ヤフオクで収益が出た場合、金額や品物によっては確定申告の義務が発生します。
この記事では、ヤフオクで出た収益の確定申告について詳しく解説していきます。
【確定申告】ヤフオクにおいて課税対象にならないもの
ヤフオクのすべての売上が課税対象になるわけではありません。売った商品の種類によっては、税金がかからない場合があります。
課税対象にならないものは「生活用動産」です。生活用動産とは日常生活の維持のために使われるもので、以下のようなものが該当します。
- 家具:ソファ、テーブル、ベッドなど、生活空間で使われる家具。
- 家電製品: 冷蔵庫、洗濯機、テレビ、電子レンジなど、家庭用に使われる電化製品。
- 衣料品::衣類、靴、アクセサリーなど、日常的に使用する衣料品。
- 食器類・調理器具:鍋、フライパン、食器セットなど、普段の食事に使われる道具。
- 趣味に関するもの:楽器やスポーツ用具など、趣味に関する道具
また不用品をまとめて売った場合も課税対象にはなりません(いらなくなった衣服をまとめて売った場合など)。
【確定申告】ヤフオクにおいて課税対象となるもの
ヤフオクにおいて課税対象となるものは、主に以下3つのもの(場合)です。
- 30万円以上の生活用動産(絵画・骨董品など)
- 転売・せどり目的で仕入れたもの
- 客観的に事業だと認められる場合
順番に詳しく解説していきます。
30万円以上の生活用動産(絵画・骨董品など)
30万円以上の絵画や宝石、骨董品は、確定申告における課税対象になります。たとえば「希少価値のあるCDが60万円で売れた」「家にしまってあった絵画が35万円で売れた」といった場合は、その売上を税金の計算に含める必要があります。
逆に30万円以下で売れた場合は課税対象とならないので、確定申告の計算に含める必要はありません。
転売・せどり目的で仕入れたもの
利益を上げる前提で仕入れて売ったものも課税対象となります。そのようなものは、生活上必要であるとは考えられないからです。
また、壊れたものを仕入れて修理をした上で販売する場合も課税対象となるので注意しましょう。
客観的に事業だと認められる場合
客観的に見てヤフオクでの取引が事業として成り立っていると判断される場合も、売上を課税対象として扱います。
事業として認められる明確な基準はありませんが、おおよそ以下の条件を満たしていれば、ヤフオクの取引が事業だと判断されます。
- 継続性・反復性のある活動である
- オークションを専業として収益を得ている
- 個人事業主として開業届を出している
ヤフオクの取引が事業として認められることはまれですが、規模が大きくなったと感じたら確定申告の手続きを行うのが良いでしょう。
ヤフオクにおいて確定申告が必要な人
ヤフオクにおける確定申告の必要性は、「課税所得の金額」によって決まります。課税所得をすべて足して、その金額がボーダーラインを超えていれば、確定申告の義務が発生するのです。
ただしボーダーラインは人によって異なります。ここでは、ヤフオクにおいて確定申告が必要な人について、以下の順番で詳しく解説していきます。
- 会社員
- 主婦や学生
- 個人事業主
会社員の場合:年20万円がボーダーライン
会社員の場合は、課税所得が20万円を超えると確定申告の義務が発生します。
この「20万円」という基準には、副業収入すべてを含む点に注意しましょう。たとえばヤフオクの所得が15万円しかなくても、ほかの副業所得が10万円あれば合わせて25万円になるので、確定申告をしなければいけません。
またヤフオクとは関係なく、以下の条件に該当する会社員も確定申告をする必要があります。
- 年収が2,000万円以上の人
- 年末調整では対応していない控除を受けたい人
- 2か所以上から給与を受け取っている人
主婦や学生&個人事業主の場合:年48万円がボーダーライン
主婦や学生、個人事業主など特定の企業から給与を受け取っていない人の場合、所得が年48万円を超えたら確定申告をする必要があります。
これは、売上から差し引ける「基礎控除」が48万円であるためです。たとえば売上が45万円だった場合、基礎控除の48万円を引けば所得は0円になり、課税対象の所得がなくなる計算になります。
ヤフオクで得た所得は3種類に区分けできる
ヤフオクで得た所得は3種類に区分でき、それぞれ控除や確定申告の手続きが変わってきます。
- 譲渡所得:50万円の特別控除が利用可能
- 雑所得:営利目的の販売の場合
- 事業所得:専業でヤフオクに取り組んでいる場合
多くの方は①の譲渡所得に該当するでしょう。それぞれ詳しく解説します。
譲渡所得:50万円の特別控除が利用可能
営利目的ではない取引によって発生した所得は「譲渡所得」となります。
ポイントは、譲渡所得には50万円の特別控除がある点です。
譲渡所得が50万円あったとしても、特別控除の50万円を差し引くことで、課税対象となる所得はゼロになります。
この例からもわかる通り、営利目的ではない場合、よほど高額な取引をしない限り確定申告の義務は発生しないのです。
雑所得:営利目的の販売の場合
営利目的でヤフオクを使っている場合、所得は「雑所得」として区分されます。こちらには50万円の特別控除がありません。
雑所得については、以下の記事で詳しく解説しています。
事業所得:専業でヤフオクに取り組んでいる場合
営利目的かつ事業規模が一定以上の大きさになると、所得が「事業所得」として区分されます。
雑所得と事業所得の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ヤフオクの確定申告はしなくてもバレないのか?
「ヤフオクの収益を確定申告しなくてもバレないのでは?」とお考えの人もいらっしゃるかもしれません。ここでは、ヤフオクの確定申告をしないとどうなるのかについて解説します。
税務署はヤフオクの動向を厳しくチェックしている
結論、ヤフオクの確定申告をしないとすぐにバレます。
税務署にはネットビジネスの専門家が常駐しており、ヤフオクを含めたオークションサイトの動向に目を光らせているからです。
「ヤフオクまでは確認していなそう」と思う人もいるかもしれませんが、ネット上に履歴が残るのでお金の流れを隠しづらく、現金取引よりもバレる可能性が高いです。
ペナルティの税金を請求されるリスクがある
確定申告の義務があるにもかかわらず手続きを怠った場合、無申告加算税や延滞税などを請求されるリスクがあります。
結果的により多くの税金を払うことになりますので、しっかりと確定申告を行うようにしましょう。
ヤフオクにおいて経費計上できる支出
経費をしっかりと計上することで課税金額が減り、無駄な税金を払う必要がなくなります。
ヤフオクの取引においては、以下のような支出が経費として計上できます。
- 仕入れ費用
- パソコン・スマホの通信費(業務に使った分だけ)
- 仕入れのためのガソリン代・交通費
- 販売手数料
- 振込手数料
- 勉強のための書籍代
それぞれ領収書を保管しておきましょう。
ヤフオクの売上を確定申告する手順
ヤフオクの確定申告は以下の手順で行います。
- 確定申告書を作成する
- 確定申告書を提出する
- 還付を受ける・納税をする
確定申告書の提出方法は複数ありますが、「e-Tax」という方法で提出するのが最も便利だといえます。オンラインで24時間いつでも提出できるからです。
e-Taxによる確定申告の手順について詳しく知りたい人は、以下の記事もあわせてご覧ください。
ヤフオクの確定申告がわからない場合は、ミツモアで税理士に相談しよう
確定申告の手続きはややこしい部分が多いですが、期日までに終わらせないとさまざまなペナルティが課されます。期日直前にあわてて手続きを進めるとミスが発生しやすくなるので、普段からコツコツ記帳を進めておくことをおすすめします。
もし確定申告の手続きがわからず困ってしまったら、税金のプロである税理士に相談してみましょう。ミツモアを使えば、いくつかの質問に答えるだけで最大5人の税理士から見積もりをもらえます。