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【税理士監修】事業所得と雑所得の違い|もう迷わない判断基準と具体例

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最終更新日: 2024年01月05日

確定申告でよくある間違いが所得区分の判断。そのなかでも「事業所得」と「雑所得」の区分が難しいと感じる人は多いのではないでしょうか。

事業所得と雑所得は「事業として営むことから得た収入か」を基準に判断します。事業として成立していれば事業所得、該当しなければ雑所得です。

本記事では個人の申告における「事業所得」と「雑所得」に注目し、具体的な事例を用いた判断基準、確定申告の方法を説明します。

この記事の監修税理士

風間公認会計士事務所 - 東京都品川区南品川

風間優作(かざまゆうさく) 1985年千葉県銚子市出身。兵庫県立大学大学院卒業。 上場会社経理部にて一般経理実務を経験した後、Big4監査法人及び税理士法人にて、公認会計士・税理士としての実務を経験し独立開業。現在は会計監査やIPO実務だけではなく、個人・法人税務から売上アップ・資金繰りコンサルまで幅広く対応している。

事業所得と雑所得の違い

事業所得と雑所得とはどういうもの?

事業所得と雑所得の大きな違いは「事業としておこなって得た収入かどうかです。

これだけでは簡単に聞こえますが実務では判断が難しいケースもあります。ここでは事業所得と雑所得の違いについて具体例を交えながら解説していきます。

また、雑所得や事業所得以外の所得区分も併せて確認するようにしましょう。

事業所得は「国税庁が定める事業から発生する所得」

国税庁によると「事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生ずる所得」と定義されています。

ただし、ここには不動産売買や山林譲渡による所得は含まれず、それぞれ不動産所得や譲渡所得として扱われます。

事業所得として認められるための具体的な要件については、後述する「事業所得として認められるための要件とは」を参照してください。

参考:No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)|国税庁

雑所得は「 他の所得に当てはまらないその他の所得」

雑所得は他の所得に当てはまらない所得のことです。

「他の所得に当てはまらない所得」とは10種類の所得区分において、他の9種類に該当しないもので、身近な具体例としては公的年金が挙げられます。

その他にも「特技の手芸を生かしてハンドメイドの財布やバッグを作り、ネットで販売した」「アフィリエイトサイトを立ち上げて副収入を得ている」「仮想通貨の運用で利益を得た」というような所得も雑所得に含まれます。

雑所得は事業所得と混同しがちですが、事業所得と雑所得の明確な差は「事業活動によって得た収入かどうか」です。

例えばサラリーマンが副業収入がある場合は主となる給与収入があるため副業収入は雑所得に該当します。ただし、副業の規模が大きくなった場合には事業所得として申告が可能です。

その場合には給与収入と副業収入の金額を比較することで事業規模であるかどうかを判断していきます。

【10種類の所得区分】

所得税法における所得区分は10種類に分けられているため、所得区分に応じ所得金額を算出する必要があります。

利子所得 預貯金や公社債の利子

合同運用信託や公社債投資信託、公募公社債等運用投資信託の収益分配所得

配当所得 株主や出資者が法人から受ける配当

投資信託(公社債関係以外)や特定受益証券発行信託の収益分配所得

不動産所得
  • 土地
  • 建物
  • 借地権
  • 地上権
  • 船舶
  • 航空機の貸し付け

による所得

事業所得
  • 農業
  • 漁業
  • 製造業
  • 卸売業
  • 小売業
  • サービス業
  • その他の事業

などから生じる所得

給与所得 勤務先から受ける給料・賞与による所得(正社員・パート・アルバイト)
退職所得
  • 勤務先から受ける退職金
  • 厚生年金基金等の加入者の退職により支払われる厚生年金法による一時金など
山林所得 山林を伐採、立木のままで譲渡することによる所得
譲渡所得
  • 土地
  • 建物
  • ゴルフ会員権

などの資産譲渡益による所得

建物などの所有を目的とする地上権などの設定による所得

一時所得
  • 懸賞
  • 福引の賞金品
  • 競馬や競輪の払戻金
  • 生命保険一時金
  • 損害保険の満期返戻金
  • 法人から贈与された金品
雑所得
  • 公的年金等
  • 非営業用賃金の利子
  • 副業による原稿料
  • 講演料
  • 印税

など上記の9種類の所得区分に属さない所得

この稼ぎは事業所得?雑所得?【具体例付きで解説】

この業務は事業所得?雑所得?
この業務は事業所得?雑所得?

ここでは具体例を使って、事業所得と雑所得の区別を確認していきます。ポイントは「事業性の有無」と「所得金額の大きさ」です。

副業での収入は基本的に「雑所得」

副業は本業ではないため基本的にはすべて雑所得です。そのためサラリーマンで副業収入がある場合は、給与所得と雑所得の2つの所得が発生することになります。

副業の確定申告義務について、年間の所得が20万円を超える場合は必要になるので、20万円以下であれば所属する会社の年末調整にて所得税の納税手続きは完了します。

ただし、副業における20万円を境にした申告義務の判定についてはすべての人が該当するわけではなく、一定の条件を満たしている人のみが該当するため注意が必要です。

年間の雑所得が20万円以下の人には申告納税義務がないという措置は、給与所得者が副業として年間20万円以下の所得がある場合に限定され、給与所得者の特典になっている制度です。

つまり、事業活動をおこなう事業者は主たる収入が給与所得者ではないため、副業の雑所得として20万円以下に関する申告不要の特典を受けることができません。

フリーランスの場合は「事業所得」

フリーランスの場合における所得区分は「事業所得」になります。

フリーランスは会社などと雇用契約を結ばず、取引先と委託契約を結び仕事を請け負うため基本的に個人事業主と同じ取り扱いです。

そのため、個人事業主と同様に事業所得として確定申告を行わなければなりません。事業所得の場合は赤字ではない限り原則として申告の義務が発生します。

しかし、事業所得が赤字で申告義務がない場合においても、確定申告をおこなったほうが良い場合もあるため注意が必要です。

ただし、黒字の場合でも次のような各種控除を差し引いた「課税所得金額」がマイナスであれば所得税は発生しません

  • 基礎控除
  • 扶養控除
  • 生命保険料控除
  • 医療費控除

申告したからといって必ずしも税金が発生するわけではないのです。各種控除を差し引いた残額がある場合に確定申告が必要です。

そのため、まずは自身の控除額を計算することで確定申告が必要な所得金額を把握することから始めましょう。

ネットオークションで得た利益は「雑所得」

ネットオークションで不要になった服や小物、本などを売ってお小遣いにするという方も多いでしょう。このような場合、ごく一般的な利用であれば雑所得に区分されます。

もっとも個人事業主の場合「20万以下〜」の慣例は当てはまりませんので、オークションで得た雑所得がたとえ1万円でも申告する必要があります。

たとえば本業がサラリーマンの人なら「雑所得が20万円以下なら個別の確定申告が不要」という慣例があるので「年に数回程度、不要な物をオークションで売り、数万円の所得を得ている」という場合なら、確定申告は不要です。

参考:No.1906 給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合|国税庁

譲渡所得になることも

1点あたり30万円を超える宝石や骨董品などの贅沢品を売却して得た利益は譲渡所得となり、課税対象の所得となります。

サラリーマンや個人事業主に関わらず高額品を売った際は、雑所得ではなく譲渡所得となるので注意しましょう。

家庭教師の収入は「事業所得」または「雑所得」

家庭教師の収入は事業所得または雑所得に分類されます。2つのどちらの所得区分に該当するかどうかは、主たる収入が家庭教師の収入であるかどうかで判断します。

【事業所得になるケース】

家庭教師は教える子の親から請け負う場合は個人間契約になります。

主たる給与がなく派遣会社などと委託契約を結んで家庭教師をおこなう場合は、雇用契約ではないフリーランス契約と同等に扱われます。

したがってその所得は「事業所得」となり、申告をおこなうべき所得金額の計算は事業所得と同じ扱いです。

【雑所得になるケース】

主たる給与があり副業として家庭教師をおこなう場合は個人間契約であっても雑所得となります。そのため、給与所得と雑所得の2つの所得区分での確定申告が必要となります。

しかし、この場合は雑所得の年間合計が20万円を超えると確定申告が必要となってくるため、20万円を超えていなければ所属する会社の年末調整にて所得税の納税手続きは完了したことになります。

また、家庭教師の確定申告についてもフリーランスと同様に 原則として赤字ではない限り申告の義務が発生します。ただし、黒字の場合でも

  • 基礎控除(48万円)
  • 扶養控除
  • 生命保険料控除
  • 医療費控除

などの各種控除を差し引いた「課税所得金額」がマイナスであれば所得税は発生しないため、申告したからといって必ずしも税金が発生するわけではありません。各種控除を差し引いた残額がある場合は確定申告の必要があります。

太陽光発電による売電で得た利益は「雑所得」

自分の家や土地にソーラーパネルを設置し、太陽光発電を行って得た電力は国が定めた「固定価格買取制度」に基づいて電力会社に売ることができます。

個人が太陽光発電によって売電する場合、電気を売ることが主目的ではありません。生活に必要な電力を発電し、使い切れなかった電力を売電するので、反復継続性や営利性が認められません

したがって太陽光発電による売電で得た所得は、事業所得ではなく雑所得となります。

ただし、自宅兼事務所の屋根にソーラーパネルを設置し、主に事業用電力を確保するために太陽光発電を行っていたような場合は別です。

事業用電力目的の太陽光発電で余った電力を売電した場合、対価がどんなに少額であっても事業所得と扱われるので注意しましょう。

事業所得として認められるための4つの要件【判例あり】

事業所得として認められるための要件とは

ある売上が事業所得となるかどうか(=事業性の有無)について、税法は明確な基準を定めていませんが、実務上は以下の4つの基準で判断しています。

  • 反復継続性があるか
  • 営利性・有償性があるか
  • 自己の計算と危険において独立して遂行する業務か
  • 事業として客観的に成立しているか

反復継続性があるか

事業が単発で終わるような場合や、事業がスタートしたばかりでほとんど営業実績が存在していないような場合は「反復継続性がなく、一時的な所得に過ぎない」と判断されるため、事業所得として認められません。

営利性・有償性があるか

事業は営利目的で行うものなので無償で商品を与えたり、著しく安い対価でサービスを提供したりする場合は事業性が否定されます。

自己の計算と危険において独立して遂行する業務か

個人事業においては、事業資金を銀行から借りる際は事業主名義であるため、事業活動で事故が起きた場合は事業主個人が賠償責任を負います。

このように、お金の計算や事業遂行上の危険を事業主自身が引き受けていれば、事業性が認められやすくなるのです

反対に運営資金の大半を、友人から無期限・無利息で借りている」「取引の代金を親が肩代わりしている」といった場合は、自己の計算と危険において独立して事業を遂行しているとは到底言えませんので、事業性が否定されます。

事業として客観的に成立しているか

サラリーマンが通勤電車の中でスマホを使って株取引をし、数百万円を稼いでいたとしても「事業所得」とは認められません。本業はサラリーマンであり、株取引は客観的に見て事業として成立していないからです

「日々その事業に専従する」「屋号を掲げて仕事をする」「事業主としての名刺や連絡先を用意し、取引先とやりとりする」といった条件をクリアしないと事業として客観的に成立しているとは認められないため、収入を事業所得とすることもできません。

事業所得として認められた判例

事業所得か雑所得かの判断基準については過去にも多くの係争事件があり、判決を出された判例があります。

【事例】商品先物取引における所得区分の判例

この事案では、商品先物取引が事業でおこなっているかどうかが判断基準となりました。

具体的には次のような項目が判断基準としてあげられています。

  • 商品取引の受託者としての業務に従事したことがある
  • 10年を超える商品先物相場の経験があった
  • 仕事の大半を生糸等の商品先物取引に充てていた
  • 商品先物取引の収入によってて生計をたてていた
  • 1年間に売買取引が数百回あった

上記の項目を総合的に判断した結果、雑所得ではなく「事業所得」であると認定されました。

事業所得かどうかの判断を争う判例の多くは、事業所得として申告したものが雑所得であると認定されている事案ばかりです。

それらの判例を総合的に分析すると、事業所得と雑所得の判定については次のように判断することができます。

  • 独立業務として企画遂行性と営利性を持ち、継続的に営業を行い、利益を生み出していること
  • 社会的地位が客観的に認められる業務から生じる所得であること
  • 社会通念上「事業」といえる規模・態様においてなされた活動であること
  • 精神的肉体的労力を投入していること

以上を総合的に勘案して、事業所得として判断する必要があります。

雑所得より大きい、事業所得の5つのメリット

事業所得と雑所得はどっちが得?それぞれのメリットとは

雑所得として取り扱うより、事業所得として所得計算や確定申告をする方が大きなメリットがあります。

  • 他の所得と損益通算ができる
  • 青色申告特別控除が受けられる
  • 損失額の繰越しと繰戻しができる
  • 30万円未満の少額減価償却資産を経費として一括計上できる
  • 家族の給与を経費計上できる

確定申告の手続きが手軽な雑所得に比べて事業所得の方が複雑にはなりますが、節税につながるので検討してみるとよいでしょう。

他の所得と損益通算ができる

不動産所得・事業所得・総合譲渡所得・山林所得の4種類の所得は、各所得の計算上発生した損失を総所得等の計算において控除することが可能です。これを「損益通算」と言います。

事業所得で発生した損失は、損益通算を活用することで給与所得などの本業で得た所得から控除できるので、節税につながります。これは雑所得との大きな違いです。

青色申告特別控除が受けられる

青色申告の承認を受けている場合には青色申告特別控除が受けられることも事業所得の大きなメリットです。

青色申告特別控除とは、不動産所得または事業所得のある人が受けられる控除制度です。

以下の要件を満たした場合には最高65万円の控除、それ以外の納税者には10万円の控除が認められます。

  • 複式簿記による記帳
  • 貸借対照表および損益計算書の提出
  • 申告期限内の申告

青色申告特別控除については、2020年分の所得(=2021年に手続きを行う確定申告)から控除額の種類や適用要件が変更となる法改正がありました。

最も大きな変更点は、控除額が3種類になったことです。従来、青色申告特別控除額は65万円と10万円の2種類でしたが、改正後は55万円の控除額が加わりました

最高65万円の特別控除を受けるには、e-taxを使用した電子申告または電子帳簿保存が条件なので注意が必要です。

紙による申告・帳簿だと控除額が55万円にダウンしてしまいますが、基礎控除が従来の38万円から48万円に引き上げられたので、実質的な控除額に変化はありません。

改正後における青色申告特別控除と基礎控除の関係については次の図を参照してみてください。

令和2年分以後の所得税における青色申告特別控除と基礎控除の関係(国税庁作成)
出典:国税庁「令和2年分以後の所得税における青色申告特別控除と基礎控除の関係」

なお、上記の青色申告特別控除は、事業所得があれば誰でも受けられる訳ではなく、所轄の税務署への開業届と青色申告承認申請書の提出が必要です。

関連記事:青色申告特別控除とは?控除額65万円と55万円、10万円の要件をそれぞれ解説|ミツモア

損失額の繰越しと繰戻しが可能

青色申告の適用を受ける事業所得に対しては「損失額を3年間繰り越せる」という特典が与えられます。

事業所得で大きな赤字が出た場合に、前掲の損益通算では控除しきれないことがありますが、その場合でも最大3年間赤字を繰り越せるので、節税につながります。

また青色申告2年目以降の個人事業主は、今年の赤字を前年に繰り戻して計算することも可能です。繰り戻し計算の結果、所得税の払いすぎが明らかになれば、還付申告をすることでお金が戻ってくるでしょう。

30万円未満の少額減価償却資産を一括経費計上できる

青色申告の適用を受ける個人事業主は、30万円未満の少額減価償却資産を一括で経費に計上できます

たとえば事務所で使うパソコンやプリンタ、電話機などが少額減価償却資産の例として挙げられます。

少額減価償却資産の購入または使用を開始した年度にまとめて経費に計上すれば、その分黒字を圧縮できて節税につながるのです。

家族の給与を経費計上できる

個人事業主として配偶者などの家族を従業員として雇う場合、家族に支払った給与は「専従者控除」という形で経費計上することができます。

ただし、青色申告と白色申告では専従者控除が認められる要件および金額が異なります。詳しくは国税庁のHPを確認してみてください。

参考:No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除|国税庁

事業所得/雑所得の確定申告のやり方

事業所得/雑所得 確定申告のやり方

副業などの雑所得があり一定の要件を満たす場合は確定申告をおこなう必要があります。

書類の準備から申告書の作成まで、次ので流れに従ってスムーズに確定申告を行っていきましょう。

  1. 必要書類の準備
  2. 確定申告書の作成
  3. 確定申告書の提出
  4. 所得税の納付

①必要書類の準備

確定申告では事業所得と雑所得では必要書類が異なります。

必要書類 共通で必要なもの
事業所得
  • 確定申告書
  • 決算書(青色申告決算書・収支内訳書)
  • 源泉徴収票(必要がある場合のみ)
  • 支払調書(必要がある場合のみ)
所得控除を受けるための控除証明書関係

  • 社会保険料の控除証明書
  • 生命保険料の控除証明書
  • 地震保険料の控除証明書
  • 医療費控除の明細書(領収書は自ら保管)
  • 住宅ローン控除に関する書類(住宅借入金等特別控除申告書・借入金残高証明書・登記事項証明書など)

その他控除に必要な証明書など

雑所得
  • 確定申告書
  • 源泉徴収票(必要がある場合のみ)
  • 支払調書(必要がある場合のみ)

②確定申告書の作成

事業所得と雑所得は、確定申告の際に記入する欄が異なります。

  • 事業所得:「事業所得」の欄に記入
  • 雑所得:「雑所得」の「公的年金」「業務」「その他」のいずれかに記入

雑所得は「公的年金」「業務」「その他」の3つに分類されています。間違えないように注意しましょう。

公的年金:国民年金、厚生年金、共済年金

業務:業務を行うことで得る雑所得。ハンドメイドやネットせどり、講演・執筆など

その他:公的年金にも業務にも当てはまらない雑所得。個人年金や仮想通貨など

事業所得と雑所得の両方がある場合はどちらにも記入しましょう。

なお確定申告書は、令和5年より従来のA・B様式から一種類に統合されました。詳しい書き方は以下の記事をご参考ください。

関連記事:確定申告書のわかりやすい書き方! 会社員・パートの記入例【確定申告書A・Bは廃止】

③確定申告書の提出

作成した確定申告書は申告期限内に提出する必要があります。

申告期限については翌年2月16日から3月15日までとなっていますが、近年では新型コロナウイルス感染症の影響により申告期限が延長される特例があります。国税庁のホームページなどを確認し、申告漏れがないように注意しましょう。

確定申告書の提出方法については下記の3つのうちいずれかの方法で行います。

  • 郵送
  • 税務署に持参
  • e-Tax

【郵送】

確定申告書については、発信主義になっていますから郵便局における通信日付印によって提出日とみなされ、郵便事情により税務署への到達日が期限外になっても提出日は有効です。

また、確定申告書の控えが必要な場合は返信用の封筒と共に申告書を郵送することで、税務署の受付印が押印された確定申告書の控えをもらうことができます。

ただし「ゆうパック」は申告書として受け付けてくれないので注意してください。

 【税務署に持参】

作成した確定申告書を税務署に持参する場合は持参するタイミングに気をつけるようにしましょう。確定申告の期限は3月15日となっているため、ギリギリに持参してしまうと税務署が混雑している場合がほとんどです。

そのため、税務署に持参する際は余裕をもって早めに持参しましょう。また、確定申告書の控えが必要な場合は提出時に確定申告書の写しを持参することで写しの方へ受付印を押印してもらえます。

税務署が開いている時間に提出できない場合は、「時間外収受箱」に提出することが可能です。

関連記事:土日・夜間に確定申告を済ませる方法を徹底解説!|ミツモア

【e-Tax】

e-Taxとは電子申告で確定申告書を提出する方法です。e-Taxの場合は国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーを利用します。

電子申告であるため、郵送の手間はないことや税務署へ持参する必要もないため、自宅で申告書を作成後そのまま申告手続きまで完了です。

関連記事:確定申告にマイナンバーカードは必要?e-Taxの申請準備を解説!|ミツモア

④所得税の納付

所得税は所得が多ければ多いほど納税額が多くなる累進課税方式が採用されており、現在の所得税率は下記の表のとおりです。

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円~1,949,000円 5% 0円 
1,950,000円~3,299,000円 10% 97,500円
3,300,000円~6,949,000円 20% 427,500円
6,950,000円~8,999,000円 23% 636,000円
9,000,000円~17,999,000円 33% 1,536,000円
18,000,000円~39,999,000円 40% 2,796,000円
40,000,000円 45% 4,796,000円

納税手続きについては納付書に金額を記入し、最寄りの金融機関または税務署の窓口で納税します。

e-Taxの場合は申告手続きから電子決済で納税もできるため効率よく納税手続きを終わらすことができます。

納税手続きについて注意すべき点は法定期限までに納税しなければ、ペナルティとして延滞税という日割りの利息が発生するため納税額が余分に増える結果になります。

申告・納税の原則は期限内申告・納税となっているため申告期限を必ず守るようにしましょう。

参考:No.2260 所得税の税率|国税庁

監修税理士からのコメント

風間公認会計士事務所 - 東京都品川区南品川

一般的にサラリーマンの方に副業収入がある場合は、主となる給与収入があるため、副業収入は雑所得に該当することが多いかと思います。ただ、副業の規模が大きくなってきて、本記事にある4つの要件に合致するような状況となる場合には、事業所得としての申告が可能となります。事業所得への分類は雑所得と比べメリットがありますので、副業の規模拡大を目指すのも良いかと思います。

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