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【2025年】確定申告が全くわからない方必見!手順や必要書類を徹底解説

確定申告の相談ができる税理士をさがす
最終更新日: 2025年01月15日

確定申告とは、毎年2月15日~3月15日に行う、1年間の所得を再計算して納める所得税の額を確定させる手続きです。

確定申告を行うことで所得税を追加で納税するだけではなく、払いすぎた税が返ってくることもあります。

1度やってしまえば流れはつかめるものの、全くやったことのない人からすれば複雑で面倒な手続きが多い傾向があります。

確定申告が全くわからない人向けに、必要書類や手間のない申告手順を解説します。手順を覚えて確定申告をスムーズに行いましょう。

この記事を監修した税理士

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区元町通

安田亮(公認会計士・税理士・CFP🄬)1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格、2010年京都大学経済学部経営学科卒業。大学在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応等を経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。所得税・法人税だけでなく相続税申告もこなす。

確定申告が必要な人の早見表

確定申告が必要かチェック!フローチャート

確定申告が必要かどうかは人によって異なります。

まずは確定申告が必要な人の属性や、必要な理由を確認しましょう。

必要な人の属性 必要な理由
個人事業主・フリーランス
  • 所得税・住民税の額を決定するため
  • 経費等を精算するため
  • 各種控除を適用させるため
給与所得者
  • 各種控除を適用させるため
公的年金の受給者
  • 所得税・住民税の額を決定するため
  • 各種控除を適用させるため
事業・給与・年金のほかに所得がある
  • 年末調整を行っていない所得の所得税を決定するため

個人事業主やフリーランス(事業所得がある人)

個人事業主やフリーランスなど、事業所得のある人は源泉徴収が行われないので、自分で所得税の計算をして納税する必要があります。

所得税の申告をするには確定申告が必須です。

事業所得がある人が行う確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。

青色申告は用意すべき書類や帳簿などが多く、申告書類作成の難易度が高いものの、最大限の節税メリットを受けられます。

白色申告は書類作成の難易度が低いものの受けられる控除は限定的になります。

どちらが良い・悪いではなく、年間の売上高や事業所得の額によって適した申告方法は異なります。

関連記事では、青色申告・白色申告の違い、個人事業主の確定申告についてそれぞれ詳しく解説しています。あわせてチェックしてください。

各種控除を適用させたい人

サラリーマンのように企業から給料(給与)を受け取っている人は、年末調整が行われていれば所得税の確定申告をしなくても問題ありません。

ただしサラリーマンの中でも、医療費控除や住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)、寄附金控除など各種控除を適用させたい人は確定申告が必要です。

確定申告で申告する対象の控除は以下の15個です。

  1. 基礎控除
  2. 扶養控除
  3. 配偶者控除
  4. 配偶者特別控除
  5. 医療費控除
  6. 社会保険料控除
  7. 生命保険料控除
  8. 地震保険料控除
  9. 寄附金控除
  10. 小規模企業共済等掛金控除
  11. ひとり親控除
  12. 寡婦控除
  13. 勤労学生控除
  14. 障害者控除
  15. 雑損控除

所得税の計算をするときは「課税所得」を計算する必要があります。

課税所得は、所得の合計額 – 控除の合計額によって求められます。

たとえば600万円の所得があり、控除の合計額が200万円の場合は課税所得は400万円となり、そこから所得税の額が導き出されます。

公的年金の受給者

年金も所得に含まれるものの、企業から受け取るものではないため年末調整の対象外です。

そのため公的年金の受給者も確定申告が原則的に必要です。

しかしながら、年金を受給するような高齢者にとっては確定申告は難易度が高い手続きです。

高齢者の負担を軽くするため、政府は特定の条件に当てはまった年金受給者は確定申告が不要としています。これを「年金受給者の確定申告不要制度」といいます。

確定申告不要制度の対象となるのは、以下2つの条件どちらも当てはまる人です。

  1. 公的年金などの収入金額の合計が400万円以上かつ全額源泉徴収対象
  2. 公的年金などのほかに得た所得金額が20万円以下

なおこの場合の「公的年金等」とは、以下のものを指します。

  • 老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金、老齢共済年金)
  • 恩給(普通恩給)
  • 確定給付企業年金契約にもとづき支給される年金

副業収入がある人

副業収入など、事業や給与・年金以外に所得がある人も確定申告が必要です。

年末調整は主な勤務先でのみ行うため、そのままでは副業収入の所得税を脱税してしまうことになります。

収入に応じた所得税を納めるために確定申告をし、得た収入に応じた所得税を納税しましょう。

なお副業収入が20万円以下の場合は確定申告は不要です。

副業収入は雑所得として計算されることが多いです。

雑所得について詳しく知りたい方は関連記事をご覧ください。

確定申告が必要な人の具体例

確定申告する義務がない場合でも、申告をすれば還付金や控除の適用を受けられることがあります。

以下に当てはまる場合は確定申告を行ってください。

関連記事では確定申告で利用できるシミュレーターを紹介しています。個人事業主だけではなく、給与所得者向けのシミュレーターも紹介しているのでぜひご覧ください。

年末調整の前に退職し年末調整をしていない人

年末調整前に退職した場合、本来納めるべき税額よりも多くの源泉所得税が控除されている可能性が高いと言えます。

他の会社に転職した場合はその会社で年末調整が行われます。ただしタイミングによって年末調整ができなかったり、転職せず無職になったりした場合などは、確定申告することで還付金を受け取れるかもしれません。

年10万円超の医療費を払った人

生計を同一とする家族が年に10万円以上の医療費を支払った場合、医療費控除を受けられます

似た制度に「セルフメディケーション税制」があります。セルフメディケーション税制と医療費控除は同時には適用できず、いずれかの適用となる点にご注意ください。

病院にかかることが多い家庭は「医療費控除」を受けられる可能性が高く、市販薬で健康管理をしている家庭は「セルフメディケーション税制」による控除を受けられる可能性が高いです。

医療費控除の適用方法

医療費控除は以下の手順で適用させられます。

  1. 病院や薬局での領収書や「医療費のお知らせ」を手元に用意する
  2. 医療費集計フォーム」をダウンロードし、医療費の集計を行う
  3. 確定申告書等作成コーナー」の医療費控除の入力画面で医療費集計フォームの内容を読み込む
  4. 確定申告書を提出する

ふるさと納税や寄附を行った人

ふるさと納税などの寄附を行った場合、寄附金控除によって税金が還付される可能性があります。

現在では、ふるさと納税の「ワンストップ特例制度」により、確定申告を行わずに寄附金控除や税金の還付を受けることが可能です。

ただし、以下の要件に該当する場合はワンストップ特例制度を利用できないため、控除を受けるためには確定申告が必要です。

  • 年間でふるさと納税をおこなった自治体が6自治体以上ある場合
  • ワンストップ特例の申請書を提出していない自治体が1自治体以上ある場合
  • もともと確定申告の義務がある場合

寄附金控除の適用方法

ふるさと納税などによる寄附金控除は以下の手順で適用します。

  1. 自治体などからの受領証、「寄附金控除に関する証明書」などを手元に用意する
  2. 確定申告書等作成コーナー」の寄附金控除に関する画面で数字の転記を行う
  3. 確定申告書を提出する

その年に住宅ローンを組んだ人

ローンを組んで新築住宅を購入した場合や、特定の住宅改修工事をおこなった場合は住宅ローン控除を受けられるため、税金が安くなります。

年末調整で住宅ローン控除を受けるには税務署から「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」を取得する必要があるため、初年度は確定申告が必要です

2年目以降は、税務署から取得した計算明細書を利用することで、年末調整のみで住宅ローン控除を適用できるようになります。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の適用方法

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は以下の手順で適用させます。

  1. 住宅ローン控除の適用条件を確認する
  2. 必要な書類を手元に用意する
  3. 確定申告書等作成コーナー」で確定申告書を作成する
  4. 確定申告書を提出する

災害によって被害が出た人

台風などの自然災害や盗難被害にあった場合「雑損控除」を適用することで、税金が還付される可能性があります。

被害に関連した出費が5万円を超える場合に適用可能です。

雑損控除の適用方法

雑損控除は以下の手順で適用させます。

  1. 損失を証明する書類(罹災証明書、被害届等)を手元に用意する
  2. 確定申告書等作成コーナー」で確定申告書を作成する
  3. 確定申告書を提出する

確定申告が全く分からない人向け!e-Taxを使った手順

確定申告がまったく分からない人が確定申告を行うなら、e-Taxを活用することをおすすめします。

e-Taxはマイナポータルと連携することで手間なくスピーディに確定申告書の作成と提出が可能です。

e-Taxを利用して確定申告を行うときの流れは以下の通りです。

① 確定申告に必要な書類を用意する

確定申告を行う際に必要な書類は以下の通りです。

なお、控除に関する申告は確定申告の期日以降もできるため、すぐに用意できない場合は、所得税の確定申告を先に行いましょう。

必要な人 書類 入手場所
全員(電子申告の場合は不要) 確定申告書 税務署または国税庁ホームページ
全員 本人確認書類

(マイナンバーカード、運転免許証など)

市区町村役場など(手続きあり)
事業所得 / 不動産所得 / 山林所得がある方 ・青色申告決算書または収支内訳書

・帳簿など

税務署または国税庁ホームページ、会計ソフトなど
給与所得がある方 給与や退職金の源泉徴収票 勤務先
控除を受けたい方 各種、控除を受けるための控除証明書 各種入手先

確定申告書

令和6年の申告書
出典:国税庁

確定申告書とは、事業収入などの金額と所得から差し引ける社会保険料控除などの各種控除、所得税額を記載する書類です。

令和4年提出分までは給与所得者用の「A」、誰でも使える「B」の2種類がありましたが、令和5年提出分より1種類に統合されました。

従来のB様式に近いですが、第一表に修正申告用の欄が設けられるなど、よりシンプルな仕様になっています。

確定申告書は税務署または国税庁HPで取得しましょう。

なお「確定申告書作成コーナー」にて確定申告書を作成したり、電子申告したりする場合は用意する必要はありません。

本人確認書類

確定申告には本人確認書類が必須です。

裏表両面のマイナンバーカードの写しがあれば問題ありませんが、持っていない場合は以下の書類の写しを用意しましょう。

【マイナンバーカードがない場合の本人確認書類】

マイナンバー通知カードまたは住民票(マイナンバー記載)

  • 運転免許証
  • 健康保険証
  • パスポート
  • 各種障害者手帳
  • 在留カード

e-Taxを利用して確定申告をする場合は電子証明書が有効なマイナンバーカードがあるとスムーズに手続きできます。

マイナンバーカードは、市区町村役場などで申請して作成できますが、届くまでに申請から1か月~2か月かかるため注意しましょう。

青色申告決算書または収支内訳書

青色申告決算書と収支内訳書は、1年間の収入と勘定科目ごとの経費をまとめたものです。2種類とも税務署や国税庁のホームページで入手できます。

事業所得がある個人事業主などは、「青色申告」と「白色申告」のどちらの方法で申告するかによって、必要な帳票や控除額などが大きく異なります。

青色申告を行う場合は青色申告決算書、白色申告を行う場合は収支内訳書を作成しましょう。

令和二年分以降用青色申告決算書1ページ
青色申告決算書1ページ目 参考:国税庁HP
収支内訳書1枚目(令和四年度分以降用)
収支内訳書1ページ目 参考:国税庁HP
「青色申告」「白色申告」の違いと必要書類

青色申告を行う場合は「所得税の青色申告の承認申請書」を事前に税務署へ提出する必要があります。何も手続きを行っていなければ、自動的に白色申告となります。

青色申告の場合、必要書類は多いですが、最大65万円の特別控除が得られるため、事業所得が多い方は青色申告を選択すると良いでしょう。

以下に「青色申告」「白色申告」の対象者や控除金額、書類などの違いをまとめました。

青色申告 白色申告
対象者 ・事業活動を行う事業者

・家賃収入など不動産収入がある人

全ての人
特別控除金額 65万円、55万円 10万円 なし
条件 以下の届出書・申請書を期限までに提出

・開業届
・所得税の青色申告承認申請書

※優良な電子帳簿保存や、確定申告時にe-Taxで電子申告を行うと65万円控除

なし
提出書類 ・確定申告

・青色申告決算書(貸借対照表が必要)

・確定申告書

・青色申告決算書(貸借対照表不要)

・確定申告書

・収支内訳書

保存帳簿 ・現金出納帳

・売掛帳

・買掛

・固定資産台帳

・経費帳

・総勘定元帳

・仕訳帳

・現金出納帳

・売掛帳

・買掛帳

・固定資産台帳

・経費帳

・法定帳簿

・任意帳簿

記帳方法 複式簿記 単式簿記 単式簿記
不動産所得の場合の要件 5棟10室以上 マンション一室から なし
メリット ・青色申告特別控除(65万円、55万円)

・専従者給与

・繰越損失(3年間)

・少額減価償却資産の特例

・青色申告特別控除(10万円)

・専従者給与

・繰越損失(3年間)

・少額減価償却資産の特例

手続きが簡単

以下の記事では、青色申告と白色申告の違いを詳しく解説しています。どちらの申告方法にするか迷っている方は参考にしてみてください。

源泉徴収票

源泉徴収票
給与所得がある人は確定申告書類を作成するときに源泉徴収票が必要です。

毎年1月ころに会社から送付される源泉徴収票はなくさずに手元に保管してください。源泉徴収票に記載されている金額を転記するだけで、確定申告書の作成を進められます。

源泉徴収票が手元にない場合や紛失してしまった場合の対処法は以下の関連記事で解説しています。あわせてご覧ください。

控除を受けるための証明書など

生命保険料控除や社会保険料控除、寄附金控除などを適用するためには、内容に応じた証明書などを準備しなければなりません。

▼医療費控除

書類 入手先
医療費控除の明細書(内訳書) 税務署または国税庁ホームページ

※「領収書」「医療費のお知らせ」なども対象

▼住宅ローン控除

書類 入手先
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 税務署または国税庁ホームページ
住宅ローンの年末残高証明書 借入先
認定通知書(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合) 不動産会社
耐震基準適合証明書又は住宅性能評価書の写し(一定の耐震基準を満たす中古住宅の場合) 不動産会社
対象物件の登記事項証明書 法務局

▼ふるさと納税

書類 入手先
寄附金受領証明書 寄附先の自治体より郵送

▼雑損控除

書類 入手先
災害による復旧のための領収書 支払先
災害にともなう罹災証明書 市区町村
火災等にともなう被害届出書の証明書 消防署
盗難等にともなう被害届出書の証明書 警察署

② e-Taxの利用者登録をする

e-Taxで確定申告をするには事前に利用者登録をして、「利用者識別番号」を作成する必要があります。

このステップで必要なのは、電子証明書が有効なマイナンバーカード、利用者証明用電子証明書(数字4ケタ)、マイナンバーカード読取対応スマホ、マイナポータルアプリの4つです。

  1. マイナポータルアプリにログインする
  2. 下にスクロールし「おかね」エリアの「確定申告」ボタンをタップする
  3. 「e-Taxと連携」ボタンを押す
  4. e-Taxにページ移動するため画面の案内にしたがって「利用者情報の登録」をする

③ 電子証明書を取得する

e-Taxへの登録が完了したら電子証明書を取得します。これは、利用者本人が書類を作成し、不正や改ざんが行われていないことを示すための署名です。

電子証明書の取得において、マイナンバーカードのパスワード3種類すべてが必要になります。

マイナンバーカードのパスワード

  • 署名用電子証明書(英数字6~16文字)
  • 利用者証明書電子証明書(数字4ケタ)
  • 券面事項入力補助用(数字4ケタ)

④ 「確定申告書等作成コーナー」で申告書類を作成する

電子証明書の付与が完了したら、「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、申告書類を作成します。

確定申告書等作成コーナーは、PC、スマートフォン、タブレットからアクセスできます。スマートフォン・タブレットからでは所得税と消費税の確定申告書作成のみ可能です。

「作成開始」ボタンをタップすると、税務署への提出方法を選ぶ画面が表示されます。

提出方法を選ぶと、作成する申告書と何年分の書類を作成するか選択する画面に移動します。

サラリーマン(給与所得者)であれば一番左の「所得税」のボタンをタップして、申告書を作成しましょう。

⑤ 作成書類に間違いがないかチェックし電子署名をする

すべての項目に入力が完了したあとは、作成した申告書に間違いがないかをチェックします。

誤った情報で申告してしまうと、受けられる控除が受けられない、還付金の額が不適切な額になるなど様々なトラブルが発生するので、慎重にチェックをしてください。

間違いがなければ電子署名をし、申告書の作成は完了です。

⑥ 作成書類を提出する

確定申告書を任意の手段で提出します。提出方法は以下の3つです。

  1. e-Taxによる電子申告
  2. 郵送提出
  3. 窓口への直接提出

e-Taxで申告書類を作成した場合は、e-Taxによる電子申告をおすすめします。

印刷などの手間がなく、自宅で簡単に確定申告が完了します。

⑦ 送信した結果を確認する

確定申告書を提出したあとに、送信データの審査結果が配信されます。

e-Taxのメッセージボックスに配信されるので、提出後しばらくの間はこまめにメッセージボックスを確認しましょう。

万が一書類に不備があった場合は再度、確定申告書を作成し直してください。

⑧ 追加納税・還付金受け取りをする

e-Taxのメッセージボックスに追加納税や還付金に関する情報が配信されていたら、適切な対応を取ってください。

特に追加納税のお知らせを見落としてしまうと脱税として処罰されるリスクがあるのでご注意ください。

追加納税や還付金受け取りは、すべての納税者に発生するわけではありません。メッセージが配信されたら忘れずに手続きを行うという認識でいてください。

確定申告書等作成コーナーで作成した書類を印刷して提出することも可能

確定申告書等作成コーナー」で作成した書類は印刷も可能です。

作成した書類を印刷し、郵送や税務署の窓口に提出するほか、控えとして保存することも可能です。

手書きで書類作成もできるがミスが発生しやすいのでおすすめしない

税務署の窓口などから確定申告書をもらってくれば、手書きで確定申告書を作成できます。

ただし自分で計算をして転記をする必要があるので、計算や数字の転記ミスなどが起きる可能性が高いためおすすめはできません。

e-Taxとマイナポータルを連携したうえで確定申告書等作成コーナーを使えば、取得した情報を自動入力・自動計算をしてくれるため計算ミス等などの些細なミスも発生しません。

最大限の控除受け、適切な納税ができる最も効率的な方法なので、特別の理由がなければ確定申告書等作成コーナーを利用して確定申告書を作成することをおすすめします。

確定申告のやり方を見ても全くわからない人は税務署で相談できる

相談

(内部リンク:確定申告 相談)

税務署に確定申告の相談をする方法

税務署に確定申告や税の相談をする方法は以下の4種類です。

  • 税務署での相談
  • 電話
  • 税務署主催の相談会
  • チャットボット「ふたば」

税務署に直接出向いて相談する場合は必ず予約を入れるようにしましょう。

予約がない場合、突然出向いてもほかの相談者で枠が埋まっており、相談できない可能性があります。

それぞれの相談形式について詳しくみていきましょう。

直接出向く

税務署へ確定申告の相談をする方法の1つ目は、税務署へ直接出向くことです。

直接出向くことで、税務署職員の方に自身の確定申告内容について対面でサポートしてもらえます

ただし、相談枠の予約をしておかないと直接行っても相談枠が空いていない可能性があるため、無駄足にならないよう所轄の税務署で事前に予約しておきましょう。

自身の所轄の税務署については以下を参考にしてください。

電話する

税務署へ確定申告の相談をする方法の1つ目は、税務署へ電話することです。

税務署へ電話すると自動音声案内が流れるため、案内に従って相談しましょう。

確定申告について相談したい時は以下の流れで相談可能です。

  1. 自身の所轄の税務署へ電話する
  2. 自動音声案内に従って「2」を押す(「1」は国税に関する相談、「2」は具体的な確定申告の方法に関する相談)
  3. 税務署受付担当につながる
  4. 必要に応じて相談予約を入れる
参考:国税に関する相談について

税務署主催の相談会に参加する

確定申告時期になると、税務署での相談だけでなく税務署主催の相談会での相談が可能です。

相談会の開催場所は国税庁のホームページなどに記載されているため、参加したい場合は事前に場所を確認しておきましょう。

また、相談会は入場整理券が必要な場合があります。当日配布のほか、LINEで配信されることもありますので、自身が行きたい相談会の入場方法を事前に把握しておくことが重要です。

チャットボットを利用する

国税庁ホームページでは「ふたば」という国税に関する相談が可能なチャットボットが用意されています。

チャットボットでは平日だけでなく土日や夜間の相談も可能なため、平日はどうしても相談しにいけないという方はチャットボットを利用すると良いでしょう。

直接相談しに行くほどでもない場合や、知りたいことが明確である場合などはまずはチャットボットを利用してみることで、確定申告にかける時間が削減できるかもしれません。

税務署に確定申告の相談ができる時間帯

税務署の窓口対応時間は基本的に平日8時30分から17時までであるため、土日に相談できないことに注意しましょう。

ただし、確定申告時期など場合によっては土日も相談を受け付けている可能性もあるため、土日に相談したい場合は自身の所轄の税務署が対応しているか確認しておくことが重要です。

税務署での相談に必要な持ち物

税務署で確定申告に関する相談をするときに必要なものは以下の通りです。

  • 本人確認書類
  • 生命保険の社会保険の控除証明書
  • 源泉徴収票(給与・公的年金についての申告の場合)
  • 収支内訳書(事業所得・不動産所得についての申告の場合)
  • 住宅ローンに関する書類
  • 通帳(税金の還付がある場合)
  • 決算書(個人事業主の場合)

申告内容などによって必要書類は人それぞれであるため、自身の申告ではどの書類が必要かをしっかりと確認したうえで、書類を持参して相談に出向きましょう。

全くわからないからといって確定申告しないとどうなる?バレる?

確定申告をしなかった場合、どういったリスクやデメリットがあるのかを紹介します。

税務署はさまざまな方法で個人の所得を調べています。申告をしなかったその年はバレなかったとしても、税務署は情報を把握している可能性が高いです。

延滞税等が最も高額になるタイミングで税務調査に訪れ、高額な追加納税をすることになるかもしれないので、「無申告でもどうせバレない」とは思わずきちんと確定申告を行いましょう。

納税義務がある場合はペナルティが発生する

納税義務のある人が確定申告をしなかった場合や、税金の納付期限を超過してしまった場合は、ペナルティとして「無申告加算税」や「延滞税」などの追徴課税が発生します。

ペナルティとなる税の種類 支払い義務が発生する事由 税率
無申告加算税 納めるべき税金があるにもかかわらず、申告期限までに確定申告をしなかったとき 原則、納付すべき税金の内50万円までは15%、50万円を超える部分については20%
延滞税 納付期限までに支払うべき税金を納めなかったとき 原則、納付期限の翌日から2ヵ月間は納付すべき税金の年7.3%、2ヵ月を越えたときは年14.6%

上記のペナルティ以外にも、税を少なく申告したときの「過少申告加算税」や、悪質な事実の仮装・隠蔽などが発覚した際に課せられる「重加算税」などがあります。

また「控除が受けられない」「還付金が受け取れない」といったデメリットもあるでしょう。

確定申告をしなければ控除が受けられず還付金の請求が漏れて損をする

納税する義務がないのであれば確定申告を行わなくとも特にペナルティはありません。

ただし、源泉徴収をされていて、確定申告をして控除を適用すると還付金を受け取れる場合、確定申告をしていなかったために税金の還付を受けられない可能性があります。

還付申告は、発生した年の翌年1月1日から5年間申告が可能なので、気づき次第、申告手続きを行いましょう。

監修税理士からのコメント

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確定申告はご自身でやられている方も多いのは事実ですが、いざ自分でやろうとすると難しいものです。
困った場合は税理士に相談しましょう。

確定申告が全くわからないなら税理士に依頼できる

税理士に依頼する

「税理士に依頼する」というと心理的ハードルが高いと感じる人もいるでしょう。

確かに税理士は、普段の生活のなかでは頻繁にやり取りをする職業ではありません。

しかし税理士は税務に関するプロです。法人や個人事業主など事業によって所得を得ている人だけではなく、給与所得者の確定申告の相談にも乗ってくれます。

税理士に依頼できることや費用相場、探し方を解説します。

税理士に依頼できること

税理士は税務のプロなので、税に関する相談や記帳代行、決算書や申告書の作成など様々なことを依頼できます。

依頼者の職業別に依頼できることをまとめると以下の通りです。

サラリーマン(給与所得者)が依頼できること

  • 確定申告の代行
  • 節税に関する相談

個人事業主が依頼できること

  • 確定申告の相談・代行
  • 記帳代行
  • 決算書・申告書の作成
  • 節税の相談・アドバイス
  • 顧問契約

税理士の費用相場

サラリーマンの確定申告の代理であれば、報酬額の相場は30,000円です。

個人事業主の場合は青色申告と白色申告があるので、どちらの色で申告するかによって報酬額が変わります。

青色申告の確定申告を税理士に依頼した場合、申告書作成だけでなく仕訳込みの依頼をするとおよそ10万円~20万円程度の費用が発生するケースが多いです。

年間売上500万円以下 10万円
年間売上500~1,000万円以下 15万円
年間売上1,000万以上 20万円

確定申告書の作成のみであれば10万円以下が相場です。

詳しくは以下の記事で解説していますので、こちらも参考にしてください。

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