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【分かりやすく簡単に解説!】所得税って結局どのような税金なの?

最終更新日: 2019年12月06日

個人の所得に対してかかる税金「所得税」。所得税は、所得が多ければ多いほど課税額が大きくなる超累進課税制度をとっています。本記事は、所得税の概要や計算シミュレーション等について書かれていますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を監修した税理士

菅野歩税理士事務所 - 宮城県仙台市宮城野区

 
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所得税の概要

所得税とは、個人の所得に対してかけられる国税のこと
所得税とは、個人の所得に対してかけられる国税のこと

このパートでは、所得税の概要や種類、税率について確認しましょう。

所得税とは、所得にかけられる税金

所得税とは、個人の所得に対してかけられる国税のこと。

1年間の所得から控除を差し引いた残りの所得に税率をかけて計算します。平成25年から令和19年までの期間中は、復興特別所得税を所得税と併せて申告することになっているのです。

復興所得税は、その年の所得税額に2.1%の税率をかけて計算します。

参考:所得税のしくみ | 国税庁

10種類の所得税

一言に「所得」と言っても、所得は稼いだ方法によって10種類に分類されます。たとえば会社に毎日通勤してこつこつ稼いだお金と、土地を売って儲けたお金が同一のものとして扱われるのは不公平と言えるでしょう。そこで公平に適正な税額を出すために、所得区分が分けられているのです。

所得の分類と、それぞれの概要は以下のとおりです。

  1. 利子所得:公社債や預貯金などの利子などによる所得のこと
  2. 配当所得:株式の配当金や証券投資信託の利益分配金など
  3. 不動産所得:土地や家屋を貸して得られる違いや家賃収入など
  4. 事業所得:農業や漁業、製造業、サービス業などの事業を経営して得る所得
  5. 給与所得:会社員が会社から受ける給与やボーナスなどによる所得
  6. 退職所得:退職金や退職一時金などによる所得
  7. 山林所得:山林の伐採や譲渡によって得られる所得
  8. 譲渡所得:不動産や株式またはゴルフ会員権などの資産を売却して得る所得
  9. 一時所得:懸賞金などのように継続性のない一次的な所得
  10. 雑所得:1〜9のいずれにも当てはまらない所得

なお「雑所得」の例としては、以下のような所得が挙げられます。

  • 公的年金
  • 原稿料・講演料
  • アフィリエイトの収入
  • インターネットオークションの売上(生活用動産は非課税)
  • 先物取引やFXなどによる利益
  • 外貨建て預金の為替差益
  • 仮想通貨を売却したり使ったことによる利益

所得税は、超過累進税率

所得税の税率は「超過累進税率」という仕組みによって計算されます。超過累進税率とは簡単に言うと、所得が多い人ほど税率が高くなるというものです。この仕組みを適用することで、納税者が支払い能力に応じて公平に税金を負担できるようになっていると言えます。

所得税の各種控除と税率

納税者の個人的事情を加味するために控除制度があります
納税者の個人的事情を加味するために控除制度があります

所得税は、課税される所得金額(課税所得金額)に応じて控除額と税率が決まります。各種控除の内容や所得税率を確認しましょう。

各種控除一覧表

所得税額を計算するときは、納税者の個人的事情を加味するために所得控除の制度が設けられています。所得控除の要件にあてはまる場合は、所得金額の合計から所得控除の合計額を差し引いて課税所得が決定されるのです。

課税所得=所得金額合計−所得控除合計額

所得控除の種類には、次のものがあります。

雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、 小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、 地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦(寡夫)控除(この控除は女性の場合と男性の場合とで要件に差があります)、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除
引用元:所得控除のあらまし | 国税庁

給与所得控除

給与所得控除は、1年間の収入の違いによってその金額が以下のように変わってきます。

<平成29年分~令和元年分>

給与等の収入金額
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超 2,200,000円(上限)

たとえば年収300万円の人であれば、上記の表から給与所得控除額は「収入金額×30%+180,000円」の式で算出できることがわかります。

この例で計算してみると、

300万円×30%+180,000円=1,080,000円

となり、給与所得控除額は108万円であることがわかりました。なお、令和2年以降からは 給与所得控除額の計算方法が変わります。

<令和2年分以降>

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%-100,000円
550,000円に満たない場合には、550,000円
1,800,000円超3,600,000円以下 収入金額×30%+80,000円
3,600,000円超6,600,000円以下 収入金額×20%+440,000円
6,600,000円超8,500,000円以下 収入金額×10%+1,100,000円
8,500,000円超 1,950,000円(上限)

先ほどの事例と同じく年収300万円の人のケースを考えてみると、 給与所得控除額は「収入金額×30%+80,000円」の式で算出可能です。

実際に計算してみると、

300万円×30%+80,000円=980,000円

となり、令和2年以降における年収300万円の人の給与所得控除額は98万円であることがわかりました。

引用元:給与所得控除 | 国税庁

所得税率早見表

所得税は課税される所得金額に応じて、以下の控除額があります。

<所得税の速算表>

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円
引用元:所得税の税率 | 国税庁

所得税の納付方法 おすすめは振替納税

所得税の納付方法おすすめは振替納税
所得税の納付方法おすすめは振替納税

所得税の納付方法としてよく使われるのは「納付書を使った現金納付」ですが、他にも複数の納付方法があります。

  1. 納付書を使った現金納付
  2. ダイレクト納付やインターネットバンキング等を利用する電子納税
  3. 延納や物納
  4. 預貯金口座からの振替納税

それぞれの納付方法を見ていきましょう。

納付書を使った現金納付

金融機関や所轄の税務署窓口で納付書を使って現金で納付する方法です。税務署からバーコード付納付書の送付を受けた場合は、コンビニエンスストアで納付することもできます。

ダイレクト納付やインターネットバンキング等を利用する電子納税

e-Taxで申告されている方は、ダイレクト納付やインターネットバンキングから納付できます。

「ダイレクト」納付とは、e-Taxによる操作で預貯金口座からの振替によって納付する方法のことです。インターネットバンキングやモバイルバイキングをすでに契約・利用されている場合は、ネット口座から納付する方法もあります。

なお電子納税する場合は、e-Taxの開始届出書を提出していることが必要です。

延納や物納

納付金額が多く一括で納付することが難しい場合、分割で納付することが可能です。この制度を延納や物納と言います。

  • 延納……所得税や相続税、贈与税で用いられる
  • 物納……相続税で用いられる

預貯金口座からの振替納税

おすすめの納付方法は、預貯金口座からの振替によって納付する振替納税です。申告所得税や消費税の確定申告書を毎年提出する必要のある方は、特にこの方法が便利でしょう。

所得税の振替納税の申請方法やメリット・デメリットについては、こちらの記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

参考:【引き落とし型納税】所得税の振替納税とは?【税理士監修】 | ミツモア

所得税の計算例

所得税の計算例
所得税の計算例

このパートでは、具体的な所得税の計算例を見ていきましょう。見ていくのは、下記3つのケースです。

  1. 独身・年収400万円・会社員の場合
  2. 既婚(16歳の子供1人)・年収700万円・会社員の場合
  3. 独身・所得(収入‐経費)400万円・フリーランスの場合

ケース①独身・年収400万円・会社員の場合

年収が400万円の会社員の場合、給与所得控除134万円が受けられます。

年収4,000,000円 – 給与所得控除1,340,000円=2,660,000円

さらに、68万円の所得控除(基礎控除+社会保険料控除)を受けられます。控除額の内訳は以下のとおりです。

<所得控除(所得税):680,000円の内訳>

  • 基礎控除:380,000円
  • 社会保険料控除:300,000円

所得税の課税所得は、給与所得から各種控除を差し引いた金額ですので、次の式によって198万円だと算出可能です。

所得税課税所得:1,980,000円= 給与所得2,660,000円 – 所得控除680,000円

課税所得が分かったら、所得税率と控除額が決まります。計算すると所得税は100,500円だと算出可能です。

所得税:100,500円= 課税所得1,980,000円 x 所得税率10% – 控除額97,500円

さらに、復興特別所得税を含めます。

100,500×1.021(復興所得税率)=102,610円

100円未満は切り捨てですので、年収400万円の場合の所得税額は「102,600円」となるのです。

ケース②既婚(16歳の子供1人)・年収700万円・会社員の場合

次に、年収700万円の会社員のケースを見ていきましょう。ケース①の会社員と異なるポイントは、配偶者と子供がおり、配偶者控除と扶養控除が適用される点です。

それでは、計算例を見ていきましょう。

年収700万円であれば、190万円の給与所得控除が受けられ、給与所得は510万円となります。

給与所得:5,100,000円= 年収7,000,000円 – 給与所得控除1,900,000円

所得控除は、合計144万円です。内訳は次のとおりになります。

<所得控除(所得税):1,440,000円の内訳>

  • 基礎控除:380,000円
  • 配偶者控除:380,000円
  • 扶養控除:380,000円
  • 社会保険料控除:300,000円

先ほどお伝えした通り、基礎控除と社会保険料控除の他に、配偶者控除と扶養控除が加わっています。給与所得から各種控除額を差し引いて、所得税課税所得が「366万円」となりました。

所得税課税所得:3,660,000円= 給与所得5,100,000円 – 所得控除1,440,000円

課税所得額が分かったら、所得税率と控除額が決まります。以下の式に当てはめたところ、所得税が算出できました。

所得税:304,500円= 課税所得3,660,000円 x 所得税率20% – 控除額427,500円

さらに復興特別所得税を含めます。計算式は、以下のとおりです。

304,500×1.021=310,894円

100円未満は切り捨てなので、年収700万円の会社員の場合の最終的な所得税額は「310,800円」となります。

ケース③独身・所得(収入‐経費)400万円・フリーランスの場合

最後に、所得400万円のフリーランスの場合を見ていきましょう。

ケース①②と異なるポイントは、青色申告特別控除が受けられる点。

なお、青色申告特別控除はフリーランスだからと言って適用されるものではなく、事前に申請が必要です。青色申告を受けるためには、その年の3月15日までに所轄税務署に青色申告承認申請書を提出します。

それでは、具体的な計算方法を見ていきましょう。年収400万円の場合、受けられる各種控除は以下の3つです。

  • 青色申告特別控除
  • 基礎控除
  • 社会保険料控除

所得から各種控除額を差し引いて、所得税課税所得が267万円となります。式は次のとおりです。

所得税課税所得:2,670,000円=所得4,000,000円-青色申告特別控除(650,000円)-基礎控除(380,000円)-社会保険料控除(300,000円)

課税所得金額が分かったら、税率と控除額が決まりますので、計算します。

2,670,000×(税率)0.1-(控除額)97,500=169,500円

さらに復興特別所得税を含めます。

169,500円×1.021=173,059

100円未満は切り捨てですので、このケースの所得税額は「173,000円」となりました。

フリーランスの方は会社員とは違い給与所得控除が受けられないため所得税が高くなってしまいますが、青色申告を行えば青色申告特別控除により所得税を安く抑えることが出来ます。

青色申告の提出期限や承認申請の書き方など詳細は、参考記事をご覧ください。

参考:青色申告が断然おすすめ!青色申告をするには開業届を提出しよう! | ミツモア

所得税のあれこれ

所得税と住民税の関係を見ていきましょう
所得税と住民税の関係を見ていきましょう

このパートでは所得税と住民税の関係や、毎月の所得税の計算方法を見ていきましょう。

所得税と住民税の関係

所得税と住民税はどちらも、個人の前年の所得に対してかかる税金のことを指します。ちなみに住民税という言葉は法律上にはありませんが、都道府県民税と市町村民税を合わせて住民税と呼ぶのが一般的です。

所得税と住民税の主な違いは、以下の3点になります。

  1. 納付先
  2. 計算方法
  3. 納付時期

違いを下表にまとめました。

毎月(月額)の所得税の計算方法

会社から給与を受けている給与所得者の所得税は、会社が毎月の給与やボーナスから徴収し天引きします。そしてその年の最後に年末調整を行い、各種控除を差し引いた上で、過不足税額の精算を行うのです。簡単に言えば、毎月の天引き額は概算で、年末調整によって過不足を精算し納税を完了させるという流れになります。

毎月、会社に源泉徴収される所得税額は「給与所得の源泉徴収税額表」に基づいて行われるのです。この税額表では、その月の社会保険料控除後の給与などの金額と扶養親族の数を加味し、税額を算出します。

参考:平成31年(2019年)分 源泉徴収税額表 | 国税庁

パート・アルバイトの103万円の壁

「103万円の壁」って、いったい何?
「103万円の壁」って、いったい何?

パートやアルバイトの方なら「103万円の壁」を意識することがあると思います。このパートで、103万円の壁の定義や、103万円を超えるとどうなるか、交通費は含まれるのかなどの疑問を解決しましょう。

なんで103万円なの?

103万円の壁とは、パート収入が課税対象となるかどうかの分岐点

103万円を超えたらパート収入に所得税がかかります。つまり103万円以下であれば所得税はかからないのです。給与所得の金額は、給与収入から給与所得控除額を差し引いて計算します。

給与所得=給与収入−給与所得控除

給与所得控除額は最低65万円ですので、パート収入やアルバイト収入が103万円の場合、給与所得は38万円となります。また所得のある人に対しては38万円の基礎控除があるため、もしパート収入またはアルバイト収入が103万円以下の場合、課税所得が0のなるため、税金がかからないということを意味しているのです。

もし、103万円を超えてしまったら?

103万円を超えた場合、所得税と住民税が課せられます。

交通費は含まれるのか?

交通費は原則収入に含まれません。ただし例外があって、毎月の交通費が15万円を超えてしまう場合や、日給制のバイトなどで交通費は含まれている場合は収入とみなされ、課税対象となります。

配偶者の場合

「103万円の壁」以外にも税金の壁には「150万円の壁」と呼ばれるものがあります。「150万円の壁」とは配偶者特別控除の恩恵で、最大38万円の控除を受けることができるというものです。150万円を超えると控除額が減ってしまうため、世間では150万円の壁が一定のラインとして意識されていると言えるでしょう。

子供(学生)の場合

勤労学生控除とは、納税者が勤労学生であるときに27万円の所得控除を受けることができるというものです。勤労学生控除を受けられる学生であれば、アルバイト収入が130万円に満たなければ所得税はかかりません。

アルバイト収入130万円−給与所得控除65万円−基礎控除38万円−勤労学生控除27万円≦0

勤労学生控除を受けられる「勤労学生」とは、具体的に次の4つの要件すべてに当てはまる人のことを指します。

  1. 勤労による所得がある
  2. 合計所得金額が65万円以下(令和2年分以降は75万円以下)
  3. 勤労以外は所得が10万円以下である
  4. 特定の学校の学生である
参考:勤労学生控除 | 国税庁

勤労学生控除の注意点としては、年収103万円を超えると親の扶養を外れることになるという点です。扶養控除が受けられなくなり親の納税額が増えてしまいますので、この点は留意しておきましょう。

監修税理士のコメント

菅野歩税理士事務所 - 宮城県仙台市宮城野区

2020年1月から源泉所得税の改正が行われます。年末調整業務が例年以上に複雑になりますので注意が必要です。 ①給与所得控除の引き下げ  給与所得控除額が、一律10万円引き下げられることになりました。 ② 基礎控除の引き上げ  基礎控除の額が最大48万円に引き上げられることになりました。 ③ 所得税額調整控除の創設  年収850万円を超えると所得税が増税となることを受け、介護や子育て世代の負担が増えないよう、新しく「所得金額調整控除」という控除が創設されることになりました。 ④ 配偶者・扶養親族等の合計所得金額要件等の見直し  上記3つの改正に伴い、各種控除を受けるために、配偶者や扶養親族などの合計所得金額の要件も見直されることになりました。
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仙台市宮城野区岩切に事務所を構える税理士の菅野歩と申します。日々の経理業務、会計・税務業務など経営者の皆様のニーズに合わせた適切なサポートを全力で行い、わかりやすくご説明させていただきます。
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