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個人事業主が車を買ったら経費にできる?ガソリン代や保険代は?

最終更新日: 2019年02月22日

個人事業主の方が事業を営む上で、さまざまな場面で車を使用されると思います。

運搬や配送などの車そのものを使ったサービスはもちろん、営業回りや顧客訪問など、事業の態様によって多種多様な使用方法が考えられます。

そして、その車にかかった費用は経費にできるのです。どのような費用をどの程度経費として計上できるのか、くわしく解説します!

個人事業主は車に関する支出を経費にできる!

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車の費用は経費にできる!

、個人事業主が車を使用する場合、その車に関する支出を経費にすることが可能です。

しかしながら、個人事業の必要経費に算入できる金額は、その事業で収入を生み出すために必要な支出に限定されます。

このことから、個人事業で特に問題になりやすいのは、事業で使用する車を、私生活でも兼用しているケースです。もし私生活でも兼用している車であれば、その車に関する支出を全て経費にすることはできません。

プライベート用と事業用にいくら使ったかを按分する「家事按分」が必要になります。

経費と家事按分とは

個人名義で購入した車であっても、それが100%事業にしか使用しない車両であれば、全額経費にできます。

これは事業用に購入した製造用の機械や事務所の設備などと同じ考え方です。

しかしながら、車の場合、私的な利用を一切しないというケースは稀ではないでしょうか。

休みの日はその車を使用してレジャーに出かけたり、ご家族の送迎に利用したりすることは当然あることだと思います。

このように私的な使用が含まれる車に関しては「事業に関する支出」と「私的な支出」とに分けて、事業に関する支出のみを経費として計上しなければいけません。

この私的な費用のことを「家事費」といい、事業主が行った支出から家事費を分けることを、「家事按分」といいます。

例:固定資産税10万円の場合

たとえば、店舗兼用住宅の固定資産税で考えてみましょう。

固定資産税とは、土地と家屋の評価額に対する税金です。店舗兼用住宅の場合、その固定資産税は、一部は経費で、残りは家事費となります。

この場合、店舗部分とそれ以外の部分を、床面積で分けることができます。

仮に店舗と住居部分の床面積が1:1であれば、固定資産税の半分が経費になるということです。

ちなみに仕訳では、まず全額を経費として計上し、そこから家事費の金額だけを事業主勘定で除く形になります。

<支出時>

借方 貸方
租税公課 100,000 現金預金 100,000

<決算整理仕訳※>

借方 貸方
事業主貸 50,000 租税効果 50,000

※支出時に行っても構いません。

個人事業主は車の購入費用などを経費にできる

個人事業主の車に関する支出についても家事按分を適正に行えば、経費にすることができます。

経費にできる費用は、購入費用のほかに車を使用することで発生する維持・管理のための支出です。

購入費用については金額が大きいので、後述する「減価償却」によって、その取得価額を少しずつ経費とします。

維持・管理のための支出は、基本的にはその支出の都度、経費に計上することとなります。

いずれも家事按分を行うタイミングは、決算整理時でも、支出の時でも構いません。

しかしながら、「事業に関するものなら経費にできる」という考えだけをもって何でも事業に関連付けてしまうことはできません。

なぜなら、家事按分が認められる要件として、業務の遂行上、必要である金額部分を明らかにできることが前提だからです。

実務では、それぞれの支出の実態から、事業に必要な金額と家事費の金額を、どのように区分すれば税務上合理的といえるか判断することが重要になります。

車関係費用の経費項目は?

車 女性
車にかかる費用の勘定科目を解説!

車に関する支出として、経費になるものは次のとおりです。それぞれどのような勘定科目で処理していくのかを、項目ごとに整理していきましょう。

車検費用や洗車代は「車両費」

事業用車両の車検費用や洗車代は、必要経費に算入することができます。

勘定科目は「車両費」「車両経費」などを使います。

駐車場代は「地代家賃」

事業所の付近の月極駐車場などを借りて駐車する場合は、その駐車場代も「地代家賃」として必要経費に算入することができます。

ただし、出張先などでコインパーキング等を使用した場合は「旅費交通費」という勘定科目になるので、月極駐車場とは分けて経費を管理しましょう。

自動車保険は「保険料」

任意の自動車保険および強制の自賠責保険の保険料は、いずれも必要経費に算入することができます。

勘定科目は「保険料」を使用します。

自動車税などは「租税公課」

自動車税、自動車重量税なども、必要経費に算入することができます。

勘定科目は「租税公課」を使用します。

ガソリン代は状況に応じて

事業として使用したガソリン代も、必要経費に算入することが可能です。

勘定科目は「車両費」などを使用します。

しかしながら、事業での使用と私的な使用を兼ねた車のガソリン代は疑義が生じやすいため、合理的な家事按分の方法を見定めて、もしも税務署から質問された場合に備えた理論武装をしておく必要があります。

車の購入費用は「減価償却費」で経費計上

事業に使用する車の購入費も経費にすることができますし、車の名義は個人名義でOKです。

しかし、車の購入費のうち、「取得価額」にあたる金額は、購入した事業年度に全額経費とすることはできません。

理由は、車が一般的に「減価償却資産」に該当するからです。

減価償却資産に該当する資産は、事業に使用した期間に応じた価額を「減価償却費」として、少しずつ経費にしていきます。

「取得価額」は「車両運搬具」に

まず、車の購入費として支出した、車両本体や付属品など車の「取得価額」に該当する金額は、固定資産として計上しなければなりません。

「取得価額」とは車両本体や付属品のほか、その車を事業に使用するために直接要した費用も含まれると解釈されています。

計上する固定資産の勘定科目は、「車両運搬具」です。

手順としては、まず購入費用のうち、販売者から受け取った明細から取得価額にあたる金額を計算し、その金額を車両運搬具に計上することになります。

減価償却とは

「減価償却」とは、資産計上した車などの取得価額を、経年による劣化とともに、「減価償却費」として経費に計上していく会計処理のことです。

減価償却をしなければならない資産とは、

  • 使用可能期間が1年以上
  • 取得価額が10万円以上

に該当するものですから、一般的に車は減価償却資産に該当します。

また、減価償却で経費にできるのは、事業に使用した期間だけです。

もし年の途中から使用を開始したような場合は、12ヶ月のうち、使用した月数分に換算しなければなりません。

減価償却で車を経費にする方法は2つ

減価償却には、以下2通りの方法があります。

  • 定額法
  • 定率法

定額法は、その資産の法定の耐用年数に応じて、毎年同じ金額を経費にしていく(減価償却していく)方法になります。

これに対し定率法は、その資産の残存簿価(減価償却をしていない残りの取得価額)に対し、毎年同じ割合を減価償却していく方法になります。

トータルで経費となる金額は同じですが、定率法の場合は最初に経費にできる金額が多く、後に減少するという特徴があります。

個人事業の場合は、税務署に特に届出を提出していなければ、定額法で減価償却を行います。

定率法に変更するには、その年の3月15日までに変更承認申請書を提出する必要があります。

普通車の耐用年数は「6年」軽自動車は「4年」

耐用年数とは、減価償却資産の法律上の使用可能期間を見積もった年数のことです。

減価償却では、その取得価額を「少しずつ」経費にしていきますが、この「少しずつ」のペースを決めるのが耐用年数になります。

耐用年数は資産の用途や種別によって、あらかじめ決められています。

たとえば、普通車の耐用年数は6年ですが、軽自動車であれば4年です。

(運送事業などの車については別に耐用年数が定められています)

耐用年数が短いものほど「償却率」が高くなることから、経費にできるペースが早く、事業年度ごとに計上できる経費が多くなります。

トータルで経費にできる金額は同じですが、早く節税効果を得たい時は、取得価額が高く、耐用年数が短い資産を選ぶと有効です。

数字で確認した方が早いので、下記の条件で、経費の違いを見てみましょう。

減価償却の条件

  • 取得価額240万円
  • 償却方法:定額法
  • 12ヶ月間事業に使用している
  • 100%事業に使用している(家事按分なし)

減価償却費の計算

  • 普通車の場合(耐用年数6年:償却率0.167)
    240万円✕0.167✕12月/12月=40万800円
  • 軽自動車の場合(耐用年数4年:0.250)
    240万円✕0.250✕12月/12月=60万円

トータルでは、どちらの車両も240万円を経費にできます。しかし、耐用年数の短い軽自動車の方が、早く経費にできます。

中古車の耐用年数は最短「2年」

中古車の場合は、普通車・軽自動車のいずれも、この耐用年数が最短で2年となります。

中古の資産については、本来の耐用年数の残り年数に応じて、耐用年数を計算する方法(簡便法)があります。

この計算の結果、その残り年数が3年未満(※)となれば、全て2年で計算することとなります。

(※)1年未満は切り捨て、2年未満は2年とするというルールがあるためです。

このことから、普通車(6年)、軽自動車(4年)が、もし耐用年数を4年経過してしまった中古車である場合、いずれも2年で減価償却することとなります。

さきほど、240万円の普通車(6年)の減価償却費は40万800円でしたが、中古車(2年とした場合)の減価償却費は、同じ条件で計算すると120万円(計算式:240万円✕0.500✕12月/12月=120万円)です。

つまり中古車は、新車よりも経費にできるペースが早くなります。すぐに経費計上したいときには、中古車購入というのも有効な方法といえます。

ローンの場合は「支払利息」で計上

車の購入に関連する支出のうち、経費として見落としやすいものに、自動車ローンの利息があります。

ローンの元金は経費にはできませんが、利息については「支払利息」という勘定科目で経費にすることが可能です。

毎月の振替額のうち、いくらが利息に該当するかは、ローンの借入先(銀行など)が発行する償還予定表をみれば確認することができます。

車の購入で節税するなら税理士に相談を

顧問税理士
経費のことは税理士に相談を!

個人事業主が車の購入で節税を行う際のポイントは

  • 家事按分が適正か
  • 資産計上の経理が適正か

の2つです。

この2つは税理士に相談することで解決できます。

税理士は事業用の経費として認められる範囲を熟知

まず、個人事業主が車を経費にする際に最も注意すべきは、家事按分です。

「家事按分」が認められるには、業務の遂行上必要である金額を明らかにできることが絶対条件となります。

したがって、何を基準に事業費と家事費を区分して家事按分したかが、非常に重要です。

税理士であれば、経費として認められるための家事按分の方法を提案してくれます。

さらに税務調査が行われた場合は、個人事業主に代わって税務署職員に対して説明を行うことも可能です。

税理士は正確に経費計上をしてくれる

また、車の購入時に資産計上する「取得価額」についても、税理士に相談すれば、正しく判断してくれます。

取得価額は、資産本体の価額のほか、その資産を事業に使用するために直接要した費用が含まれるものと解されています。

しかしながら、車の購入費の明細には、本体価格や付属品のほか、自動車の取得にかかる税金、法定費用としての検査登録費用や車庫証明費用などが含まれており、資産計上しなければならない金額がわかりにくいのです。

もし取得価額に含めなければならないものを、誤って必要経費に計上してしまった場合、購入した事業年度の経費の計上額が過大となり、納税額の不足が後に発覚することも起こり得ます。

税法の専門家・税理士であれば、車両購入費のうち経費として認められる支出を、複雑な明細書から判断してくれます。

「面倒だから全額資産に計上」としてしまうのは、もったいないことです。

税理士に判断を委ねることで、購入した年度に経費にできる金額が増えれば、車の購入による節税効果をさらに高めることもできます。

車の購入が節税になるかはケースバイケース

経費の計上による節税方法とは、本来かかるはずだった税額を減少させるものです。

したがって、そもそも売上の額が少ない場合、節税できる税額がほとんどなく、せっかくの車の購入が活かせない可能性もあります。

また、経費に計上した金額=節税できる税額ではありません。

経費として計上したうちの、何%かです。何%になるかは、事業主ごとの事業収入や個人の所得控除(医療費控除など)が决定するまではっきりわかりません。

安くなる所得税が、車の購入費に対してほんの数%という場合もあります。

もちろん、事業に必要な資産であれば購入しなければなりません。

しかし節税目的を兼ねる購入であれば、その支出でいくら節税になるか、費用対効果をしっかりと見定める必要があります。

税理士であれば、車の購入を検討する段階から、どのくらいの節税が見込めるかを相談できます。

車という大きな買い物だからこそ、誤った支出は絶対に避けたいものです。

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