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UHFアンテナとは?VHFアンテナとの違いや設置方法について解説

最終更新日: 2023年03月27日

UHFアンテナとは?

UHFアンテナとは地デジ用の電波を受信するアンテナのことです。魚の骨のような形の「八木式アンテナ」、平面でコンパクトな「デザインアンテナ」、家屋のなかに設置する「室内アンテナ」などの種類があります。

UHFアンテナでBSは視聴できる?

UHFアンテナだけではBSやCSを視聴することはできません。受信できる周波数や、受信方法が違うためです。BS/CSの視聴には専用の「パラボラアンテナ」が必要となります。

UHFアンテナとは?VHFアンテナとの違いや種類別の価格

八木式アンテナ

「UHFアンテナって何だろう」という方でも安心!まずはUHFアンテナに関する基礎知識を紹介します。

名称の似ているVHFアンテナとの違いや、UHFアンテナの種類を解説します。

UHFとは?

UHFとは「Ultra High Frequency」の略です。翻訳すると「極超短波」という意味があり、300MHz~3GHzまでの電波のことを意味します。

またこの帯域の電波を受信できるアンテナが「UHFアンテナ」です。地デジ放送の電波が470Mhz~770MHzの帯域なので、「UHFアンテナ=地デジ用アンテナ」だと覚えておきましょう。

従来品のVHFアンテナは、受信できる電波が300MHzまでです。アナログ放送には90MHz~222MHzまでの帯域が使われていました。

VHFアンテナとの違い

超短波(Very High Frequency)を意味するVHFアンテナは、アナログ放送を受信するために使われていました。

前述のように、UHFアンテナとVHFアンテナとの大きな違いは受信できる周波数です。

UHFアンテナ VHFアンテナ
対応する放送 地上デジタル放送(2012年~) アナログ放送(~2012年)
周波数 300MHz~3GHz 30MHz~300MHzの周波数

極超短波(UHF)の中でテレビ放送は、送信塔と放送局ごとに13から62のチャンネル番号が割り振られています。例えば東京スカイツリーから送信されるNHK総合は「27」というチャンネル番号です。

またUHF帯でも710MHz~770MHzの帯域は、携帯電話や高度道路交通システム(ITS:Intelligence Technology System)などテレビ以外の用途に使用されています。

UHF帯の電波は、VHF帯に比べ雑音の少ない良好な画質が得られる一方、VHF帯よりも障害物に弱く、山、丘、ビルなどで遮られた場合に受信が難しくなってしまうという特徴があります。そのため、UHFアンテナは見通しのよい場所に設置する必要があるのです。

また現在、VHFアンテナはテレビ放送の受信には使われなくなりましたが、FMラジオを聞くために活用できます。FM放送の周波数は76~90MHzであり、基地局へ向けてアンテナの角度を調整するとよりスムーズに受信します。

▽VHFアンテナの用途や撤去に関する詳しい説明はこちら

関連記事:VHFアンテナに使い道はある?UHFアンテナとの違いや撤去費用も|ミツモア

UHFアンテナの種類

UHFアンテナは、八木式アンテナと平面アンテナ(デザインアンテナ)、室内アンテナの3種類の形状に分けられます。最も一般的に使用されているUHFアンテナは八木式アンテナです。

八木式アンテナ 八木式アンテナ

  • 魚の骨に似た形状
  • 屋根の上に設置
  • 受信感度が高い
外壁に取り付けられた平面アンテナ(デザインアンテナ) 平面アンテナ(デザインアンテナ)

  • 見た目がシンプル
  • 小型で壁に設置可能
  • 景観を邪魔しない
室内アンテナ 室内アンテナ

  • 室内に設置できる
  • 工事に手間がかからない
  • 受信感度が低く、住環境によっては不向き

▽それぞれの詳しいメリット・デメリットや受信環境に合わせたアンテナの選び方はこちら

関連記事:地デジアンテナ3種類の違いと選び方!おすすめの人気アンテナと設置方法も解説|ミツモア

【八木式アンテナの特徴】

八木式アンテナ

八木式アンテナは屋根上に設置されることが多いので、安定して電波を受信できます。ただし八木式アンテナのなかでも製品によって性能はまちまちです。

骨のような棒状の部品は「素子」と呼ばれ、一般的には14素子と20素子に分かれます。この素子は多いほど性能が高いと言われているのです。

また「利得」(db/デシベル)という数値が大きいほど出力が安定するという性能の違いもあるので、「八木式アンテナなら安心」というワケではなく、自宅に合ったアンテナを選ぶ必要があります。

関連記事:八木式アンテナの特徴を解説!設置場所や工事の依頼先もチェック|ミツモア

【平面アンテナ(デザインアンテナ)の特徴】

外壁に取り付けられた平面アンテナ(デザインアンテナ)

デザインアンテナは、地デジ放送の受信に特化した平面型のアンテナです。見た目がかさばらないので、家の外観がスッキリした印象になります。

ただし設置場所は屋根より低い位置の壁になるので、性能が同等レベルの八木式アンテナと比べると、受信できる電波が若干不安定になります。

そのため電波の弱い地域には不向きなこともありますが、ブースターなどを接続してある程度安定させることも可能です。

関連記事:デザインアンテナってどんなアンテナ?寿命や取り付け方を解説|ミツモア

【室内アンテナの特徴】

室内アンテナ

室内アンテナは卓上に置けるタイプと、壁などに貼り付けられるタイプがあります。室内で電波を受信するので、基本的に電波の弱い地域には不向きです。

受信強度を上げるために最初からブースターが内臓されている製品もあるので、そちらを選ぶのがオススメ。ただし安定性を選ぶなら八木式アンテナやデザインアンテナのほうがよいでしょう。

関連記事:地デジ用室内アンテナの選び方!おすすめのアンテナと設置の注意点も|ミツモア

UHFアンテナの価格

UHFアンテナの値段は種類や機能によって異なります。八木式アンテナは比較的安く、おおよそ3,000円~です。平面アンテナはおおよそ5,000円~、室内アンテナは3,000円~です。

上記の値段は、UHFアンテナ本体の値段なので、業者に設置を依頼したい場合は工事費が追加でかかります。工事費や業者選びのポイントについては、UHFアンテナの設置は業者を頼ろう!をご覧ください。(ページ内にジャンプします)

UHFアンテナの性能を表す用語を解説!

素子

アンテナについて調べると「素子数」や「20素子」、「40素子」など、「素子」という言葉を見かけると思います。そもそも素子とは、八木式アンテナの複数ある細い棒の部分(魚の骨のような部分)のことです。この素子の数が多ければ多いほど、電波を受信しやすくなります。

素子数はどのくらいの強さの電波を受信できる地域なのかによって、適切な素子数が異なります。電波が弱い地域であっても、20素子~30素子のアンテナであれば安心でしょう。一般的な素子数は、20本ある「20素子」です。40素子はまだ広く普及されていません。

動作利得

動作利得は受信感度を表す数値で、dB(デシベル)で表されます。数字が大きいほど受信感度は高くなりますが、大きくなると本体が高額になったりノイズを拾いやすくなったりします。

動作利得の目安は電波環境のよい地域で5dB程度、電波の弱い地域では10dB以上とされています。

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【種類別】UHFアンテナの取り付け方

UHFアンテナを取り付ける

ここではUHFアンテナの取り付け方を解説します。

ただし八木式アンテナと平面アンテナは、自分で設置するのは難しいといえます。無理せず、自分が持っている工具や技術で設置可能かどうかを慎重に検討してから判断しましょう。

八木式アンテナの取り付け手順

一般的な取り付け場所は屋根の上です。

  1. まずアンテナを組み立てる
  2. 必要な機材を持ち、脚立を屋根の中央に設置し登る。屋根に着いたら屋根馬を設置し、アンテナを固定するために使用するマストを付ける
  3. 次に、屋根の破風にアンテナを固定するステーアンカーを付け、コーキング処理する
  4. 支線でアンテナを屋根に固定したら最寄りの電波塔の方角に向けて設置し、最後にアンテナを支線で固定する

また八木式アンテナはベランダにも設置できます。設置費用が安く目立ちにくくなるというメリットがある反面、感度が悪くなるというデメリットがあります。

取り付け作業の注意点は、安全面から必ず晴れの日の明るい時間帯を選びましょう。

平面アンテナの取り付け手順

  1. より電波をスムーズに受信できるような設置場所を探す(電波塔の場所、電波塔との間に建物や樹木などの障害物がないかを確認)
  2. 次に取り付け金具のマストを地面と垂直に取り付ける
  3. 同軸ケーブルをF型コネクタ加工し、アンテナ出力端子に締め付ける
  4. 金属アンテナを固定し仮止めしたら、アンテナの方向を調整
  5. アンテナをさまざまな方角にゆっくりと動かし、電波を拾いやすい角度で固定する
  6. アンテナの角度が定まったら、仮止めしていたものも含めて全てのボルトを完全に締めて固定する

これで平面アンテナの取り付け作業は完了です。

室内アンテナの取り付け手順

室内アンテナを設置する手順はとてもシンプルです。

  1. アンテナ付属のコードをUHFアンテナに接続する
  2. よりよい受信環境を得るために、電波塔に向けて方角を調整する

設置場所を選ぶポイントと注意点

  • 可能な範囲で、受信感度がよりよい高い場所を設置場所として選択する
  • 電波を発信しやすい窓際がおすすめ (ただし鉄線が入っている窓は、電波の受信を妨害してしまう危険性があるため避けた方がよい)
  • 1度設置したものを剥がして別の場所に設置し直すのは手間がかかるため、受信しやすい場所を十分に確認する

UHFアンテナを自作することも可能

UHFアンテナは自作することができます。しかし自作のアンテナは壊れやすいため、長期的に使用する場合は製品を購入することをおすすめします。

作成してみたい方は、以下の動画を参考にしてみてください。特殊な工具や材料を使わずはんだ付けも行わないでUHFアンテナを自作する方法を解説しています。

UHFアンテナのDIYに必要な材料と工具

  • ベニヤ板(動画内では4㎜の端材)(絶縁体であればプラスチック製でもよい)
  • 小さい木ネジ2本
  • 指金(50cm程度)
  • 巻き尺
  • 千枚通し
  • カッターナイフ
  • ねじ回し
  • ニッパー
  • 両面テープ
  • はさみ
  • 結束バンド
  • えんぴつ
  • 同軸ケーブル(3CFBまたは4CFB)
  • アルミホイル

UHFアンテナ取り付け時の注意点

テレビアンテナ

UHFアンテナを取り付ける際の注意点を3点紹介します。自分で作業すると業者へ依頼する費用が抑えられる反面、リスクが伴うものです。目先の節約だけに気を取られず、冷静に判断することが大切です。

高所の設置は事故に注意

アンテナを自分で取り付ける際には、高所からの落下事故の危険が伴います。特に屋根に取り付けることが多い八木式アンテナは、足場をしっかり確保した上で安全な体勢で設置に取り組みましょう。

正しい向きで設置する

アンテナは指向性(向きによって受信感度が変わる性質)が高いため、十分に電波を受信するには電波塔の方角に向くように設置する必要があります

周辺の建物に設置されているUHFアンテナの向きを参考に、おおよその目処を付けられます。

ただしより正確な情報を知るためには一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A-PAB)のホームページを活用しましょう。「地デジ放送エリアのめやす」をクリックし該当する住所などを入力します。

参考:一般社団法人放送サービス高度化推進協会 放送エリアのめやす

またスマートフォンのアプリでも電波塔を検索できます。

アプリ:テレビアンテナ Google Play

アンテナと配線をきちんと設置する

アンテナの配線は元から順番につないでいきましょう。テレビを視聴するためには、アンテナのほかに分配器や分波器などが必要です。自分で設置する場合には、これら周辺機器も一緒に設定しなければいけません。

テレビアンテナ 配線図 混合器・分配器・分波器

また設置の仕方が甘いと、アンテナが落下したり風や台風で吹き飛ばされたりして、周りの建物や人を事故に巻き込んでしまう可能性があります。作業前に手順を確認し、確実に設置を完了させましょう。

関連記事:分配器と分波器の違い!用途や役割を比較してどっちを使うべきか判断しよう!|ミツモア

アンテナ取り付け業者の口コミを見る

UHFアンテナの設置は業者を頼ろう!

業者で見積もり

八木式アンテナ、平面アンテナは高所での慣れない作業になることも多く、自分で設置するのは難しいといえます。DIYの手順やリスクを確認した上で不安を感じる場合は、業者に依頼しましょう。

ここでは誠実に対応してくれる業者を選ぶために、費用相場や業者の選び方を解説していきます。以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

関連記事:テレビアンテナ設置工事の費用はどれくらい?種類別の相場と業者の選び方|ミツモア

UHFアンテナ設置の費用相場

UHFアンテナの設置費用はおおよそ15,000~30,000円です。工事金額はアンテナの種類によって左右されます。

一般的な工事費用には、同軸ケーブル・標準取り付け金具以外に、屋根馬またはサイドベース・支線・支線リング・アンカー・マスト1.8mが含まれています。

UHFアンテナ本体が工事費用に含まれている業者と含まれていない業者があるので確認するようにしましょう。

また電波状況を改善するためのブースターを設置する場合など、オプションを追加するとさらに費用がかかることもあります。ブースターとは、受信する電波を増幅し受信環境をよくする機器のことです。

関連記事:テレビアンテナのブースターおすすめ11選!屋外型、屋内型、ラインブースターなどの種類別に紹介|ミツモア

事前に工事費用を知るためにも、まずは見積もりを取りましょう。

業者選びのポイント

業者選びのポイントを3つお伝えします。

  • 事前調査をした上で正確な見積もりを出してくれるか

通常工事以外に衰退器やブースターといった工事が必要になる場合、全てを含めた費用の見積もりが必要です。

  • 検波器を用いた正確な事前調査をしてくれるか

検波器は電波の感度を微調整する重要な道具であるにもかかわらず、持っていない業者も存在します。事前に調査方法を確認しておくと安心です。

  • 業者の連絡先がフリーダイヤルか携帯電話か

携帯電話の業者には注意が必要です。作業員1人で事業を回している可能性があり、緊急時などすぐに連絡を取るのが困難な場合があります。

アンテナ取り付けはいくらでプロに依頼できる?

BS/CSの視聴にはパラボラアンテナが必要!UHFアンテナとの違いは?

パラボラアンテナ

UHFアンテナだけではBSやCSを視聴できないので注意しましょう。BS/CSを視聴するには、専用の「パラボラアンテナ」が必要です。

そのため地デジ放送とBS/CSとをすべて視聴したい場合は、どちらも設置しなくてはいけません。アンテナ設置工事を検討するときには注意しましょう。

関連記事:BSアンテナの取り付け費用はどのくらい?業者選びのポイントもご紹介 | ミツモア

UHFアンテナとパラボラアンテナの違い

パラボラアンテナが電波を受け取ってから室内に送るまで

BS/CS放送は衛星から送られてくる電波を受信します。受信する電波の周波数は約12GHz前後なので、3GHzまでしか受信できないUHFアンテナでは拾いきれないのです。

またパラボラアンテナは、衛星から長距離で送られてくる電波を集めるために皿状の「反射鏡」が取り付けてあります。さらに集めた電波を変換しないと映像として見ることができないので、「コンバーター」という変換機もついています。

このようにUHFアンテナは拾った電波をそのまま映すことができますが、BS/CSは周波数を変化させるという違いがあるのです。

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