確定申告の期限を過ぎてしまうと、さまざまなペナルティが発生します。万が一申告期限に間に合わなかった場合は、できるだけ早急に対処することが大切です。2024年提出分の確定申告期間や、期限が過ぎてしまったケースにおける対策について解説します。
2024年提出分の確定申告期間は?
確定申告の期間は税金の種類によって異なります。2024年提出分の確定申告の期間について、確認しておきましょう。
所得税及び復興特別所得税の申告・納税期間
2024年提出分の所得税及び復興特別所得税の、窓口における申告・納期限は2024年2月16日(金)~3月15日(金)です。
所得税及び復興特別所得税の還付申告は、2月15日より前でも受け付けています。窓口で申告する場合、土日祝日は閉庁日となり、受け付けされないので注意しましょう。
インターネットから申告するe-Taxの受付期間は、1月4日(木)~3月15日(金)です。e-Taxは確定申告の期間中、土・日・祝日も含めて24時間受け付けています。
ただし3月13日以外の毎週月曜日の0時~8時30分はメンテナンス時間となり、受け付けできないので注意が必要です。
所得税以外の申告・納税期間
所得税以外の申告及び納税期間は、税金の種類によって以下のように異なります。
- 消費税及び地方税:個人事業者は2024年4月1日(月)まで。法人は事業年度終了日の翌日から2カ月以内。課税期間の短縮を選択している場合は、短縮した課税期間の終了後2カ月以内
- 法人税:事業年度が終了した翌日から2カ月以内
- 地方法人税:課税事業年度が終了した翌日から2カ月以内
- 贈与税:2024年2月1日(木)~3月15日(金)
- 相続税:相続開始を知った日の翌日から10カ月以内
確定申告期間を過ぎたらどうなる?
確定申告の期間を過ぎてしまうと、状況に応じて加算税や延滞税が発生するので注意が必要です。詳しく見ていきましょう。
申告忘れには「無申告加算税」が発生
期限内に確定申告をしなかった場合、納付すべき税額に加えて、無申告加算税が課されます。無申告加算税の額は2018年提出分以降、納めるべき税額に対して50万円までは10%、50万円を超える場合は15%の税率を掛けて算出されるのが原則です。
期限を過ぎてしまってからでも、税務署の調査が入る前に自主的に申告すれば、加算税の税率は5%に軽減されます。
ただし期限内に申告する意思があったと認められ、なおかつ法定申告期限から1カ月以内に自主的に申告し、期限内に全額納税していた場合などは、無申告加算税の対象にはなりません。
遅れた日数に応じて「延滞税」が発生
本来納税すべき税額を法定納期限までに納めないと、遅れた日数分の延滞税が発生します。税金の法定納期限は原則として、確定申告の期限と同一の日です。
期限後申告の場合は申告書を提出した日が納期限となり、その日のうちに全額を納めなければなりません。延滞税の割合は税金を完納するまでの日数に応じて、以下のように計算されます。
- 納期限の翌日から2カ月以内に完納した場合:原則年7.3%。2021年1月1日以降の期間は「延滞税特例基準割合+1%」、2014年1月1日~2020年12月31日の期間は「特例基準割合+1%」のそれぞれどちらか低い割合が適用
- 納期限の翌日から2カ月以上経過して完納した場合:原則年14.6%。2021年1月1日以降の期間は「延滞税特例基準割合+7.3%」、2014年1月1日~2020年12月31日の期間は「特例基準割合+ 7.3%」のどちらか低い割合が適用
確定申告期間に遅れそうなときの対処法
確定申告の期限に遅れてしまいそうな場合は、猶予制度や延納制度などの救済措置を利用する方法もあります。どのような場合に対象となるのか、詳しく見ていきましょう。
やむを得ない事情がある人は猶予制度を利用
猶予制度とはやむを得ない事情によって、税額を一括で納めるのが困難な場合に、税務署に申請することで受けられる措置を指します。申請して認められると、原則として1年以内の期間に限って、納税が猶予されます。猶予の対象となる要件と金額は、以下の通りです。
- 納税者本人が災害や盗難に遭った場合:災害や盗難で損失した金額
- 納税者本人または生計を同じくする家族が病気にかかった場合:医療費や治療に付随する費用に相当する金額
- 納税者が事業を廃止または休止した場合:休廃業に関して生じた損失や費用に相当する金額
- 事業で著しい損失を受けた場合:損失額に相当する金額
なお猶予期間中は延滞税の軽減・免除や、財産の差押え・売却の猶予などの措置も受けられます。
期限内に納税が難しい人は延納制度を利用
確定申告の期限でもある法定納期限内に税金を納めるのが難しい場合は、延納制度を利用する方法があります。延納制度とは法定納期限までに本来納める税額の2分の1以上を納付すれば、残額分の納期限をその年の5月31日まで延長できる制度です。
ただし延納期間中には年0.9%の利子税がかかるので、注意しましょう。延納制度の利用を希望する場合は、確定申告書第一表の「延納の届出」に、申告期限までに納める税額と、延納する額を記入します。
申告後に納税が困難だと分かった場合は、確定申告の期間内に訂正申告が必要です。
申告・納税期限を過ぎてしまった場合の対処方法
確定申告や納税期限を過ぎてしまったら、早急に対処することが大切です。期限内に申告できなかったり、申告する税額に誤りがあったりした場合の対処方法を解説します。
申告期限を過ぎたときは早急に確定申告する
期限内に確定申告できなかった場合は、なるべく早く申告しましょう。確定申告は期限を過ぎてからもできますが、期限後申告として扱われます。
期限後申告となった場合は、本来納めるべき税額に加えて、無申告加算税が課されるのが原則です。ただし法定申告期限から1カ月以内に申告すれば、無申告加算税はかかりません。
無申告加算税が課されると、納税が遅れた日数分だけ税金が加算される計算なので、なるべく早く申告することが大切です。なお期限後申告となった場合は、申告書を提出した日が所得税の納期限となるので、注意しましょう。
税額を多く申告していた場合は更正の請求
確定申告の期限後に、納付すべき税額を実際より多く申告していたことに気づいたら、「更正の請求」によって、納め過ぎた税金を還付してもらえます。
更正の請求を行うには、所轄の税務署長に「更正の請求書」を提出する手続きが必要です。税務署内で内容を調査して正当な請求だと認められれば、減額更正の通知が届き、多く払い過ぎた税金が還付されます。
更正の請求に当てはまるのは、以下のようなケースです。
- 住宅ローン・医療費・ふるさと納税など、控除に関して記入漏れがあった
- 経費の計上が漏れていた
- 売上を二重に計上してしまった
なお更正の請求手続きができるのは、原則としてその年の確定申告の期限から5年以内です。
税額を少なく申告していた場合は修正申告
申告期限後に納めるべき税額より少なく申告していたと分かった場合は、速やかに修正申告の手続きを行い、正しい内容に修正することが必要です。
修正申告は確定申告書の第一表と第二表を使用して、手続きをします。第一表の表題に「修正」を書き加えて「修正申告書」とし、「種類」欄の「修正」に丸印を付けて、修正後の内容で再度確定申告書を作成しましょう。
追加で納付する税額には、法定納期限の翌日から納税が完了するまでの期間の延滞税がかかります。延滞税も含めた納税期限は、修正申告書の提出日です。
修正申告は税務署から指摘があるまではいつでも手続きできますが、なるべく早く提出しましょう。税務署の調査を受けた後で修正申告すると、過少申告加算税(税額の10%)や重加算税(税額の35%)が課される場合もあります。
確定申告を簡単に行う方法
確定申告を簡単に行いたい場合には、スマホやPCからe-Taxで申告するのがおすすめです。また自分で申告するのが難しいのであれば、税理士に相談する方法もあります。それぞれの申告方法について確認しましょう。
スマホからe-Tax申告する
スマホからe-Taxで確定申告を行うには、マイナンバーカードまたは税務署で発行されたID・パスワードを用意しましょう。スマホがマイナンバーカードの読み取りに対応していない場合は、ICカードリーダーも必要です。
またe-Taxを利用するには、事前に利用者識別番号を取得しておく必要があります。利用者識別番号はオンラインまたは書面で取得が可能です。
必要なものをすべてそろえたら、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」の「作成開始」メニューをクリックし、表示される指示に従って手続きを進めましょう。e-Taxの利用は確定申告期間中に限り、土日祝日も含めて24時間可能です。
PCからe-Tax申告する
PCからe-Taxで申告する方法は、WEB版とダウンロード版(インストール版)の2種類があります。WEB版はWindows・MacどちらのOSでも利用できますが、ダウンロード版はWindows 10または11のみ対応可能です。MacOSの利用者はWEB版から申告しましょう。
準備しておくものはスマホから申告する場合と同様です。ただしマイナンバーカードを使う場合は、必ずICカードリーダーを用意しましょう。
WEB版の場合は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から手続きを行います。ダウンロード版は国税庁の「e-Taxソフトのダウンロードコーナー」から、必要なソフトをダウンロードしましょう。
税理士に相談する
「帳簿付けがたまってしまってどこから手を付けてよいか分からない」「忙しくて申告書類を作成する時間がない」など、さまざまな理由から自分で確定申告できない場合は、税理士に相談するのもおすすめです。
税理士に確定申告を代行してもらうと、時間を節約できるだけでなく、正しい内容で申告できたり、節税に関する相談ができたりといったメリットがあります。決算書や申告書に税理士の署名が入るため、信頼度も上がるでしょう。
また年間の売上が1,000万円を超えた・課税所得が500万円を超えた・個人事業主から法人化するなど、自分で申告するより税理士に依頼した方がよい場合もあります。税理士に依頼する場合は、申告書の作成に必要な書類を用意しておきましょう。
2024年確定申告は期間内に提出しよう
確定申告は期間内に提出を済ませましょう。確定申告期間を過ぎてしまうと、さまざまなペナルティが発生します。
確定申告でのペナルティは、本来期限内に申告していれば払わなくてよい、余分な出費です。期限ぎりぎりに準備を始めて間に合わなくなってしまったり、慌てて手続きして修正が必要になったりする事態を招かないよう、早めに準備しておきましょう。
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