給与所得者が確定申告する際は、源泉徴収票に書かれた金額を転記する必要があります。
「源泉徴収票がない」「紛失してしまった」といった場合には、職場に発行を依頼しましょう。
万が一発行してもらえないときの対処法や、源泉徴収票の見方、確定申告書への転記の仕方も解説します。
確定申告に源泉徴収票は必要?
確定申告の際、源泉徴収票の添付は不要です。ただし給与所得者が確定申告を行う場合、内容を転記するために源泉徴収票が必要になります。
源泉徴収票がない場合はどうしたらいい?
会社に連絡を取り、源泉徴収票の発行や再発行を依頼しましょう。どうしても発行してもらえないときは、所轄の税務署に相談することになります。
この記事を監修した税理士

風間公認会計士事務所 - 東京都品川区南品川
源泉徴収票を紛失した場合の対処法
源泉徴収票は給与支払者のみが発行できる書類です。もしも源泉徴収票を失くしてしまったら、職場に再発行を依頼しましょう。
PDFやデータで受け取っていないか再度確認
源泉徴収票は紙だけでなく、電子データで配布している企業も多いです。2020年の確定申告から、源泉徴収票の原本の添付が不要になったため、必ずしも紙で配布されているとは限りません。
「源泉徴収票が無い!」と焦って会社に相談する前に、まずは仕事用、または個人のメールボックスなどにも届いていないか再度確認すると良いでしょう。
会社に再発行してもらう
源泉徴収票を探しても見つからないときは、会社に再発行してもらいましょう。勤め先の経理担当者に依頼するのが一般的です。
すでに退職している場合も同様に、前の職場に再発行を依頼します。人によっては大変気まずいかもしれませんが、電話やメールで「源泉徴収票の再発行してほしい」とお願いすれば応じてもらえるはずです。
電話連絡をしたくない場合には、簡易書留等の書面で請求する方法もあります。自宅まで郵送して届けてもらうのであれば、マナーとして返信用封筒と切手を用意しましょう。
源泉徴収票が交付されていない場合の対処法
源泉徴収票は一般的には12月から1月の間に交付されます。また退職した場合は、退職後1ケ月以内に郵送などで届くでしょう。
いくら待っても発行されないときにも、まずは会社に送付を依頼します。
まずは会社に発行を依頼する
事業者には雇っている従業員に源泉徴収票を発行する義務があります。源泉徴収票を受け取っていない場合、まずは会社に発行してほしい旨を伝えましょう。
源泉徴収票を交付しないことは所得税法違反になるため、本来断ることはできません。所得税法違反になることを警告するだけでも十分効果はあるはずです。
また紛失した場合と同様に、紙だけではなくPDFなどのデータで届いている可能性もあるため、今一度メールボックスなどを確認するのがおすすめです。
発行を断られたら「源泉徴収票不交付の届出書」を提出する
もしも発行を拒まれたら、「源泉徴収票不交付の届出書」を税務署に提出しましょう。

「源泉徴収票不交付の届出書」とは、前勤務先が源泉徴収票を発行してくれないことを、税務署に訴える書面です。書面は国税庁のホームページからダウンロードできます。給与明細がある場合、添付したうえで税務署へ郵送か持参しましょう。
「源泉徴収票不交付の届出書」を提出すると、税務署から会社へ指導が行われます。なおこの手続きは、すでに交付された源泉徴収票の再発行については対象外である点に注意しましょう。
どうしても発行してもらえない、または会社が倒産している場合は?
「源泉徴収票不交付の届出書」を提出しても拒まれる、または会社が倒産しているということもあるかもしれません。どうしても源泉徴収票を手に入れられない場合、税務署へ直接相談しましょう。
会社が倒産していたら破産管財人へ
退職した会社が倒産してしまったら、源泉徴収票の再発行を依頼できません。ただし倒産した会社でも、破産管財人が事後処理をしているのであれば、源泉徴収票を発行してもらえることはあるため確認すると良いでしょう。
しかし会社関係者が所在不明で、何の実体も残っていない会社の場合、源泉徴収票の再発行は不可能です。この場合も、給与明細などで代替して確定申告が可能かどうかを、税務署に相談してください。
最終的には税務署に直接相談する
どうしても源泉徴収票の発行や再発行をしてもらえない場合には、税務署に直接相談するのが最善です。
例外的に給与明細だけで確定申告させてくれる場合もあるため、思い悩まずに、必ず税務署へ相談しましょう。
確定申告は給与明細でも対応できる?
給与所得者は源泉徴収票に載っている金額を確定申告書に正確に書く必要があるため、原則、給与明細書のみでは確定申告できません。
一般的に給与支払者は源泉徴収票を発行するものなので、給与明細しかないという場合にはまずは会社に発行を依頼しましょう。
ただしどうしても発行してもらえない状況では、税務署に相談のうえ、暫定的な対応として給与明細のみで確定申告できる場合もあります。
確定申告の提出期間と提出方法
確定申告は提出期間が決まっています。直前になって慌てることがないように準備を進めていきましょう。
確定申告の提出時期・期間
2023年の確定申告書の提出時期は2023年2月16日(木)から2023年3月15日(水)までの1ヶ月間です。提出時期までに2022年度分をまとめておきましょう。
還付申告のみであれば、提出期間は翌年1月1日から5年間です。
確定申告の必要書類
給与所得者が確定申告する際、必要となる書類は以下です。
- 確定申告書(ネット上で作成する場合は必要なし)
- 本人確認書類
- 確定申告書に添付する書類
- 源泉徴収票
2ヵ所以上から給与を受け取っていて源泉徴収票が2枚ある人は、すべての源泉徴収票を用意しておきましょう。
確定申告書の書き方や、源泉徴収票を確定申告書へ転記する方法は以下で詳しく解説しています。
確定申告書の提出方法
確定申告の提出方法は3通りあります。
- 税務署に直接行く
- 必要書類を郵送
- ネットで申告する電子申告(e-tax)
税務署での打ち込みや提出はかなり混み合い、1時間以上並んで待つことも珍しくありません。とくに提出期限直前はかなり混み合います。時間がない方や申告に慣れている方は郵送または電子申告をオススメします。
最近はペーパーレスが主流になってきているので、政府も電子申告(e-tax)での確定申告を推奨しているようです。
監修税理士からのコメント

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確定申告を効率的にミスなく終わらせたい場合は税理士に相談しよう
確定申告の手続きは自分で進めることもできますが、慣れていない人がやるとどうしても時間がかかります。源泉徴収票からの転記や税額の計算でミスをして余計に手間がかかることも少なくありません。
確定申告を効率的にミスなく終わらせたい場合や、自分で正しく手続きをする自信がない場合には、税理士へ相談することをおすすめします。
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