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旗竿地とは?特徴やメリットとデメリット、評価方法を徹底解説

最終更新日: 2023年03月08日

家を建てるために土地探しをしていると、よく目にするのが「旗竿地(はたざおち)」という言葉です。

比較的安価に購入しやすいことで人気の土地ですが、デメリットもあります。旗竿地の定義や、どのようなニーズに適した土地なのかを見ていきましょう。

旗竿地(はたざおち)とは

そもそも旗竿地とは、どのような土地のことを指すのでしょうか。旗竿地の定義や特徴を確認しましょう。

旗竿地ってどんな土地?

旗竿地とは道路と接している細い路地の先に広がる土地のことです。「竿付きの旗」のような形をしているので、旗竿地と呼ばれています。

都市部に発生しやすく、土地の価格が安いのが特徴ですが「家を建てる場合には公道(道路)と接している敷地の幅が2m以上なければ、家を建ててはいけない」と建築基準法で決まっているのです。

もし敷地内に駐車場を設置したい場合には、敷地の幅が2mでは車を置いてしまうと人が通れなくなってしまいます。現実的に考えると、最低でも2.5~3mの幅が必要といえるでしょう。

また旗竿地を購入した場合、路地を通って奥に広がる敷地に家を建てることになるため、家と道路が直接面した部分がありません。また四方を建物に囲まれやすいので、日当たりが良くない土地も多めです。

旗竿地はなぜできる?

旗竿地は街中や都市部でよく見られます。街中や都市部は土地の価格が高く、広い土地を購入できる人があまりいません。また広い土地を必要とする人が少ないため、土地を売りやすい大きさに切って販売しているのです。

奥行きのある土地を分割する際に、道路に面する敷地の幅が均等になるように分割すると幅が狭くなり、土地を売るのに不利になります。

建築基準法を満たし、なおかつ家が建てやすい形の土地を作るために旗竿地ができたのです。

旗竿地のメリット

旗竿地には大きく分けて3つのメリットがあります。それぞれのメリットについて確認しましょう。

価格が安い

正方形のような形に整っている整形地よりも、旗竿地のように形が整っていない不整形地のほうが安価な傾向があります。

「家を建てたいけど、価格を抑えたいと考える人」や「外装や内装に費用をかけたいと考える人」にぴったりの土地といえるでしょう。

たとえば同じエリアに整形地と不整形地が販売されている場合、整形地と不整形地の路地を除いた部分が同じ大きさの土地の販売価格が同じこともあります。つまり路地の分だけ土地が安く購入できることもある、ということです。

静かで過ごしやすい

旗竿地は公道から離れた場所に家を建てられるので、静かな住環境が手に入りやすくなります。たとえば公道を通る車やバイクの音が聞こえにくくなるのです。

また公道から家の中が見えにくいので、プライバシーも守られやすくなります。街中や都市部で過ごしたいけど、静かな住環境を整えたい人におすすめの土地といえるでしょう。

しかし近隣には住居があるため、生活音に配慮が必要です。防音対策を行うと安心して過ごしやすくなります。

おしゃれなデザインにしやすい

旗竿地は不整形地のため、土地にあった家を建てる必要があります。普通に家を建ててしまうと、日差しが入らず暗い家になってしまうためです。

土地が安い分、間取りにこだわったデザイン性の高い家を建てるのも良いでしょう。また不整形地であることを生かして、公道から細く伸びた路地部分を楽しむ人もいます。

路地に花壇を設置して華やかにしたり、玄関周りを広く活用したりと、旗竿地の形を生かしながら機能的な家造りを楽しめます。

旗竿地のデメリット

先ほど解説したとおり、旗竿地は土地の価格が安めな傾向だったり、静かな住環境が得やすかったりとさまざまなメリットがあります。しかし不整形地であるがゆえのデメリットもあります。

せっかく安く購入できても、デメリットのせいで生活しにくかったり、無駄にコストがかかってしまったりしては意味がありません。あらかじめデメリットについても把握しておきましょう。

日当たりや風通し、防犯の対策が必要

旗竿地は公道から離れた場所にあるため、住宅に囲まれていることが少なくありません。

そのため日当たりや風通しの良くする工夫が必要といえます。たとえば中庭や吹き抜けを作ること、窓の配置や種類を考慮することも大切です。

また住宅に囲まれた場所に家が建つため、死角ができやすくなります。1階は防犯ガラスを使用したり、路地に防犯砂利を敷いたり、人を感知するセンサーライトを活用したりといった防犯対策を行うと安心です。

駐車場を確保しにくい

旗竿地の駐車スペースは、公道から奥の土地につながる路地の部分に確保するのが一般的です。

路地に十分な広さがあれば、駐車に問題はないでしょう。しかし旗竿地の規定が「公道と接している敷地が2m以上」なので、敷地の幅に余裕がない土地も珍しくありません。

スライドドアでコンパクトタイプの車であれば、なんとか駐車できる、という場合も少なくないでしょう。さらに車を2台以上保有している場合は、縦列駐車を行う必要があるため、車の出し入れが不便になります。

建設コストが余計かかる可能性がある

公道に面している敷地の幅が狭いと、建設に必要な重機類が入らない可能性があります。重機類が使用できないと作業員の人数を増やしたり、工事が長くなったりするため、建築費用や解体費用が高くなる場合があるのです。

コストを中心に考えたら、大型の車が入れる土地を探すほうがよいケースもあるでしょう。

また旗竿地は、整形地と比較すると塀などの外構が長くなることがあります。そのため新たに外構を建設するときは、外構費が高くなりやすいのです。路地の部分にコンクリートを敷くだけでも費用はかかるといえます。

売却されにくい

旗竿地の販売価格は安いことが特徴です。つまり売りたいときに買い手が見つかりにくいといえます。買い手が見つかるまでに時間がかかったり、値下げしないといけなかったりと、売却しにくいことがあるでしょう。

また以前まで旗竿地の規定は「公道と接している敷地の幅が1.8m以上」という基準でした。基準が変更されても、そのまま住み続けることは問題はありません。

しかし現在の旗竿地の規定である「公道と接している敷地の幅が2m以上」を満たしていない場合、大規模なリフォームや建て替えを行えないのです。そのため市場価値は極めて低くなるといえます。

旗竿地の評価を知るには

旗竿地の評価にはさまざまな方法があります。今回は「奥行きのある土地としての計算方法」と、「間口が狭い宅地としての計算方法」で確認してみましょう。路面価格は国税庁のホームページを参照しています。

奥行きのある土地としての評価計算式

奥行きのある土地は奥行価格補正率を使用して、整形地よりも土地の評価を低くします。

土地の評価には公道からの奥行きが影響し、奥行きのある土地は使いにくいと考えられるためです。下記の評価計算式を用いて、旗竿地を奥行きのある土地として計算します。

  • 評価額=地積×路面価×奥行価格補正率

出典:付表1奥行価格補正率表(昭45直資3-13・平3課評2-4外・平18課評2-27外改正) |国税庁

間口が狭い宅地としての評価計算式

間口が狭い宅地として計算する場合は、路線価に間口狭小補正率と奥行長大補正率をかけあわせて、評価額を算出します。

旗竿地も公道に対する間口が狭く、奥行きのある土地のため、間口が狭い宅地として計算できるのです。

  • 評価額=路線価×間口狭小補正率×奥行長大補正率×面積

出典:奥行価格補正率表(昭45直資3-13・平3課評2-4外・平18課評2-27外改正) |国税庁

旗竿地を上手に活用しよう

公道から伸びた路地の先にある旗竿地は、価格が安く静かな住環境を探している人におすすめの土地です。不整形地だからこその、こだわりの家造りを楽しめるでしょう。

しかし旗竿地に家を建てた場合、周囲を住居に囲まれることが多いため生活音や日当たり、風通しなどに考慮する必要が出てくるかもしれません。また死角が増えるので防犯対策を行うと安心です。

旗竿地のデメリットも考慮しながら、オリジナルの個性豊かな家造りを楽しみましょう。

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