補助金額は、以下の中で最も低い額です。

  • 課税世帯:20万円、非課税世帯:40万円
  • 対象建築物の延べ面積(㎡)×1万3,500円/㎡×1/3
  • 対象建築物の解体費用×1/3

交付申請書などの必要書類を提出後、市から「補助金交付決定通知書」を受け取り、解体工事に着手する流れです。

大阪市:狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度

大阪市で活用されているこの制度は、密集住宅市街地にある建物を対象にしています

建物があるエリアによって「対策地区」と「重点対地区」に分けられ、それぞれ支給条件が異なります。補助限度額は、戸建ては1棟あたり75万円、集合住宅は1棟あたり150万円です

補助金の支給を受けるには、工事着手予定日の40日以上前に申請し、交付決定後に解体工事を行います。期日までに、工事完了報告や補助金の請求が必要です。

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空き家う解体する以外の選択肢

空き家を所有することになったとき、解体以外の選択肢もあります。どのような方法があるのかを解説します。

建物付きの土地として売る

空き家を解体せず、建物付きの土地として売却する方法があります。売却すれば解体費用を負担する必要はありません。管理の負担から解放される上、固定資産税を払い続ける必要もなくなります。

利用しなくなった建物を放置しておいても維持費がかさむだけなので、できるだけ早い段階で売却を検討しましょう。売却の際は不動産への仲介手数料や、土地の測量費用などが必要です。

不動産会社以外にも、「空き家バンク制度」を利用して買主を探す方法があります。空き家バンクに物件を登録しておくと、物件の購入や賃貸を考えている人を見つけるために役立つでしょう。

賃貸物件として活用する

所有している空き家がまだ十分に住める状態であれば、賃貸物件として貸し出し、収益を得る方法もあります。不動産会社や空き家バンクなどを利用し、貸し出しを検討しましょう。

売却する場合とは違って固定資産税や維持費はかかりますが、家賃収入を当てられるので、ただ放置するよりもメリットがあります。

賃貸物件として利用するには、人が住める状態でなければいけません。空き家の期間が長かったり築年数が経っていたりすると、修繕が必要になるケースがほとんどです。

自治体によっては、空き家の改修が必要な際に活用できる補助金を用意していることがあります。「改修の工事費や設計費」「工事監理費」などを補助の対象としている自治体もあるので、住んでいる地域の情報を確認してみましょう。

補助金で負担を減らして空き家を片付けよう

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空き家の扱いに困っている人は、地域の補助金の条件に当てはまるかどうかチェックしましょう。空き家を売ったり貸したりする予定がない場合、補助金を利用して思い切って片付けてしまうのがおすすめです。

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