受付システムは、企業の来客対応を自動化し、人的コストを削減できるツールです。完全無料で使える製品や、無料トライアルで試せる製品が多数あり、初期投資なしで導入効果を確かめられます。
本記事では、完全無料2製品と無料トライアル9製品の合計11製品を紹介します。自社の来客数や規模に合わせた選び方、無料版と有料版の判断基準も解説するので、受付コストの削減を検討している方はぜひ参考にしてください。
無料で使える受付システムの種類と選び方
無料の受付システムには、大きく分けて2つのタイプがあります。完全無料で使い続けられるプランと、一定期間だけ無料で試せるトライアルプランです。それぞれ制約や特徴が異なるため、自社の状況に合わせた選択が重要になります。
完全無料プランと無料トライアルの違い
完全無料プランは、コストをかけずに使い続けられる反面、機能や保存期間に制限があります。たとえばReClipでは来客データの保存期間が2週間に限定されるため、定期的にデータをエクスポートする手間が発生します。一方、無料トライアルは全機能を期間限定で試せるため、導入前に自社の運用に適合するか検証できます。RECEPTIONISTやラクネコなどは30日間の無料トライアルを提供しており、本格導入前の効果測定に活用できます。
自社に合った無料受付システムの選び方
選び方の基準は、来客数と社内のITツール環境です。月の来客が数件程度なら、ReClipなどの完全無料プランで十分対応できます。逆に毎日来客がある場合は、チャット通知機能を備えたトライアル付き有料システムの検討が必要です。またSlackやTeamsを既に使っている企業であれば、これらと連携できるシステムを選ぶことで、スムーズな運用が可能になります。
無料の受付システムのデメリットと注意点
無料プランには必ずコスト削減とのトレードオフが存在します。導入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないよう、主要なデメリットを事前に把握しておきましょう。
利用できる機能に制限がある
無料プランでは、基本的な受付機能のみが提供されます。来客データの検索機能、入力項目のカスタマイズ、バッジ印刷などの便利な機能は有料プランに限定されることが多いです。またEnvoyでは、NDAなどの書類への電子署名機能は月額100ドル以上のプランでしか使えません。必要な機能をリストアップし、無料プランで対応できるか事前に確認しましょう。
受付数・利用端末数が限られている
一部のシステムでは、月間の受付可能件数や設置できる端末数に上限が設けられています。来客が想定より増えた場合、追加料金が発生したり、サービスが停止したりするリスクがあります。Envoyの無料プランは受付数無制限ですが、こうした制限の有無は各システムで異なるため、契約前に必ず確認してください。
サポート体制が不十分になることが多い
無料プランでは、トラブル時のサポートが制限されるケースが一般的です。メールでの問い合わせのみ対応、回答まで数日かかる、FAQページでの自己解決が前提といった状況が想定されます。Envoyでは管理画面が英語のみのため、設定変更やトラブル対応のたびに翻訳ツールが必要になります。受付システムは来客対応という企業の顔に関わる業務のため、即座にサポートを受けられない点はリスクとして認識しておきましょう。
完全無料で使える受付システム2選
コストをかけずに受付業務をデジタル化したい企業向けに、完全無料で使い続けられるシステムを2つ紹介します。いずれも基本機能は無料で利用でき、小規模オフィスでの試験導入に最適です。
Envoy|グローバル企業にもおすすめの31言語対応システム

Envoyは米国シリコンバレー発の受付システムで、無料プランでも来客数無制限で利用できます。1拠点あたり複数のiPadを追加料金なしで設置できるため、入り口が複数あるオフィスでも対応可能です。31言語に対応しており、外国人の来客が多い企業に適しています。ただし管理画面は英語のみで、日本語サポートがないため、英語に不慣れな担当者には運用負荷が高い点に注意が必要です。
ReClip|複数チャットツール連携可能で基本無料
ReClipは永年無料プランを提供する受付システムです。アプリをインストールするだけで即座に利用開始でき、Slack、Chatwork、Microsoft Teamsなど主要なチャットツールと連携できます。無料プランでは来客データの保存期間が2週間に限定されるため、定期的なエクスポートが必要です。月額500円の有料プランに切り替えれば無期限保存が可能になり、コストを抑えながら長期運用できます。
無料トライアルがある受付システム4選
本格的な導入を検討するなら、全機能を試せる無料トライアル付きシステムがおすすめです。実際の運用で効果を測定してから有料プランへ移行できるため、失敗リスクを抑えられます。
RECEPTIONIST|打ち合わせ予約から来客受付まで一括管理
RECEPTIONISTは国内シェアトップクラスの受付システムで、全機能を無料で試せるトライアルを提供しています。Slack、Teams、Chatworkへの通知に加え、会議室予約や日程調整機能も搭載しており、受付業務を一元管理できます。ただしトライアル期間中でもSMS通知や電話通知を利用すると従量課金が発生する点に注意が必要です。トライアル終了後に有料契約しない場合、アカウントは停止されます。
ラクネコ|名刺撮影で受付完了、インターホン機能も搭載

ラクネコは30日間の無料トライアルをクレジットカード登録なしで利用できるシステムです。名刺をカメラで撮影するだけで来客情報を自動入力できるため、タッチパネル操作が苦手な来客でもスムーズに受付を完了できます。インターホン機能を搭載しており、担当者と来客が音声で直接やり取りできるため、チャット通知だけでは不安な企業でも安心して導入できます。
WowDesk|画面カスタマイズ自在で簡単操作を実現
WowDeskはビジネスチャット「WowTalk」を提供する企業が開発した受付システムです。通常1ヶ月のトライアルですが、キャンペーン時には2ヶ月間無料で試せることもあります。受付画面を自社のブランドカラーに合わせてカスタマイズでき、来客に統一感のある印象を与えられます。WowTalkユーザーであれば設定が極めて簡単で、他のチャットツールへの通知にも対応しています。
らいきゃくん|担当者PCに直接通知、最短1日で導入可能
らいきゃくんは2週間の無料お試し期間を提供するシンプルな受付システムです。月額3,300円からという低価格帯で、ReClipの有料版とRECEPTIONISTの中間に位置するコスト設定が特徴です。担当者のPCに直接通知を送る機能があり、チャットツールを導入していない企業でも利用できます。機能を絞り込んでいるため、最短1日で導入可能な手軽さが魅力です。
無料トライアル利用に問い合わせが必要な受付システム5選
価格が非公開で問い合わせが必要なシステムは、ハードウェア連携やセキュリティ要件に対応した高機能製品が中心です。初期投資は高めですが、特定のニーズに応える機能を備えています。
Smart at reception|AI音声対応でPepper連携も可能
Smart at receptionはサイボウズのkintoneとの強力な連携機能を持つシステムです。受付で入力された来客データがkintoneのデータベースに即座に保存され、顧客管理や営業日報と紐付けられます。1ヶ月程度のトライアル環境を提供していますが、kintoneの契約が前提となるため、既にkintoneユーザーの企業に適しています。AI音声応答やPepperとの連携も可能です。
おくだけレセプション|iPadから直接電話、ドコモ提供の安心感
NTTドコモが提供するおくだけレセプションは、タブレット型の内線電話として機能するシステムです。来客が操作すると担当者の携帯電話や固定電話に音声で直接通知されます。初期費用約198,000円、月額約11,000円と高額ですが、チャットツールを導入していない企業や、社員が高齢でデジタルツールに不慣れな企業にとって最も親和性の高いソリューションです。
I-FACE|シンプル設計で初心者でも使いやすい
I-FACEは既存のPBX電話設備との連携を強みとするシステムです。電話通知とチャット通知の両方に対応しており、部署によって通知方法を使い分けられる柔軟性があります。無料デモ体験の申し込みが可能ですが、営業担当者による案内が前提となるます。シンプルな設計で操作が分かりやすく、ITツールに不慣れなスタッフでも使いやすい点が特徴です。
iPult|画面ON/OFFタイマー設定で省エネ運用

iPultはビルのセキュリティゲートとの連携を視野に入れた施設管理型のシステムです。専用筐体やスタンドを含めた提案が多く、オフィスのエントランスデザインと一体化した導入が可能です。無料トライアルは提供されておらず、事前の詳細な要件定義と見積もりが必要になります。自社ビルを持つ中堅企業や工場、研究所など高度なセキュリティが求められる施設に適しています。
Face Touch|顔写真タッチで担当者呼び出し
Face Touchは受付画面に社員の顔写真をズラリと並べるユニークなインターフェースを採用したシステムです。来客は知っている担当者の顔写真をタップして呼び出すため、名前のスペルが分からない場合でも迷わず受付を完了できます。顔写真による視覚的な案内が、来客とのアイスブレイクのきっかけにもなります。料金は要問い合わせで、初期費用無料のプランや月額4.4万円からのプランなど複数の体系があります。無料デモ体験の申し込みが可能です。
受付システム導入で得られる3つのメリット
受付システムの導入は、単なるコスト削減だけでなく、業務効率化や企業イメージ向上にも貢献します。無料プランでも十分に実感できる主要なメリットを3つ紹介します。
受付業務の完全自動化で年間100万円以上のコスト削減
受付システムを導入すれば、受付専任スタッフの人件費を削減できます。派遣社員を月額25万円で雇用している場合、年間で300万円のコストがかかります。受付システムは月額数千円から1万円程度で運用できるため、年間で100万円以上のコスト削減が可能です。さらに総務担当者が来客対応に追われる時間も削減され、本来の業務に集中できる環境が整います。
担当者への即時通知で待ち時間を5分以内に短縮
従来の内線電話による取次ぎでは、担当者不在や電話に出られないケースが多く、来客を待たせる時間が長くなりがちでした。受付システムはチャットやスマートフォンに直接通知を送るため、担当者がすぐに気づいて対応できます。待ち時間を5分以内に短縮できれば、来客の満足度が向上し、企業への信頼感も高まります。
ペーパーレス化で年間数十万円の経費削減
手書きの受付表や紙のバッジ印刷にかかる消耗品費は、年間で数十万円に達することがあります。受付システムはすべてデジタルで完結するため、紙代や印刷コストが不要です。また来客データがクラウド上に自動保存されるため、セキュリティ対策や監査対応にも役立ちます。環境への配慮をアピールできる点も、近年のビジネスシーンでは重要な要素です。
無料と有料どちらを選ぶべき?規模別の判断基準
無料プランと有料プランのどちらを選ぶかは、企業の規模や来客頻度によって異なります。自社の状況に合わせた選択基準を解説します。
完全無料版がおすすめのケース
来客が週に数件程度の小規模企業や、まずは試験的に導入したい企業には完全無料版が適しています。ReClipやEnvoyなら初期投資ゼロで受付業務のデジタル化を始められます。ただしデータ保存期間の制限や日本語サポートの不足といった制約があるため、導入前に運用フローを明確にしておくことが重要です。長期的にコストを抑えたい場合は、ReClipの月額500円プランへの移行も検討しましょう。
有料版(無料トライアルあり)がおすすめのケース
毎日複数の来客がある企業や、チャットツールを既に導入している企業には有料版が適しています。RECEPTIONISTやラクネコは30日間の無料トライアルで全機能を試せるため、実際の運用で取次業務の削減時間を測定してからROIを判断できます。月額5,000円から1万円程度の投資で、年間100万円以上の人件費削減が見込める場合、導入効果は明確です。トライアル期間中に社内の反応を確認しましょう。
まとめ:無料の受付システムで来客対応をスムーズに
無料の受付システムは、初期投資なしで受付業務のデジタル化を実現できる有効な選択肢です。完全無料のReClipやEnvoy、無料トライアルのあるRECEPTIONISTやラクネコなど、企業の規模や来客頻度に応じた選択肢が揃っています。まずは無料プランやトライアルで実際の運用を試し、取次業務の削減時間やコスト効果を測定してから本格導入を判断しましょう。受付システムの導入により、年間100万円以上のコスト削減と業務効率化を同時に実現できます。
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