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確定申告は郵送でできる!提出方法や封筒の書き方、必要書類を解説

最終更新日: 2024年02月28日

「確定申告のために税務署へ行く時間がない」「e-taxは難しそう」とお悩みの人へ、確定申告は郵送でも提出できるのをご存じでしょうか。

郵送なら税務署に出向かず、郵便局の窓口で発送またはポストに投函するのみで提出が完了します。混雑した税務署で長時間待たされずに済み、遠方の人は交通費の節約にもなるでしょう。

確定申告の郵送に必要なものは、通常の確定申告書類と封筒、切手のみです。A4サイズなどの封筒に書類を入れて、普通郵便にて送付すれば問題ありません。

確定申告を郵送するときの必要書類や封筒の宛名の書き方、送付先の調べ方まで詳しく解説します。

【2023年(令和5年)分の確定申告情報】

★提出期限(所得税の申告や納付期間):2024年2月16日(金)~ 2024年3月15日(金)

※贈与税は2024年2月1日(木)~2024年3月15日(金)

 

関連記事:【2024】確定申告とは?全くわからない方向けにやり方や必要書類、スマホでの申告方法を解説

この記事を監修した税理士

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区元町通

安田亮(公認会計士・税理士・1級FP技能士)1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応等を経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

確定申告書は郵送で提出可能!

ポストに投函する人

確定申告書は郵送で提出可能です。 必要書類を管轄の税務署へ送るのみで提出が完了するため、忙しい人にはとくに便利な提出方法でしょう。

確定申告書の提出期間は毎年2月16日から3月15日ですが、郵送の場合は提出期限日の消印が有効な点もメリットです。3月15日の消印さえあれば、到着が期限を過ぎても遅延になりません。

一方で、万が一書類に不備があると、修正や再提出に時間がかかります。差し戻しの時期によっては、期限内の再提出に間に合わない可能性がある点に注意しましょう。

確定申告の郵送で必要な書類や封筒については、「確定申告書を郵送するときの必要書類」「確定申告書を郵送するときの封筒や宛名の書き方」で解説します。

郵送以外の提出方法【税務署に持参・e-Tax】

確定申告は郵送以外に「税務署に直接持参」「e-Taxで電子申告」でも提出できます。郵送と比較しどちらの方が良いか、それぞれの提出方法を確認しておきましょう。

税務署に直接持参する方法

確定申告の書類は毎年2月16日から3月15日までの1カ月間、税務署に直接持参して提出できます。3月15日が土日や祝日の場合は、休日明けの平日が期限です。

税務署に持参すれば目の前で内容をチェックしてもらえるため、初めて確定申告する人や、まだ作成に慣れていない人も安心です。間違いがあった場合、その場で修正もできます。

ただし確定申告書をチェックしてもらうには、税務署の開庁時間内の予約が必須です。また確定申告期間は混雑しやすく、予約をしても長時間待つことがあります。

開庁時間外や土日に提出したい場合は「時間外収受箱(夜間文書収受箱)」の利用も可能です。詳しくは以下の記事で解説しています。

e-Taxで電子申告する方法

e-Taxは国税庁のシステム「e-Tax」を使って、オンライン上で確定申告を提出する方法です。

e-Taxならネット環境があれば、24時間いつでも自宅で確定申告できます。添付書類の提出を省略できたり、還付金を早く受け取ったりとメリットは多いです。青色申告をする場合、55万円の特別控除が65万円になり節税につなげられます。

ただしe-Taxで電子申告するには、マイナンバーカードやICカードリーダライタ(読取可能なスマホなど)が必要です。マイナンバーカードがない場合は、税務署の窓口で本人確認などの事前手続きをしなければなりません。事前手続きは最短1週間ほどで行なえますが、確定申告時期は込み合う可能性があります。

事前手続きをする時間がない人や、システムに慣れていない人はe-Taxの利用は難しいでしょう。

確定申告書を郵送するときの必要書類

封筒と書類

確定申告を郵送で提出するときの書類は、税務署に持参するときの書類と変わりありません。一般的には、以下の書類が必要です。

  • 確定申告書
  • 本人確認書類(マイナンバーカードなど)のコピー
  • 青色申告決算書(青色申告の場合)
  • 収支内訳書(白色申告の場合)
  • 源泉徴収票(給与所得者・年金受給者の場合)
  • 各種控除の証明書(控除を受ける場合)

確定申告で必要な書類をより詳しく知りたい人は、以下の記事をご確認ください。国税庁ホームページ「確定申告書等の様式・手引き等」でも必要書類を確認できます。

確定申告書を郵送するときの封筒や宛名の書き方

確定申告書を郵送するときの封筒のサイズや宛名の書き方、送付先の調べ方について解説します。

封筒サイズは「角形2号」がおすすめ

確定申告の郵送用の封筒サイズはとくに決まりがありません。確定申告書は折り曲げて提出しても問題ないです。

ただし小さい封筒だとかさばったり書類が入らなかったりするため、A4サイズが問題なく入る角形2号がおすすめです。

確定申告書の郵送先と調べ方

確定申告の郵送先は「納税先である所轄の税務署、または業務センター」です。事業を営む人は、開業届を出した税務署が納税先となります。個人の場合、原則として住所がある地域の税務署が納税先です。

所轄の税務署や業務センターの住所は、以下で確認しましょう。 

郵送用封筒の宛名の書き方

確定申告 郵送 宛名 書き方
確定申告用封筒の宛名の書き方

確定申告書を郵送する際の表書きは、通常の手紙類と同じです。

郵便番号と住所を書き、宛名は「〇〇税務署御中」と書きましょう。担当者の名前などは入れず、敬称は「御中」で問題ありません。さらに「所得税確定申告書在中」と赤の文字で記入しておけば万全です。

裏面には、自分の郵便番号と住所・氏名を記入するのも忘れないようにしてください。封筒が縦書きの場合は封筒表面の左下に、横書きの場合は封筒表面の右下に書きましょう。

郵送方法の種類と切手代一覧

書類や封筒が不備なく準備できたら、切手を貼ってポストに投函すれば提出完了です。切手代が正しいか不安な人は、郵便局の窓口で発送すると良いでしょう。

基本的には普通郵便で問題ありませんが、レターパックや簡易書留でも郵送できます。確定申告ではマイナンバーを始めとした個人情報を送付するため、配達時の万が一の情報漏洩が不安な人や、税務署に届いたことを確認したい人は、追跡できる簡易書留やレターパックがおすすめです。

確定申告書を郵送する主な方法と、切手の料金例をまとめました。

郵送方法 代金(例)
普通郵便 定形外郵便物規格内の場合
・100g以内で140円
・150g以内で210円
・250g以内で250円
特定記録(追跡ができる) 郵便料金+160円
簡易書留 郵便料金+350円
レターパックライト(郵便受け配達。厚さ3cm以内) 370円
レターパックプラス(対面届け) 520円

確定申告書は「信書」にあたり、「郵便物」(第一種郵便物)または「信書便物」として送付する必要があります。

いわゆる宅急便や、郵便局のサービスでも「ゆうパック」「ゆうメール」「ゆうパケット」「クリックポスト」では送れない点に注意しましょう。

返信用封筒は必要?控えが必要な人は同封を

確定申告書を提出するとき、返信用封筒がなくても税務署では受理されます。そのため返信用封筒は必ずしも必要なわけではありません。

返信用封筒を同封すると、確定申告書の控えに税務署が収受印を押して返送してくれます。この収受印入りの確定申告の控えが必要な人は、返信用封筒を同封しましょう。

そもそも確定申告書の控えは必要?

「収受印のある」確定申告書の控えは、税務署に提出したことの証明になり、融資を受ける際などに求められます。

事業を営んでいて銀行融資を受ける予定がある人は、収受印が押された確定申告書の控えが必要です。

「次回以降申告するときに過去の申告書を確認したい」というのみであれば、ご自身でコピーするのみで問題ありません。

控えをもらう場合の必要書類

収受印入りの確定申告の控えを受け取るには、以下の書類の同封が必要です。

  • 返信用封筒(切手を貼ったもの)
  • 確定申告書の控えの用紙

返信用封筒には、ご自身の住所、氏名を記入した上で、切手を貼っておきます。切手は返信用封筒のサイズと重さを想定し、必要な金額を貼り付けましょう。

定形郵便物で送れる大きさの封筒であれば、通常は84円切手で足りますが、もし青色申告決算書にも収受印が必要な場合は念のために94円貼り付けしておくと安心です。

確定申告を郵送で提出するときの期限

確定申告 イメージ

確定申告の期限は、通常は翌年の2月16日から3月15日までの間です。3月15日が土日や祝日と重なった場合は、その期限は直近の平日まで繰り下がります。

郵送の場合は、提出期限日の消印も有効です。そのため3月15日当日までの消印があれば、期限内申告として受理されます。

郵送した確定申告書に不備があった場合は?

 「確定申告書の内容に問題があった」「本人確認書類や医療費控除などの添付書類漏れがあった」などの不備がある場合は、差し戻しとして書類が返送されます

確定申告期限内に返送されて修正できるとは限らず、ギリギリで提出した場合は期限内に再提出するのは難しいでしょう。

期限内に提出できない場合は「期限後申告」の扱いになり、無申告加算税が上乗せされるなどのペナルティがありえます。税金の還付ではなく納付する予定の場合、申告の遅れによって追徴課税される可能性もあるでしょう。

そのため、郵送の場合は書類の不備に十分注意しなければならず、自信がない方は税務署に持参するか、税理士に相談するなどして不備がないようにするのがおすすめです。

不備に備えて郵送でも確定申告は早めに

確定申告書の会場まで遠い方や、申告会場に行く時間がない方にとって、郵送で送れるのはとても便利です。混雑した会場で長時間待たされることもないので助かります。

しかし万が一書類に不備があった場合は修正や再提出に時間がかかります。差し戻しの時期によっては、期限内の再提出に間に合わないこともあるでしょう。内容に間違いがないか、添付書類に漏れがないかしっかり確認して送るようにしてください。万が一の不備に備え、できるだけ早めに送ることも大切です。

ご自身で書類を準備する時間がない場合は、税理士に依頼し、代理で申告をしてもらうのも良いでしょう。ミツモアなら簡単な質問に答えていただくだけで税理士より最大5件の見積もりが届きます。依頼の詳細や見積もり内容などチャットで相談ができるので、自分の要望も伝えやすいでしょう。

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監修税理士からのコメント

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区元町通

確定申告は郵送も可能ですが、e-Taxによる電子申告がとても簡単でおススメです。また、電子申告を行うと青色申告特別控除の金額が65万円になるため、節税にも繋がります。