引越しをしたとき、マイナンバーカードはどのような手続きをするべきか気になる方は多いのではありませんか?
この記事では引越し時のマイナンバーカードに関係する手続きについて解説します。手続きの流れや必要なもの、期限などをチェックして、マイナンバーカードを使い続けられるようにしましょう。
引越し時に必要なマイナンバーカード関連の手続き全体像
まずは引っ越した際に必要になるマイナンバーカードの手続きを確認しましょう。
- 住所変更・継続利用手続き
- 署名用電子証明書の再発行
必要手続きは以上の2つです。これらはすべて、転入届を提出したその日に手続きができ、本人が申請すれば即日完了します。
住所変更・継続利用手続き
必要なもの |
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代理人申請 | 可能 |
代理人申請時に必要なもの |
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マイナンバーカードを持っているのであれば、住所変更と継続利用の手続きは全員行いましょう。券面右側の追記欄に新住所を記載し、カードを継続して利用するための手続きです。
転入・転居先の役所の窓口で、転入届提出とあわせて手続きを行うことをおすすめします。
もし追記欄がいっぱいで、これ以上書き足せないときは無料で新しいカードを再交付してもらえます。
現在は再交付に、1~2か月ほど時間がかかりますが、健康保険証との一体化に伴い、再交付での時間が短縮できるようにする改善策が提言されています。日本経済新聞の記事によると、紛失など緊急時には最短5日で交付されるようになるとされており、追記欄が埋まったときの再交付時もこれに準ずると考えられます。
署名用電子証明書の再発行
必要なもの |
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代理人申請 | 不可 |
代理人申請時に必要なもの | – |
各種オンライン手続きをするのであれば、署名用電子証明書の再発行を忘れずに行いましょう。
署名用電子証明書は、主に税に関するオンライン申請に利用します。ふるさと納税のワンストップ申請や2023年からはiDeCoの「小規模企業共済等掛金払込証明書」発行にも対応したため、これからさらに利便性が高くなっていくと考えられています。
氏名、住所、生年月日、性別のいずれかが変更された際に、署名用電子証明書は自動的に失効します。なぜならこの4つの情報を提出して、「この申請をしているのは本人だ」ということを証明するためです。
異なる市区町村へ引っ越すときのマイナンバーカードの手続き
異なる市区町村で引っ越すときはマイナンバーカードが失効する可能性に注意が必要です。とはいえ手続きをスムーズに行えば、カードが失効して使えなくなってしまうことはまずありません。
手順をチェックして手続きに漏れがないようにしましょう。
必要なもの
住所変更・継続利用手続きの場合 |
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署名用電子証明書を再発行する場合 |
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手続きの流れ
- 転出届を提出する
- 転出証明書を受け取る(特例転出の場合はなし)
- 転入届を提出する
- マイナンバーカードの各種手続きを行う
手続き期限
異なる市区町村へ引っ越すとき、マイナンバーカードが失効するタイミングは3回あります。
- 転入した翌日から14日以上経過して転入届を提出したとき
- 転出予定日の翌日から30日以上経過して転入届を提出したとき
- 転入届を提出した翌日から90日が経過したとき
理想は転入届提出時にマイナンバーカードの手続きも同時に行うことです。転入届を提出したから90日以内に手続きをすればいいか、と後回しにするのではなく、提出時か引っ越してすぐに手続きができるように予定を調整しましょう。
同じ市区町村内で引っ越すときのマイナンバーカードの手続き
同じ市区町村内で引っ越すときは転出入のある引越し時よりも手続きの期日等がゆるいです。とはいえきちんと手続きをしておかないと不利益をこうむりますから、手続きの内容をチェックしマイナンバーカードを利用し続けられるようにしましょう。
必要なもの
住所変更手続きの場合 |
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署名用電子証明書を再発行する場合 |
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手続きの流れ
- 転居届を提出する
- マイナンバーカードの手続きを行う
転居の際はマイナンバーカードの継続利用手続きは行いません。しかし内蔵されているICチップの情報を書き換えて、新住所をカードの券面に記載する必要があります。
また転居でも署名用電子証明書は失効してしまうため、e-tax申請等を行う予定があるのなら忘れずに証明書の再発行を行いましょう。
手続き期限
同一市区町村内で引っ越すのであれば、転入するときほど厳密な手続き期限はありません。
しかしカードが失効することはないとはいえ、電子証明書が失効してしまい利用したい時に利用できなかったり、券面住所が古いままで身分証明書として利用できなかったりする可能性があります。できるだけ早めに手続きを行いましょう。
なお神奈川県のホームページでは、マイナンバーカードの記載内容に変更が生じたときは14日以内に変更が必要とアナウンスしています。このように自治体によっては手続きの期日を定めていることもありますので、なるべく転居届を提出した日に住所変更手続きをしましょう。
通知カード・個人番号通知書の住所変更手続きは不要
マイナンバーカードが記載された書類のうち、個人番号通知カードと個人番号通知書の住所変更は不要です。
通知カードは2020年5月25日に廃止され、住所変更手続きもしなくなりました。住所変更手続きに関する手間や、デジタル化推進のためマイナンバーカードへの以降を促す観点から廃止が決定されました。
住所の違う通知カードは個人番号の証明書類として使えない
個人番号通知カードは記載されている住所が他の身分証明書と一致している場合のみ個人番号の証明書類として利用できます。
旧住所が記載された通知カードではマイナンバーの証明ができないため、引越し後にマイナンバーカードの交付申請をすることをおすすめいたします。
なお2020年5月25日から発行されている個人番号通知書はマイナンバーの証明書としては利用できません。個人番号通知書のみを所持している方も、マイナンバーカードへの移行をご検討ください。
海外へ引っ越すときはカードを返納する
国外へ転出する場合はマイナンバーカードを返納します。水色の追記欄に「国外転出のため返納」などのスタンプが押されます。
返納したマイナンバーカードは失効してしまうため、身分証明書として利用することはできません。しかし返納後も個人番号を知るための手段として、マイナンバーカードは引き続き所有できます。
日本に戻ってきたら同じナンバーを利用できる
国外転出後、日本に戻ってきたときには転出前と同じマイナンバーを利用します。
必要があれば転入時にマイナンバーカードの再交付申請を行います。国外転出時に返納したマイナンバーカードは失効しているため利用できませんが、新しいカードが手元に届くまで大切に保管しておきましょう。
マイナンバーカード交付申請と引越しが重なった場合
マイナンバーカードの交付申請をしてから実際に発行されるまでには、2~3か月ほどの時間がかかることが多いです。交付申請中に急に引っ越さなくてはいけなくなった場合、申請したカードはどうなるのでしょうか?
申請中に転出すると申請が無効になる
マイナンバーカードの発行は市区町村単位で行われます。そのため転出してしまうと申請が無効になります。
生年月日の下部には発行者が記載されており、各市区町村長と記されています。たとえば世田谷区で発行したのであれば世田谷区長、大阪市であれば大阪市長という記載です。
マイナンバーカードの交付申請中に市区町村をまたぐ引越しをした場合、そもそも交付通知書が届きません。なぜならマイナンバーカード交付通知書は転送不要郵便として発送され、届け先にその人がいなければ差出人に返送されてしまうためです。
転入先の自治体で新規で交付申請を行い、カードの交付を待ちましょう。なお横浜市など政令指定都市の区をまたぐ引越しをした場合は、受け取り可否が自治体によって異なります。自治体の窓口に問い合わせましょう。
旧住所が記載された通知カード等でも交付申請ができる
引っ越す予定があるのならば、引越し後にマイナンバーカードの交付申請を行いましょう。
旧住所が記載された通知カードや個人番号通知書であっても、交付申請は可能です。ただし、申請した時点で転入・転居届を提出している必要があります。
交付申請はオンラインと書類の郵送の2通りがあります。郵送手続きを希望する場合は、申請用紙の旧住所部分に二重線を引き、正しい情報に書き直す必要があります。
マイナンバーカード等を紛失してしまったらどうする?
あわただしく動くことが多い引越し前後は、ものを紛失してしまいがちです。もしマイナンバーカードや通知カード、個人番号通知書を紛失してしまったらどうするべきでしょうか。
気づいたらすぐにコールセンターへ連絡
マイナンバーカード等を紛失した場合、真っ先に行うべきことはコールセンターへ連絡し、カードの一時停止申請をすることです。コールセンターは24時間365日受付をしています。
紛失に気づいたときにすぐ連絡することで、悪意のある第三者に拾得されても悪用できないようカードにロックをかけられます。
家の外でマイナンバーカードを紛失したのであれば、警察に遺失届を提出しましょう。受理番号はマイナンバーカードの再発行手続きに必要となるため、必ず控えを取りましょう。再発行の申請先は各市区町村窓口です。
マイナンバーが変わるのは盗難などで不正利用が疑われる場合のみ
原則的にマイナンバーは一生涯変更されませんが、紛失・盗難等に遭い、番号が漏洩してしまい不正利用が疑われる場合は本人の申請や市区町村長の職権により変更できます。
カードの交付通知書を紛失したときは?
マイナンバーカードが発行されたことを伝える、カードの交付通知書を紛失してしまったときはまず自治体にどうすればよいかを確認しましょう。
自治体によっては官公庁発行の写真付き身分証明書と、氏名と住所または氏名と生年月日を確認できる書類を持参すればマイナンバーカードの受け取りができます。
マイナンバーカードを使うとオンラインで特例転出・特例転入ができる
電子証明書が有効なマイナンバーカードがあれば、オンラインで特例転出・特例転入の手続きができます。
引越し日前後はやることが多いため、できるだけ手間をかけずに各手続きを行いたいですよね。マイナンバーカードを利用した特例転出・特例転入手続きの方法を確認してみましょう。
マイナポータルから転出届を転入する
手続きに必要なものは以下の通りです。
- 電子証明書が有効なマイナンバーカードまたはスマホ用電子証明書
- 券面事項入力補助パスワード(数字4ケタ)
- 連絡先電話番号(日中連絡がつく番号)
- 新住所
- マイナポータルアプリ(スマホから手続きする場合)
- ICカードリーダ(パソコンから手続きする場合)
マイナポータルにログインし、「引越しの手続き」ボタンを選択します。画面の案内に従って必要事項を入力すると、手続きは完了します。
転入・転居届を提出するための来庁予約をする
転出届はマイナポータルから提出できますが、転入・転居届の提出は窓口に行く必要があります。
マイナポータルで転出届を提出すると、転入・転居届を提出する際の来庁予約ができます。引越した日から14日以内を選択してください。
引越し手続きは全体像を把握して抜け漏れなく済ませよう
引越し時はマイナンバーカードの手続き以外にもやるべきことが多くあります。以下の記事では全体像をまとめているので、手続き漏れがないようにチェックしておきましょう。
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