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非居住者でも確定申告するべきなのは?海外転勤時は納税管理人の選定を

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最終更新日: 2018年12月10日

長期の海外赴任などで日本を長く離れる場合、「非居住者」という身分になります。
しかし、もしも非居住期間にも日本国内で不動産収入などがある場合、確定申告はどうすれば良いのでしょうか。
非居住者で確定申告の必要があるケースや、留守中の納税を任せる「納税管理人」の選定方法など、本記事で詳しく解説します。

「非居住者」と「居住者」とは?

非居住者と居住者の違いは住所または居所を日本国内に有するかどうかです。簡単に言い換えると、生活の本拠となる住所が日本国内にある、または、住所がなくても1年以上生活の拠点となる居所がある人を「居住者」、それ以外の人を「非居住者」と区分します。

「居住者」については、日本国内はもちろん日本国外の所得についても課税対象となりますが、「非居住者」は日本国内で発生する一定の所得(国内源泉所得と言います)のみが課税対象です。

非居住者でも確定申告が必要な人

本来、非居住者は原則非課税で、確定申告が不要です。しかし日本国内にある不動産などから生じる不動産収入等の所得については国内源泉所得として課税対象になります。そして源泉所得とは実際にかかった経費を考慮せずに税金を徴収する仕組みですので、確定申告をすることで税金の還付を受けられる可能性があります。
まずは、非居住者でも確定申告が必要となる仕組みについて簡単に確認してみましょう。

非居住者で確定申告するか悩む人
非居住者が確定申告をするケースとは

非居住者の国内源泉所得は源泉徴収される

「源泉徴収」についておさらいしましょう。源泉徴収とは、日本国内で国内源泉所得の支払いをする者が「源泉徴収義務者」となり、支払い時に源泉徴収する税金を差し引いて支払う仕組みです。
源泉徴収された税金は、源泉徴収義務者である支払いをする者から国に納付されます。
非居住者が源泉徴収される主な国内源泉所得には、以下のようなものが挙げられます。

  • 日本国内にある土地等の譲渡対価:10.21%
    日本国内にある不動産を売却した際に、10.21%が源泉徴収されます。不動産の譲渡対価が1億円以下で、居住用に個人が購入した場合は源泉徴収の必要はありません。
  • 日本国内における人的役務の提供事業の対価:20.42%
    日本国内で支払われる弁護士や公認会計士などの報酬やプロスポーツ選手などに支払われる対価等がこれに該当します。報酬から税額20.42%が差し引かれます
  • 日本国内にある不動産の賃貸料等:20.42%
    日本国内にある不動産を貸したときには源泉徴収の対象となります。ただし、個人が居住するために借りた場合は、源泉徴収は不要です。

この他には利子や配当などの国内源泉所得も源泉徴収の対象です。ただし、日本と租税条約を結んでいる国に非居住者がいる場合には、これらの税率が免除や軽減されることもあります。
また、非居住者が日本で課税対象になる所得が転出先の国においても課税対象となる場合、日本と外国両方で「二重課税」されることになってしまいす。
その場合は一定の金額を限度として、その外国で徴収された所得税の額を日本の所得税から控除できる「非居住者に係る外国税額控除」という制度を利用することで、二重課税を免れることが可能です。

確定申告すれば源泉徴収分の還付を受けられる

非居住者への支払いが源泉徴収される仕組みについては既に説明した通りです。しかし、源泉徴収される税額があるということは、各種控除や必要経費が生じると税金の還付を受けられる可能性があるということにもなります。言葉だけでは少し分かりにくいので具体例を挙げて確認してみましょう。

【例】国内の不動産を法人へ賃貸しているサラリーマンの場合

  • サラリーマンAさんは2年前から海外赴任している。
  • 所有マンションを、1年前から法人Bへ賃貸。
  • 月額賃料は10万円でその他の費用は掛からないものとします。

この場合Aさんの年間不動産収入は以下の通りです。

10万円×12か月=120万円

実際の手取り収入から源泉徴収20.42%を差し引くと、手取りの不動産収入は次のようになります。

月収入:10万円-(10万円×20.42%)=7万9580円

年収入7万9580円×12か月=95万4960円(1年間の源泉徴収後の不動産収入)

1年間で源泉徴収される金額は次の通りです。

(10万円×20.42%)×12か月=24万5040円

例えば、Aさんが不動産を賃貸するために120万円の修繕費がかかっていた場合には必要経費として120万円計上できるので、Aさんの不動産所得は0円となります。

120万円(不動産収入)-120万円(必要経費)=0円

この場合、不動産所得が0円なので本来なら税金が発生しないはずですが、非居住者の国内源泉所得として既に源泉徴収された税金が24万5040円あります。これは既に源泉徴収義務者である法人Bから国へ納付されているので、確定申告をして国から還付してもらわなければなりません。

実際の所得の計算は、他の国内で発生する所得との兼ね合いや基礎控除などの各種控除がると、もっと複雑な計算になります。
非居住者が日本国内に所有している不動産を売却した場合なども必要経費等が発生することもあるので、必要に応じて税理士へ相談した上で確定申告されることをおすすめします。

非居住者になる前に納税管理人の選定を

転勤などでこれから非居住者となる場合には出国前に「納税管理人」を選定しておくことをおすすめします。
この「納税管理人」とは非居住者に代わって確定申告書の提出や納税を行う人ですが、選定していなければ確定申告時期に日本に帰国して確定申告するか、電子申告などで確定申告を行わなければなりません。ここでは、「納税管理人」の役割や選定方法について詳しく確認してみましょう。

これから非居住者となる人の確定申告

転勤などでこれから非居住者となる人の確定申告は1年を通して非居住者の人と異なるので注意が必要です。年の途中で出国し非居住者となる場合には、出国日までにその年の日本国内の所得に関する確定申告(準確定申告)が必要です。
また、出国後も国内源泉所得がある場合には、出国後からその年の12月31日までの所得についてその翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告が必要となります。

出国前の準備が忙しい時期に出国までの期間の確定申告をするのは、容易ではありません。このような場合は、出国までに「納税管理人」を選定しましょう。

非居住者の代理となる「納税管理人」

「納税管理人」とは、非居住者に代わって確定申告書の提出や納税などを行う人です。「納税管理人」の役割は大きく次の3つです。

  1. 非居住者に代わって確定申告書・届出などを作成し提出する
  2. 非居住者に代わって税務署が発信する文書を受け取る
  3. 非居住者に代わって税金の納付や還付金を受領する

この「納税管理人」を選定した後は、税務署などの発送する書類などが直接「納税管理人」に届くようになります。確定申告や税金の納付だけでなく、所得税に係る届出などの諸手続きも「納税管理人」が代理で行うことが可能です。

納税管理人の選定方法

「納税管理人」を選定するためには、その非居住者の納税地を管轄する税務署に以下の「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を提出しなければなりません。

所得税・消費税の納税管理人の届出書 見本
所得税・消費税の納税管理人の届出書【見本】

「所得税・消費税の納税管理人の届出書」の記載項目は以下の通りです。

  • 納税地
    非居住者(納税管理人を指名した人)の納税地を記載します。納税地の判断は定められた判断基準もありますが、海外赴任などで非居住者となる場合はそれまでの住所が納税地となるケースが多くなります。
  • 住所・氏名・個人番号(マイナンバー)・職業
    記載した個人番号については、提出時に本人確認書類等が必要です。
  • 納税管理人の住所、氏名等
    納税管理人となる人や法人の、住所・氏名等を記載します。
  • 非居住者の国外住所
    非居住者となった後の、国外での住所または居所を記載します。
  • 納税管理人を定めた理由
    海外赴任等、本人が国内での確定申告等の税務処理が行えない理由を記載します。
  • 出国や帰国の予定日
    出国や帰国の予定日を記載します。なお、帰国の日になっても納税管理人が自動的に解任されることはありません。
  • 国内源泉所得の所得内容
    国内で生じる所得について、「事業所得」「不動産所得」「給与所得「譲渡所得」といった所得区分を選択してマークします。

この「納税管理人」は個人でも法人でも選定可能ですが、税理士や家族に依頼するケースが多くなっています。

確定申告の相談や納税管理人依頼は税理士に

ここまで非居住者の確定申告について確認してきましたが、居住者とは異なって確定申告には手間も時間もかかる内容となっています。特に、海外赴任などで忙しいときには確定申告の準備をするのは非常に大変です。このようなときには税理士を納税管理人に指定して煩雑な処理などを任せる選択肢もあります。

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確定申告の相談は税理士に

非居住者の確定申告にかかわらず、確定申告の相談を税理士にもちかけることは、賢い選択肢の一つです。各種所得における必要経費の判断などはプロである税理士の知見が最も活きる場面で、節税につながることも多くなります。
もちろん、顧問料などの費用は発生しますがコスト以上の効果が得られることも多く、時間的な余裕を作るためのコストとしては決して高いものではありません。

事業をされている方にとって税理士は馴染み深い職業かもしれませんが、会社勤めをされている方などは税理士と関わることは少ないと思います。
しかし、海外赴任などのケースでは不動産の賃料収入や譲渡所得なども非居住者として確定申告が必要となるので、ぜひ税理士への相談も考えてみてください。

納税管理人も税理士なら安心

納税管理人を家族に依頼されるケースも多いですが、大きな負担となる場合も。単純な確定申告や納税だけの処理であれば問題はありませんが、申告書の不備などにより税務署からの問い合わせや確認があった場合には大変です。
実際にそのような事情で、最初は家族を納税管理人にしていた方が税理士へ納税管理人を変更されたケースも多いのです。
何といっても税理士を納税管理人として選任するメリットは、その安心感。税務に精通しているのでイレギュラーな処理も卒なくこなしてくれます。
長期の海外滞在で税金のことで心配しない済むように、納税管理人としての税理士活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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