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【サラリーマン向け】住民税の節税に有効な控除4選【税理士監修】

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最終更新日: 2019年08月25日

「子どもが小さい今のうちから、教育費を少しでも蓄えたい」

「節税したいけど、節税の仕方がわからない」

「不動産投資のようなことはできないけれど、自分でもできる節税対策がしたい」

そんなサラリーマンに、比較的検討しやすく節税効果も期待できる住民税の節税方法を、わかりやすくご紹介します。

この記事を監修した税理士

大原政人税理士事務所 - 神奈川県川崎市川崎区

大原政人(おおはらまさと) 1975年茨城県土浦市出身。法政大学経営学部経営学科卒業。 法人税申告約1500件、相続案件は約200件、確定申告案件は約1200件(開業から過去17年実績) セミナー、研修会講師 年間30回新聞、専門誌への原稿執筆多数、毎月無料の起業相談会を2回実施しています。
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住民税を節税するには

住民税とは
住民税とは

住民税が毎月いくら天引きされているかご存知ですか?そしてどれくらいの金額が控除されているか把握していますか?

住民税を節税するには各種控除がポイントになりますが、まずは基本的なシステムを知ることが大切です。なぜ控除を受けると住民税を節税できるのか、住民税額の決め方とともに詳しくご紹介します。

課税所得に一定の税率がかかり、世帯ごとに税額が変動

所得税が累進課税(所得が高くなるにつれて税金も高くなる)なのに対して、住民税は課税所得に一定の税率がかかります。

住民税は所得割・割賦割・利子割・配当割・株式等譲渡所得割の5種類の税金を足したものです。

ただし利子割・配当割・株式等譲渡所得割は都道府県民税のみの課税のため、この記事では都道府県民税と市区町村民税の両方に関わる所得割と割賦割だけに絞って

住民税 = 所得割 + 割賦割

として解説していきます。

この所得割と割賦割を詳しく見ていくと、

所得割 = 課税所得(下の図を参照) × 標準税率10%(都道府県民税4% + 市区町村民税6%)

 ※税率は自治体によって多少異なるケースがある

割賦割 = 標準税率5,000円(都道府県民税1,500円 + 市区町村民税3,500円)

 ※非課税者を除く

 ※税率は自治体によって多少異なるケースがある

というふうに税額が決められています。

【図1】所得割に出てくる課税所得とは?
【図1】所得割に出てくる課税所得とは?

割賦割が課税所得に関わらず一律同じ金額なのに対し、所得割は納税者の課税所得に応じて金額が変わります。住民税の節税を考えるときは、金額が変動する所得割をいかにして減らすかがポイントです。

2種類の納税方法

住民税の納税方法は、次の2つです。

1、特別徴収

サラリーマンや公務員など、給与をもらっている人が対象の納税方法。住民税は年12回、給与から天引きで徴収されます。

2、普通徴収

主に次のような人が対象の納税方法です。

 ・個人事業主やフリーランスなど、給与をもらっていない人

 ・4月1日時点で給与が支払われていない人

 ・5月31日までに退職する予定の人

個人宛に納付書が送られてきますので、自分で納付します。支払いは年4回(6・8・10・1月)、3ヶ月分をまとめて支払います。

住民税は徴収時期が遅く、税額決定の通知は翌年5、6月

住民税は1月1日から12月31日の1年間の課税所得にかかり、それを翌年6月から翌々年5月までの間で支払います。住民税額は5・6月頃、住民税の納税額決定通知書で通知されます。

特別徴収票
出典:鎌倉市ホームページ
普通徴収票
出典:鎌倉市ホームページ

住民税の納税額決定通知書では、課税所得額や1年間に支払う住民税の総額、税額の計算方法、徴収時期とそのときの支払い額などを確認可能です。

また支払い先は、1月1日現在に住所のある都道府県・市区町村です。仮に1月5日に日本国内から海外へ住所を移転したとしても、住民税は1月1日に住んでいた日本国内の住所のある都道府県・市区町村に納めることになります。

課税所得を少なくするのがポイント

住民税を節税するためには、どうしたらいいのでしょうか?住民税を割賦割と所得割に分けて考えてみましょう。

先に述べたように、割賦割は納税者の課税所得がいくらであっても同じ金額です。変えることはできません。

一方の所得割は、納税者の課税所得の10%(標準税率)です。つまり課税所得額が多ければ所得割額も高くなり、逆に課税所得が少なくなれば所得割額も少なくなります。

つまり住民税を節税するためには、所得割を少なくする = 課税所得を少なくすることが重要といえるのです。

【図2】課税所得と各種控除の関係
【図2】課税所得と各種控除の関係

「控除」を利用しよう

【図1】を見ると、課税所得を少なくするための方法として、

 (1)原材料費や必要経費・年末調整などの額をできるだけ大きくする

 (2)各種控除の額をできるだけ大きくする

の2つが考えられます。

個人事業主などの場合は(1)の額を大きくするため、事業にかかった費用をもれなく計上し、(1)の金額を大きくする=課税所得を減らすことができます。

しかしサラリーマンの場合、そうはいきません。そこで配偶者控除やふるさと納税などで知られる、(2)の各種控除が重要になってきます。

【図3】控除の種類
【図3】控除の種類

この中からサラリーマンにオススメの控除をご紹介していきます。

オススメ控除1:個人型確定拠出年金(iDeCo)

オススメ控除①:個人型確定拠出年金(iDeCo)
オススメ控除1:個人型確定拠出年金(iDeCo)

サラリーマンの住民税節税対策として注目したいのが個人型確定拠出年金(iDeCo)です。老後資金を蓄えられるだけではなく、税制上のメリットが大きいのが特徴。長期的に収入が安定している人や貯金の余裕のあるにぴったりの節税方法です。

ここではiDeCoが住民税の節税になる理由を、具体的な例を使いながら解説します。

iDeCoは個人用の私的年金

確定拠出年金は確定拠出年金法に基づいて行われる私的年金制度です。この確定拠出年金には企業型と個人型があり、個人型をiDeCo(イデコ)と呼びます。

iDeCoは任意加入で、毎月一定の金額を積み立てて積立掛金を運用します。運用方法は定期貯金・保険商品・投資信託の3種類。自分で金融商品を選び、60歳以降の受け取り時には積立掛金 +運用利益を受け取ります。

iDeCoのメリットは主に2つ。1つは公的年金を補えること、もう1つは節税しながら老後資金を蓄えられることです。ここでは節税という点からiDeCoを見ていきます。

3つの節税ポイント

iDeCoには税制上、次の3つのメリットがあります。

(1)積立掛金が全額所得税・住民税から控除される

加入している全期間に適用される、iDeCo最大のメリットです。例えば毎月1万円を掛金として積み立てたとします。住民税の所得割分は「課税所得 × 10%」なので、

毎月10,000円 × 12ヵ月 × 10% = 12,000円

1年間で1万2千円の住民税が減税されることになります。これが60歳以降の受け取り時まで続くのです。

(2)利息や配当金などの運用利益が非課税

預貯金や投資信託などの金融商品を運用すると、通常は約20%の税金がかかります。iDeCoで運用する場合、この税金がかかりません。

しかも通常なら引かれるはずの約20%の税金分は、そのまま運用資金として再投資されるため、よりお金を増やすことができるのです。

(3)受け取り時は一定額が非課税に

iDeCoの受け取り時には、年金か一時金のどちらかの受け取り方法を選ぶことができます。この受け取り額の一部に税金がかかりません。

一時金で受け取る場合は「退職所得控除」が、年金で受け取る場合は「公的年金控除」が適用されます。

早くから始めれば大幅な節税ができる

モデルケースを設定し、シミュレーションサイトを使って見てみましょう。

【モデルケースA】

年齢:30歳

職業:サラリーマン

所得:500万

毎月の積立掛金:1万円

受け取り年齢:60歳(積立期間30年)

【モデルケースB】

年齢:50歳

職業:サラリーマン

所得:500万

毎月の積立掛金:1万円

受け取り年齢:60歳(積立期間10年)

どちらのケースも、節税できる住民税額は1年間で2万4千円です。しかし受け取るまでの期間を考えると、節税できる住民税総額は大きく異なります。

モデルケースAの場合は受け取るまでの30年間で72万円、一方のモデルケースBの場合は10年間で24万円です。モデルケースAの方が住民税の総額が48万円安くなります。

iDeCoは早い年齢から始めると、それだけ節税できる住民税額が大きくなるのです。早めにiDeCoに加入するほど節税効果を高められるといえます。

満期まで引き出せないことに注意

iDeCo最大のデメリットは、原則60歳(加入期間などで変動あり)になるまで途中解約をして現金化できないということです。高度障害を負った場合や死亡した場合などの一部条件を満たすと、60歳前でも途中解約・現金化ができます。

しかし、

 ・子ども教育資金が足りない

 ・給料が下がった、転職したため生活資金が必要

のような、途中でお金が必要になったというケースではできません。先々のライフプランを十分考慮することが重要です。住民税の節税効果が高いからといって、安易なiDeCoへの加入はおすすめできません。

収入が安定している人、貯金がそれなりにある人にオススメ

iDeCoは基本的には途中解約ができず、長期的なライフプランの見通しが必要です。そのため、単に「住民税を節税したい」、「老後資金を蓄えたい」という理由だけで加入すると、後から後悔することも考えられます。

そういった側面を考慮すると、iDeCoは

 ・収入が安定している人

 ・臨機応変な対応ができるだけの預貯金がある人

に向いているといえます。例えば、

 ・公務員

 ・サラリーマン

 ・自営業

 ・フリーランス

といった職業についている人は、iDeCoの加入を検討してみてはいかがでしょうか。

オススメ控除2:医療費控除

オススメ控除②:医療費控除
オススメ控除2:医療費控除

身近な医療費に関わるのが医療費控除です。1年間の医療費総額のうち、一定額が住民税から控除されます。生計を一にする家族全員分の医療費をまとめて申請できるのが特徴。家族が多ければ多いほどメリットの多い節税方法です。

ここでは医療費控除が住民税の節税になる理由や申請できる医療費の範囲を、具体的な例を使いながら解説します。

1年間の医療費総額が10万円以上で受けられる

医療費控除は、1月1日から12月31日までの1年間で支払った医療費総額の一定額を、所得税から還付・住民税から控除するものです。

控除対象となるのは医療費総額が10万円を超える場合で、同居していない生計を一にする家族を含めた世帯全体の医療費総額を申請できます。

また医療費控除と似たような制度にセルフメディケーション税制というものがあります。このセルフメディケーション税制は医療費控除との併用ができません。どちらか一方しか使えないことに注意しましょう。

医療費控除とセルフメディケーション税制
医療費控除とセルフメディケーション税制

1年間の医療費総額が大きい人は医療費控除を、市販の薬を多く買う人はセルフメディケーション税制を利用するのがおすすめです。

医療費控除で住民税の控除を受けられる

医療費控除の対象額は次の計算式で求められます。

医療費控除の対象額
医療費控除の対象額

この金額が住民税から控除され、またこの金額に一定の税率がかかって所得税から還付を受けられるのです。

医療費控除を受けるためには、確定申告が必要です。サラリーマンなどの普段確定申告をしない人は、うっかり申告を忘れてしまったり、面倒だからと申告しなかったりすることも少なくないでしょう。

しかし通院や入院で1年間の医療費が多くなる場合は、医療費控除を受けられるかもしれません。1年間の医療費を計算し、確定申告を行って、医療費控除を申請しましょう。

対象になるもの、ならないもの

医療費控除の対象になるものとならないものを次の表にまとめました。

対象になるもの  ・病院の診療費・歯医者での治療費

・矯正・インプラント費

・レーシック施術費

・医師の指示により治療目的で使用するメガネ購入費(白内障や緑内障など)

・薬局やドラッグストアで買える、処方箋のいらない市販薬購入費(風邪薬など)

・介護老人施設費用や居宅サービスの自己負担額

・妊婦の定期検診や検査

・妊婦の緊急時のタクシー代

・怪我や病気による公共交通機関を使った通院費

・通院のタクシー代(特別な事情がある場合のみ)

・人間ドックやがん検診費用(検診で重大な疾患見つかり、診断に引き続いて治療を行った場合のみ)

・療養上必要な理由がある場合の差額ベッド代や病院の付添費(医師に証明書を書いてもらうとなお良い)

対象にならないもの ・健康増進や予防のためのもの(ビタミン剤・サプリメントなど)

・インフルエンザの予防接種

・美容目的のもの(歯のホワイトニングなど)

・メガネ購入費(近視や乱視など)

・タクシー代(特別な事情がない場合)

・通院にかかったガソリン代や駐車場代

・人間ドックや健康診断費用

医療費控除の対象になるかならないかは、「医療目的かどうか」、「どうしても必要なものかどうか」がポイントです。「健康維持・増進、病気予防」目的のものは対象になりません。

交通費は「通院時にどうしても必要かどうか」ということと、「通院時に使用したということを公的に証明できるかどうか」がポイントです。

例えば妊婦が通院にタクシーを使った場合、通常の通院時は医療費控除の対象外ですが、緊急時(破水や急な出産など)は医療費控除の対象になります。

家族を持つ人にオススメ

具体的なモデルケースで考えてみましょう。

【モデルケース】

所得:500万円

家族:夫、妻、子ども(2才)

【計算上の限定条件】

・住民税のみで考える

・医療費控除のみを控除対象とする

1年間で通院費や治療・薬購入などにかかった金額を計算すると、家族3人の医療費の総額は14万円でした。医療費控除の対象は1年間にかかった医療費の世帯総額が10万円以上なので、この場合は医療費控除の対象です。そして、

1年間の医療費総額14万円 - 医療費控除対象額10万円 = 4万円

となり、4万円が医療費控除の対象額となります。ここで上記の限定条件を踏まえて、

(1)課税所得 = 所得 - 各種控除

(2)住民税 = 均等割(5,000円) + 所得割(課税所得 × 10%)

この計算式に当てはめて考えていきましょう。

1、医療費控除が適用されている場合

(1)課税所得 = 所得500万円 - 医療費控除4万円 = 496万円

(2)住民税 = 均等割5,000円 + 所得割(496万円 × 10%) = 50.1万円

となり、住民税は50万1千円となります。

2、医療費控除が適用されていない場合

(1)課税所得 = 所得500万円 - 医療費控除0万円 = 500万円

(2)住民税 = 均等割5,000円 + 所得割(500万円 × 10%) = 50.5万円

となり、住民税は50万5千円となります。

医療費控除が適用されている場合は、適用されない場合と比べて住民税が4千円安くなるのです。

合算できる医療費が増えやすい家族世帯特に家族の多い人にとって、医療費控除はオススメ控除といえます。

オススメ控除3:老人扶養控除

オススメ控除③:老人扶養控除
オススメ控除3:老人扶養控除

70歳以上の親や親族を扶養している人に適用されるのが老人扶養控除です。住民税だけではなく健康保険料や医療費控除など、メリットの多いところが特徴。70歳以上の親のいる人にオススメの節税方法です。

ここでは老人扶養控除が住民税の節税になる理由や詳しい適用条件を、具体的な例を使いながら解説します。

70歳以上の親や親族を扶養すると適用

扶養控除の中でも、70歳以上の親や親族などを扶養している場合は、老人扶養控除という別の控除を受けられます。老人扶養控除額は以下のとおりです。

1、納税者や配偶者の70歳以上の直系尊属(父母・祖父母など)で同居している場合

 ・所得税控除額58万円

 ・住民税控除額45万円

2、上記以外の扶養親族の場合

 ・所得税控除額48万円

 ・住民税控除額38万円

 ※扶養親族の条件によっては対象外の場合あり

一般的な扶養控除よりも高い控除額が設定されているのが老人扶養控除の特徴です。また後で詳しく述べますが、保険料の軽減措置を受けられるというのもメリットとなっています。

控除を受ける条件

以下のすべての条件を満たした場合のみ、老人扶養控除を受けられます。

(1)70歳以上の老人扶養親族であること

 ・12月31日現在の年齢が70歳以上であること 

 ・配偶者以外の6親等以内の血族、および3親等以内の姻族(婚姻によって親族になった人)

(2)親の年間所得が38万円以下であること

 ・収入が給与のみの場合、給与収入が103万円以下であること

 ・収入が公的年金のみの場合、年金収入が108万円以下(65歳未満)または158万円以下(65歳以上)であること

 ・遺族年金、障害年金は非課税所得のため収入に含まない

(3)子(納税者)と生計を一にしていること

 ・生活費や医療費・介護費用などの送金が常に行われていて、親の生計を維持している場合は、生計が一とみなされる

 ・通帳のコピーや現金書留・銀行振込の控えなど、送金の事実を証明できること(提出の必要はないがあったほうがいい)

(4)親が個人事業主として、白色や青色の確定申告を行っていないこと

住民税・社会保険など幅広いメリット

老人扶養控除には、以下のようなメリットがあります。

・住民税が減税される。

・所得税が減税される。

・子(納税者)と同じ健康保険に加入できるため、親の健康保険料負担をなくせる。

・子(納税者)と同じ健康保険を利用するため、世帯の医療費控除に加算できる。

・75歳以上の親の後期高齢者医療保険制度保険料を、子(納税者)が負担できることもある。その場合は、子(納税者)の社会保険料控除に加算できる。

住民税の節税対策だけではなく、健康保険料や社会保険料控除など、幅広く役立つのが老人扶養控除だといえるでしょう。

親が70歳以上の人にオススメ

具体的なモデルケースで考えてみましょう。

【モデルケース】

夫の所得:500万円

家族構成:夫、妻、子、夫の両親(ともに70歳以上)

【計算上の限定条件】

・住民税のみを対象とする

・老人扶養控除(親と同居:45万円/親と別居:38万円)のみを控除対象とする

上記の限定条件を踏まえて、

(1)課税所得 = 所得 - 各種控除

(2)住民税 = 均等割(5,000円) + 所得割(課税所得 × 10%)

この計算式に当てはめて考えます。

1、両親を扶養(同居)している場合

(1)課税所得 = 所得500万円 -(老人扶養控除45万円 × 2人分)= 410万円

(2)住民税 = 均等割5,000円 + 所得割(410万円 × 10%)= 41.5万円

となり、住民税は41万5千円となります。

2、両親を扶養(別居)している場合

(1)課税所得 = 所得500万円 -(老人扶養控除38万円 × 2人分)= 424万円

(2)住民税 = 均等割5,000円 + 所得割(424万円 × 10%) = 42.9万円

となり、住民税は42万9千円となります。

3、両親を扶養していない、または70歳に達していない場合

(1)課税所得 = 所得500万円 - 各種控除0万円 = 500万円

(2)住民税 = 均等割5,000円 + 所得割(500万円 × 10%) = 50.5万円

となり、住民税は50万5千円となります。

70歳以上の両親を扶養(同居)している場合は、していない場合と比べて、住民税が9万円安くなります。また扶養(別居)もしくは両親が70歳に達していない場合と比べても、住民税は7万6千円安くなります。

老人扶養控除は同居・別居に関わらず、70歳以上の親を扶養している人にオススメの節税方法です。

オススメ控除4:勤労学生控除

オススメ控除④:勤労学生控除
オススメ控除4:勤労学生控除

働いている学生をもつ親に適用されるのが勤労学生控除です。高校生や大学生の子どもの給与収入全額が控除対象になるのが特徴。アルバイトをたくさんしている学生がいる家族にオススメの節税方法です。

ここでは勤労学生控除が住民税の節税になる理由や親の扶養から外れてしまうケースについて、具体的な例を使いながら解説します。

働く学生に適用

学生が働いて給与所得などがある場合は、学生自身が勤労学生控除を受けられます。控除額は所得税が27万円、住民税が26万円です。

勤労学生控除を受けている場合に住民税を払わなくていい収入額は、次のようになります。

給与所得控除65万円 +住民税所得割非課税限度額35万円 + 勤労学生控除26万円 = 126万円

住民税の基礎控除は33万円ですが、非課税限度額35万円という基準が別に設定されています。そのためここでは後者の35万円の方を当てはめています。

つまり、アルバイトなどをしている学生が勤労学生控除を受けている場合、収入が126万円以下であれば住民税を払わなくていいということになります。

控除を受ける条件

以下のすべての条件を満たした場合のみ、勤労学生控除を受けられます。

(1)学生本人の勤労による所得があること(給与所得など)

(2)給与所得金額が65万円(給与収入金額の場合は、給与所得控除分65万円を足して130万円)以下で、かつ「学生本人の勤労による所得」以外の所得(株取引やアフィリエイトなどによる報酬)が10万円以下であること

(3)学校教育法に規定されている小・中・高校、大学、高等専門学校や専修学校など、特定の学校の学生・生徒であること

103万を超えると親の扶養から外れることに注意

年間収入126万円までは住民税がかからない勤労学生控除ですが、1つ気を付けなくてはいけないことがあります。それは親の扶養控除です。

扶養控除には「年間の給与収入が103万円以下」という条件があります。つまり126万円まで働いてしまうと、学生は親の扶養から外れてしまい、親は学生の扶養控除分の税金を払うことになります。

結果的に家族全体でみると税金が増えしまい、節税どころか負担増になってしまいます。学生の年間収入は103万円未満に抑えるのがオススメです。

バイトをたくさんする学生がいる人にオススメ

具体的なモデルケースで考えてみましょう。

【モデルケース】

親の所得:500万円

家族構成:夫、妻、子(20歳大学生)

【計算上の限定条件】

・住民税のみを対象とする

学生側は勤労学生控除を適用している状態とする

・親側の特定扶養控除(45万円)を控除対象とする

※特定扶養控除は19歳~22歳の扶養家族に適用されるものです。16歳~18歳の扶養家族には扶養控除(33万円)が適用されます。

上記の限定条件を踏まえて、

(1)課税所得 = 所得 - 各種控除

(2)住民税 = 均等割(5,000円) + 所得割(課税所得 × 10%)

この計算式に当てはめて考えます。

1、学生の年収が103万円以下、親側の扶養控除が適用されている場合

●親側の住民税

(1)課税所得 = 所得500万円 - 特定扶養控除45万円 = 455万円

(2)住民税 = 均等割5,000円 + 所得割(455万円 × 10%) = 46万円

●学生側の住民税

・勤労学生控除を受けている

・収入が126万円以下

なので、住民税は0円

となり、親側の住民税は46万円、学生側の住民税は0円となります。

2、学生の年収が103万を超えて126万円以下、親側の扶養控除が適用されない場合

●親側の住民税

(1)課税所得 = 所得500万円 - 特定扶養控除不適用(0円) = 500万円

(2)住民税 = 均等割5,000円 + 所得割(500万円 × 10%) = 50.5万円

●学生側の住民税

・勤労学生控除を受けている

・収入が126万円以下

なので、住民税は0円

となり、親側の住民税は50.5万円、学生側の住民税は0円となります。

3、学生の年収が126万円を超えている、親側の扶養控除が適用されない場合

●親側の住民税

(1)課税所得 = 所得500万円 - 特定扶養控除不適用(0円) = 500万円

(2)住民税 = 均等割5,000円 + 所得割(500万円 × 10%) = 50.5万円

●学生側の住民税

収入が126万円を超えている

ので、住民税がかかります。

となり、住民税は50万5千円となります。

学生の収入が扶養控除適用内の103万円以下の場合は、103万円を超えて126万円以下で扶養控除から外れた場合より

親側の住民税が4万5千円安くなる

・学生側の住民税はどちらも0円のまま

であることがわかります。

さらに、学生の年収が126万円を超えて扶養控除も適用されない場合は、学生の収入が扶養控除適用内の103万円以下よりも

親側の住民税が4万5千円高くなる

・学生側の住民税がかかる

ということになります。

学生の収入は103万円以下のぎりぎりに抑え、扶養控除で親の税金を安く、勤労学生控除で学生の税金をなしにするというのがオススメです。

控除を利用して住民税を節税しよう

控除を利用して住民税を節税しよう
控除を利用して住民税を節税しよう

実際に住民税の節税を検討するにはどうしたらいいでしょうか?現在の住民税額と利用している控除を知り、その上でさらに利用できそうな控除がないか探してみましょう。

サラリーマンの住民税節税対策にオススメの個人型確定拠出年金(iDeCo)や医療費控除、老人扶養控除、勤労学生控除を中心に検討してみてください。

住民税額と利用している控除を確認しよう

住民税節税の第一歩は、現在の状況を知ることです。現在の住民税額と受けている控除を確認することからはじめましょう。

住民税額は上で述べたように、住民税の納税額決定通知書に記載されています。1年間で支払っている住民税の総額を確認しましょう。都道府県民税と市区町村市民税、割賦割と所得割、それぞれの細かな内訳も把握できます。

現在受けている控除と控除額も、大切な確認ポイントです。こちらも上で出てきた【図3】を参考に、住民税の納税額決定通知書で確認してみてください。

利用できそうな控除を探そう

今回はサラリーマンに検討してほしい、次の4つの控除を紹介しました。

・個人型確定拠出年金(iDeCo)

・医療費控除

・老人扶養控除

・勤労学生控除

もし現在これらの控除を受けていないなら、

・老後資金に不安がある、毎月銀行にお金を預けているという人はiDeCoを

・家族全員の1年間の医療費総額が10万円以上になりそうな人は医療費控除を

・70歳以上の親と同居または生計を支えるだけの金銭的支援をしている人は老人扶養控除を

・アルバイトをしている高校生や大学生の子どもがいる人は勤労学生控除を

検討してみてください。

困ったら税理士に相談しよう

自分で調べて「この控除を受けられるはずだ」と思っても、実際には条件を満たしていないということがあります。また本当は使える控除があるのに、わからない・気付かないから受けられないということも。

そんなときに頼りになるのは、税に関する専門家、税理士です。

・使える控除は他にないか

・受けたい控除があるが、本当に受けられるか

・節税する方法はないか

といった税に関わる悩みを解決してくれます。住民税を上手に節税するための一つの選択肢として、検討してみてはいかがでしょうか。

監修税理士コメント

大原政人税理士事務所 - 神奈川県川崎市川崎区

2018年が副業元年と言われていますが、実際に副業を認める企業も増えていますし、副業をする事で自分では経費に出来ないと思っているような事も、事業との関連性から経費として認められるものもあります。サラリーマンは節税に限界があることは確かですが、上記の様な制度を上手に利用すれば節税する事が可能になります。
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