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【税理士監修】勤務医の節税は特定支出控除?それとも会社設立?

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最終更新日: 2019年08月22日

厚生労働省の調査によると、勤務医の平均年収は1,200万円超。50代以上ですと平均年収は1,700万円を超えます。とはいえ、給与が高いということは、税金も高いということ。一概に喜んでもいられません。給与として支払われている以上、節税の余地はないのでしょうか。実は、医師だからこそできる節税方法もあるんです!この記事では、特定支出控除やプライベートカンパニー設立など、勤務医の方ができる節税方法を解説します!

この記事を監修した税理士

大原政人税理士事務所 - 神奈川県川崎市川崎区

大原政人(おおはらまさと) 1975年茨城県土浦市出身。法政大学経営学部経営学科卒業。 法人税申告約1500件、相続案件は約200件、確定申告案件は約1200件(開業から過去17年実績) セミナー、研修会講師 年間30回新聞、専門誌への原稿執筆多数、毎月無料の起業相談会を2回実施しています。
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節税の基本である所得税の仕組みを理解しよう

効果的な節税は所得税の仕組みを知ることから始めよう
効果的な節税は所得税の仕組みを知ることから始めよう

節税を考える前に、まず、税金の仕組みを理解しておきましょう。勤務医の給与から天引きされている税金の多くは所得税。所得税がどんな計算で算出されているのか、基本を知っておくと、節税のポイントも見えてきます。

所得税の計算方法を知ろう

所得税とは、毎年1月1日から12月31日までに得た所得について課税されるものです。勤務医の場合、勤務先が本人に代わって納付しています。アルバイトなどの収入もあわせ、所得が2,000万円を超えない勤務医は、12月の年末調整で配偶者控除等の控除額を計算し、最終的な所得税の精算を行います。

所得税の計算方法は
所得(総収入金額-必要経費)×所得税率
です。

所得税率は所得金額に応じて決められています。1,500万円の課税所得がある医師の場合、所得税率は33%です。

・課税所得1,500万円の所得税額計算の例
1,500万円×0.33=495万円

差し引ける12種類の控除

開業医の場合、さまざまな経費を計上することで、所得を減らし、所得税を減らすことが可能ですが、勤務医の場合は、高額な医学書や学会への参加経費など、経費計上できないものも少なくありません。

勤務医の節税で有効なのは控除を増やす方法。日本の税制は申告制なので、使える控除も申告しなければ活用できません。

勤務医が活用できる控除は主に12種類あります。

・基礎控除
所得がある人すべてに適用される控除。最低限の生活維持にかかる費用には課税しない、という考え方に基づく基礎控除と、給与所得者の経費分としての給与所得控除がある

・医療費控除
通院、入院、薬代など、医療費を支払ったときに受けられる控除。一定基準を満たした配偶者や親族のための医療費も控除対象

・配偶者控除・配偶者特別控除
生計を一とする配偶者で、年間の所得金額が38万円以下もしくは給与年収が103万円以下の場合は配偶者控除を適用。38万円以上の所得がある場合は、配偶者特別控除が適用される

・扶養控除
生計を一とし、年間所得が38万円以下で、16歳以上の子どもや高齢者を扶養している人が対象

・社会保険料控除
健康保険や国民年金、国民年金基金など実際に支払った金額の合計。一定基準を満たした配偶者や親族の分も対象

・生命保険料控除
生命保険料や個人年金保険、介護医療保険料の支払額が対象

・地震保険料控除
地震による損害を対象に含む損害保険料が対象となる控除

・寡婦(夫)控除
配偶者と死別、または離婚した人が対象となる控除。扶養家族がいる、年間合計所得が500万円以下などの条件がある

・障害者控除
本人または一定基準を満たした配偶者、扶養家族に障害があり、障害者手帳が交付されている場合に適用される控除。障害の程度などで控除額が規定される

・雑損控除
災害や盗難などの被害を受けた場合、被害額に応じて受けられる控除

・小規模企業共済等掛金控除
独立行政法人中小企業基盤整備機構との共済契約、企業型確定拠出年金と個人型確定拠出年金(iDeCo)、心身障害者扶養共済制度の3種類の掛金について、控除される

・寄附金控除
国や自治体、公益法人などに支払った寄付を対象とする控除。ふるさと納税なども対象になる

控除を受ける場合は、勤務先が行う年末調整とは別に、3月に行われる確定申告で、控除額を申告する必要があります。

高収入医師の敵 累進課税制度とは

高収入である医師の所得税が高額なのは、日本の累進課税制度が原因です。累進課税とは、課税対象金額が増えるほど、税率があがる、というもの。日本の累進課税は超過累進税率を採用しており、課税標準が一定額以上となったとき、超過金額にのみ、より高い税率が適用されます。

累進課税に則れば、課税所得が195万円以下の場合の税率は5%ですが、これが900万円を超えると33%になります。

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え
330万円以下
10%97,500円
330万円を超え
695万円以下
20%427,500円
695万円を超え
900万円以下
23%636,000円
900万円を超え
1,800万円以下
33%1,536,000円
1,800万円を超え
4,000万円以下
40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

累進課税では1万円でも所得金額を超えると、税率が大きくあがります。高収入な医師の節税では、課税所得を抑えることが大きなポイントです。勤務医であっても、控除が受けられる確定申告をして、課税所得を抑えましょう。

所得税の具体的なシミュレーション例

では、具体的に、年収によってどのくらい所得税が変わるのでしょうか。以下の2人の場合で計算してみましょう。
(一律で控除される基礎控除と給与所得控除のみ適用の場合)

<年収500万円と1,500万円の場合のシミュレーション>

  • 勤務医Aさん
    ・年収500万円
    ・基礎控除 38万円
    ・給与所得控除 500万円×20%+54万円=154万円
    ・課税所得 500万円-38万円-154万円=308万円
    ・所得税率 10%
    ・所得税額 308万円×0.1-97,500円=210,500円
  • 勤務医Bさん
    ・年収1,500万円
    ・基礎控除 38万円
    ・給与所得控除 220万円
    ・課税所得 1,500万円-38万円-220万円=1,242万円
    ・所得税率 33%
    ・所得税額 1,242万円×0.33-1,536,000円=2,562,600円

年収が500万円と1,500万円の場合、所得税額の差は200万円位上になります。年収が高いほど、負担が大きくなる所得税。高収入の医師、中でも勤務医が節税を考えるべき理由はここにあります。

意外と知られていない特定支出控除とは

特定支出控除は確定申告をしないと受けられません
特定支出控除は確定申告をしないと受けられません

高収入の勤務医の節税には、どんな方法があるのでしょうか。意外と知られていないのが、特定支出控除という制度。給与所得者が活用できる所得控除です。この制度を利用すれば、課税所得を減額でき、納税額が抑えられます。では、どんな支出が特定支出控除の対象になるのでしょうか。

勤務医や専門職の方のための特定支出控除

「所得税の具体的なシミュレーション例」で見たように、給与所得者には「給与所得控除」という控除制度があります。給与所得控除とは、給与所得者が仕事をする上で必要になる経費を考慮した制度のことです。

個人事業主は自宅を仕事場にしている場合は家賃の一部を経費にできるなど、経費の幅が広いのですが、給与所得者はそれが認められていません。課税対象となる所得額が個人事業主よりかなり多くなってしまい、不公平が生じます。

そこで設定されたのが給与所得控除という制度です。収入額に応じて設定された控除率で算出されます。

けれど、勤務医など専門職の方は、高額な専門書の購入など、給与所得控除額をオーバーする経費が発生することも少なくありません。そこで、その経費をカバーするためにあるのが特定支出控除制度です。

特定支出控除が適用されるのは、
その年中の給与所得控除額×1/2を超える額です。

「所得税の具体的なシミュレーション例」であげた、年収500万円の勤務医Aさんと年収1,500万円のBさんで計算してみましょう。

  • 年収500万円の勤務医Aさんに100万円の特定支出があった場合
    ・給与所得控除 500万円×20%+54万円=154万円
    ・特定支出控除適用額 154万円×1/2=77万円を超える額
    ・特定支出控除 100万円-77万円=23万円
    ・課税所得 500万円-38万円-154万円-23万円=285万円
    ・所得税額 285万円×10%-97,500円=187,500円
    ※23,000円の節税
  • 年収1,500万円の勤務医Bさんに150万円の特定支出があった場合
    ・給与所得控除 220万円
    ・特定支出控除適用額 220万円×1/2=110万円を超える額
    ・特定支出控除 150万円-110万円=40万円
    ・課税所得 1,500万円-38万円-220万円-40万円=1,202万円
    ・所得税額 1,202万円×0.33-1,536,000円=2,430,600円
    ※132,000円の節税

特定支出控除は何が対象?

では、特定支出控除の対象となるのは、どのような支出なのでしょうか。

・通勤費
アルバイトで他の病院に勤務している人のガソリン代や高速料金なども通勤費になる

・転居費
転居に伴い引越し費用や交通費など

・研修費
研修会のほか、学会や講演会の参加費や交通費など

・資格取得費
認定医や専門医の資格を取得する費用や更新料も対象

・帰宅旅費
転勤で単身赴任した場合、自宅へ帰省するときの交通費など

・勤務必要経費
以下3項目の合計が65万円までが対象
1)図書費
医学書、定期刊行物、新聞や雑誌などの購入費。電子書籍や有料メールマガジンも対象
2)衣料費
白衣や術衣などを自分で購入した場合の費用
3)交際費
医局の親睦会や医師との交際・接待費など

これらの支出については、いずれも、勤務先の病院が必要経費であることを証明しなければ認められません。

特定支出控除を受ける場合は確定申告が必要です。特定支出に関する証明書を勤務先から発行してもらい、領収書などの明細や源泉徴収票を添えて確定申告をしましょう。

勤務医ならプライベートカンパニーを持つべき理由

個人の業務や資産管理をする会社がプライベートカンパニーです
個人の業務や資産を管理をする会社がプライベートカンパニーです

勤務医がプライベートカンパニーを設立する例が増えていると聞いたことはないでしょうか。大幅に節税できる方法として有効なプライベートカンパニー設立について、とのメリットとデメリットを解説します。

プライベートカンパニーのメリット

勤務医がプライベートカンパニーを設立するメリットは、勤務先からの給与以外の収入を会社の収入とすることで、大きく節税できるという点です。

会社の収入にすると、その収入にかかる税金は会社が支払うことになります。個人にかかる税金より法人税の税率は低いため、負担が軽くなります。

また、パソコンや車の購入など、会社として受けた仕事に関連する費用は経費として計上できます。家族をプライベートカンパニーの社員として雇用し、所得を分散することも可能です。

医師の節税方法として会社設立は、とても有効なのです。

プライベートカンパニーのデメリット

一方で、勤務医がプライベートカンパニーを設立する際にはデメリットも考えておかなくてはいけません。

まずはコストがかかるということ。会社として登記する際の費用は設立する会社の種類によって10~30万円程度かかります。また、事務所の経費や光熱費などのランニングコストも発生します。

法人税の計算など決算書類の作成等は、専門家である税理士に依頼することが多いので、顧問料も発生します。

また、法人がたとえ赤字になっても、最低年間70,000円程度の法人税がかかることにも注意が必要です。

医師の節税に有効な会社設立にはコストが必要ということを、十分に考慮しておきましょう。

プライベートカンパニーを持つと何が経費になる?

医師が節税対策として会社設立した場合、具体的にどんな支出が経費になるのでしょうか。簡単に言えば、プライベートカンパニーでの業務に関係する支出と認められるものは、すべて経費になります。


・パソコン購入代金 20万円
・車両購入費 200万円
・医学書の購入費 50万円
・接待交際費 10万円
・不動産の購入費(社宅として) 1,000万円
など

勤務医個人であれば経費にできない車両購入費や不動産の購入費、また、特定支出控除の範囲内の図書費なども、プライベートカンパニーの必要経費にすれば、すべて経費になります。

その他の医師が簡単にできる節税テクニック3選

不動産投資などは、効果的な節税方法です
不動産投資は、効果的な節税方法です

特定支出控除やプライベートカンパニーの設立のほかにも、医師が活用できる節税テクニックがあります。簡単にできるものから、不動産取得まで主なものを取り上げました。

ふるさと納税で特産品を貰おう

医師が節税テクニックとして簡単にできるのが「ふるさと納税」です。納税と名前がついていますが、ふるさと納税は「寄付」の一種。控除限度内であれば、納税額が高いほど、翌年の控除額が高くなる、という特徴があります。

所得に応じて限度額は異なりますが、自己負担金2,000円を除く寄付額は、すべて税金控除額となります。

さらに、額に応じた返礼品が手に入るというメリットもあります。節税しながら、地方自治体の応援ができ、さらに返礼品などを楽しめるのは、ふるさと納税ならではの特典です。

やらないと損 確定拠出年金(iDeCo)

iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金のこと。老後の資金を自分で作る制度です。60歳までの期間、毎月一定金額の掛金を出し、投資信託や保険などの金融商品を選んで運用し、60歳以降に運用資産を受け取ります。

iDeCoのメリットは、掛金の全額が「所得控除」されることです。また、運用中の利益に税金がかからない、という特徴もあります。運用資金を受け取る際にも控除があり、税金の優遇が受けられます。

所得税率が高い、高所得の人ほど、節税効果が大きいので、医師にとって有利な制度です。

減価償却を利用した不動産投資

医師が節税対策として不動産投資をする方法も有効です。不動産投資をすると、支出の一部が経費になったり、不動産所得の赤字分を給与所得から差し引くことで、課税所得を減らすことができ、節税ができるのです。

マンションやアパートを購入する際には、銀行からの融資を受ける場合も多いでしょう。社会的信頼度が高く、収入が高い医師は、地元の銀行だけでなく、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行などのメガバンクの融資審査も通りやすくなります。

メガバンクからの融資の特徴は、他の銀行より金融機関としての格が高いということに加え、低金利でローンが組めるという点もあります。地方銀行や信用金庫の金利が2~4%なのに対し、メガバンクの融資は金利が1%からスタートするところも。医師ならではのメリットを活かして不動産投資を行えるのです。

不動産投資の特徴は、減価償却費が経費計上できるということ。不動産投資にかかる経費の多くを占める経費が減価償却費で、建物の金額や構造によって変わります。購入時に、減価償却費を十分に考慮しなければ、不動産投資の節税効果は十分に得られないので注意が必要です。

その他、不動産の管理委託手数料や、修繕費など、経費計上できる項目は多数。家賃収入があったとしても、経費合計から差し引くと、実際現金の動きはなくても、会計上赤字になることも少なくありません。赤字分を給与所得から差し引けば、その分節税になります。

ただし、減価償却には上限年数があり、長期的に活用できる方法ではないことにも注意しておきましょう。

まとめ

節税方法は、歯科医などの専門職の方でも活用できます!
節税方法は、歯科医などの専門職の方でも活用できます!

歯科医などにも適用可

勤務医が活用できる節税方法には、特定支出控除やふるさと納税、確定拠出年金など、手軽にできるものから、不動産投資、プライベートカンパニーの設立など、大掛かりなものまで、さまざまな方法があります。

その節税効果は、手法によって、大小さまざま。自分がやれるところから活用してみるのがおすすめです。

また、これらは、勤務医だけでなく、開業医や歯科医などの専門職の方にも適用されるもの。勤務医の方が独立した後も、活用できます。

特定支出控除とプライベートカンパニーの設立は税理士に頼もう

さまざまな節税方法の中でも、特定支出控除とプライベートカンパニーの設立については、活用にテクニックや専門知識が必要です。

たとえば、特定支出控除の対象になる項目はどんなものなのか、その判断を誤れば、個人であっても、税務調査の対象になることもあります。

プライベートカンパニーの設立は、より判断が難しい方法。どんな事業を行うのか、どんな収入を会社収入にするのか、という内容次第では、会社設立自体が税金対策であるとみなされ、節税にならない場合もあります。

そんなとき、強い見方になってくれるのが、税金のプロである税理士です。これまでの事例や判例などを基に、適した手法を教えてくれます。相談料や顧問料は必要ですが、節税メリットを考えると、専門家の判断をあおぐのがおすすめ。会社の設立や確定申告手続きなどを任せられるという利点もあります。

監修税理士コメント

大原政人税理士事務所 - 神奈川県川崎市川崎区

勤務医の中でも内科医、外科医その他いろいろな種類があると思います。その種類にもよりますし、取引先となる業者にもよりますが、現在、プライベートカンパニーを持ち、給与収入を医師法や税務上合法的に法人の収入に移行し、節税する方法が以前より多くなってきていますし、実際にご依頼もあります。検討してみる価値はあると思います。
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