ミツモアメディア

青色申告と白色申告の違いとは? それぞれのメリットから必要な書類や帳簿まで解説

最終更新日: 2020年12月17日

個人事業主になると、自分で確定申告をしなければなりません。これまでサラリーマンで所得税の申告は年末調整で済ませていた場合、初めて確定申告を行うという人もいるでしょう。

個人事業主が確定申告をする場合、青色申告と白色申告の2種類があります。確定申告が初めての場合、そもそもこの違いがわからないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では青色申告と白色申告の違いを解説し、それぞれのメリットについて見ていきましょう。

この記事の監修税理士

菅野歩税理士事務所 - 宮城県仙台市宮城野区

仙台市宮城野区岩切に事務所を構える税理士の菅野歩と申します。日々の経理業務、会計・税務業務など経営者の皆様のニーズに合わせた適切なサポートを全力で行い、わかりやすくご説明させていただきます。
ミツモアでプロを探す

青色申告とは

青色申告とは
青色申告とは

青色申告と白色申告は、確定申告で提出する用紙に違いがあるだけでなく、義務付けられる帳簿の形式、様々な特典など、多くの違いがあります。青色申告は税金を節約できる効果が高いといわれますが、それはどうしてでしょうか?

ここでは青色申告について説明し、青色申告ができる人とできない人について紹介します。

青色申告とは

青色申告とは一定の帳簿を付け、日々の取引を記帳し、その記録に基づいて確定申告をする制度です。

青色申告にすることで白色申告にはない一定額の控除を受けられるなど、所得の計算で有利な取り扱いを受けられます。税金を少しでも安くしたい場合は、青色申告を選ぶのがよいでしょう。

青色申告ができる人

確定申告で提出する所得は10種類ありますが、青色申告ができるのは事業所得と不動産所得、山林所得のみです。ほかの所得だけの場合は青色申告はできません。

給与所得者のサラリーマンでも、副業でこれらの所得がある場合は青色申告ができます。

青色申告を行うためには、その年の3月15日まで(その年の1月16日以降に新たに事業を開始した場合は事業開始日から2か月以内)に管轄の税務署に申請書を提出していなければなりません。提出しない場合、自動的に白色申告になります。

白色申告とは

白色申告とは
白色申告とは

白色申告は青色申告の申請書を提出していないすべての事業者が行う申請方法です。

2013年までは一定の所得以下の場合、白色申告に記帳の義務がなく、毎日の記帳を行わなくても確定申告ができるという側面がありました。しかし、2014年からはすべての白色申告者に「帳簿への記載」と「帳簿等の保存」が義務付けられ、白色申告でも簡単な記帳が必要です。帳簿記帳の側面からは、青色申告とあまり違いがなくなっています。

青色申告と白色申告の違い

青色申告と白色申告の違い

青色申告も白色申告も帳簿の記帳が義務付けられている点では同じですが、記帳方法や特典の有無などに大きな違いがあります。

また青色申告は控除額が10万円と65万円の2種類(2020年分からは10万円・55万円・65万円の3種類)あり、それぞれ必要とされる帳簿の形式が異なるものです。

ここでは、青色申告と白色申告の違いについて詳しく見ていきましょう。

事前の届出の有無

青色申告と白色申告は、事前の届出が必要か否かという大きな違いがあります。青色申告にしたい場合は「開業届」を提出するとともに、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を管轄税務署に提出しなければなりません。

ただし、その年の1月16日以降に新たに開業した場合は、開業の日から2か月以内に提出すれば青色申告ができます。

青色申告は期限内に申請書を提出しない限り自動的に白色申告になり、この後に説明するような特典を受けることはできません。

記帳の方法

白色申告も青色申告も記帳が義務付けられていますが、方法が異なります。白色申告と10万円控除の青色申告は単式簿記(簡易な方法)による記帳が認められ、65万円控除の青色申告は複式簿記(正規の方法)で記帳しなければなりません。

単式簿記と複式簿記とはどのようなものか、見てみましょう。

単式簿記

単式簿記とは本来の簿記を簡略化した記帳方法で、家計簿のようなものです。取引を1つの勘定科目に絞って記載します。

実際の記帳例を見てみましょう。

記帳例

  • 5月5日にガス代を5,000円、現金で支払った

  5月5日 支出 ガス代 5,000円

  • 5月20日に50,000円の売り上げがあり、現金で受け取った

  5月20日 収入 商品売上 50,000円

  • 5月25日に銀行から100,000円の借入れをした

  5月25日 収入 借入金 100,000円

複式簿記

複式簿記は、お金の動きを取引と捉え、複数の科目で記載する方法です。お金の出入りと資産の増減の両方がわかる仕組みになっています。

単式簿記と同じ事例で記帳してみました。

記帳例

  • 5月5日にガス代を5,000円、現金で支払った

  5月8日 ガス代 10,000円|現金 10,000円

  • 5月20日に50,000円の売り上げがあり、現金で受け取った

  5月20日 現金 50,000円|商品売上 50,000円

  • 5月25日に銀行から100,000円の借入れをした

  5月25日 普通預金 100,000円|借入金 100,000円 

このように左側が「借方」、右側が「貸方」で、1つの取引で2つの勘定科目を記載することになります。

各種特典の有無

青色申告と白色申告の違いの中でも、特に大きいのが各種特典の有無です。青色申告には特別控除をはじめ、白色申告にない多くの特典があります。

青色申告は記帳が面倒というデメリットはありますが、それでも多くの人が青色申告を選ぶのはこの特典があるからです。

次の項目で、各種特典を具体的に見ていきましょう。

青色申告のメリット

青色申告のメリット

青色申告の大きなメリットは最大65万円の特別控除ですが、この特別控除は令和2年度分から改正により要件が追加されました。控除以外でも同一生計家族への給与を経費にできる、赤字を3年間繰り越せるなど白色申告には無いたくさんのメリットがあります。

どのようなメリットがあるのか、65万円と10万円とではどう違うのか、それぞれ具体的に紹介しましょう。

最大65万円の青色申告特別控除を受けることができる

青色申告の場合、特別控除として65万円を所得から差し引くことができます。青色申告の最大のメリットで、白色申告と違い高い節税効果があるものです。この65万円の控除を受けるためには、日々の取引を複式簿記で記帳しなければなりません。

また、65万円の控除は事業所得、不動産所得、山林所得の3つの所得のうち事業所得がある人、事業規模の不動産取得がある人に限られます。

この65万円控除は確定申告の期限までに申告書類を提出することが条件です。1日でも期限を過ぎると10万円の控除になってしまうため、注意しましょう。

令和2年度分の確定申告から65万円の特別控除を受けるための要件が改正

青色申告特別控除は、2019年(令和元年)まで65万円と10万円控除の2種類でしたが、2020年の改正により55万円または10万円が基本になりました。55万円の控除は一定の要件を満たした場合のみ65万円の控除になります。

令和2年度分から必要になる要件は、次のうちどちらか一つです。

  • e-Taxによる申告
  • 電子帳簿での保存

電子帳簿での保存は、あらかじめ税務署長等の承認を受け、かつ、適正公平な課税の確保に必要な一定の要件に従った形であることが求められます。単に会計ソフトに保存された記帳はこれにあたりません。

10万円の特別控除を受ける場合とは?

青色申告でも複式簿記で記帳しない場合、控除額は10万円になります。10万円控除の青色申告に必要なのは簡易簿記による記帳で、白色申告とは異なるもの。現金出納簿をはじめとする5つの帳簿が基本になり、日々の取引に関する収益と費用を記帳します。

同一生計家族へ支払う給与を経費にできる

個人事業主は配偶者や家族に給与を支払っていても、原則として経費にはできません。しかし青色申告の場合は特別で、一緒に生活をする配偶者や家族に支払った給与を経費にすることが可能です。これを「青色事業専従者給与の特例」といいます。

青色事業専従者への給与であればすべて経費にできますが、青色事業専従者は次の要件に該当することが必要です。

  • 青色申告者と生計を同一にする親族である
  • 当該年度の12月31日に15歳以上である
  • 青色申告者の事業に、6か月を超える期間専従している

この要件に該当する者に支払われた給与が経費になりますが、この特例を受けるためには、青色事業専従者給与に関する届出書を提出しなければなりません。提出期限は青色申告承認申請書と同じくその年の3月15日までになり、1月16日以後に新たに開業した場合は開業の日から2か月以内です。

この届出書には次の内容を記載します。

  • 青色事業専従者の氏名
  • 職務の内容
  • 給与の金額
  • 支給期

専従者の人数や給与が増えるなど届出内容に変更がある場合は、「青色事業専従者給与に関する変更届出書」を管轄税務署長に提出しなければなりません。

経費として認められる金額は届出書に記載されている方法通りに支払われ、記載されている金額の範囲内で、労務の対価として相当と認められる額であることも必要です。

白色申告の「専従者控除」

白色申告にも専従者控除がありますが、金額の上限がない青色事業専従者給与と異なり、金額に制限があります。次の2点のうち、どちらか低い方が控除できる金額です。

  • 配偶者は86万円、配偶者でない場合は専従者一人につき50万円
  • 控除をする前の事業所得等の金額を専従者の数に1を足した数で割った金額

専従者の条件は青色申告と同じで、事前の届出は必要ありません。

赤字を3年間繰り越すことができる

青色申告では赤字を3年間繰り越して、翌年以降の黒字と相殺できます。例えば100万円の赤字があった翌年に300万円の所得があった場合、300万円から前年の赤字100万円を差し引いて200万円の所得として申告することができるわけです。

赤字を繰り越せるのは、事業所得、不動産所得、譲渡所得、山林所得の分に限られます。

前年度が白色申告で赤字となっていた場合、本年度から青色申告になっても前年の損失分は繰り越せません。あくまで青色申告の時期の赤字であることが必要です。

開業した当初はすぐに売上が上がらず、どうしても赤字になりやすいもの。青色申告にするメリットはかなり大きいといえるでしょう。

30万円未満の固定資産を一括で経費計上できる

個人事業主は事業に必要な費用を経費にできますが、その額が大きい場合、すべてを経費にできない場合があります。減価償却として、数年にわたり少しずつ経費計上をしなければなりません。

減価償却の対象となる固定資産は、資産ごとに法律で細かく耐用年数が定められています。具体的には10万円以上のもの、耐用年数が1年以上のものが固定資産となり、一度に全額を経費にすることはできません。

青色申告の場合はこれに特例があり、30万円未満のものであれば、その事業年分の経費として一括で計上できます。これを「少額減価償却資産の特例」といい、経費を増やして節税が可能です。ただし、特例を適用できる少額減価償却資産の取得価額の合計額は、300万円までという制限があるため注意してください。

白色申告にはこの少額減価償却資産の特例がありません。特に事業の開始時には大きな備品を購入することが多く、青色申告なら大きな節税ができるでしょう。

貸倒引当金を計上できる

青色申告では、貸倒引当金を計上できます。貸倒引当金とは、売掛金が回収できなくなるリスクに備えて計上する勘定で、年末時点の債権の金額の一部を「貸倒引当金」として経費に入れることが可能です。

青色申告では決算にあたり、売掛金や未収入金などの金銭債権に対し5.5%を上限として経費に計上することができます(一括評価による貸倒引当金)。

白色申告でも貸倒引当金を計上できますが、個別評価という複雑な計算方法をしなければなりません。一方青色申告は、簡易な一括評価による貸倒引当金繰入れができるのがメリットです。

純損失の繰戻しを受けることができる

青色申告では赤字の繰り越しができますが、それとは逆に前年は青色申告で黒字で翌年に赤字になった場合にも、純損失の繰戻しができます。

前年分の黒字と当年分の赤字を相殺して再計算し、差額になる税額を還付してもらうことができるのです。赤字の繰越しと異なりすぐに還付されるため、事業の資金繰りに役立ちます。白色申告にはこの特典がなく、前年が白色申告だった場合も適用されません。

白色申告のメリット

白色申告のメリット

多くのメリットがある青色申告ですが、白色申告にもメリットはあります。記帳が簡単というのが一番大きなメリットですが、事前の届出が必要ないのもメリットといえるでしょう。また副業などで確定申告する人は、できるだけ簡単な手続きで済む白色申告が便利です。

ここでは白色申告のメリットについて紹介します。

事前の届出が必要ない

青色申告は期限までに届出をしなければなりませんが、白色申告は届出の必要がありません。

何もしていなければ、そのまま白色申告として確定申告することになります。届出書を記入するという面倒な作業がないのがメリットです。

簡易な方法での記帳が認められている

白色申告では複式簿記による記帳が必要なく、日々簡単な記帳を行うだけなので手間がかかりません。確定申告書の提出でも、4ページの青色申告決算書と比べて記入項目が少なく、計算が楽な収支内訳書の提出のみで足ります。

青色申告と比べるとかなり負担が小さいのがメリットです。

しかし、白色申告はもともと所得が一定額を超えない場合、記帳が義務付けられていませんでした。それが2014年から簡易とはいえ記帳が必要になったという点を考えると、青色申告と比較したメリットは少なくなったといえるでしょう。

青色申告を行うために必要な手続き

青色申告に必要な手続き

個人事業主にはメリットの多い青色申告がおすすめですが、申請書の提出など必要な手続きがあります。提出には期限があり、期限を過ぎるとその年の確定申告は白色申告になるため、注意が必要です。

家族が事業を手伝い、給与を支払っている場合に青色事業専従者給与の特例を受ける場合も手続きが必要になります。

どのような手続きを行うのか、しっかり確認しておきましょう。

「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要

青色申告をするには、管轄の税務署に「所得税の青色申告承認申請書」と「開業届」を提出しなければなりません。「所得税の青色申告承認申請書」の提出は、税務署に青色申告をしても良いという承認をもらうために必要な手続きです。

青色申告の承認申請書に記載が必要な開業日の証明のため、「開業届」も提出している必要があります。

「所得税の青色申告承認申請書」の提出先と提出期限

確定申告の時期に慌てて青色申告にしたいと思っても、提出期限を過ぎていたら申請書は受け付けてもらえません。「所得税の青色申告承認申請書」の提出期限は確定申告の対象となる年の3月15日です。提出期限が土日曜祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限になります。

1月16日以後に新たに事業を始めた場合は、開業日から2か月以内に「所得税の青色申告承認申請書」を提出することが必要です。

「青色事業専従者給与の特例」を利用する場合

一緒に暮らす配偶者や家族に給与を支払っていて「青色事業専従者給与の特例」を利用する場合、事前に青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書の提出が必要です。この届出がないと青色申告でも給与を経費に計上できません。

届出の期限は青色事業専従者の給与を経費に計上しようとする年の3月15日までになります。

その年の1月16日以後に開業した場合、または新たに専従者がいることとなった場合には、その開業の日もしくは専従者がいることになった日から2か月以内に提出しなければなりません。提出期限が土日曜祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限です。

青色申告と白色申告で必要な帳簿の種類

青色申告と白色申告で必要な帳簿の種類

青色申告と白色申告では帳簿のつけ方が異なり、必要になる帳簿の種類も異なります。青色申告の場合は、特別控除が65万円(55万円)と10万円とでも異なるもの。また、青色申告と白色申告ともに帳簿や領収書などの書類は一定期間保存しなければなりません。

どのような帳簿が必要で、保存期間はいつまでなのか紹介しましょう。

青色申告で必要な帳簿

青色申告では65万円(55万円)の控除と10万円の控除で必要な帳簿は異なります。

65万円(55万円)控除で必要な帳簿

65万円(55万円)の控除を受ける場合、複式簿記で記帳する仕訳帳と総勘定元帳が必須です。その他に補助簿として、次の5つの帳簿を使います。

  • 現金出納帳
  • 売掛帳
  • 買掛帳
  • 固定資産台帳
  • 経費帳
帳簿 内容
仕訳帳
  • 日々の取引を発生順に記録する帳簿
  • 取引ごとに借方と貸方に仕訳を行う
総勘定元帳
  • 仕訳帳の借方と貸方それぞれの勘定科目を転記して作成する帳簿
  • 取引を勘定科目の種類ごとに分類し、整理して計算する
現金出納帳
  • すべての現金取引を記録する
  • 帳簿上の現金残高と実際の現金残高を一致させる
  • 複数の事業用口座がある場合は口座ごとに作成する
売掛帳
  • 売掛金での売上がある場合、取引ごとに記帳する
買掛帳
  • 買掛金で仕入れをしている場合、取引ごとに記帳する
固定資産台帳
  • 事業で使用する車や機械、備品などを購入したときに記帳する
  • 資産ごとに名称や購入金額、購入年月日などを記録する
経費帳
  • 経費を記帳する帳簿
  • 勘定科目ごとに取引の日付や金額、内容を記載する

10万円控除で必要な帳簿

10万円の控除を受ける場合、単式簿記の記帳でいいため複式簿記で記帳する仕訳帳や総勘定元帳は必要ありません。それ以外の5種類の帳簿を記帳します。

白色申告で必要な帳簿

白色申告は法定帳簿として収入金額や必要経費を記載した帳簿が義務付けられていますが、青色申告のように帳簿の定めはなく、書式は自由です。それ以外に業務に関して作成する帳簿は任意になります。

収入金額や必要経費に関する事項が記帳できれば、家計簿のようなものでかまいません。日ごとの合計金額をまとめて記帳するものでも大丈夫です。

帳簿や領収書の保存期間

帳簿や領収書などその他の書類は一定期間保存することが義務付けられています。青色申告と白色申告、それぞれについて見てみましょう。

青色申告

保存するもの 保存期間
仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳などの帳簿 7年
損益計算書、貸借対照表、棚卸表などの決算書類 7年
領収証、小切手控、預金通帳、借用証などの関係書類 7年※
請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など取引に関して作成または受領した書類 5年

前々年分所得が300万円以下の場合は5年

参考:国税庁

白色申告

保存するもの 保存期間
収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) 7年
業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) 5年
決算に関して作成した棚卸表その他の書類 5年
業務に関して作成または受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類 5年

参考:国税庁

確定申告での必要書類

確定申告での必要書類

確定申告の用紙は青色申告、白色申告ともに確定申告書Bで共通ですが、他に確定申告で必要な書類は青色申告と白色申告で異なります。

青色申告でも、控除額が65万円(55万円)と10万とでは必要になる青色申告決算書の内容も異なるため、ここで詳細を紹介しましょう。直前になって慌てないよう、きちんと確認しておいてください。

青色申告(65万円あるいは55万円の特別控除を受ける場合)

65万円あるいは55万円の特別控除を受ける場合は、次の書類が必要です。

  • 確定申告書B
  • 青色申告決算書(4ページ)
  • 各種控除関係で必要になる書類
  • マイナンバーカード
  • (マイナンバーカードがない場合は)通知カードなどの番号確認書類+身分証明書

社会保険料や生命保険料、医療費などの控除を受ける場合は、それぞれ必要とされる証明書を添付します。

65万円あるいは55万円の特別控除を受ける場合、青色申告決算書も必要です。その年の収入や経費を記載する「損益計算書」と「損益計算書の内訳」が2枚、資産や負債の状況を記載する「貸借対照表」の合計4枚すべて記入し、提出しなければなりません。

青色申告(10万円の特別控除を受ける場合)

10万円の特別控除を受ける場合も、65万円あるいは55万円の特別控除の場合と基本的には同じです。ただし、青色申告決算書の4ページ目にある「貸借対照表」は必要ありません。

  • 確定申告書B
  • 青色申告決算書(3ページ)
  • 各種控除関係で必要になる書類
  • マイナンバーカード
  • (マイナンバーカードがない場合は)通知カードなどの番号確認書類+身分証明書

白色申告の場合

白色申告の必要書類は青色申告決算書の代わりに収支内訳書を提出する以外、青色申告と同じです。収支内訳書はその年の売上や支出、経費を記入してその年の所得金額を計算します。

  • 確定申告書B
  • 収支内訳書
  • 各種控除関係で必要になる書類
  • マイナンバーカード
  • (マイナンバーカードがない場合は)通知カードなどの番号確認書類+身分証明書

青色申告を簡単にはじめるには

青色申告を簡単にはじめるには

青色申告は特別控除が受けられるだけでなく、赤字の繰越しや繰戻し、固定資産の一括経費計上など白色申告に比べてメリットが多く、確定申告が初めての個人事業主にもおすすめです。

しかし複式簿記で帳簿をつける必要があるため、簿記についてあまり知識がない人にはハードルが高いかもしれません。そんな人におすすめなのが会計ソフトの利用や税理士への依頼です。それぞれについて見ていきましょう。

会計ソフトを利用する

複式簿記の記帳が難しいため白色申告にしようか悩んでいる個人事業主には、会計ソフトがおすすめです。確定申告用の会計ソフトを利用すれば、日付と金額などを入力するだけで青色申告に必要な複式簿記帳簿が自動で作成できます。

さらにソフトによっては銀行明細やクレジットカードなどの取引データ、領収書のスキャンデータなども自動仕訳するため、入力と仕訳の手間も省くことが可能です。

確定申告の際は入力されたデータをもとに控除額も自動計算し、申告書類が作成できます。青色申告に必要な帳簿も、登録した取引から自動で集計し作成が可能。忙しくても青色申告の帳簿作成が簡単にできるのが魅力です。

ネットから簡単に操作できるクラウド会計ソフトでは無料で試せるものも多く、気軽に利用することができます

個人事業主になって初めて確定申告をする人は、まず青色申告の届出を行い、これら会計ソフトを試してみるのもよいでしょう。

税理士に記帳を依頼する

白色申告ではなく青色申告にしたい個人事業主は、税理士に記帳を依頼するのもおすすめの方法です。会計ソフトは金額や勘定の入力を誤る可能性もありますが、税務の専門家なら正確性が担保できるため安心できます。青色申告での記帳や確定申告書の作成だけでなく、節税対策などの相談ができるというのもメリットです。

税理士に頼む場合、費用がかかるという点で躊躇する人もいるでしょう。しかし、依頼することで帳簿をつける作業に時間をかける必要がなくなり、本業に集中できます。より業績が上がる可能性があり、一概にデメリットとはいえません。

税理士への依頼は記帳のみの代行から顧問契約までさまざまで、年商が低い個人事業主の場合は格安の顧問料で依頼できる税理士事務所もあります。初回の相談が無料のところも多いため、まずは相談してみてはいかがでしょうか。

監修税理士のコメント

菅野歩税理士事務所 - 宮城県仙台市宮城野区

2020年分以後の所得税の申告から、青色申告特別控除の額が65万円、55万円、10万円の3種類に分かれることになりました。「電磁的記録の備付けおよび保存」をしている場合か、「e-Taxにより電子申告」をしている場合にのみ、最高65万円の青色申告特別控除が受けられます。従来の紙での申告やパソコンで帳簿を管理しているだけでは65万円の控除が認められなくなったのが大きな変更点です。
ミツモアでプロを探す

ミツモア で税理士を探そう!

ミツモア
ミツモア で税理士を見つけよう!

税理士とのお付き合いは、そのときだけのものではなく、長期間に渡るものです。だからこそ、支出だけでなく、相性や対応の誠実さも、事前に十分に確認しておきたいですね。

そんな税理士選びにおすすめなのが、全国の税理士が登録している「ミツモア」です。地域と依頼したい内容に応じて、まずは見積もりが確認できます。その後、メッセージでのやりとりで担当業務の範囲やオプションなどを確認できるので、面談するのと同じように、税理士の人柄が見えてきます。

簡単!2分で税理士を探せる!

ミツモアなら簡単な質問に答えていただくだけで2分で見積もり依頼が完了です。

パソコンやスマートフォンからお手軽に行なうことが出来ます。

最大5件の見積りが届く

見積もり依頼をすると、税理士より最大5件の見積もりが届きます。その見積もりから、条件にあった税理士を探してみましょう。税理士によって料金や条件など異なるので、比較できるのもメリットです。

チャットで相談ができる

依頼内容に合う税理士がみつかったら、依頼の詳細や見積もり内容などチャットで相談ができます。チャットだからやり取りも簡単で、自分の要望もより伝えやすいでしょう。

税理士に依頼するならミツモアで見積もり依頼をしてみてはいかがでしょうか?

ミツモア で見積もってみる