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【令和元年最新版】給与所得と給与所得控除の計算方法について

最終更新日: 2019年12月17日

サラリーマンが確定申告書を作成するとき、源泉徴収票の内容を転記する部分があります。そこで出てくる給与所得や給与収入とは、一体何をさすのか、何が違うのかご存知でしょうか。

給与所得だけではなく、計算するときに必要な給与収入、給与所得控除について、わかりやすく解説します。

この記事を監修した税理士

EMZ総合会計事務所 - 東京都港区六本木

 
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給与所得の計算方法

給与所得の計算方法
給与所得の計算方法

給与所得は給与収入から給与所得控除を差し引いたものです。

ここでは「給与所得」と、それを求めるために必要な「給与収入」と「給与所得控除」、よく聞く「手取り」という4つについて、わかりやすく解説していきます。

また、給与所得額が簡単にわかる自動計算ツールも紹介しています。給与所得の計算の参考にしてください。

給与所得と手取りの違い

給与所得とは、1年間の給与収入のうち、課税対象となる金額をさし、次の計算式で求められます。

給与所得=給与収入-給与所得控除

一方の手取りとは、次のように給与所得から税金や保険料などを差し引いた後の金額をさします。

手取り=給与所得(給与収入-給与所得控除)-税金や保険料など

つまり、

  • 給与所得=給与収入から給与所得控除のみを引いた後の金額
  • 手取り=給与所得からさらに税金や保険料などを差し引いた、金融口座に入金される金額

ということになるのです。

給与収入と給与所得の違い

給与収入とは、税金や保険料などが引かれる前の、1年間に受け取ったすべての収入金額=年収のことをさします。

給与収入には次のものが含まれます。

源泉徴収前の毎月の給料、ボーナス
住宅手当や残業手当、残業手当、役職手当、家族手当などの手当
通勤手当のうち次の金額

  • 通勤で実際にかかる交通費より通勤手当のほうが多い場合、実際の交通費と通勤手当の差額
  • 毎月の通勤手当が15万円を超える場合、15万円を超えた分の金額
次のような現物支給や経済的利益も含まれる場合がある

  • 無償または低価格で受け取った会社の商品
  • 無償または低価格で借りた場会社の土地や建物
  • 無利息または低い金利で借りた会社の金銭

給与収入と給与所得は間違いやすいですが、

  • 給与収入=給与所得控除や税金などが引かれる前の、1年間の全収入金額
  • 給与所得=給与収入から給与所得控除のみを引いた後の金額

という違いがあるのです。

簡単にわかる給与所得の自動計算ツール

国税庁サイトには、次のような給与収入(=年収)から給与所得を簡単に計算できるツールが用意されています。

簡単にわかる給与所得の自動計算ツール
簡単にわかる給与所得の自動計算ツール

給与収入(=年収)を入力するだけなので、給与所得額をすぐに知りたいという方は使ってみてください。

給与所得控除

個人事業主などの場合、収入から経費を差し引いて所得を計算します。

一方サラリーマンなどの場合、仕事にかかわるさまざまな費用を自己負担しているにもかかわらず、経費として差し引くことができません。

この経費の代わりとして差し引かれるのが給与所得控除です。

給与所得控除については次の章で、役割や具体的な計算方法など、詳しく解説していきます。

給与所得控除と特定支出控除とは

給与所得控除と特定支出控除
給与所得控除と特定支出控除

給与所得控除はサラリーマンなどの給与受給者のみに適用される控除です。

  • なぜ給与所得控除が設定されているのか、その役割
  • 給与所得控除額はずっと同じではなく、毎年変わる

ということについて、詳しく解説していきます。また給与所得控除とは別に設定されている特定支出控除についても見ていきます。

給与所得控除の役割

(1)給与所得者と個人事業主、双方の税制上の公平性を保つ

個人事業主は経費が認められるのに、サラリーマンは経費を認めてもらえないのでは、不公平になってしまいます。

そのため、給与所得控除は経費の代わりの役割を果たしているのです。

(2)会社での税計算・処理の煩雑化を防ぐ

給与所得者も個人事業主と同様に、仕事にかかわるさまざまな費用を経費として計上できると仮定します。

すると会社は社員一人一人にかかった経費を確認・計算しなければいけません。

しかしその作業は、従業員数が増えれば増えるほど時間も手間もかかり、とても大変です。

給与所得控除額は、会社側の業務煩雑化を防ぐという意味合いもあり、年収(=給与収入額)に応じて経費の概算(=給与所得控除)が決まっています。

給与所得控除額は毎年変わる

給与所得控除の計算式は給与収入額に応じて決まっています。しかし計算式は、その年によって異なる場合があります。

2019年(令和元年)分と2020年(令和2年)分以降の計算式は異なり、それぞれ次のとおりです。

給与等の収入金額

(給与所得の源泉徴収票の支払金額)

給与所得控除額
2019年(令和元年)分 2020年(令和2年)分以降
180万円以下 収入金額×40%

(65万円に満たない場合は65万円)

収入金額×40%-10万円

(55万円に満たない場合は55万円)

180万円超360万円以下 収入金額×30%+18万円 収入金額×30%+8万円
360万円超660万円以下 収入金額×20%+54万円 収入金額×20%+44万円
660万円超850万円以下 収入金額×10%+120万円 収入金額×10%+110万円
850万円超1,000万円以下 195万円(上限)
1,000万円超 220万円(上限)

国税庁サイトより

給与所得控除額は、給与収入額が65万円に満たない場合や1,000万円または850万円を超える場合以外は、給与収入額を基準にして求められます。

給与収入額は毎年変わるため、計算式の変更有無にかかわらず、給与所得控除額も毎年変わるということに注意が必要です。

給与所得者には特定支出控除も適用される

サラリーマンの給与所得控除額は、給与収入に対して決まっています。

そのため、実際に経費として支出した金額が給与所得控除額を上回る場合は、上回った金額分だけ自己負担となり、損をしてしまいます。

これを解消するのが特定支出控除です。

【特定支出控除の適用条件】

特定支出控除が認められるには、

特定支出がその年中の給与所得控除額の2分の1を超える

という条件があります。例えば年収400万円のサラリーマンの場合、

  • 年収400万円の給与所得控除額は134万円
  • 特定支出控除は、給与所得控除額(134万円)の2分の1=77万円を超えた場合に受けられる

ということになり、特定支出が77万円を超えなければ控除を受けられません。

また特定支出として認められるのは、次の6種類です。

通勤費 一般的に通勤に必要な電車・新幹線・地下鉄・バスなどの定期代
転居費 転勤にともなう転居に通常必要とされる引越し費用
研修費 職務に直接必要な技術や知識を得るために受けた講習・研修費用
資格取得費 職務に直接必要な資格取得費用(弁護士、公認会計士、税理士などの資格も対象)
帰宅旅費 単身赴任中の社員が自宅へ帰宅する際に通常必要な費用
勤務必要経費 職務上必要であり、会もが職務上必要と認めた次の費用(65万円が上限)

  • 職務に関連する図書費
  • 勤務場所で着用する制服や事務服、作業服などの衣服費
  • 得意先や職務上関係のある場合の接待や供応、贈答などにかかる交際費

国税庁 給与所得控除より

【特定支出控除の注意点】

特定支出控除の適用を受けるためには、次のことに注意が必要です。

  • 申告書に領収書や明細書の添付と、給与支払者(=会社)が承認するという証明書の添付が必要
  • 自分で確定申告をしなければ適用を受けられない

給与所得控除の計算方法とシミュレーション

給与所得控除の計算方法とシミュレーション
給与所得控除の計算方法とシミュレーション

給与所得額を求めるために必要な給与所得控除額は、どのようにして決められるのでしょうか。ここでは

  • 給与所得控除額がいくらになるのかという計算方法
  • 具体的なモデルケースを使った給与所得控除額のシミュレーション
  • 給与所得控除額からわかる、パートをしている人が非課税になる給与収入額

について、詳しく解説していきます。

給与所得控除の計算方法

2019年(令和元年)分の給与所得控除額は、次の計算式で求められます。

【令和元年分】

 給与等の収入金額

(給与所得の源泉徴収票の支払金額)

給与所得控除額
180万円以下 収入金額×40%

(65万円に満たない場合は65万円)

180万円超360万円以下 収入金額×30%+18万円
360万円超660万円以下 収入金額×20%+54万円
660万円超1,000万円以下 収入金額×10%+120万円
1,000万円超 220万円(上限)

※2ヵ所以上から給与をもらっている場合は、合計額を表に適用する
国税庁サイトより

  • 給与収入額によって計算式が異なること
  • 給与収入額が65万円に満たない場合や1,000万円を超える場合は、給与所得控除額が一定額に決まっていること

に注意が必要です。

年収400万の人の例

具体的な例を使って、給与所得控除額と給与所得を求めてみましょう。

<<モデルケース>>

・サラリーマン

・年収(=給与収入額)400万円

先ほどの表より、年収(=給与収入額)400万円に該当するのは次の部分です。

   給与等の収入金額

(給与所得の源泉徴収票の支払金額)

給与所得控除額
360万円超660万円以下 収入金額×20%+54万円

この式に当てはめると、

給与所得控除額=収入金額×20%+54万円=400万円×20%+54万円=134万円

となります。つまり、年収400万円のサラリーマンの場合、給与所得控除額は134万円です。

さらにこの場合の給与所得額は

給与所得額=給与収入額-給与所得控除額=400万円-134万円=266万円

となります。つまり、年収400万円のサラリーマンの場合、給与収入額(=年収)は266万円となり、この266万円にさまざまな税金がかかることになるのです。

パートをしている人は給与収入103万円までが非課税に

令和元年の給与所得控除額を見てみると、

   給与等の収入金額

(給与所得の源泉徴収票の支払金額)

給与所得控除額
180万円以下 収入金額×40%

(65万円に満たない場合は65万円)

となっています。つまり給与所得控除額の下限は65万円です。

ここでいう給与所得控除額が65万円の場合というのは、計算すると給与収入額162.5万円にあたります。

給与所得(=課税対象)=給与収入-給与所得控除

で求められるので、課税対象額を0円に抑えるなら

給与収入額=給与所得控除額=65万円

というになり、65万円までは非課税です。これとは別に、

すべて納税者に無条件で適用される基礎控除38万円

があります。この2つを合わせると

所得控除額65万円+基礎控除額38万円=103万円

となり、給与収入額がこれと同額の103万円までであれば、税金がかからないということになります。

パートで働いている人などは、1年間の給与収入額を103万円までに抑えると、所得税や住民税を払う必要はありません。

ただしこれは、パートで働いている本人の収入を、所得税や住民税を払わなくてもいい範囲に抑えるという場合です。

配偶者控除・配偶者特別控除や社会保険に関わる場合、上記とは異なることに注意が必要です。

書類上での給与所得と給与収入の見方

書類上での給与所得と給与収入の見方
書類上での給与所得と給与収入の見方

給与収入と給与所得は、実際の書類ではどこにどのようにして記載されているのでしょうか?

サラリーマンがかならずもらう源泉徴収票と、確定申告をするときに必要な確定申告書の2つの書類で確認していきます。

具体的な位置を図解しますので、源泉徴収票の見方や確定申告書の作成の参考にしてください。

源泉徴収票の場合

源泉徴収票での給与収入と給与所得の見方は、次のとおりです。

源泉徴収票の表記
源泉徴収票の表記

上の図のように、

  • 源泉徴収票の「支払金額」欄=給与収入=税金や保険料などを引かれる前の金額=年収
  • 源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」欄=給与所得

として記載されます。

確定申告書の場合

確定申告書(第一表)での給与所得と給与収入の見方は、次のとおりです。

確定申告書の表記
確定申告書の表記

上の図のように、

  • 確定申告書の「収入金額等」欄「給与」=給与収入=税金や保険料などを引かれる前の金額=年収
  • 確定申告書「所得金額」欄「給与」=給与所得

として記載します。確定申告をする場合は源泉徴収票から転載することになりますので、

  • 源泉徴収票の「支払金額」欄を、確定申告書の「収入金額等」欄「給与」に
  • 源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」欄を、確定申告書「所得金額」欄「給与」に

それぞれ記載することになります。

監修税理士のコメント

EMZ総合会計事務所 - 東京都港区六本木

ふるさと納税が一般的になってから、いくらまでふるさと納税をしたらよいのか、という質問を受けます。収入=所得ではないことが分かって頂けたかと思いますが、給与所得控除、基礎控除があるため、簡単には計算できず、また、それ以外が所得控除がある場合、さらに複雑になってきます。簡易なシュミレーションを専門家と話ながら進めることをお勧め致します。
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この記事を監修した税理士

EMZ総合会計事務所 - 東京都港区六本木

東京港区で、11年目を迎えた会計事務所です。公認会計士2名・税理士2名が所属しています。個人、法人問わず、税務顧問を始め、確定申告、 経理アウトソーシング、会社設立、相続、など会計事務所を主軸に会計・税務のみに留まらないサービスをお客様にお届けしております。海外財産、海外不動産、仮想通貨など、複雑な申告もお任せください。
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