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【2024年最新版】給与所得と給与所得控除の計算方法について

最終更新日: 2024年01月30日

サラリーマンが確定申告書を作成するとき、源泉徴収票の内容を転記する部分があります。そこで出てくる給与所得や給与収入とは、一体何をさすのか、何が違うのかご存知でしょうか。

給与所得だけではなく、計算するときに必要な給与収入、給与所得控除について、わかりやすく解説します。

給与所得の計算方法

給与所得の計算方法
給与所得の計算方法

給与所得は給与収入から給与所得控除を差し引いたものです。

ここでは「給与所得」と、それを求めるために必要な「給与収入」と「給与所得控除」、よく聞く「手取り」という4つについて、わかりやすく解説していきます。

また、給与所得額が簡単にわかる自動計算ツールも紹介しています。給与所得の計算の参考にしてください。

給与所得と手取りの違い

給与所得とは、1年間の給与収入のうち、課税対象となる金額をさし、次の計算式で求められます。

給与所得=給与収入-給与所得控除

一方の手取りとは、次のように給与所得から税金や保険料などを差し引いた後の金額をさします。

手取り=給与所得(給与収入-給与所得控除)-税金や保険料など

つまり、

  • 給与所得=給与収入から給与所得控除のみを引いた後の金額
  • 手取り=給与所得からさらに税金や保険料などを差し引いた、金融口座に入金される金額

ということになるのです。

給与収入と給与所得の違い

給与収入とは、税金や保険料などが引かれる前の、1年間に受け取ったすべての収入金額=年収のことをさします。

給与収入には次のものが含まれます。

源泉徴収前の毎月の給料、ボーナス
住宅手当や残業手当、残業手当、役職手当、家族手当などの手当
通勤手当のうち次の金額

  • 通勤で実際にかかる交通費より通勤手当のほうが多い場合、実際の交通費と通勤手当の差額
  • 毎月の通勤手当が15万円を超える場合、15万円を超えた分の金額
次のような現物支給や経済的利益も含まれる場合がある

  • 無償または低価格で受け取った会社の商品
  • 無償または低価格で借りた場会社の土地や建物
  • 無利息または低い金利で借りた会社の金銭

給与収入と給与所得は間違いやすいですが、

  • 給与収入=給与所得控除や税金などが引かれる前の、1年間の全収入金額
  • 給与所得=給与収入から給与所得控除のみを引いた後の金額

という違いがあるのです。

簡単にわかる給与所得の自動計算ツール

国税庁サイトには、次のような給与収入(=年収)から給与所得を簡単に計算できるツールが用意されています。

簡単にわかる給与所得の自動計算ツール
簡単にわかる給与所得の自動計算ツール

給与収入(=年収)を入力するだけなので、給与所得額をすぐに知りたいという方は使ってみてください。

給与所得控除

個人事業主などの場合、収入から経費を差し引いて所得を計算します。

一方サラリーマンなどの場合、仕事にかかわるさまざまな費用を自己負担しているにもかかわらず、経費として差し引くことができません。

この経費の代わりとして差し引かれるのが給与所得控除です。

給与所得控除については次の章で、役割や具体的な計算方法など、詳しく解説していきます。

給与所得控除と特定支出控除とは

給与所得控除と特定支出控除
給与所得控除と特定支出控除

給与所得控除はサラリーマンなどの給与受給者のみに適用される控除です。

  • なぜ給与所得控除が設定されているのか、その役割
  • 給与所得控除額はずっと同じではなく、毎年変わる

ということについて、詳しく解説していきます。また給与所得控除とは別に設定されている特定支出控除についても見ていきます。

給与所得控除の役割

(1)給与所得者と個人事業主、双方の税制上の公平性を保つ

個人事業主は経費が認められるのに、サラリーマンは経費を認めてもらえないのでは、不公平になってしまいます。

そのため、給与所得控除は経費の代わりの役割を果たしているのです。

(2)会社での税計算・処理の煩雑化を防ぐ

給与所得者も個人事業主と同様に、仕事にかかわるさまざまな費用を経費として計上できると仮定します。

すると会社は社員一人一人にかかった経費を確認・計算しなければいけません。

しかしその作業は、従業員数が増えれば増えるほど時間も手間もかかり、とても大変です。

給与所得控除額は、会社側の業務煩雑化を防ぐという意味合いもあり、年収(=給与収入額)に応じて経費の概算(=給与所得控除)が決まっています。

給与所得控除額は毎年変わる

給与所得控除の計算式は給与収入額に応じて決まっています。しかし計算式は、その年によって異なる場合があります。

2019年(令和元年)分と2020年(令和2年)分以降の計算式は異なり、それぞれ次のとおりです。

給与等の収入金額

(給与所得の源泉徴収票の支払金額)

給与所得控除額
2019年(令和元年)分 2020年(令和2年)分以降
180万円以下 収入金額×40%

(65万円に満たない場合は65万円)

収入金額×40%-10万円

(55万円に満たない場合は55万円)

180万円超360万円以下 収入金額×30%+18万円 収入金額×30%+8万円
360万円超660万円以下 収入金額×20%+54万円 収入金額×20%+44万円
660万円超850万円以下 収入金額×10%+120万円 収入金額×10%+110万円
850万円超1,000万円以下 195万円(上限)
1,000万円超 220万円(上限)

国税庁サイトより(2022年12月現在)

給与所得控除額は、給与収入額が65万円に満たない場合や1,000万円または850万円を超える場合以外は、給与収入額を基準にして求められます。

給与収入額は毎年変わるため、計算式の変更有無にかかわらず、給与所得控除額も毎年変わるということに注意が必要です。

給与所得者には特定支出控除も適用される

サラリーマンの給与所得控除額は、給与収入に対して決まっています。

そのため、実際に経費として支出した金額が給与所得控除額を上回る場合は、上回った金額分だけ自己負担となり、損をしてしまいます。

これを解消するのが特定支出控除です。

【特定支出控除の適用条件】

特定支出控除が認められるには、

特定支出がその年中の給与所得控除額の2分の1を超える

という条件があります。例えば年収400万円のサラリーマンの場合、

  • 年収400万円の給与所得控除額は134万円
  • 特定支出控除は、給与所得控除額(134万円)の2分の1=77万円を超えた場合に受けられる

ということになり、特定支出が77万円を超えなければ控除を受けられません。

また特定支出として認められるのは、次の6種類です。

通勤費 一般的に通勤に必要な電車・新幹線・地下鉄・バスなどの定期代
転居費 転勤にともなう転居に通常必要とされる引越し費用
研修費 職務に直接必要な技術や知識を得るために受けた講習・研修費用
資格取得費 職務に直接必要な資格取得費用(弁護士、公認会計士、税理士などの資格も対象)
帰宅旅費 単身赴任中の社員が自宅へ帰宅する際に通常必要な費用
勤務必要経費 職務上必要であり、会もが職務上必要と認めた次の費用(65万円が上限)

  • 職務に関連する図書費
  • 勤務場所で着用する制服や事務服、作業服などの衣服費
  • 得意先や職務上関係のある場合の接待や供応、贈答などにかかる交際費

国税庁 給与所得控除より

【特定支出控除の注意点】

特定支出控除の適用を受けるためには、次のことに注意が必要です。

  • 申告書に領収書や明細書の添付と、給与支払者(=会社)が承認するという証明書の添付が必要
  • 自分で確定申告をしなければ適用を受けられない

給与所得控除の計算方法とシミュレーション

給与所得控除の計算方法とシミュレーション
給与所得控除の計算方法とシミュレーション

給与所得額を求めるために必要な給与所得控除額は、どのようにして決められるのでしょうか。ここでは

  • 給与所得控除額がいくらになるのかという計算方法
  • 具体的なモデルケースを使った給与所得控除額のシミュレーション
  • 給与所得控除額からわかる、パートをしている人が非課税になる給与収入額

について、詳しく解説していきます。

給与所得控除の計算方法

2022年(令和4年)分の給与所得控除額は、次の計算式で求められます。

【令和4年分】

 給与等の収入金額

(給与所得の源泉徴収票の支払金額)

給与所得控除額
180万円以下 収入金額×40%-10万円

(55万円に満たない場合は55万円)

180万円超360万円以下 収入金額×30%+8万円
360万円超660万円以下 収入金額×20%+44万円
660万円超850万円以下 収入金額×10%+110万円
850万円超 195万円(上限)

※2ヵ所以上から給与をもらっている場合は、合計額を表に適用する
国税庁サイトより

また、以下に注意が必要です。

  • 給与収入額によって計算式が異なること
  • 給与収入額が55万円に満たない場合や1,000万円を超える場合は、給与所得控除額が一定額に決まっていること

年収400万の人の例

具体的な例を使って、給与所得控除額と給与所得を求めてみましょう。

<<モデルケース>>

・サラリーマン

・年収(=給与収入額)400万円

先ほどの表より、年収(=給与収入額)400万円に該当するのは次の部分です。

   給与等の収入金額

(給与所得の源泉徴収票の支払金額)

給与所得控除額
360万円超660万円以下 収入金額×20%+44万円

この式に当てはめると、

給与所得控除額=収入金額×20%+44万円=400万円×20%+44万円=124万円

となります。つまり、年収400万円のサラリーマンの場合、給与所得控除額は124万円です。

さらにこの場合の給与所得額は

給与所得額=給与収入額-給与所得控除額=400万円-124万円=276万円

となります。つまり、年収400万円のサラリーマンの場合、給与収入額(=年収)は276万円となり、この276万円にさまざまな税金がかかることになるのです。

パートをしている人は給与収入103万円までが非課税に

令和元年の給与所得控除額を見てみると、

   給与等の収入金額

(給与所得の源泉徴収票の支払金額)

給与所得控除額
180万円以下 収入金額×40%-10万円

(55万円に満たない場合は55万円)

となっています。つまり給与所得控除額の下限は55万円です。

ここでいう給与所得控除額が55万円の場合というのは、計算すると給与収入額162.5万円にあたります。

給与所得(=課税対象)=給与収入-給与所得控除

で求められるので、課税対象額を0円に抑えるなら

給与収入額=給与所得控除額=55万円

ということになり、55万円までは非課税です。これとは別に、

すべて納税者に無条件で適用される基礎控除48万円

があります。この2つを合わせると

所得控除額55万円+基礎控除額48万円=103万円

となり、給与収入額がこれと同額の103万円までであれば、税金がかからないということになります。

パートで働いている人などは、1年間の給与収入額を103万円までに抑えると、所得税や住民税を払う必要はありません。

ただしこれは、パートで働いている本人の収入を、所得税や住民税を払わなくてもいい範囲に抑えるという場合です。

配偶者控除・配偶者特別控除や社会保険に関わる場合、上記とは異なることに注意が必要です。

書類上での給与所得と給与収入の見方

書類上での給与所得と給与収入の見方
書類上での給与所得と給与収入の見方

給与収入と給与所得は、実際の書類ではどこにどのようにして記載されているのでしょうか?

サラリーマンがかならずもらう源泉徴収票と、確定申告をするときに必要な確定申告書の2つの書類で確認していきます。

具体的な位置を図解しますので、源泉徴収票の見方や確定申告書の作成の参考にしてください。

源泉徴収票の場合

源泉徴収票での給与収入と給与所得の見方は、次のとおりです。

源泉徴収票の表記
源泉徴収票の表記

上の図のように、

  • 源泉徴収票の「支払金額」欄=給与収入=税金や保険料などを引かれる前の金額=年収
  • 源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」欄=給与所得

として記載されます。

確定申告書の場合

確定申告書(第一表)での給与所得と給与収入の見方は、次のとおりです。

※令和5年の申告から、確定申告書A様式がB様式に統合されます。

確定申告書の表記

上の図のように、

  • 確定申告書の「収入金額等」欄「給与」=給与収入=税金や保険料などを引かれる前の金額=年収
  • 確定申告書「所得金額」欄「給与」=給与所得

として記載します。確定申告をする場合は源泉徴収票から転載することになりますので、

  • 源泉徴収票の「支払金額」欄を、確定申告書の「収入金額等」欄「給与」に
  • 源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」欄を、確定申告書「所得金額」欄「給与」に

それぞれ記載することになります。

給与所得者も確定申告が必要?

給与所得者も確定申告が必要?
給与所得者でも確定申告が必要なケースがある

確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得にかかる所得税を計算して申告・納税する手続きです。おもに給与所得以外に所得を得た人、各種控除の要件に当てはまる人が対象となる場合が多いですが、給与所得者でも確定申告が必要なケースがあります。詳しくみていきましょう。

確定申告が必要な給与所得者のパターン

多くのサラリーマンは勤務先がおこなう年末調整によって所得税が計算されるため、確定申告の必要がありません。ただ、サラリーマンでも確定申告が必要なパターンがあるため確認しておきましょう。おもに下記のケースが当てはまります。

  • 年間の給与収入が2,000万円を超える人
  • 給与を1カ所から受け取っている人で、給与所得と退職金以外の所得の合計が20万円を超える人
  • 給与を2カ所以上から受け取っており、メインとなる給与以外の給与所得と退職金の合計が20万円を超える人

例えば、サラリーマンが副業として得た不動産所得などは「給与所得と退職金以外の所得」に当たります。さらに詳しく知りたい方は、下記の国税庁サイトをチェックしてみてください。

参考:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁

事業所得が混在している給与所得者は確定申告が必要

事業所得が混在している給与所得者は確定申告が必要
給与以外の所得が年間20万円を超えた場合は確定申告が必要

副業として事業所得を得ていれば、会社で源泉徴収されている給与所得者でも確定申告は必要です。上記で紹介した「確定申告が必要な給与所得者のパターン」に当てはめて解説していきましょう。

事業所得は特定の事業から発生する所得

事業所得とは農業・漁業・製造業・卸売業・小売業・サービス業やその他の事業から発生する所得です。事業所得を得た場合には確定申告しなければなりません。所得には給与所得や事業所得のほかに、利子所得・配当所得・不動産所得・退職所得・山林所得・譲渡所得・一時所得・雑所得があります。

副業とされやすい不動産の売買で得た収入は「不動産所得」となり、事業所得とは区別されるため注意しましょう。

年間20万円を超えると確定申告が必要

副業など、給与以外の所得が年間20万円を超えた場合は確定申告しなければなりません。

ちなみに個人事業主の場合でも同様ですが、基礎控除によって所得が48万円以下なら申告の必要はありません。また、サラリーマンの副業と個人事業主のいずれも、収入を得るために費やした経費を差し引いた額「所得」によって判断します。

例えば、サラリーマンが副業で23万円の収入を得た場合、経費がゼロであれば確定申告が必要です。上項でご説明した「給与を1カ所から受け取っている人で、給与所得と退職金以外の所得の合計が20万円を超える人」に当てはまります。ただ仮に、経費に4万円費やしていれば所得が20万円を超えないため、確定申告する必要はないわけです。

事業所得と雑所得は明確な基準がない

事業所得と混同されがちなのが雑所得です。

雑所得とは事業所得や譲渡所得、不動産所得など、他の所得のどれにもに当てはまらない所得。フリマアプリなどを活用して商品の転売などをした場合で事業として認められないものは基本的に雑所得です。

ただ、事業として行っており、その規模によっては事業所得として認められるケースもあり、事業所得と雑所得には明確な基準がありません。迷った場合には最寄りの税務署で相談するとよいでしょう。

給与所得がある年金受給者も確定申告が必要

給与所得がある年金受給者も確定申告が必要
公的年金は雑所得として扱われており課税の対象

給与所得など一定の所得を得ている、また一定額以上の年金を受給している方は確定申告が必要です。ただ、条件を満たせば「確定申告不要制度」によって申告が不要になるケースもあります。年金を受給している場合の確定申告について解説していきましょう。

年金は雑所得にカウントされる

公的年金は雑所得として扱われており課税の対象です。公的年金の収入金額が公的年金等控除と基礎控除の合計額を上回った場合は確定申告しなければならなかったり、またはした方が有利になることがあります。受給した年金には所得税と復興特別所得税が源泉徴収されているため、確定申告で税金の過不足分を精算しなければならないのです。

【公的年金を含まない所得額が1000万円以下の方】

65歳未満の人
年金収入金額 公的年金所得額
130万円未満 収入-60万円
130万円以上410万円未満 収入金額×75%-27.5万円
410万円以上770万円未満 収入金額×85%-68.5万円
770万円以上1000万円未満 収入金額×95%-145.5万円
1000万円以上 収入金額-195.5万円
65歳以上の人
年金収入金額 公的年金所得額
330万円未満 収入-110万円
330万円以上410万円未満 収入金額×75%-36.5万円
410万円以上770万円未満 収入金額×85%-77.5万円
770万円以上1000万円未満 収入金額×95%-145.5万円
1000万円以上 収入金額-195.5万円

【公的年金を含まない所得額が1000万円越2000万円以下の方】

65歳未満の人
年金収入金額 公的年金所得額
130万円未満 収入-50万円
130万円以上410万円未満 収入金額×75%-17.5万円
410万円以上770万円未満 収入金額×85%-58.5万円
770万円以上1000万円未満 収入金額×95%-135.5万円
1000万円以上 収入金額-185.5万円
65歳以上の人
年金収入金額 公的年金所得額
330万円未満 収入-100万円
330万円以上410万円未満 収入金額×75%-17.5万円
410万円以上770万円未満 収入金額×85%-58.5万円
770万円以上1000万円未満 収入金額×95%-135.5万円
1000万円以上 収入金額-185.5万円

【公的年金を含まない所得額が2000万円以超の方】

65歳未満の人
年金収入金額 公的年金所得額
130万円未満 収入-40万円
130万円以上410万円未満 収入金額×75%-7.5万円
410万円以上770万円未満 収入金額×85%-48.5万円
770万円以上1000万円未満 収入金額×95%-125.5万円
1000万円以上 収入金額-175.5万円
65歳以上の人
年金収入金額 公的年金所得額
330万円未満 収入-90万円
330万円以上410万円未満 収入金額×75%-7.5万円
410万円以上770万円未満 収入金額×85%-48.5万円
770万円以上1000万円未満 収入金額×95%-125.5万円
1000万円以上 収入金額-175.5万円

参考:公的年金等の課税関係(国税庁)

確定申告不要制度とは

年金受給者の確定申告手続きの負担を減らす目的で設けられているのが「確定申告不要制度」です。以下の2点のいずれにも該当することが条件とされています。

  • 公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる
  • 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である

公的年金等とは国民年金・厚生年金・共済組合から支給を受ける老齢年金であり、公的年金に係る雑所得以外の所得金額とは、生命保険契約にもとづく個人年金や給与所得、生命保険の満期返戻金(年金として受け取った場合)などが当たります。

源泉徴収票を見れば確定申告不要制度に該当するかがわかる

公的年金を受給している方には、毎年1月に「公的年金等の源泉徴収票」が送付されます。下記図の(1)にあたる「支払金額」の金額を見て、確定申告不要制度に該当するかを確認しましょう。複数の公的年金を受給している場合は、合計額を算出して確認します。

出典:令和3年分 公的年金等の源泉徴収票

確定申告書の書き方と注意事項

確定申告書の書き方と注意事項
サラリーマンの副業では青色申告できない場合が多い

副業で一定の収入を得た場合や、一定額以上の年金を受給している方は、確定申告しなければなりません。確定申告書の書き方を勤務先から発行してもらう源泉徴収票を用いながら、注意事項と合わせて解説します。

確定申告書の書き方

では、確定申告書の書き方をご説明しましょう。雇用される業務形態で副業している場合は、給与所得として源泉徴収票に記載されている数字を「給与」に転記していきます。記載する金額は、本業と副業の給与を合算した額です。

雑所得として副業している場合は、確定申告書に緑の枠で囲った収入金額等の「雑」に記入しましょう。公的年金を受給している場合は「公的年金等」の欄に、副業で雑所得による収入があれば「業務」に記入します。「その他」は公的年金にも業務にも該当しない雑所得(仮想通貨など)です。

令和4年確定申告書

所得金額の「雑」には、「公的年金」は公的年金等控除額を差し引いた金額、「業務」は必要経費を差し引いた副業の利益を記入します。

その他、基礎控除をはじめ扶養控除や配偶者控除、社会保険料控除など、個別の事情によって控除がある場合には記入します。それぞれの項目を源泉徴収票から転記、記入したら、かくて申告書類の案内に沿って合計額を算出しましょう。

確定申告の期間

所得税の確定申告の期間は、毎年2月16日から3月15日の1ヶ月間です。初日と最終日が土曜・日曜・祝日の場合は、翌日の平日となります。

2022年分(令和4年分)の確定申告期間は令和5年2月16日(木)から3月15日(水)までです。

雑所得は青色申告できない

サラリーマンの副業は青色申告できるのでしょうか?青色申告の承認を受けた青色申告事業者は、青色申告特別控除65万円の控除が受けられるなど税制上のメリットがあります。ただ事業性があるかどうかによっては、サラリーマンの副業では事業所得として認められず、雑所得としてカウントされるケースが多いです。

副業の収入が少ない、収入に対して経費が多すぎるなどのケースでは事業所得と認められない場合もあります。

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