「顧客情報が担当者ごとのExcelやスマホに散在し、誰が何をしているか分からない」
日々の業務でExcel管理の限界を感じる場面はないでしょうか。
東京商工会議所が2024年に行った調査によると、中小企業の8割がITツールを導入しています。しかし、十分に活用できている企業は5割に留まるのが実情です。
「無料で使いやすそう」という理由だけで選ぶと、現場に定着せずExcel管理へ逆戻りしかねません。
2025年の状況を踏まえ、実用性が高い無料で使い続けられる顧客管理ソフトを5つ紹介します。無料版顧客管理ソフトにおける制限事項を整理し、導入を成功させるための選び方をまとめました。
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無料で使える顧客管理ソフト5製品比較表
| 製品名 | 利用人数 | 登録データ上限 | スマホ対応 | 特徴・向いている企業 |
| HubSpot CRM | 無制限 | 実質1,000件程度 | あり | 将来のマーケティング拡張を重視 |
| フリーウェイ顧客管理 | 3名 | 1,000件 | なし | 国産・シンプル操作を重視 |
| Zoho CRM | 3名 | 5,000件 | あり | 営業プロセスの管理を重視 |
| Fullfree | 無制限 | 3,000件 | なし | Excelライクな自作・Win専用 |
| Freshsales | 3名 | 無制限(要確認) | あり | 直感的なUIと電話連携を重視 |
自社に合う無料顧客管理ソフトの選び方
顧客管理を無料で行うソフトを選択する際、単に機能の有無を比較するだけでは不十分です。
導入後の形骸化を防ぎ、現場に定着させるためには、以下4つの評価軸を参考にしてください。
無料版特有の制限が運用を妨げないか
顧客管理を無料で行うソフトを導入する際、製品が設けている制限の性質を正確に把握する必要があります。
運用の実態に合わない制限を選択すると、導入後すぐに業務が停滞しかねません。
無料プランは、利用できる人数か、保存可能な顧客情報の件数に上限を定めていることが一般的です。
主な制限の対象は以下の通りです。
- 利用人数
- 登録データ件数
- 連携機能
- データの外部出力
3名以下のチームであれば人数制限のある製品が、部署全体で共有するなら登録件数が1,000件程度に制限された製品が適しています。
また、蓄積したデータを外部へ書き出せるかも重要な基準です。
出力が制限されている場合、将来のシステム刷新時に多大な手入力作業が発生するリスクが生じます。自社の成長スピードと制限事項が衝突しないかを必ず確認してください。
営業の定着を左右するスマホアプリの操作性と日本語対応
営業活動の現場でシステムが定着するかは、外出先からの入力しやすさで決まります。
オフィスに戻らなければ顧客情報を更新できない仕組みは、情報の形骸化を招く大きな要因です。
特に海外製のソフトを検討する場合、管理画面やスマートフォンアプリが日本語に対応しているかを確認してください。
操作メニューが英語のままでは、現場の担当者が入力を負担に感じ、活用が進まないリスクが高まります。
移動中に商談の経緯を記録できる直感的な操作性を備えた専用アプリがある製品を選択してください。
現場の入力負荷を最小限に抑えることが、正確なデータ蓄積を実現するための必須条件です。
将来のシステム移行を左右するデータの書き出し機能
無料の顧客管理ソフトを導入する際、見落としがちなのが情報の外部出力機能です。
将来的にソフトを乗り換える際、蓄積したデータをCSV形式などで一括ダウンロードできるかは重要な分岐点になります。
出力機能が制限されている製品を使い続けると、1万件を超えるような情報を手動で移し替えるといった膨大な工数が発生しかねません。
情報の囲い込み状態を避けるためにも、無料版であってもすべての登録項目を書き出せるか確認してください。
データの移行性を確保しておくことは、事業の成長にあわせて適切なツールを選択し続けるためのリスク管理に直結します。
2025年の新基準となるAIアシスト機能の活用範囲
2025年の顧客管理において、人工知能による業務支援機能の有無は、現場の生産性を分ける重要な基準です。
これまでは高価な有料プランに限られていた自動入力や商談の要約機能が、一部の無料ソフトでも利用できるようになりました。名刺をカメラで撮影するだけで顧客情報を自動登録したり、録音した音声から議事録を作成したりといった機能は、手作業による入力漏れを確実に防ぎます。
データの整理に追われる時間を削減し、顧客との対話に集中できる環境を構築するために、人工知能の活用範囲を必ず確認してください。
入力作業という事務負担を技術で補うことは、少人数の組織が成果を最大化するための不可欠な戦略となります。
条件にあわせて最短で見つかるタイプ別診断チャート
選定基準を確認したところで、以下の簡易チャートで自社にマッチした顧客管理ソフトを選びましょう。
- 外出先やスマホから顧客情報を確認したいか?
- YES → クラウド型(HubSpot, Zoho, フリーウェイなど)
- NO → インストール型も検討可(Fullfree)
- 将来的にメール配信やWeb広告との連携も考えているか?
- YES → 高機能型(HubSpot)
- NO → シンプル型(フリーウェイ)
- Excelの操作感をそのまま維持したいか?
- YES → 国産ツールやインストール型(フリーウェイ, Fullfree)
- NO → 効率的な専用UIを重視(Zoho, Freshsales)
無料で使える顧客管理ソフトおすすめ5選
無料で使える顧客管理ソフトでおすすめの製品は以下の5つです。
HubSpot CRM
HubSpot CRMは、世界的なシェアを誇るプラットフォームであり、最大の特徴はユーザー数と期間が無制限であることです。顧客管理の基本機能に加え、チャットボットやフォーム作成など、Web集客に役立つ機能が無料版でも充実しています。
ただし、2025年時点の仕様では、無料アカウントのコンタクト登録上限が実質的に1,000件程度に制限されている点に注意が必要です。以前の「100万件」という大規模な無料枠は縮小傾向にあり、大量のリストを運用する場合は早期に有料プランへの移行が必要になります。将来的に本格的なマーケティングオートメーション(MA)を目指す企業には最適な選択肢です。
フリーウェイ顧客管理
フリーウェイ顧客管理は、3名までのチームであれば1,000データまで完全無料で利用できる国産ソフトです。最大の強みは、金融機関でも採用されるAWS(Amazon Web Services)を基盤としたセキュリティの安心感と、日本のビジネス慣習に馴染むシンプルな操作画面にあります。
名簿管理に特化した設計のため、マニュアルを読み込まなくても直感的に使いこなせます。一方で、モバイルアプリが提供されていないため、外出先からの利用には向きません。内勤中心の小規模な事務所や、まずはExcel管理からクラウドへ安全に移行したいチームに推奨されます。
Zoho CRM
Zoho CRMは、営業支援(SFA)機能に定評があり、無料版でも3名まで利用可能です。特筆すべきはモバイルアプリの使い勝手の良さで、外回りの営業担当者が移動中に商談履歴を確認したり、訪問直後に音声をテキスト化して日報を入力したりといった運用がスムーズに行えます。
無料版の制限として、ワークフローによる業務の自動化機能は含まれていません。また、データストレージは5,000レコードまたは10MBまでという制限があるため、大量の添付ファイルを扱う場合は注意が必要です。商談の進捗を可視化し、組織的な営業体制を構築したい企業にとって、非常に強力な武器となります。
Fullfree
FullfreeはWindows専用のインストール型ソフトですが、無料版でも3,000件までのデータを管理できる点が魅力です。Excelとの親和性が極めて高く、計算式や操作感がExcelそのものであるため、自作の管理システムを構築したい担当者には最適です。
クラウド共有機能も備えていますが、無料版では「月間接続時間 200時間」という特殊な制限があります。これは複数人で常時接続して使用するには不十分な時間であり、基本的にはPC1台での利用、あるいは短時間のデータ同期を前提とした運用に向いています。Macやスマホには非対応であるため、Windows環境でじっくりとカスタマイズを楽しみたい「職人肌」のユーザーに適しています。
Freshsales
Freshsales(Freshworks社提供)は、モダンで直感的なインターフェースが特徴のCRMです。無料版でも3名まで利用でき、基本的なコンタクト管理に加え、内蔵の電話機能やチャット機能が統合されている点がユニークです。
若手社員でも迷わず使える操作性の高さは、ツール導入時の「定着」という壁を低くします。英語主体のサポートになる場合がある点は留意が必要ですが、複雑な設定を嫌い、案件の進捗(パイプライン)を視覚的に美しく管理したいと考えるスピード感のあるチームにとって、HubSpotやZohoに代わる有力な候補となります。
有料ソフトと何が違う?無料版の「3つの壁」と乗り換えリスク
「タダより高いものはない」という言葉通り、無料ソフトを使い続けることには見えないリスクが伴います。特に以下の「3つの壁」に直面した際、安易な導入が大きな経営コストとなって跳ね返ってくる可能性があります。
「データの壁」とロックインリスク
無料ソフトの多くは、登録できる顧客数や商談数に上限を設けています。上限に達した際、最も恐ろしいのはデータのエクスポート(書き出し)制限です。
別のソフトへ乗り換えようとした際にCSV出力ができず、数千件のデータを手動で移し替える、あるいは高額な手数料を支払って救出するといった事態に陥るケースがあります。
「セキュリティの壁」が招く社会的信用の失墜
エクセル管理からの脱却を検討する際に気を付けたいのはヒューマンエラーによる顧客情報の流出です。2019年に起きた住宅メーカーの事例では、1,100件におよぶ顧客情報が流出しました。これは、どのような企業であっても起こる可能性があります。
無料ソフトの中には、操作ログの記録やユーザーごとの詳細な閲覧権限設定が不十分なものも少なくありません。誰でも全データをダウンロードできる状態は、情報漏洩の温床となります。
「サポートの壁」による業務停止リスク
無料版には、電話やチャットによる有人サポートが原則として存在しません。システムに不具合が生じたり、操作方法が分からなくなったりしても、解決策はコミュニティやFAQから自力で探す必要があります。
解決に数日を要し、その間顧客対応が止まってしまう損失は、有料プランの月額料金を大きく上回るはずです。
顧客管理ソフトで業務改善をするコツ
ツールは導入しただけでは機能しません。無料ソフトを最大限に活用し、売上アップに繋げるためには、以下の3点を徹底してください。
導入目的とKPIを絞り込む
「売上向上」といった抽象的な目標ではなく、「商談の放置をゼロにする」「既存顧客へのフォロー漏れを月間◯件以下にする」といった、具体的な成果指標を設定してください。
現場が入力したくなる運用ルールを作る
入力項目が多すぎると、当てはまらない部分は適当に入力してしまうなど、データが形骸化しがちです。
まずは会社名、担当者名、次回のアクションの3点だけに絞るなど、スモールスタートがおすすめです。
定期的なデータの棚卸しと更新
顧客情報は鮮度が命です。更新されないデータはゴミと同等であり、誤った判断を招きます。月に一度は重複データの統合や、ステータスの確認を行う「クリーニング」の時間を設けてください。
有料の顧客管理ソフトを使うべき条件
顧客管理ソフトを使い続けると、どうしても有料版を使うべきタイミングが訪れます。以下の条件に当てはまったら、有料版への移行を検討しましょう。
管理したい顧客情報や案件数が上限を超えた
無料顧客管理ソフトでは、登録できる顧客データや案件数に上限があります。上限を超えると、エクセルなど別のツールでの管理を余儀なくされ、情報が分散してしまいます。その結果、最新情報がどこにあるか分からなくなり、顧客対応のミスや機会損失に繋がります。
有料ソフトは大量のデータを扱うことを前提に設計されており、情報の一元管理を維持できます。
より高度なデータ分析や自動化機能が必要になった
事業が成長すると、勘や経験ではなくデータに基づいた戦略的な意思決定が不可欠になります。しかし、無料顧客管理ソフトではレポート機能が限定的で、確度の高い分析をすることが難しいです。また、手作業でのデータ入力やメール配信といった定型業務が増え、生産性を低下させます。
有料ソフトは高度な分析機能や業務自動化機能を備え、データドリブンな経営と業務効率化を実現します。
顧客管理ソフトの使用者が増え権限設定が必要になった
利用者が増えると、役職や役割に応じてアクセスできる情報を制限する必要が出てきます。
無料顧客管理ソフトでは、利用者全員が全ての情報にアクセスできてしまうことが多く、誤操作によるデータ削除や、機密情報の漏洩といったセキュリティリスクが高まります。
有料ソフトであればユーザーごとに「閲覧のみ」「編集可能」といった詳細な権限設定が可能です。
導入や運用に関して手厚いサポートが必要になった
無料顧客管理ソフトのサポートは、FAQサイトやコミュニティフォーラムでの自己解決が基本です。操作方法が分からない、システムに不具合が生じたといった問題が発生した際、解決に時間がかかり業務が停滞してしまうことがあります。
有料ソフトの場合は電話やメールによる専門スタッフのサポートが提供され、迅速な問題解決が期待できます。
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