水が垂れる原因はドレンホースの排水不良
エアコンから水が垂れる原因のほとんどは、ドレンホースの排水不良によるものです。
ドレンホースとはエアコンの室外機付近に伸びている排水用ホースのこと。冷房運転で空気を冷やす際に発生したエアコン内部の結露水を屋外へ排出する役割を果たしています。
そのため、ホース内部にゴミが詰まっていたり、ホースの排水口付近が曲がっていたりすると、排水が正しく行われずに室内機から水がポタポタと垂れ落ちる原因となります。
ホースの排水不良が起きている場合は自分でも簡単に対策が可能です。それぞれのケースに応じた対策方法で、エアコンの水漏れを解消しましょう。
ホースの内部にゴミが詰まっている
エアコンから水が垂れる際に多いのが、ドレンホースの内部にゴミが詰まっているケースです。
まずは室外機付近に設置されているドレンホースから、水が出ているかどうかを確認してください。
ホースから水が出ていれば正常な状態ですが、エアコンが作動しているにもかかわらず排水されていない場合は、ホコリや虫などが詰まっている可能性が考えられます。
【対策】ホース内部の掃除
詰まりの可能性がある場合はホースの内部を掃除しましょう。
使い古しの歯ブラシや割り箸などを使って、ホースの中に詰まっているホコリやゴミを取り除いてください。
また「サクションポンプ」という市販のドレンホース掃除用グッズを活用するのも1つの方法です。
使い方はとても簡単で、ポンプの先端をドレンホースに差し込んで本体のハンドルを引けば詰まりが解消されます。
排水口付近にゴミが無いにも関わらず詰まっている場合は、サクションポンプを活用して詰まりを取り除きましょう。
ホースが曲がっている
ドレンホースが曲がっていると、排水がスムーズに行われずに室内機から水が垂れる原因となります。
ホースが途中で大きく曲がっていたり、先端が下ではなく上を向いたりしていないかどうかを確認してください。
【対策】ホースの向きを調整する
先端の排水口部分が下向きになるように、ドレンホースの向きを調整しましょう。
排水をしやすくするためにも、できるだけ真っ直ぐにするのがポイントです。
ホースの排水口が塞がれている
ドレンホース先端の排水口部分が障害物で塞がれていたり潰れていたりすると、排水ができずにエアコンから水が垂れる原因となります。
先端が植木鉢や壁などで塞がれていたり、水たまりに浸かったりしていないかどうかを確認しましょう。
【対策】ホース周辺のスペースを確保する
ドレンホースの先端部分周辺に、じゅうぶんなスペースを確保してください。
排水口周辺にはできるだけ何も置かないのがベストです。植木鉢などの障害物がある場合は移動させましょう。
またホースの先端部分が潰れてしまっている場合は、手で広げて排水経路を確保してください。
その他の水垂れの原因
水がエアコンから垂れてくる原因は、ドレンホースだけではありません。意外なことが水垂れにつながっているケースもあるので、いくつかの事例をチェックしておきましょう。
内部に発生した結露
エアコンは空気を温めたり冷やしたりするものです。そのため結露が発生するのは自然なことで、珍しくはありません。それを踏まえて、エアコンには結露による水分を外に出す仕組みが施されています。
内部にはフィンという部分があり、空気を冷やす役割を持っています。その性質上、とても水滴が付きやすい箇所です。ここで発生した水は、エアコン内部にあるドレンパンという部分で受け止められ、ドレンホースを伝って外へと排出されます。
このドレンパンが充分に機能しなくなると、水は内部にたまる一方です。稼働しているうちに溢れ出し、水垂れへとつながります。ドレンホースに問題がない場合は、ドレンパンの異常を疑いましょう。
エアコンの傾き
エアコンを部屋に設置する際、業者に頼まず自力で作業を行うのも1つの手です。しかし、エアコンの傾きには注意を払いましょう。エアコンの角度によっては、内部にたまった水がドレンホースへと流れにくくなります。
極度に傾いたまま設置してしまうと、水が滞ったり逆流したりといったトラブルが発生するかもしれません。設置費用を抑えることも大切ですが、自力で設置するのであれば、慎重に作業を行いましょう。
熱交換器のトラブル
熱交換器が原因で、エアコンから水が垂れるケースもあります。熱交換器は一般的にアルミフィンと呼ばれる部分です。
アルミフィンが汚れると、結露が発生しやすくなります。やがて排出が間に合わなくなり、水垂れへとつながるわけです。フィルターなどの汚れを放置するとアルミフィンも汚れやすくなるので、定期的にクリーニングしましょう。
エアコンに大きな負荷がかかると、アルミフィンは壊れやすくなります。具体的には、長時間の稼働、本来のスペックよりも広い空間で稼働させ続ける、などの場合です。取扱説明書に表記されている広さの範囲内で、正しく使用しましょう。
エアコンの水垂れを防ぐには掃除が重要
エアコンから水が垂れる原因にはさまざまなケースがありますが、その予防策はあるのでしょうか?大切なのは、日頃からエアコンの掃除を行い、メンテナンスしておくことです。
フィルターの目詰まりを解消
エアコンから水が垂れるのを防ぐためにも、定期的にフィルターを掃除して目詰まりを解消しましょう。
フィルターはホコリやゴミがたまりやすく、汚れが付着していると結露が余分に発生して水が垂れる原因となります。
エアコンを頻繁に使用する夏や冬は月に1~2回の掃除を心がけるとよいでしょう。
掃除を行う際はエアコンの表カバーを開けて、フィルターを手で取り外します。
ホコリが付着している場合は掃除機などで全体の汚れを吸い、さらに水で洗い流しましょう。洗った後は乾きやすい場所に置き、完全に乾ききったら元の場所に取り付け直します。
フィルターの掃除方法については次の記事でくわしく解説しているので、あわせてご覧ください。
フィンの清掃
エアコンから水が垂れるのを防ぐためには、フィン部分の汚れを取り除くことも大切です。市販のフィン洗浄用スプレーを使ってきれいにしましょう。
フィンの掃除を行うには、まずカバーとフィルターをエアコンから取り外します。フィンが露出した状態になったら、掃除機でざっと表面のホコリを吸い上げます。
次に、洗浄用スプレーをフィンに向かって噴射しましょう。適当に吹きかけるのではなく、フィンの向きに沿って噴射することがコツです。
スプレー洗浄の後は、換気をしながら乾くのを待ちます。しっかりと乾いたら、フィルターとカバーを元通り直せば完了です。
フィンの掃除方法については次の記事でさらにくわしく解説しています。掃除の際はぜひ参考にしてみてくださいね。
解決しない場合の対策は?
隅々までエアコンを掃除しても水垂れが解消しない場合は、どのような対策が残されているのでしょうか。エアコンを設置している部屋や状況によって対策も変わりますので、各パターン別の対処方法を見ていきましょう。
賃貸は管理会社へ連絡
今住んでいる部屋が賃貸であれば、管理会社へ連絡することが優先です。通常使用の範囲内でエアコンが故障した場合は、貸主側が修理費用を受け持つことが基本となっています。
ただし、それに該当しないケースもありますので注意しましょう。具体的には以下のようなシチュエーションが挙げられます。
- 前の住人が置いていったエアコンで、借主負担契約の場合
- 水垂れを放置し、壁や床が腐食してしまった場合
賃貸借契約時の書類には、修繕費の負担についても記載があるはずです。場合によっては、修理は管理会社指定業者でないと受け付けられないケースもあります。後々のトラブルを防ぐためにも、あらかじめ確認しておきましょう。
また、エアコンの異常を放置してしまうと、借主の責任として扱われることがあります。退去時の修繕費まで含めた金額を請求されることもありますので、水垂れが発生したら早めに対処をしましょう。
買い替えになる可能性もある
エアコンの購入・設置から長い年月が経っている場合、しっかりメンテナンスをしていても機能しなくなるケースがあります。いわゆる、経年劣化による故障です。
また、型の古いエアコンは修理費がかさむ場合もあります。このようなときは、修理よりも買い替えを検討した方がよいでしょう。
ただし、賃貸の場合は「貸主の許可」を得ずに買い替えるとトラブルの元になります。契約書を確認し、管理会社へ連絡して、買い替えが可能か、費用はどちらの負担かを明確にしておきましょう。
エアコンのトラブルはプロに相談しよう
フィルターの掃除程度であれば自力でできる方がほとんどですが、本格的なトラブルの場合は対処が難しいでしょう。そういった事態が訪れたときは、プロの業者に依頼する方法もあります。
内部の清掃は難易度が高い
フィルターやフィンの露出部分は掃除機やスプレーで掃除できますが、それらはあくまで見えている範囲の掃除でしかありません。エアコン内部の汚れは簡単には除去できないため、業者への依頼が確実です。
内部を清掃しようと自分で部品を取り外した場合、元に戻せなかったり、さらなるトラブルや漏電などを招いたりする危険性があります。難易度の高い清掃については、専門の業者に頼むとよいでしょう。
修理・清掃の費用相場
業者にエアコンの修理・清掃を依頼した場合、料金の相場はどのくらいなのでしょうか。これは、問題が発生している箇所や、症状によって変動します。
ドレンホースの詰まりなど、比較的簡単な作業内容であれば1万円以下で済むケースが多いようです。しかし、内部の細かい部分の修理となると、数万円が必要となるケースも珍しくありません。
あまりに高額な場合は、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。金額によっては、買い替えも視野に入れるとよいでしょう。
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エアコンから水が垂れたら早急に対応を
エアコンから水が垂れる原因の多くは排水不良によるものです。ドレンホースの詰まりや設置状況を確認して、まずは簡単な対策を取ってみましょう。
ドレンホースの状況を改善しても水が垂れてくる場合は、エアコン内部の汚れや故障が考えられます。
自分で掃除をしても解決できない場合は、クリーニングや修理を業者へ依頼しましょう。
場合によっては多額の修繕費が必要となるので、日頃から掃除などのメンテナンスをしておくことが大切です。
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