紙の書類を使っての入社手続きは手間も時間もかかります。電子化すれば書類作成も行政への申請手続きも簡単になり、人事担当の負担は大幅に軽減できます。
入社手続きを電子化することで得られるメリットと注意点、おすすめのシステムを紹介します。
入社手続きを電子化する方法とは?
入社手続きを電子化する方法はおもに以下の3つです。方法によって必要な手続きや確認しなければいけない点は異なります。
オンラインフォームやストレージを利用する
雇用契約書のほか、機密保持誓約書や給与振込先届など入社予定者の記入が必要な事項はいくつかあるでしょう。そこで、GoogleフォームやMicrosoft Formsなどのオンラインフォームを利用して必要な項目を入力してもらう方法があります。
やり方は簡単で入社予定者のもとにシステムへの招待や入力依頼をメールで送信します。また本人の確認や署名が必要な契約書については、AppSuiteなどで作成したものを送信し、押印とサインを相手方にしてもらってから、再度PDF化してこちらにメールで送付してもらえば完了です。
また、必ずしもメールで送付する必要はなく、権限設定を厳密にした上でGoogle ドライブやOneDriveなどのオンラインストレージに提出してもらうことも可能です。オンラインストレージの場合、締結した契約書のほか、前職の源泉徴収票や口座の写し、被保険者証などの画像をまとめて提出できます。
電子証明書を取得し、必要書類を送る
契約書を電子署名で対応したい場合、電子証明書を取得する必要があります。行政手続きは、オンライン申請・届出を受け付けるサービス「e-Gov(イーガブ)」を通して行うことになるため、電子証明書もe-Gov対応のものを取得する必要があります。
電子証明書の発行は複数の認証局が担っており、手数料を払って発行してもらうことになります。国内ではGMOグローバルサインやセコムトラストシステムズなどがあります。こちらで電子証明書の導入手続きをおこない、証明書をインストールしましょう。
その後、必要な書類をPDF形式で作成し、デジタル署名ができるようにPDFエディタを使います。こうして発行した契約書を入社予定者に送付し、電子署名してもらってからこちらに送付してもらえば完了です。その他、確認が必要な画像もこの時、一緒に送付してもらいましょう。
人事労務管理システムや電子契約システムを導入する
入社手続きの電子化を最も容易にできる方法としては専用のツールやシステムを利用することが挙げられます。自社の要件や入社手続き以外に効率化したい業務などの兼ね合いで選ぶといいでしょう。
具体的には、人事労務管理システムや電子契約システムなどが使われます。人事労務管理システムは社会保険・雇用保険などの手続き・書類作成、従業員の勤怠管理、給与計算などの機能が搭載されているツールです。電子契約システムは契約書データの作成から送付、押印・署名して締結までをインターネット上で完結できるシステムです。
電子契約に関連する業務だけを効率化したければ、電子契約システムを導入するといいでしょう。一方で電子契約というより入社にかかる業務全般を電子化したいという場合、人事労務管理システムの利用がおすすめです。これらのツールを使うことで、必要な情報の入力から電子申請までを一括化できます。
手続きや色々なツールをまたいで利用する手間を省略できるため、あまり詳しくなければシステム利用を勧めます。
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入社手続き電子化におすすめの人事労務管理システム
人事労務管理システムを導入すれば、契約や書類送付など入社手続きにかかる各業務をスムーズに電子化できます。おすすめの2製品を紹介します。
「SmartHR」
- 6万社以上の導入実績(※)
- 人事・労務業務を効率化を実現できる
- データの可視化・分析によるタレントマネジメントが可能
SmartHRは、6万社以上の企業が導入している人事労務管理システムです。導入している企業の規模は2名から数万名までであり、中小企業から大企業まで様々な組織で活用できます。
ペーパーレス化により、年末調整や雇用契約などの労務手続きや人事評価などの業務を効率化させることができます。また、従業員の情報が自然に集約され、自動的にデータベースが更新されるため、常に最新で正確な情報を一元管理することができます。
データ分析の専門知識がない担当者でもわかりやすい操作方法のため、簡単に人事評価や組織課題を発見し、タレントマネジメントに活かすことができます。さらに、各社員のスキルやキャリアプランをメモしたり、彼らのスキルを確認したりすることが可能です。
※株式会社SmartHR(2024年6月時点)
「オフィスステーション 労務」
- 4万社以上の導入実績(※)
- e-Govでの電子申請をさらに効率的に行える
- 金融機関と同等レベルのセキュリティ体制
オフィスステーション 労務は、4万社以上の導入実績を誇る、株式会社エフアンドエムが提供する労務管理システムです。無料版のツールとして「オフィスステーション 労務ライト」も提供されています。
この製品の最大の特徴は、e-Govでの電子申請を効率的に行えることです。社会保険や雇用保険など20種類の帳票に対応しています。従業員の入社・退職に伴う変更手続きなどの業務を効率的に行うことができます。
通信データとサーバ本体の暗号化や、二段階認証など金融機関と同等レベルのセキュリティ体制が整っているのも魅力的です。不正アクセスや情報の改ざんも防ぐことができるため、安心してシステムを利用することができます。
※株式会社エフアンドエム(2024年4月時点)
労務管理システムについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:労務管理システムおすすめ20選|ミツモア |
入社手続き電子化におすすめの電子契約システム
電子契約システムを導入すれば、入社手続きに必要な各契約書のやり取りを電子化できます。以下におすすめの電子契約システム2製品を紹介します。
「クラウドサイン」
- 導入社数250万社以上、累計送信件数1,000万件超の電子契約サービス(※)
- 弁護士監修の電子署名法準拠システムで高い信頼性とセキュリティ
- 会計ソフトやSFA・CRMなどさまざまなサービスとの連携が可能
クラウドサインは、250万社以上に導入され、累計送信件数1,000万件超の電子契約サービスです。弁護士監修のもと電子署名法に準拠しており、行政や金融機関も利用するレベルの信頼性とセキュリティ性を持っています。
会計ソフトや人事向けシステム、SFAやCRMなど様々なサービスとの連携が可能で、現在利用中のシステムとスムーズに連携できます。また導入サポートが充実しており、運用フローや利用計画の策定をサポートしてくれます。
※弁護士ドットコム株式会社(2024年5月時点)
「電子印鑑GMOサイン」
- 350万社以上、累計送信件数2,000万件超の電子契約システム(※)
- 送信料は1件110円から安価に送信が可能
- 8カ国語に対応し電子帳簿保存法にも準拠しているから安心
電子印鑑GMOサインは、350万社以上に導入された実績を持つ電子契約システムです。立会人型・当事者型の署名タイプに対応し、スマホアプリで簡単に署名ができます。送信料は1件あたり110円〜と安く、印紙税など契約周りの費用削減につながります。電子帳簿保存法に準拠し、法的にも安心して利用が可能です。
また8カ国語に対応しているほか、Salesforceなどの外部システムとの連携も可能。導入支援や電話サポートも充実しており、幅広いニーズに応えられるサービスです。
※GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社(2024年5月時点)
電子契約システムについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
入社手続きを電子化する5つのメリット
現在、入社手続きに何らかの電子化をおこなっている企業数は%程度です。
入社手続きを電子化すると、今まで発生していた手間が省け、人事の負担が抑えられるようになります。そこで以下のような5つのメリットが挙げられます。
人事担当の負担軽減
入社手続きを電子化すると、人事担当者の業務量が減少します。入社手続きには雇用契約書や社会保険など、いろいろな手続きが発生するものです。さらに、通年の採用を実施している会社であれば、それらの手続きは人数分発生することになります。
また人事担当者は入社時の手続きだけでなく、その後におこなう業務も手間や時間がかかるものが多いです。例えば、必要事項を用紙に手書きしてもらい、役所に足を運んで社会保険の手続きをする必要があります。また書類の控えを人数分郵送し、すべての書類をファイリングして保管するなどの業務もあるでしょう。
これらすべてをオンラインで完結できるようになれば、今まで入社手続きにかけていた人事の労力を、他の仕事に費やせます。
手続きの電子申請が利用できる
入社手続きには、雇用保険や社会保険の手続きも含まれます。もし入社手続きの電子化が実現すれば、各手続きを電子申請できるようになるのです。ちなみに雇用保険も社会保険もすでにオンラインでの電子申請ができるように整えられています。
今まで保険や年金の行政機関にわざわざ足を運んだり、書類を郵送したりしていた手間が一気に省けます。さらに電子申請であれば窓口の営業時間を気にすることなく、24時間365日いつでも申請可能です。
ToDo管理で手続き漏れを防止
入社手続きは入社者、会社、役所の間で必要書類のやり取りをしなければならないため、進捗管理が大変です。入社手続きが電子化することで、PC上でToDo管理ができるようになり、手続き漏れを防ぎやすくなります。
例えば健康保険の手続きを工程化すると、「入社者に書類提出をアナウンスする」「入社者から書類データを受け取る」「役所に書類を提出する」「受け取った保険証を入社者に渡す」など、業務をステップに分けてタスク管理できるのです。
入社手続きの電子化に使える人事管理システムの中には、すでにToDo機能を搭載しているものもあります。
業務の属人化を解消
入社手続きを特定の社員のみが管理しており周囲に共有されていないと、急な異動や退職の際に業務の再現化が低下したり引継ぎ業務の負担が大きくなったりとリスクが発生します。
入社手続きを電子化すれば管理画面から誰でもすぐに状況が見えるようになるため業務内容を誰でも把握できます。従業員がおこなう業務自体も減るため、最低限の引き継ぎでも業務を把握することはそれほど難しくなくなるでしょう。
ペーパーレスでコスト削減
紙媒体での入社手続きだと書類のコピーや郵送に大量のコストがかかるほか、書類の保管場所などでオフィスのスペースも奪ってしまいます。入社手続きを電子化することでそれらのコストの削減が可能となります。
また、紙の資源を使用しないことは自然環境の保護にもつながるでしょう。
入社手続きを電子化する際の注意点
入社手続きを電子化するとさまざまな業務をかなり効率化できますが、電子化する際に注目すべきポイントとしては契約書締結時の同意の有無とペーパーレス化できない手続きの存在です。詳しく見ていきましょう。
事前に電子契約について同意を得る
入社手続きに必要な書類の一部については電子契約利用時に相手方の同意が必要とされています。例えば労働条件通知書、派遣労働者への就業条件明示書面などは電子化して交付する際は相手方の了承が必要です。本人の同意を得ず、一方的にメールで書類を送ることは、省令上では問題になります。
ペーパーレス化できないものも
必要な手続きの中には、ペーパーレス化できないものもあることに注意しましょう。例えば、入社者の住む賃貸物件に関する手続きを行なう場合はペーパーレスにはできません。
法律で書面交付するように定められているものや、特殊な書類はデータではなく書面が必須となるため、分からなければ専門家に質問すると安心です。社内手続きの電子化を進めていると、ペーパーレス化できない手続きの管理が漏れてしまうトラブルも起こりやすくなるため、気を付けましょう。
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