人による受付業務は、混雑時の来訪者受け入れや情報管理や運用が煩雑になりがちです。内線電話をかけたり、手書きでメモをとる作業は人的ミスも発生しやすいでしょう。このような受付業務の課題を抱えていませんか。
最終更新日: 2024年04月23日
受付システムは上記のような悩みを解決してくれるシステムです。受付システムの最新動向や導入メリットなど基本について解説します。
受付システムとは
受付システムとは、タブレット端末や専用端末を使って無人で受付対応をするシステムのことです。タッチパネルの案内や音声ガイダンスを通じた訪問者から担当者への取次ぎや、検索機能を用いた担当者の呼び出しができます。
従来は有人で行っていた受付対応の無人化・自動化を通じて、受付対応業務の効率化を実現します。
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受付システムの最新動向と活用事例
2020年のコロナ禍による緊急事態宣言下ではオフィスの来訪者が大幅に減少しました。2021年以降は受付の見直しとともに受付システムの利用が回復し、2022年には受付システムの利用回数がコロナ前の水準に戻っています。
ハイブリットな働き方の普及にともない、今後もオフィスのスペース管理は課題となると予測されています。現在、上場企業では受付システムの導入が増加し、DX化を見据えた新しい働き方の構築が進んでいます。
企業における最新の受付システム活用例
ある企業では、受付業務1件につき10～15分ほど時間がかかっていました。受付対応のために業務は止まり時間を割いていました。また来訪者を待たせることもしばしばです。
この企業はRECETIONISTが提供する受付システムを導入しました。導入当初こそ、不満はあったものの1～2カ月で受付システムを使いこなせるようになったそうです。
受付システムを導入しながら、場面によって使い分けている事例があります。受付対応は有人4割、無人6割という企業です。
タクシーの手配や納品業者、役員への来客などタブレットでは対応が難しい場合には人が対応しています。無人受付で対応が可能な場合は、来訪者にタブレットを勧めているそうです。
人事評価に活かす試みに活用例
従来の「受付嬢」という呼称は変化し、男性も受付業務に従事するようになってきています。企業の受付業務の求人は非正規雇用に偏っていましたが、デジタル化の進展により変化が生まれています。
受付システムでは来客の多い従業員を把握したり、従業員がどんな人と会うことが多いのか、といったデータの可視化も可能です。
受付は情報の宝庫として受付データを人事評価に活かす試みもはじまっています。来客データを自動で蓄積できる受付システムは、その試みを後押しするツールとして欠かせない存在になりつつあります。
iPadを使った受付システムの活用例
受付システムの中でも、iPadを使用したシステムの普及が進んでいます。その理由は、iPadの利便性と汎用性の高さにあります。
iPadは受付システムの専用端末よりも安価で導入しやすいことが特徴です。アプリでカスタマイズができるため、訪問客が操作に迷わない画面を簡単につくれることも大きなメリットになるでしょう。
またアプリにAIを搭載しているシステムも多く、カメラによる顔認証、マイクによる音声認証も導入できます。たとえばクラウド型AI受付システム「Smart at reception」はAIが音声を学習し、訪問客が受付システムに声をかけるだけで誰なのかを識別します。
イベントでの受付システムの活用例
大人数の訪問客を受付する場合は、QRコードによる受付処理ができるシステムがおすすめです。
イベントホールを借りておこなう大人数が出入りするイベントの入場管理には、「展示会受付ドットコム」のように訪問客がQRコードをかざすだけで簡単に受付ができるシステムが適しています。
ほかにも「Spot-Recorder」の受付用QRコードを読み込んで受付を簡単に完了できるシステムがあります。
病院やクリニックでの受付システムの活用例
病院やクリニックでは、待合室での感染拡大予防や患者の待ち時間管理のために役立つ受付システムの導入がおすすめです。
とくに医療機関向けの受付システムは、診察予約システムと連動しているものが多く、受付後に問診をおこなったり、待ち時間の予測表示ができます。
たとえば「Air WAIT」なら、診察内容ごとに異なる待ち時間を、見える化できるため患者のストレス軽減や混雑回避に役立ちます。
受付システムを導入するメリット
来客時の対応を効率化できる
受付システムを導入するメリットとして、来客時に受付担当者の負担を減らし、効率化できる点があります。
従来では担当者が来客と社員を繋いだり、受付の予約状況を自ら確認しなければなりませんでした。しかし受付システムを導入することで、来客があると直接社員に通知が行ったり、自動で登録された予約状況が一目でわかったりと、人の手で行わなければならなかった業務をシステム上で行えます。
煩雑な業務を省略することで、コア業務により注力できるというメリットがあります。
来客の受付を滞りなく行える
企業側だけでなく、来客側にもメリットがあります。受付システムを使えば、来客が自分で受付できるため、無駄な待ち時間が発生しません。
会議室案内など、受付が済んでからの対応ができるシステムもあり、迷わずに向かってもらうことも可能です。来客にとってもすぐに受付ができ、企業イメージの向上に繋げられるでしょう。
セキュリティ強化につながる
受付システムの中には顔認証機能により、来訪者の顔を事前に確認できるシステムがあります。また来客情報をシステムへ事前に入力してもらうことで、まったく面識のない人物といきなり対面するのを避けられます。
会社に「知らない人」を入れずに済み、不審者対策にも繋がるでしょう。入退室管理機能により、セキュリティの強化が見込めます。
多様な言語化サポートによって快適な滞在体験が得られる
外国語話者の来訪者にとって、言葉が通じないことは大きなストレスになりかねません。多言語対応しているシステムなら、言葉の壁を感じることなく快適に訪問が可能です。
受付システム導入前後の注意点
受付システムに必要な機器を準備する
受付システム導入前に必要な機器を準備しましょう。タブレットや専用端末、内線電話などシステムの提供元に必要なものを確認してください。機器の接続方法なども確認するとよいでしょう。
また提供元によっては自らセットアップをおこなう必要があります。表示メニューや対応言語、画面デザインなどの設定を必要に応じておこなわなければいけません。
従業員用のマニュアル作成と運用体制の構築
マニュアルは従業員が理解しやすく、迅速に情報を把握できるように作成してください。冗長な表現や難しい用語は避けて作成するとよいでしょう。また来訪者対応時のフローも作成しておくとより安心です。
マニュアル作成だけでなく、実際のトレーニングプログラムも構築して従業員に提供しましょう。実践を通じて学ぶことで、より理解が深まります。従業員が新しいシステムに適応するための期間の考慮も必要です。
定期的に清掃や動作確認といったメンテナンスを実施する
システム導入後は、定期的にハードウェアの清掃やシステムの動作確認といったメンテナンスをする必要もあります。システムの内部には埃や汚れが蓄積しやすく、これらが原因で動作不良を引き起こすことがあります。
メンテナンスプログラムを決めて、担当者間で共有するとよいでしょう。
受付システムを導入して業務効率化を実現させよう
受付システムは受付業務を大幅に効率化するシステムです。従業員がおこなっていた受付対応や電話対応、取り次ぎ業務が不要になります。
また来訪者にとっても担当者に直につながり、待ち時間が短縮されるなどのメリットは多く、外国語話者にとって多言語機能は心強いでしょう。
自社の従業員だけではなく来訪者にとってもメリットのある受付システムは、新しい企業の顔として活用シーンも広がっています。ぜひ自社にあった受付システムを導入して、業務効率化を実現しましょう。
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