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確定申告で住民税の申告は十分?所得税との差異をまじえて徹底解説

最終更新日: 2019年12月13日

会社員の方でも給与所得以外に所得がある場合、確定申告が必要になります。実は確定申告は所得税に関するもので、住民税は別途申告をしなければなりません。

そこで今回は住民税の申告について、所得税との差異を交えてお伝えしていきます。

この記事を監修した税理士

EMZ総合会計事務所 - 東京都港区六本木

 
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住民税は確定申告のみで手続き完了?

住民税は確定申告のみで手続き完了?
住民税は確定申告だけでは手続きが終わらない!?

確定申告ではその年の所得に対し、所得税が計算されますが、住民税の計算はされません。そのため所定の条件に該当する場合、別途住民税の申告が必要になるのです。

以下では確定申告から住民税額が決定するまでの流れと、住民税の申告が必要な人の条件を見ていくことにしましょう。

確定申告の情報が各地方自治体に転送される

住民税とは都道府県民税や市区町村民税の総称で、その地域の公共サービスを行うための財源となります。所得税は「国税」であるのに対し、住民税は「地方税」であり、税金の手続き上関連はありません。

確定申告は所得税額の決定にとどまることはお伝えしましたが、どのようにして住民税額が決定するのでしょうか?

実は確定申告で所得税が決定すると、各種情報が税務署から各地方自治体(住民票所在地)へ転送されます。そのため各地方自治体は、確定申告の他に申告を受けることなく、住民税額の決定を行うことができるのです。

確定申告の住民税欄の記載方法

確定申告を行うことで、自動的に各地方自治体にデータが転送されるため、別途住民税の申告が必要ないことはお伝えしました。

ところが確定申告の際に、以下の要件に該当すると、確定申告書の第二表「住民税に関する事項」で記載が必要になります。

・同一生計配偶者がいる場合で、自分の合計所得金額が1,000万円を超える場合

・16歳未満の扶養親族がいる場合

・配当に関する住民税の特例を受ける場合

・非居住者の特例を受ける場合

・配当割額控除額がある場合

・寄付金税額控除がある場合

また「給与・公的年金等に係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択」も記載が必要です。ここでは給与・公的年金以外に係る住民税を、「給与から差引き」また「自分で納付」のどちらかを選択します。

勤務先に副業を行っていることを知られたくない場合は、「自分で納付」を選択しましょう。

参考:国税庁 住民税に関する事項を記入する

住民税の申告が必要な人

住民税の申告が必要な人は、1月1日現在に住民票所在地に居住し、以下のような所得があった場合が該当します。

・年末調整を受けている人で、給与所得以外の収入がある人(副業など)

・年末調整を受けている人で、勤務先から給与支払報告書を受取っていない人

・不動産所得、配当所得、公的年金などの雑所得がある人(※1)

(※1)公的年金は確定申告不要制度が認められても、公的年金以外の所得が必要な場合は住民税の申告が必要になります。

また、「確定申告を行っている人」、「年末調整を受けている人で、勤務先から給与支払報告書を受取った人」、「1年間の所得が0または一定額以下」の人は住民税の申告が必要ありません。

確定申告も住民税の申告もしていない場合

確定申告や住民税の申告もしていない場合、延滞税や無申告加算税など、申告漏れによるペナルティが課せられます。また故意に申告書を提出しない場合、場合によっては刑事責任が追及され、「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」が課せられることもあります。

国民の三大義務である「納税の義務」は、重要な義務であることを忘れてはいけません。

確定申告で住民税は安くなる?

確定申告で住民税が安くなる?
確定申告で住民税が安くなる!?

会社員の方は勤務先で年末調整を行ってくれるため、基本的には確定申告を行う必要はありません。ところが確定申告を行うことで、住民税が安くなる場合があるのです。

以下で住民税に適用される控除や、還付金が受けられる条件などをお伝えしていきます。

住民税に適用される控除一覧

実は所得税に適用される控除と住民税に適用される控除は異なり、項目は大きく物的控除と人的控除の二つに分かれます。

物的控除

・社会保険料控除:社会保険(健康保険、厚生年金など)を支払った全額が控除

・小規模企業共済等掛金控除:小規模企業共済、企業型確定拠出年金(加入者の掛金)、個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金全額が控除

・生命保険料控除:2011年12月31日以前に加入した保険については最大35,000円、2012年1月1日以降に加入した保険については最大28,000円が控除

・地震保険料控除:地震保険の支払保険料のうち、最大25,000円が控除

・医療費控除:支払った医療費のうち10万円を超えた額(または年間総所得×5%のいずれか低い方)で限度額200万円が控除

・雑損控除:住宅や家具が災害や盗難などによって損失を受けた場合、一定金額(※2)が控除

(※2)次のうちいずれか多い方の金額

・(差引損失額)−(総所得金額)×10%

・(差引損失額のうち災害関連支出の金額)−5万円

人的控除

・基礎控除:所得や他の要件に関係なく、一律33万円が控除

・障碍者控除:本人、または控除対象配偶者や扶養親族が障害者の場合、26万円が控除(特別障害者の場合は30万円、その人と同居している場合は53万円が控除)

・配偶者控除:配偶者の合計所得金額が38万円以下の場合、33万円が控除(70歳以上の老人控除対象配偶者の場合は38万円が控除)

・扶養控除:生計を一にする合計所得金額が38万円以下の扶養親族がいる場合、33万円が控除(特定扶養親族は45万円、70歳以上の老人扶養親族は38万円、老人扶養親族と同居している場合は、45万円が控除)

・寡婦・寡夫控除:配偶者と死別、離婚した人のうち、扶養親族がいる場合26万円が控除(扶養親族が子どもで合計所得金額が500万円以下の場合、30万円が控除)

・勤労学生控除:本人が勤労学生の場合26万円が控除

所得税と控除額が異なる

住民税で適用される控除の中には、所得税でも適用される控除も含まれていますが、控除額が異なる場合があります。たとえば誰でも一律で適用される基礎控除は、所得税の場合は38万円ですが、住民税の場合は33万円です。他にも扶養控除も一般扶養親族では、所得税は38万円ですが、住民税では33万円が控除されます。

上記で挙げた住民税の控除は均等割という、前年の所得に応じて課せられます。一方、所得税はその年の所得に応じて課税される仕組みのため、所得税と住民税では税額の対象となる所得が異なる点に注意しましょう。

還付は受けられる?

所得税も住民税も払いすぎた場合は、還付金として受け取ることが可能です。年末調整をされている方は、勤務先からの給与で還付金を受取ったこともあることでしょう。

所得税も住民税も確定申告を行うと、還付金を受取ることができますが、それぞれ受け取れる時期が異なります。所得税は還付金の請求を行ってから1~2か月後が一般的ですが、住民税の場合2~3か月後になることが多いです。

【個人事業主向け】住民税は経費にできる?

個人事業主の方で個人事業税は事業に必要な費用とすることができますが、住民税は事業者自身の税金であるため経費にすることはできません。

事業資金から支払うことは原則できませんが、事業主貸の処理を行うことで支払うことは可能です。その場合貸借対照表の仕訳で、借方に「事業主貸」、貸方に「現金・預金」と金額を記載し、摘要欄に住民税納付と記載してください。

住民税の申告で副業がばれる?

住民税の申告で副業がばれる?
申告の仕方によっては副業がばれる可能性も!

副業をしている方の多くの悩みは、副業をしていることが勤務先にばれてしまうことではないでしょうか?もし副業がばれてしまった場合、解雇されることはないにしても、その後のキャリアに影響してくる可能性があります。

ここでは確定申告の際に勤務先にばれない方法をお伝えしていきます。

20万円以下の副業収入でも申告が必要

会社員の方で副業の年間収入金額が20万円以上の場合、確定申告をしなければなりません。しかし、年間収入金額が20万円というのは所得税の場合で、住民税の場合は20万円以下の収入であっても住民税の申告が必要です

「住民税の申告が必要な人」の部分でお伝えしましたが、住民税の場合は収入金額に関係なく「年末調整を受けている人で、給与所得以外の収入がある人」は住民税の申告をする必要があるのです。そして住民税の申告を行ったことで、勤務先にばれてしまう可能性があります。

それでは具体的にどのようにすれば、副業をしていることが勤務先にばれずに済むのでしょうか?

ばれないために普通徴収に切り替え、自分で納付する

副業をしていることが勤務先にばれる原因は、会社が支払う給与の額に対し、住民税の額が大きい場合、不自然に思われるのです。しかし、これは特別徴収という勤務先が代わりに住民税を支払う方法を選択したためで、自分で支払う普通徴収を選択することでばれるリスクが小さくなります。

普通徴収を選択するためには、確定申告書第二表の「住民税に関する事項」で「自分で納付」にチェックすることで完結します。

ただし副業で赤字が出た場合、赤字申告を行うと普通徴収ができない場合がありますので注意しましょう。

不明点は税理士に相談しよう

税金は仕組みが複雑でわかりにくいことが多いです。特に住民税は計算方法も複雑なため、所得税よりもわかりにくいことがあります。

その様な不明点がある場合は、税理士に相談しましょう。

監修税理士からのコメント

EMZ総合会計事務所 - 東京都港区六本木

東京港区で、11年目を迎えた会計事務所です。公認会計士2名・税理士2名が所属しています。個人、法人問わず、税務顧問を始め、確定申告、 経理アウトソーシング、会社設立、相続、など会計事務所を主軸に会計・税務のみに留まらないサービスをお客様にお届けしております。海外財産、海外不動産、仮想通貨など、複雑な申告もお任せください。
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