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個人事業主は車を経費で買える!減価償却とは?ローン、リースもOK?

最終更新日: 2019年12月26日

車は大きな買い物。個人事業主は仕事で使うことも多いでしょう。だからこそ、車の購入費を経費にできれば節税できると考える個人事業主も多いのでは?

個人事業主は車の購入代金を経費にできるのでしょうか。ローンやリースの場合はどうなのか、その他、車を所有した際に必要な経費の仕訳方法など、徹底解説します。

記事の監修税理士

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区

 
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個人事業主の車の経費処理の方法

車は減価償却する資産。数年に渡って経費計上します
車は減価償却する資産。数年に渡って経費計上します

結論からいえば、個人事業主であっても車の取得費用は経費にできます。では、どのように経費計上するのでしょうか。個人事業主が中古車を取得した場合の経費処理の方法も説明します。

車は固定資産で耐用年数により減価償却させる

個人事業主であっても法人であっても、車の取得費用を全額、一度に経費計上することはできません。車は「長期に渡って利用できる高額のもの」。そのため、数年に渡って、経費計上していきます。これを「減価償却」といいます。

減価償却できる年数は、「法定耐用年数」として製品ごとに決まっており、自由に設定することはできません。例えば金属の事務机は15年、通常の業務に用いるパソコンは4年、カメラは5年などです。一般用の車は、排気量が0.66リットル以下の軽自動車は4年、その他の車は6年です。

車の購入費用を経費にする場合は、耐用年数によって決まっている「償却率(1年に減価償却できる割合)」を使って計算していきます。

定額法と定率法

法定耐用年数を利用した減価償却の方法には、「定額法」と「定率法」の2種類があります。それぞれの方法では償却率が異なります。

定額法:毎年同じ金額を計上して減価償却する

計算方法:取得価額×定額法の償却率

例)100万円の軽自動車の減価償却費(償却率0.25)
→毎年25万円

定率法:残額から一定の割合で減価償却する

計算方法:未償却残高×定率法の償却率

例)100万円の軽自動車(償却率0.625)
→1年目62.5万円、2年目23.4万円、3年目8.8万円、4年目5.3万円

定率法は取得費用を早く計上できるので、法人で採用されていることが多い方法です。ただし、個人事業主が定率法で計上する場合は、事前に税務署への届け出が必要。通常、個人事業主は、計算が簡単な定額法で計上しています。

また、減価償却計算は年単位ではありません。1月1日購入した場合は、1年車を使用したことになりますが、12月1日に購入した場合では、1カ月しか使っていないので、償却できるのは1カ月分になります。

【1年の途中で車を取得した場合の定額法での計算式】

取得価額×定額法の償却率÷12カ月×使った月数

固定資産の減価償却について、さらに詳しくは以下の記事をご参照ください。

関連記事:固定資産税の減価償却とは?特例と申告に必要な計算方法

新車と中古車の減価償却

減価償却時の耐用年数は新車の場合で設定されています。では、中古車を購入した場合は、どのように考えるのでしょうか。

中古車は、購入後どのくらい経過しているかで耐用年数を計算します。法定耐用年数を過ぎている場合と、過ぎていない場合で計算方法は異なります。

【法定耐用年数を過ぎている場合】

法定耐用年数×0.2=中古車の耐用年数(最低2年)

【法定耐用年数を過ぎていない場合】

法定耐用年数-(経過年数×0.8)=中古車の耐用年数(最低2年)

経過年数が年単位ではなく、3年6カ月など年途中の場合は、月数で計算し、最後に12で割り、端数は切り捨てます。

4年落ち中古車を購入した時の減価償却シミュレーション

では、具体的に個人事業主が4年落ちの中古車を購入した場合、取得した年にどのくらいの金額を減価償却できるかシミュレーションしてみましょう。

<シミュレーション例(定額法)>
4年落ちの普通車を1月1日に100万円で購入した場合

1. 法定耐用年数
6年-(4年×0.8)=2.8年 → 2年
※1年未満の端数は切り捨てなので、耐用年数は2年

2. 減価償却資産の償却率表から償却率を確認
耐用年数3年の場合:償却率0.334

3. 1年分の償却率を計算
100万円×0.334=334,000円
※最後の年は、備忘価額として1円を残し、残額を減価償却する。

関連記事:【税理士監修】中古車の減価償却を耐用年数で2年,4年,10年落ちでを計算してみた!

車をローンで購入したときの経理処理

個人事業主はローン代金と手数料を別に計上するのが節税につながります
個人事業主はローン代金と手数料を別に計上するのが節税につながります

個人事業主が車を購入する際はローンやリースを利用することもあります。この場合、購入費用を経費にする際、仕訳はどうなるのでしょうか。頭金や手数料などの手数料の経費処理についても確認しておきましょう。

車のローン代金と手数料の仕訳方法

車をローンで購入した場合でも、車両を取得した際に車両費として計上し、減価償却していきます。毎月支払うローンの返済分は、銀行等からお金を借りて返済することと同じ扱いになるので、経費にはなりません。借入金(金融機関からのローンの場合)や未払い金(自動車メーカーのローンの場合)として計上します。

ただし、返済額のうち利子相当額は経費計上が可能です。そのため、ローンで車を購入した際は、返済額のうちローン本体部分は借入金・未払金で、利子相当分は支払利息で計上します。

リースの場合の仕訳方法

車のメンテンナンスや車検などをリース会社に任せられるカーリースは、メリットの多い車の取得方法です。個人事業主が経費として車を取得する場合、リース代金等はどのように仕訳するのでしょうか。

車の取得で多く利用されるリース方法では、車の所有はリース会社。そのため、車は自分の資産と考えません。そのため、毎月のリース料は、車の使用料として経費扱いになります。「リース料」として仕訳すればOKです。

頭金、他の必要経費の仕訳

車を購入する際は、車の代金のほかに、自動車税や自動車取得税、自賠責保険料などの諸経費も必要です。

税金や登録費用は車の代金と一緒に車両(資産)として仕訳することもできますが、節税対策として考えると、租税公課として別に仕訳するのがおすすめです。車両(資産)にすると減価償却されますが、別に計上すれば、一括してその年の経費にできます。自動車税等は租税公課に、自賠責保険は保険料に、登録代行手数料は支払手数料として計上するとよいでしょう。

購入時に頭金を支払った場合は、頭金は前払金として計上し、残額を未払金として計上します。

車を所有すると必要になる経費の仕訳

車に必要な経費の仕訳科目は一度決めたら変えないようにしましょう
車に必要な経費の仕訳科目は一度決めたら変えないようにしましょう

車をもつと、ガソリン代や保険代、修理費など、そのほかに必要なお金も発生します。これらの費用は経費にできますが、それぞれどんな科目として仕訳するとよいのでしょうか。

ガソリン代

ガソリン代は、どんな科目に仕訳するか決まってはいません。車の使用状況に応じ、「車両費」「旅費交通費」「消耗品費」などで仕訳します。ただし、車の使用が多く、ガソリン代が多い場合は「燃料費」や「ガソリン代」の勘定科目を作って仕訳すると、かかった費用が明確になります。

なお、一度どの項目で仕訳するかを決めたら、途中で科目を変えないようにしましょう。

保険料

自賠責保険は「保険料」として仕訳します。

税金

自動車取得税や自動車税など、車に関する税金は「租税公課」に仕訳します。

車検代

数年ごとにやってくる車検。車検の費用は、車の点検と自賠責保険料、重量税で構成されています。そのため、車の点検に関する費用は「修繕費」に、自賠責保険料は「保険料」に、重量税は「租税効果」にそれぞれ計上します。

修理代

車の修理代は「修繕費」として仕訳します。

駐車場代

月契約で駐車場を借りた場合の駐車場代は「地代家賃」に仕訳します。打ち合わせや出張先などで使った駐車場代は、「旅費交通費」や「車両費」として計上します。

洗車、備品

洗車代は「車両費」として仕訳するとよいでしょう。

車専用のシャンプーや消臭剤、携帯電話ホルダーなど、車で使う備品を購入した場合は「車両費」、または「消耗品費」として計上します。いずれに決めた場合も、途中で科目を変更しないように注意しましょう。

仕分けについては、決まりはありませんので、業種業態で項目は変わってきます。以下の記事でより詳しく仕分けについて確認しましょう。

関連記事:【税理士監修】自動車税は確定申告で経費として落とせるの?
関連記事:【個人事業主の確定申告】ガソリン代の勘定科目は経費のどの科目?
関連記事:【確定申告の経費】項目一覧表で勘定科目の仕分け簡単ガイド

個人事業主が車を購入するときの注意点

個人事業主は車の経費を家事按分して計上します
個人事業主は車の経費を家事按分して計上します

法人が車を購入する場合と異なり、個人事業主が車を購入する場合には、いくつか注意すべき点があります。経費計上する際に気をつけておかないと、確定申告の際に困ることにもなるので、確認しておきましょう。

経費と家事按分の方法

法人の場合、車は仕事だけに使うことが前提ですが、個人事業主の場合、購入した車はプライベートでも使うことが想定されます。トラックなど明らかに業務用の車ではない限り、車に関する費用の全額を経費にすることは、税務署に認められていません。

そんなときに利用するのが「家事按分」という考え方です。家事按分では、仕事でもプライベートでも使っている資産を、それぞれどのくらいの割合で使っているかを割り出し、必要経費をその割合で分けます。

例えば、平日は仕事で使い、休日はプライベートで使うという場合は、車に関する費用の7分の5が経費計上できます。家事按分をどのくらいにするのか、明確な決まりはありませんが、誰に説明しても、納得してもらえる基準であることが重要です。日数や時間、使用した距離数など、明確な基準を設けた上で、按分するようにしましょう。

節税になるとは限らない

収入が多かった場合、税金対策として車を購入する個人事業主の方も少なくありません。購入費用の計上方法によっては、節税できることもあります。しかし、税金から車代がそのまま差し引かれるわけではありません。

個人事業主が節税として車を購入しても、その年に減価償却等で計上された経費によって、納税する金額の一部が抑えられるというだけです。中古車を購入すると節税できる、という話もあります。確かに法定耐用年数が短くなるので、毎年の減価償却費が増え、節税できるように見えます。しかし、その分使える期間が短かったり、修理代などの費用がかかる場合もあります。

経費を増やして節税するために車を買うのではなく、仕事のために本当に必要なときに購入することが重要です。

青色申告と白色申告の違い

個人事業主の確定申告の方法は青色申告と白色申告の2つの方法があります。青色申告は事前申請することで、申告でき、控除額の優遇があるなどのメリットがあります。

一方で、青色申告で作成が義務付けられている決算書は少し複雑で手間がかかるというデメリットもあります。

青色申告のもう一つのメリットは30万円未満の備品購入代であれば、減価償却せず全額費用にできる「少額減価償却の特例」が使えることです。通常は減価償却する車の取得代金でも、30万円以下であれば、一括で経費計上できます。

白色申告では、この特例は使えないので、青色申告の方が税金を安くできます。

また、家事按分の方法も青色申告と白色申告で異なります。青色申告の場合、その割合がどのくらいであっても、仕事に必要であることが明確であれば、経費計上が認められます。一方、白色申告の場合は「業務・仕事の割合がおおむね50%超」になる場合のみが家事按分の対象になる、という条件があります。

関連記事:個人事業主が青色申告をするメリットとは? 白色申告との違いや届出、帳簿について解説

個人事業主の確定申告は税理士に依頼しよう

青色申告の書類作成は税理士に依頼すると安心です
青色申告の書類作成は税理士に依頼すると安心です

個人事業主の確定申告では、青色申告の方が節税メリットは大きく、おすすめの方法です。しかし、提出書類の作り方などは複雑で負担が大きいもの。簿記など経理の知識がない場合は時間も手間もかかります。そんなとき、強い味方になってくれるのが税理士です。

税理士に確定申告を依頼するメリット

税理士は税金のプロ。確定申告においては、帳簿作成から申告書の作成、提出までを一貫して依頼できる唯一の専門家です。

税理士に確定申告を依頼する大きなメリットは、時間をかけずに、間違いのない確定申告ができる、という点。また、確定申告書には税理士の署名欄もあります。ここに署名があれば、不明瞭な記載が少ない、間違いのない申告書とみなされる場合も多いようです。

さらに、節税効果の高い経費計上をアドバイスしてくれる、という利点もあります。車の購入費用も、取得時の登録手数料や取得税などを購入費用に含まなければ、一括してその年の経費に含むことができる、など、さまざまな節税の工夫があります。1つの経費をどの科目でどのように計上するのか、税理士であれば、節税効果を考えて帳簿つけをしてくれます。

税理士への依頼できる内容は、帳簿つけから依頼するのか、確定申告書作成だけを依頼するのかなど、費用によって異なります。税理士への依頼費用は全額経費として計上できますので、どこまで依頼するのか、費用対効果も考慮して、相談するのがおすすめです。

ミツモアで確定申告の税理士に見積りを依頼しよう!

個人事業主が経費で車を購入するには、節税対策も含め税理士に依頼するとメリットがあることはわかったと思いますが、税理士へ支払う報酬が気になるところではないでしょうか?

税理士の費用に大まかな相場はあるものの、実際はその業務の範囲などで、税理士ごとで報酬には違いがあります。だからといって、依頼した後に高かったなぁと公開したくないですよね。そんなときこそ、ミツモアで見積りを依頼しましょう。

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記事の監修税理士

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区

公認会計士・税理士・CFP🄬、 1987年 香川県生まれ 2008年 公認会計士試験合格 2010年 京都大学経済学部経営学科卒業 大学在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応等を経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。所得税・法人税だけでなく相続税申告もこなす。
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