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【税理士監修】車を購入すると節税に?方法やポイントを解説!

最終更新日: 2019年12月12日

事業が軌道に乗って安定してくると、次に気になるのは税金です。節税方法は色々ありますが、実用性の高いものがオススメです。今回は事業をしていると必要になる「車」を使った節税方法についてご紹介します。

この記事を監修した税理士

大原政人税理士事務所 - 神奈川県川崎市川崎区

 
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“車で節税”のカラクリ

車の節税について考える女性
車でどうやって節税するの?

事業拡大のために、車を購入する必要が出てくる場合があります。実用性の高い車が節税になるなら、間違いなく一石二鳥です。車の節税方法について知る前に、どうして車を購入することが節税になるのかを解説します。

車を業務で使い、諸経費を費用計上する

当たり前のことですが、車を購入すると諸経費がかかります。自動車本体にかかる費用はもちろん、ガソリン代や駐車場代、車検代などの維持費、税金などがあります。もしこれらの車にかかる費用が経費として計上されれば、経費が増え所得が減るので節税になるということです。

節税のポイントは、所得が減るだけではありません。所得が減れば税金が減りますが、場合によっては税率が減少します。

例えば、本来の所得は700万円だった個人事業主が400万円の自動車を買ったとしましょう。所得税には所得が増えれば税率が高くなり、逆に減れば税率が低くなるという累進課税制度が適用されています。節税前は税率が23%でも、節税をすると税率が10%になるのです。控除額を考慮して所得税を計算してみると、

節税前:700×0.23‐63.6=97.4

節税後:300×0.1-9.75=20.25

となり、納税額の差はなんと約77万円にもなります。

参考:所得税の税率|国税庁

ただし車を経費とするにはポイントがあります。それは「車を業務で使用する必要がある」ことです。車を業務で使用していない場合、いくらガソリン代や駐車場代が発生しても、それは経費として認められないからです。車を購入する前にどのような業務で車を使用するかを明確にしましょう。

次は、車で節税する3つの方法(「社用車を購入して節税」「リースを利用して節税」「自家用車を社用車と兼用して節税」)についてそれぞれ解説していきます。

社用車を購入して節税

節税対策に購入した社用車
社用車を新しく購入しよう!

社用車を購入すると自賠責保険や登録費用、重量税などは購入時に一括で経費になりますが、車の購入費用は一括で経費にはなりません。車には新車と中古車がありますが、それぞれ経費として計上できる金額が違います。節税額を考えながら社用車を選びましょう。

「減価償却」がキーワード

一般的に、車や機械など数年間使用できるような高額な資産を購入した場合、その時点でそのすべてが経費になるというわけではありません。このような資産は法定耐用年数と呼ばれる決められた期間で費用計上され、これを減価償却といいます。主な償却方法は「定額法」と「定率法」の2つです。

定額法は耐用年数によって定額で減価償却費が計上されます。一方、定率法は購入した初年度に多額の減価償却費が計上されるという償却方法です。そのため、徐々に減価償却費として計上できる金額が少なくなります。

減価償却について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

関連記事:減価償却とは?基礎から計算まで詳しく解説!

社用車を節税目的で購入する場合、初年度に多額の減価償却費を計上できる定率法がおすすめです。ただし、個人事業主の場合は原則定額法で減価償却が計算される仕組みになっているので、車の減価償却費を定率法で計算するには確定申告の期限までに税務署に申告書を提出する必要があります

4年落ちの中古車が狙い目

「中古車を購入すると節税になる」と聞いたことはありませんか?それには新車と中古車の耐用年数が違うことが関係しています。普通車の耐用年数は6年なので、新車であれば6年かけて車の購入金額が費用計上されます。

具体的にみていきましょう。先ほど所得700万円の個人事業主が400万円の自動車を購入したという例を出しましたが、この車が仮に新車だとすると購入初年度の経費としては

定額法の場合:400×0.167(耐用年数6年の定額法償却率)=66.8(万円)

定率法の場合:400×0.417(耐用年数6年の定率法償却率)=166.8(万円)

しか認められません。経費が本来より少ないということは、その分節税できる額も少ないということになります

一方、中古車の耐用年数は「耐用年数ー経過年数+経過年数×20%」で計算されます。例えば、4年落ちの中古車を購入した場合の耐用年数は 6−4+4×20%=2.8(年) です。1年未満の端数は切り捨てされ、計算結果が2年未満の場合は耐用年数が2年になるので、4年落ちの中古車を購入した場合は耐用年数が2年に短縮されます。

耐用年数が2年で定率法の場合、償却率は100%になります(定額法では償却率は50%)。冒頭の例でいうところの約77万円の節税が実現可能になるのです。ただし、購入した時期によっては全額経費にならない場合もあるので注意が必要です。減価償却は業務として使用した月から計算されるため、例えば10月から使用した場合には3/12のみが減価償却費となり、結果として減税額が少なくなります。

また中古車を購入後に修理・改造した費用が新車時で購入した場合の価格の50%を超えた場合は、法定耐用年数も新車と同様に6年となり節税額も減少するので注意しましょう。

「維持費」と「価値の落ちにくさ」が重要

節税という観点では中古車を購入するのが良いですが、中古車の中でも維持費が安く、価値が落ちにくい車を選ぶことが大切です。維持費を費用計上することで節税が期待できるのは確かですが、そもそも費用である以上支出を最低限に抑えるべきなのは言うまでもありません。

また売却した際に価格が急激に落ちてしまうような車種の場合、結果として購入時に支払った金額と売却時に得た金額の差分が大きいため損失を被ることになります。節税という目的にとらわれすぎて全体としての資産が減ってしまうことは避けたいところです。

節税額と費用のバランスに注意

車が節税になるからと言って、あまりにも高額な車を購入することは危険です。節税のために購入した車が原因で事業資金が圧迫され、資金繰りが苦しくなっては本末転倒です。車を用いた節税を考える際は、所得や他の費用とのバランスに注意が必要です

一括で購入するかローンで購入するか

車の購入方法は一括で購入する方法とローンで購入する方法がありますが、基本的にローンで購入する必要がない場合は一括購入がオススメです。確かにローンで購入した場合の利息は経費になりますが、毎月のローン返済額は経費に計上できません。資産に余裕がある方は、一括購入を採用するほうが良いといえるでしょう。

リースを利用した節税

リースを利用しよう
リースを利用しよう

車を経費とする方法として、車の購入とは別にリースがあります。ここでは、車の節税にリースを利用する場合のメリットやデメリットについて確認しましょう。

リースによる節税

リースとは、契約者が選んだ新車をリース会社が購入したのちに、契約者が決まった額を月々支払いして利用するというものです。この月々の支払いに自動車税や自動車保険なども含まれているため、リース会社に月々支払った金額が費用計上されることになります。

リースによる節税のメリット

自分で車を購入・所有する場合とは異なり、リースでは支払った金額をそのまま経費に計上するだけなので計算が簡単です。また、上述のように月々の支払いに税金や保険も含まれているため、支払い手続きも非常に簡単です。さらに、契約内容によってはメンテナンスや事故の処理などをリース会社が行ってくれることもあります。

リースによる節税のデメリット

リース契約期間は会社によって様々(一般的には3~5年)ですが、原則として中途解約不可であることが多いです。リース契約を解約する場合は多額の違約金が発生する可能性があります

またリースは走行距離に制限があり、超過すると追加料金が発生します。そのため、頻繁に車を利用するような事業を展開する場合は、リースを利用しにくい可能性が高いです。

自家用車を社用車と兼用した節税

業務用と自家用の区分
自家用車を社用車と兼用しよう

新しく車を購入したりリースをしたりするほど資金に余裕がないけど節税をしたい場合には、自家用車を社用車と兼用しましょう。ここでは、自家用車を使ってどのように節税が出来るのかや、その注意点について説明します。

自家用車を社用車に転用すると節税になる

自家用車を社用車に転用する場合、新たに車の購入資金を準備する必要はもちろんなく、個人事業主であれば必要な手続きが少ないです。車で節税をしたいと考えていても「車の購入資金がない」「あまり車を業務で使用しない」場合には、自家用車を社用車に転用しても良いでしょう。

ただし自家用車を社用車に転用する際に注意点があります。車の帳簿価額は購入時のものではなく、取得金額から自家用として使用していた分の減価償却費相当額を差し引いた金額にしなければなりません。

また個人所有のものを法人所有にする場合であれば、名義を法人に変更することが望ましいとされています。なぜなら「車を業務で使用している」という認識を得やすくなるからです。同じ理由から売買契約書を個人と法人の間で作成しておくとより良いでしょう。

「家事按分」がキーワード

車を自家用と業務用で兼用するときに重要なのが「家事按分」です。家事按分とは、個人事業主がプライベートと業務用の両方で使用するものを業務用部分のみ経費にする考え方です。例えば車を全体の8割程度を業務で使用していれば、車にかかる金額のうち8割が経費として計上できます。

按分の仕方は申告者にお任せ?

按分の仕方には具体的な決まりがなく「業務として〇割使用している」といったように自己申告がほとんどです。按分には「走行距離」と「日数」を基準にする2つの方法があります。

例えば走行距離を基準に按分する場合、「全体の走行距離は100kmで、仕事で80km・プライベートで20㎞使ったので、8:2で按分した」となります。一般的に走行距離を基準にしたほうが信頼を得やすいです。一方で日数を基準に按分する場合、「1週間の内5日間、車を業務で使っているので5/7で按分した」となります。

按分の妥当性に注意

自家用車と社用車を兼用する場合、按分の妥当性に注意しましょう。業務として使用していない分は経費になりません。自己申告に近い形である以上、少しでも多く経費にしようと業務割合を高くしたくなりますが、それは経費にならないものを経費にしているのと同じです。按分に妥当性がなければ、最悪の場合脱税として認定されることがあります

車を使った節税シミュレーション

車を使った節税の3つのプラン
車を使った節税の3つの方法で最適なものを見つけよう!

車を利用した節税方法を3つご紹介してきました。最後に、各方法を利用した場合のシミュレーションについて図表を用いて説明していきます。

0.前提

前提を以下のように設定します。

車両費 300万円
年収(個人事業主) 700万円
消費税(10%)※ 300,000円
環境性能割(3%)※ 90,000円
自動車重量税(1.5t) 10,400円
自動車税(2000cc) 9,500円
リサイクル預託金※ 20,000円
預かり法定費用※ 2,500円
ガソリン代(140円/L、燃費15km/L) 168,000円
オイル・エレメント代 10,000円
1か月あたりの走行量 1500km
1か月あたりの走行量(うち事業用) 1000km
保険料(自賠責保険のみ) 40,000円
リース料 50,000円

(※:初年度のみ必要な経費)

その他にも2年に1回の車検費用や、5年に1回必要になるタイヤ代、任意保険、ローン金利などの費用がかかりますが、今回は初年度を前提にします。

1.社用車を購入した場合

経費額:約365万円

節税前の納税額:約97万円

節税後の納税額:約30万円

2.リースを利用した場合

経費額:60万円

節税前の納税額:約97万円

節税後の納税額:約85万円

3.自家用車を社用車と兼用した場合

経費額:約243万円

節税前の納税額:約97万円

節税後の納税額:約48万円

詳しいことは税理士に聞いてみよう!

車での節税は「購入」「リース」「自家用車を社用車と兼用」と主に3つの方法があります。購入するなら減価償却費の計算方法や耐用年数、リースならリース期間の長さ、自家用車を社用車と兼用するなら家事按分や車の帳簿価額など、それぞれの方法で気をつけるべきポイントがバラバラです。

具体的に経費に計上できる金額がわからなければ、選択しようとしている節税方法が最適な方法かどうか判断できません。また上のように、車による節税は納税額とともに利益も減ることになります。車を購入するかべきかどうかということも含めて、事前に税理士に相談してみるといいでしょう。

監修税理士のコメント

大原政人税理士事務所 - 神奈川県川崎市川崎区

以上、車の説明について解説しましたが、個人事業主の場合、定率法を採用する場合には税務署に届出書が必要です。忘れないようにしましょう。業務分とプライベート分の案分割合など迷う部分もあると思いますが、何らかの基準で妥当性がある根拠を示せれば税務署は認めます。 また、車の購入形態は節税も大切ですが、事業や会社の状況や資金繰りと相談し、総合的に判断していく事も必要です。
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この記事を監修した税理士

大原政人税理士事務所 - 神奈川県川崎市川崎区

大原政人(おおはらまさと) 1975年茨城県土浦市出身。法政大学経営学部経営学科卒業。 法人税申告約1500件、相続案件は約200件、確定申告案件は約1200件(開業から過去17年実績) セミナー、研修会講師 年間30回新聞、専門誌への原稿執筆多数、毎月無料の起業相談会を2回実施しています。
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