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副業所得が20万円以下でも確定申告はするべき? 必要性をケース別に解説

最終更新日: 2024年11月19日

副業所得が年20万円を超えると、確定申告の必要性が生じます。ただし20万円以下でも確定申告をしたほうがよいケースもあるので注意が必要です。

この記事では、副業所得が20万円以下でも確定申告をするべきなのか、ケース別に詳しく解説していきます。

副業収入(所得)が20万円以下でも確定申告が必要な3つのケース
副業収入(所得)が20万円以下でも確定申告が必要な3つのケース

以下3つのケースでは、副業所得が20万円以下でも確定申告が必要になります。

  1. 確定申告で還付を受けたい場合
  2. 特別な所得控除を受けたい場合
  3. 給料年収が2,000万円を超えている場合

順番に詳しく解説します。

確定申告で還付を受けたい場合

副業先の会社から源泉徴収を受けている場合、確定申告によって払いすぎた税金を返してもらえる可能性があります。

源泉徴収とは、雇用主が給与から前もって税金分の金額を差し引くことです。源泉徴収の額は経費を引く前の手取り金額をもとに計算するため、たいていの場合は払いすぎになってしまいます。

ただし還付を受けるのは個人の自由で、義務ではありません。あくまで払いすぎなだけであり、既定の金額はしっかりと払っているからです。

特別な所得控除を受けたい場合

以下2つの控除は、会社側では手続きを行ってもらえません。自分自身で確定申告の手続きを行う必要があります。

  1. 医療費控除
  2. 住宅ローン控除(1回目のみ)

住宅ローン控除は、2回目以降は会社に手続きをお願いできます。

給料年収が2,000万円を超えている場合

サラリーマンでも給与収入が2,000万円を超えた場合は、副業の収入のあるなしに関わらず確定申告が必要です。

【所得の種類別】副業で確定申告が不要なケース

副業の種類によって所得の種類は異なります。自分の収入がどの区分に該当するか確認しておきましょう。

前提として、給与と所得の違いを明確に把握しましょう。給与はパート・アルバイト先からいただく給料のことで、所得は収入から経費を差し引いた金額になります。

たとえばブログ収入で22万円の収益が発生しても、ブログ運営のための支出が3万円発生したなら、所得は19万円となるので確定申告は不要です。

雑所得:クラウドソーシングや作品の販売などで稼いだ場合

企業に雇用されることなく個人で稼いだ所得は、20万円前後であれば雑所得に分類されます。具体的には以下のようなケースが該当します。

  • ネットショップやオークションでの所得
  • ブログから発生した所得
  • クラウドソーシング経由の所得
  • 太陽光発電の収入(例外あり)
  • ハンドメイド作品の販売で得た収入

雑所得が年20万円を超えたら確定申告の義務が生じます。一方で収入から経費を差し引いた額が年20万円を下回るなら、確定申告を行う必要はありません。

雑所得と混同しやすい項目に「事業所得」があります。一定の規模の事業を持続的に行う場合は事業所得となりますが、年20万円前後の所得ならほぼ確実に雑所得として計算します。

雑所得と事業所得についてより詳しく知りたい方は、あわせて以下の記事もご覧ください。

事業所得と雑所得の違い! もう迷わない判断基準と具体例

不動産所得:太陽光発電や不動産経営で稼いだ場合

不動産の貸付で稼いだ所得は不動産所得に該当し、年20万円以上の所得が発生したら確定申告を行う必要があります

太陽光発電の売電収入は、状況によって所得の区分が変わるので注意が必要です。太陽光発電の電気を賃貸の共用部やエレベーターで使い、余剰電力を売って得た所得は「不動産所得」になります。

太陽光発電の確定申告について詳しく知りたい方は、あわせて以下の記事もご覧ください。

太陽光の収入を確定申告する必要はある? 判断基準や計算方法をわかりやすく解説

給与所得:パート・アルバイトの場合

パートやアルバイト先から得た所得は給与所得です。

企業に雇用される場合、仕事に必要な道具や制服は会社側が用意します。そのため給与所得においては経費を差し引くことができません。受け取った給料をそのまま所得として計算しましょう。

副業のアルバイト先から受け取った給与所得が年間20万円を超えたら、本業の年末調整とは別に、自身で確定申告を行う必要があります。確定申告の手間を省きたい場合は、給与所得が20万円を超えないようシフトを調整しながら働くのがおすすめです。

アルバイトの確定申告についてより詳しく知りたい人は、あわせて以下の記事もご覧ください。

アルバイトは確定申告が必要?申告のやり方、源泉徴収票がないときの対処法を解説

副業の確定申告をしなかったらどうなるのか

副業の確定申告をしなかったらどうなるのか
副業の確定申告をしなかったらどうなるのか

副業所得が少額な場合、「確定申告をしなくてもバレないのでは?」と感じるかもしれません。

しかし確定申告の義務を怠ると、さまざまなペナルティを課されるリスクがあります。

会社に副業がバレてしまう

副業所得が20万円以上で確定申告しなかった場合、あるいは20万円以下でも住民税の申告をしなかった場合、会社に副業がバレるリスクが高いです。

たとえば、アルバイト先の会社が同じ市区町村にある場合は、会社が市区町村に提出した給与支払報告書から副収入があることを知られてしまうケースがあります。その場合、市町村の税務課が本業の会社に問い合わせると、即バレるでしょう。

また、給与所得ではなく雑所得や事業所得の場合でも、お金を払った会社に税務調査が入った場合などにバレる可能性があります。税務署から本人に通知が来ればまだ良いのですが、会社に問い合わせが行くかもしれないからです。

無申告加算税が徴収される

納めるべき税金があるのに申告しなかった場合は、税務署にバレると最長で過去5年分の所得税の支払いを命じられます。本来の税額に15〜20%の無申告加算税と年14.6%の延滞税が加えられるのです。

さらに住民税も過去にさかのぼって徴税されるので、総額では大金になることがあります。

副業が会社にバレないようにするには「住民税の納付方法」に注意

確定申告書Aの第二表にある「住民税の徴収方法の選択」で「給与から差引」を選択すると、自治体から本業の会社に税額の通知が行くのでバレる可能性が高くなります。

本業の会社の想定より高い額の住民税が通知されるからです。

「給与から差引」ではなく「自分で納付」を選択すると、会社にはその分の通知が行かないのでバレません。

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