エアコンのガス漏れが起こるときは冷房や暖房が効きづらい、霜がついているなどの症状が現れるため比較的判断がしやすいです。ただ、原因は使用期間や環境などによって異なります。また、修理する場合の費用は6,000円台~2万円前後が目安です。


本記事では、エアコンのガス漏れが発生する原因や対処方法を解説します。他にも、修理や買い替えにかかる費用についてなども紹介するので参考にしてみてください。
ガス漏れ?あなたのエアコンの緊急度をチェック【フローチャート診断】
まずは、あなたの所持しているエアコンがガス漏れになっているかどうかを確認しましょう。
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常温の風しか出ないという症状は、エアコンの冷媒ガスが大幅に減少している明確な証拠です。冷媒ガスはエアコンの熱を運ぶ役割をしており、これが不足すると熱交換が行われず、単なる送風運転のような状態になります。この状態で運転を続けると、コンプレッサーに負荷がかかり、故障につながる恐れがあります。早急に専門業者による点検・修理が必要です。
- 直ちにエアコンの使用を中止し、電源プラグを抜くか、ブレーカーを落としてください
- 専門の修理業者に連絡し、ガス漏れの点検と修理を依頼してください
- コンプレッサー保護のため、この状態での継続使用は絶対に避けてください
「シュー」という音や異音は、配管の亀裂や接続部の隙間から冷媒ガスが漏れ出している可能性が非常に高いことを示しています。特に「シュー」や「プシュー」という音はガスが高圧で漏れている証拠であり、放置すると短期間で冷媒が全て抜けてしまう恐れがあります。また、一部の冷媒ガスは可燃性や有害性を持つものもあり、安全面での懸念もあります。
- 直ちにエアコンの使用を中止してください
- 部屋の換気を行い、異臭がある場合は特に注意してください
- できるだけ早く専門業者に連絡し、点検・修理を依頼してください
- 漏れの状況によっては、配管の交換や接続部の再施工が必要になる場合があります
電気代の急激な上昇は、冷媒ガスの減少による効率低下を示していることがあります。冷媒が不足すると、エアコンは設定温度を維持するために長時間・高出力で運転せざるを得なくなり、消費電力が増加します。ただし、電気代上昇はフィルターの目詰まりや他の機器の影響など、別の要因でも起こり得るため、他の症状と合わせて判断する必要があります。
- まずフィルターの掃除を行い、室外機の周りに障害物がないか確認してください
- それでも改善しない場合は、ガス漏れの点検を専門業者に依頼しましょう
- この状態での長期間の使用は避け、1〜2週間以内に点検を受けることをお勧めします
特に冷房運転時に配管や熱交換器に霜や氷が付くのは、冷媒ガスの漏れによって圧力バランスが崩れ、一部の冷媒が急激に気化(膨張)して周囲の温度を著しく下げている証拠です。この状態はエアコンに非常に大きな負担をかけており、放置するとコンプレッサーなどの重要部品が故障する恐れがあります。霜の発生は明らかなガス漏れのサインであり、迅速な対応が必要です。
- 直ちにエアコンの使用を中止してください
- 専門業者に至急連絡し、点検・修理を依頼してください
- 霜が付いた部分は触らないでください(非常に低温になっている可能性があります)
- ガス漏れの原因を特定し、適切な修理が必要です
室外機周辺の油跡や甘い匂いは、冷媒ガスの漏れを示す最も明確な証拠です。エアコンの冷媒には潤滑油が混ざっており、漏れ出た場所に油の跡が残ります。また、多くの冷媒は漏れるとエーテルのような甘い匂いを発します。この状態は相当量のガスが既に漏れていることを意味し、環境面でも健康面でも問題がある可能性があります。早急な対応が必須です。
- 直ちにエアコンの使用を中止し、電源を切ってください
- 部屋を換気し、特に油跡や匂いが強い場所には近づかないでください
- 可能であれば写真を撮影し、漏れている場所をメモしておいてください
- 今すぐ専門業者に連絡し、緊急点検・修理を依頼してください
リモコンに表示されるエラーコードは、エアコン内部のセンサーが異常を検知している証拠です。多くのエアコンは冷媒圧力の低下や異常な温度変化を検知するとエラーコードを表示します。ただし、エラーの内容はメーカーや機種によって異なるため、取扱説明書やメーカーサイトでコードの意味を確認する必要があります。ガス漏れ以外の原因でもエラーは表示されますが、システムが異常を検知している点は重要です。
- エラーコードをメモするか写真に撮り、取扱説明書やメーカーサイトで確認してください
- リモコンのリセット操作や、電源プラグの抜き差しを試しても問題が解決しない場合は使用を中止してください
- エラーコードの内容に応じて、メーカーのサポートセンターや専門業者に相談してください
- 自己判断での継続使用は避け、専門家の診断を仰ぐことをお勧めします
設置・移設してから1年以内のエアコンで症状が見られる場合、設置工事での不備が原因の可能性が高いです。特に以下のような初期不良が考えられます:
- 配管のフレア加工不良: 接続部分の先端加工が不完全で密着していない
- 接続ナットの締め付け不良: 弱すぎると振動で緩み、強すぎると配管を傷つける
- 配管の亀裂やピンホール: 設置作業中に気づかずに傷をつけてしまった
新しいエアコンの場合、通常は設置工事に保証が付いているため、設置業者に連絡して点検を依頼しましょう。
- エアコンを設置した業者に連絡し、設置後の不具合として点検を依頼してください
- 保証書や工事の領収書を用意しておくと手続きがスムーズです
- 他の症状(冷えない、異音など)も合わせて伝えると原因特定の助けになります
設置から5年以上経過したエアコンでは、経年劣化によるガス漏れのリスクが高まります。長期間使用したエアコンでは、以下のような原因でガス漏れが起きやすくなります:
- 配管の腐食: 特に屋外部分は雨風や紫外線の影響を受けやすい
- 熱交換器の劣化: 熱サイクルによる金属疲労で微細な亀裂が発生
- シール材やパッキンの劣化: ゴム部品が硬化・収縮してガスが漏れる
- 溶接部分の劣化: 長年の振動で溶接部分に亀裂が入る
経年劣化は徐々に進行するため、気づきにくいのが特徴です。他の症状と合わせて専門家の点検を検討しましょう。
- 専門業者による点検とガスチャージを検討してください
- ガス漏れの原因や場所によっては、修理費用が高額になる場合があります
- エアコンの総合的な状態や修理費用によっては、買い替えも選択肢に入れましょう
- ガスチャージしても短期間で効きが悪くなる場合は、根本的な修理が必要です
最近室外機を動かしたり、何かがぶつかった場合、それが原因で急なガス漏れが発生している可能性が高いです。室外機や配管への物理的な衝撃は、以下のような問題を引き起こします:
- 配管の変形・亀裂: 無理な力が加わり配管が折れたり潰れたりする
- 接続部の緩み: 振動や衝撃で接続ナットが緩む
- フレア面の損傷: 接続部の密閉面が傷つく
室外機の移動や衝撃による配管への負荷は、急激なガス漏れを引き起こすため、早急な対応が必要です。
- 直ちにエアコンの使用を中止してください
- 専門業者に緊急点検を依頼してください
- 見た目で分かる配管の変形や損傷があれば、写真に撮っておくと修理の参考になります
- 今後は室外機の移動は必ず専門業者に依頼し、室外機の周りに障害物を置かないようにしましょう
現時点では、ガス漏れを示す明確な症状は見られません。ただし、エアコンの状態は経時的に変化するため、以下のような症状が今後現れた場合は注意が必要です:
- 冷暖房の効きが急に悪くなった
- 「シュー」という音や異音がする
- 室外機周辺に油の跡や甘い匂いがする
- 配管や熱交換器に異常な霜が付く
- 電気代が急激に上昇する
これらの症状が現れたら、改めて診断することをお勧めします。
- 定期的にエアコンのフィルター掃除を行い、効率低下を防ぎましょう(2週間に1回程度)
- 室外機の周りは障害物を置かず、定期的に清掃してください
- 2〜3年に一度は専門業者による内部洗浄とガス圧点検を受けることをお勧めします
- 室外機を移動する必要がある場合は、必ず専門業者に依頼してください
エアコンのガス漏れとは?放置するとどうなる?
エアコンのガス漏れは、本来は密閉されているはずのエアコン内部(冷媒回路)から、熱を運ぶ冷媒ガスが意図せず外に漏れ出してしまう状態のことです。
リスクを避けるためにも、ガス漏れかもしれないと思ったら早めに対処することが大切です。
この状態をそのままにしておくと、エアコンの効きが悪くなるだけでなく、様々な問題を引き起こす可能性があります。
冷暖房能力の大幅な低下や電気代の高騰
エアコンのガス漏れが起こると、まず多くの人が気づくのは冷暖房の効きが悪くなることです。温風や冷風が出なくなるほか、送風もままならなくなるケースも珍しくありません。
冷媒ガスは室内と室外の間で熱を運ぶ大切な役割をしていますが、その量が減ってしまうと熱交換の効率が大きく落ちてしまうのです。
放置すると次のような影響が現れます。
- 冷暖房パワーのダウン: 冷媒ガスが足りないと、エアコンが一生懸命動いても本来の力を発揮できません。
- 電気代の増加: 設定温度にしようとエアコンが必要以上に長時間動き続けるため、電気の消費量が増え、結果的に電気代が高くなります。
- 快適性の損失: いつまでたっても部屋が快適な温度にならず、夏は暑いまま、冬は寒いまま過ごすことになりかねません。
ガス漏れは日常生活に影響が出る上に、無駄な電気代の原因にもなります。気づいた時点で早く対応することが重要です。
コンプレッサー等への負荷がかかる
エアコン内部で冷媒ガスを圧縮して循環させているコンプレッサーは、エアコンの「心臓部」とも言える非常に重要な部品です。ガス漏れによって冷媒ガスの量が本来あるべき量より少なくなると、コンプレッサーは正常な状態で運転できなくなります。
ガスが少ないまま無理に運転を続けると、コンプレッサーには常に過剰な力がかかり、異常な熱を持ったり、おかしな音が出たり、最終的には故障につながることもあります。
コンプレッサーへの負担が増えると、次のようなリスクが高まります。
- 性能の低下: 無理な運転が続くと、コンプレッサー自体の圧縮する力が徐々に落ちていきます。
- 異音・異常振動: 内部の部品がすり減ったり、潤滑がうまくいかなくなったりして、「ガラガラ」「ウィーン」といった普段とは違う音や振動が出ることがあります。
- 焼き付き・故障: 過剰な負荷と異常な熱が続くと、コンプレッサー内部が焼き付いてしまい、完全に動かなくなることもあります。
もしコンプレッサーが故障してしまうと、修理には非常に高い費用がかかる場合が多く、エアコン修理の中でも特に高額になりがちです。 ガス漏れをそのままにしておくことは、結果的に大きな出費を招くリスクを高めてしまうのです。
環境への影響
現在、家庭用エアコンで主に使用されている冷媒ガス(R32など)は、昔使われていたガスのようにオゾン層を破壊することはありません。しかし、二酸化炭素の数百倍から数千倍という非常に高い温室効果を持つ「代替フロン」です。つまり、エアコンからガスが漏れるということは、地球温暖化の原因となる強力な温室効果ガスを、知らず知らずのうちに大気中に放出していることになります。
ガス漏れが環境に与える影響には、次のような点があります。
- 地球温暖化の助長: 漏れたフロンガスが、地球全体の気温上昇に影響を与えてしまいます。
- フロン排出抑制法の遵守: フロン類を適切に管理し、排出を抑えることは法律で定められており、エアコンの使用者にも機器の管理者として適切な対応が求められます。
- サステナビリティへの配慮: ガス漏れを防ぎ、適切に修理することは、環境への負担を減らし、持続可能な社会の実現にもつながる行動です。
エアコンを快適に使うことと、環境への配慮を両立させるために、ガス漏れの兆候が見られたら速やかに専門業者に点検・修理を依頼しましょう。
故障リスクが上がりエアコン本体の寿命が短くなる
エアコンのガス漏れは、冷媒ガスが減ることによる直接的な性能低下だけでなく、エアコンそのものの寿命を縮めてしまう原因にもなります。ガスが少ない状態で運転を続けると、コンプレッサーはもちろん、エアコン内部の様々な部品に継続的な負担がかかり、いろいろな故障のリスクを高めてしまうからです。
ガス漏れをそのままにしておくことで高まる故障リスクとして、次のようなものが考えられます。
- コンプレッサーの故障: エアコンの中で最も重要な部品の一つであり、故障すると修理費用が高額になります。
- 制御基板など電子部品の不具合: 異常な運転状態が続くことで、エアコンの頭脳である電子回路にダメージを与えてしまう可能性があります。
- 冷媒回路内部の汚染・詰まり: ガスが漏れた箇所から空気や水分がエアコン内部に入り込み、内部で化学変化を起こしたり、細い管を詰まらせたりする原因になることがあります。
これらの問題が複合的に起こることで、エアコン全体の劣化が早まり、メーカーが想定している標準的な使用期間(通常10年程度)よりも早く故障し、使えなくなってしまう可能性が高まります。 エアコンをできるだけ長く大切に使うためには、異常に早く気づき、適切に対処することが欠かせません。
エアコンのガス漏れが起こる原因は?
エアコンのガス漏れは、いろいろな原因で起こります。新品のエアコンでも、設置工事の際のミスが原因となることもありますし、長年愛用してきたエアコンが部品の劣化で漏れ出すこともあります。また、室外機を動かしたり、何かがぶつかったりといった外からの要因が引き金になるケースも少なくありません。ここでは、ガス漏れが起こる主な原因について説明します。
これらの原因を知っておくと、ご自宅のエアコンの状態と照らし合わせて、原因を推測するヒントになるかもしれません。
取り付け時点の初期不良
エアコンを新しく取り付けたばかり、または引っ越しなどで移設した直後に「どうも効きが悪いな」と感じる場合、取り付け工事での施工ミス、いわゆる「初期不良」によるガス漏れが原因かもしれません。 これは、作業員の技術的な問題や、手順の確認不足などによって起こることがあります。
設置時に起こりうる初期不良の具体例をいくつか見てみましょう。
- フレア加工の失敗: 配管の接続部分の先端(フレア)をラッパ状に広げる加工が不完全だと、うまく密着せずに隙間ができてしまいます。
- ナットの締め付けトルク不適切: 接続ナットを締め付ける力が弱すぎると、運転中の振動などで緩んで漏れてしまいます。逆に強すぎると、配管を傷つけてしまい、それが漏れの原因になることもあります。
- 配管の亀裂やピンホール: 取り付け作業中に配管そのものを傷つけてしまい、気づかないうちに小さな穴が開いてしまうことがあります。
通常、エアコンの設置工事には保証が付いています。 もし設置後すぐに不具合を感じたら、保証期間内に取り付けを行った業者に連絡して、点検や修理を依頼しましょう。
配管接続の不良
エアコンの室内機と室外機は、冷媒ガスが通るための2本の配管でつながっています。この配管をつなぐ接続部分は、ネジ式のナットで締め付けて固定されており(フレア接続)、エアコンの中でも特にガス漏れが起こりやすい箇所の一つです。 取り付け時の初期不良だけでなく、長年使っているうちに緩みや劣化などが原因で漏れが発生することもあります。
配管接続部からガスが漏れる主な原因は次の通りです。
- 接続ナットの緩み: エアコンが動くときの振動や、季節による温度変化で金属が伸び縮みすることなどにより、長い間使っているうちに接続ナットが少しずつ緩んでくることがあります。
- フレア面の変形・傷: 配管の先端にあるラッパ状に加工された面(フレア面)が、腐食したり、エアコンの移設などで何度も付け外しを繰り返すうちに変形したり傷ついたりすると、密閉性が失われます。
- 異物の混入: 接続作業の際に、小さなゴミやホコリなどがフレア面に付着したままナットを締め付けてしまうと、わずかな隙間ができて漏れの原因になります。
特に、引っ越しなどでエアコンの取り外し・取り付けを何度も繰り返している場合は、接続部の作業回数が多くなるため、接続不良によるガス漏れのリスクが高まります。
経年劣化
エアコンも他の家電製品と同じように、長く使っていると部品が少しずつ劣化していきます。特に、家の外に置かれて雨風や紫外線、気温の変化に常に晒されている室外機は、室内機に比べて部品の劣化が進みやすく、それがガス漏れの原因になることがあります。
経年劣化によってガス漏れが起こりやすい箇所と、その原因をいくつかご紹介します。
- 配管の腐食: 室外機本体や配管に使われている金属(銅やアルミなど)が、空気中の水分や、地域によっては潮風の塩分、温泉地の硫黄成分、酸性雨などの影響を受けて腐食し、小さな穴(ピンホール)が開いてしまうことがあります。
- 熱交換器の劣化: 室内機・室外機の中にある、熱を交換するための重要な部品である熱交換器(薄いアルミフィンがたくさん並んでいる部分)や、その内部を通る細い配管が腐食して穴が開くことがあります。
- 溶接部分の劣化: エアコン内部では、部品同士を溶接でつないでいる箇所がありますが、長年の振動や金属の疲労によって、その溶接部分に亀裂が入ることがあります。
一般的に、エアコンを使い始めてから10年以上経つと、経年劣化による様々な不具合が出やすくなります。 最近エアコンの効きが悪くなったと感じたら、経年劣化によるガス漏れも原因の一つとして考えてみましょう。
室外機開閉バルブの不具合
室外機の配管接続部の近くには、冷媒ガスの流れを調整したり、修理や移設の際にガスを室外機内に閉じ込めたりするための「開閉バルブ(サービスバルブとも呼ばれます)」という部品が付いています。このバルブ部分も、長年の使用による劣化や、メンテナンス時の操作ミス、あるいは部品自体の不具合などが原因でガス漏れを起こすことがあります。
開閉バルブからガスが漏れる具体的なケースを見てみましょう。
- バルブ本体のシール劣化: バルブの内部には、ガスが漏れないようにするためのシール材(パッキンなど)が使われていますが、年月とともに劣化して硬くなったり、ひび割れたりして気密性が失われることがあります。
- バルブの軸部分からの漏れ: バルブを開け閉めするために回転させる軸の部分にもシールがありますが、そこが劣化すると、軸の隙間から少しずつガスが漏れ出すことがあります。
- バルブキャップの緩み・紛失: バルブの軸を保護しているキャップ(通常はプラスチック製)が緩んでいたり、外れて無くなっていたりすると、そこからガスが漏れる可能性があります。このキャップには、ゴミの侵入を防ぐだけでなく、二重の蓋としてガス漏れを防ぐ役割もあるのです。
バルブキャップは単なる飾りではありません。 定期的に緩んでいないか軽く確認し、もし無くなっていることに気づいたら、メーカーや修理業者に相談して適切なものを取り付けてもらいましょう。
室外機の移動・動かした際の損傷
庭の手入れや家の周りの掃除、外壁の塗装などの際に、エアコンの専門知識がない方が室外機を無理に動かしてしまうと、つながっている配管に予期せぬ力がかかり、配管を曲げてしまったり、接続部を破損させたりして、ガス漏れを引き起こすことがあります。室外機とそれに接続されている配管は、見た目以上にデリケートな部分なので、取り扱いには十分な注意が必要です。
室外機を動かしたことが原因でガス漏れが起こる主な状況は次の通りです。
- 配管の変形・亀裂: 室外機本体を安易に引っ張ったり、持ち上げようとしたりした際に、接続されている銅製の配管が不自然に曲がってしまったり、接続部分(フレア部分)に無理な力がかかって破損したりする。
- 接続部の緩み: 室外機を移動させた際の振動や衝撃によって、配管接続部のナットが緩んでしまう。
- 配管の折れ・潰れ: 配管に強い力が加わって完全に折れてしまったり、潰れてしまったりして、そこからガスが漏れる。
もし室外機の位置を少しでも変えたい場合は、必ずエアコンの取り付けや修理を行っている専門の業者に依頼してください。 ご自身で安易に動かすのは、ガス漏れだけでなく、他の重大な故障を招く危険性があります。
エアコンのガス漏れ時に起きる初期症状【チェックリスト】
エアコンのガス漏れサインを早めに見つけることができれば、エアコンへのダメージや修理費用を最小限に抑えることにつながります。ここでは、ガス漏れが疑われる代表的な初期症状を、チェックリスト形式でご紹介します。
これらの症状が一つでも当てはまる場合は、ガス漏れの可能性を疑ってみる必要があります。
常温の風が出る
エアコンのスイッチを入れて冷房や暖房を動かし始めても、期待しているような冷たい風や温かい風が全く出てこず、まるで送風運転のように常温の風しか出てこない場合、ガス漏れによって冷媒ガスが不足している可能性が非常に高いと考えられます。 熱を運ぶ役割を持つ冷媒ガスが足りないために、熱交換が正常に行われていないサインです。
この症状が出たときの具体的な状況は次のようなものです。
- 冷房時: リモコンの設定温度を一番低くしても、部屋が全く冷える気配がなく、生ぬるい風が吹き出してくる。
- 暖房時: リモコンの設定温度を一番高くしても、温かい風は出てこず、冷たい風か、温度のない風が出てくる。
- 風量自体: 多くの場合、風は通常通り出ていますが、その風に冷たさや暖かさが伴っていない状態です。(ただし、ガス漏れ以外の原因、例えばファンモーターの故障などによっては、風自体が全く出なくなることもあります。)
ただし、この症状はエアフィルターがホコリでひどく詰まっている場合や、リモコンの設定が間違っている(例えば送風運転になっている)場合でも起こり得ます。 まずはフィルターを掃除し、リモコンの設定を確認してみてください。それでも改善しない場合は専門の業者へ点検を依頼しましょう。
エアコンの部品に霜が付く
エアコンのガス漏れが起きていると、特定の部分に異常な量の霜が付くことがあります。漏れた冷媒ガスが急激に気化する際に周りの熱を奪い、空気中の水分を凍らせてしまうためです。
特に霜が付きやすいのは、次の箇所です。
- 室外機の配管接続部: 室外機につながる2本の配管のうち、細い方の配管に霜が付く
- 室外機の熱交換器(フィン): 室外機の背面や側面にある、金属の薄い板が並んだ部分に霜が付く
- 室内機の熱交換器(フィン): フィルターの奥にある同様の金属部分にも付くことがある(ただし確認は難しい)
冷房運転を15~30分ほど続けてから、これらの箇所をチェックしてみてください。室外機の配管や熱交換器に異常な量の霜がびっしりと付いている場合、ガス漏れが強く疑われます。 ただし、暖房運転中や、機種による霜取り運転の際には一時的に霜が付くのは正常な動作です。あくまで冷房運転時に通常では見られないほどの霜が付いている場合に、ガス漏れを疑いましょう。
室外機から異音が聞こえる
エアコンを運転していると、室外機からはコンプレッサーやファンが動く「ブーン」という音がするのが普通です。しかし、ガス漏れなどの異常があると、普段とは違う種類の変な音が発生することがあります。
特に、「シュー」「プシュー」といった明らかにガスが漏れているような音や、「ポコポコ」「カラカラ」といった通常では考えられない異常な音が聞こえる場合は、注意が必要です。
ガス漏れが疑われる異音と、その原因として考えられることの例です。
- 「シュー」「プシュー」という音: 配管にできた亀裂や接続部のわずかな隙間から、冷媒ガスが勢いよく漏れ出ている音かもしれません。エアコンを停止した後もしばらくの間、音が続くことがあります。
- 「ポコポコ」「キュルキュル」という音: 冷媒ガスの量が少なくなると、配管の中を流れるガスの状態が不安定になり(ガスと液体が混ざるなど)、このような音が発生することがあります。
- コンプレッサーからの異常音: ガス不足によってコンプレッサーに無理な負荷がかかり、「ガラガラ」「ゴロゴロ」「唸るような音」などが発生することもあります。これは故障が進行しているサインかもしれません。
ただし、異音の原因はガス漏れだけとは限りません。ファンの不具合、内部の汚れ、部品の緩み、あるいは単なる経年劣化など、様々な可能性が考えられます。 いつもと違う音が気になった場合は、何の音か自分で特定しようとせず、安全のためにエアコンの運転を停止し、専門業者に点検を依頼するのが最も確実です。
リモコンにエラーコードが表示されている
エアコンのリモコンに見慣れない英数字が表示されたら、それはエアコンが何らかの異常を知らせているサインです。内部センサーが冷媒ガス(エアコンガス)の圧力低下などを検知すると、エラーコードとして表示されることがあります。
各メーカーのエアコンガス漏れ関連エラーコード一覧(代表例)
エアコンのガス漏れや冷媒系統の異常が疑われる際に表示される代表的なエラーコードは以下のとおりです。
| メーカー | 代表的なエラーコード(ガス漏れ・冷媒異常の可能性) | 確認事項・対処のヒント |
|---|---|---|
| ダイキン | U0, F6など | 冷媒不足、圧力異常、センサー異常など。専門業者による点検が必要 |
| パナソニック | F83, F85, F91, F94, F95, F97, H16, H53など | 冷媒漏れ、圧縮機の不具合、センサー異常など。電源プラグを抜き差しして改善しない場合は点検を依頼 |
| 三菱電機 | U2, PLなど | 冷媒不足、圧力異常、基板やセンサーの不具合など。エラーコードによって詳細が異なる |
| 日立 | 02, 03, 07, 08, 09, 31, 45, 46, 47, E0, E4, E5, H4, F3, U0など | 室内外の通信異常、冷媒サイクル異常、センサー異常など。エラーコードが示す箇所を特定し、必要に応じて点検を依頼 |
| 東芝 | E20, P15など | 冷媒不足、圧力異常、センサーや基板の不具合。運転ランプの点滅回数と合わせて確認が必要な場合もあり |
| シャープ | F0, 1-3, 2-0, 2-1など | 冷媒サイクル異常、センサー異常、室外機ファン異常など。電源リセットで改善しない場合は点検が必要 |
| 富士通ゼネラル | 72, 73, 74, 75など | 冷媒不足、圧力スイッチの作動、センサーの異常など。エラー表示と合わせて運転ランプやタイマーランプの点滅回数も確認 |
| 三菱重工 | E57など | 冷媒循環量の不足、圧力異常、センサー異常、圧縮機の異常など |
この表に記載されているエラーコードが表示された場合、ご自身での判断や修理は避け、必ず専門の業者に点検・修理を依頼してください。 特にガス漏れの場合は、専門的な知識と技術が必要になります。
ただし、同じメーカーでも機種や製造年によってエラーコードは異なる場合があります。あくまで目安として参考にし、最終的には必ずご使用のエアコンの取扱説明書やメーカーサポートで正確な情報を確認してください。
なお、エラーコードはガス漏れだけが原因とは限りません。例えば、エアコンがこのような状態の時にもエラー表示が出ることがあります。
- フィルターがホコリで目詰まりを起こしている
- 室外機の吹き出し口や吸い込み口が物で塞がれている
- 温度を感知するセンサー自体が故障している
- 室内機や室外機のファンがうまく回っていない
これらのように、ガス漏れとは直接関係ないトラブルでもエラーコードは表示されます。そのため、まずは慌てずにエラーコードの内容を確認することが大切です。 エラーコードの内容は、取扱説明書やメーカーの公式サイトで必ず確認しましょう。 メーカーや機種によってエラーコードの意味は異なり、それを調べることで、ガス漏れの可能性が高いのか、あるいは別の対応が必要なのかを判断する手がかりになります。
エアコンのガス漏れが起きた時の対処方法
エアコンのガス漏れのサインに気づいたら、慌てずに対処しましょう。放置するとエアコンの故障が進んだり、無駄な電気代がかかったりします。適切な手順で対応すれば、スムーズに問題を解決できます。
- まずエアコンの運転を止める: さらなるトラブルを防ぐための第一歩です。
- エアコンメーカーに問い合わせる: 保証期間内なら、まずメーカーに相談するのが良い方法です。
- 業者へ修理を依頼する: 状況に合わせて、専門の修理業者や家電量販店などに依頼します。
これらの対処法について、以下から具体的な手順や依頼先の選び方を説明します。
まずエアコンの運転を止める
ガス漏れの疑いがある、または初期症状が見られる場合は、まずエアコンの運転を停止してください。そのまま使い続けると、冷媒ガスが少ない状態でコンプレッサーなどの重要な部品に負担がかかり、故障が悪化する恐れがあります。また、効かないエアコンを動かし続けるのは電気の無駄です。
安全かつ確実に対応するために、次の手順で運転を止めましょう。
- リモコンで運転を停止する: まずは通常通り、リモコンで電源をオフにします。
- エアコン専用のブレーカーを落とす(推奨): 完全に電源を切り離すため、分電盤にあるエアコン専用のブレーカーを切るのが最も確実です。
- コンセントを抜く(ブレーカーがない場合など): ブレーカーがどれかわからない場合や、手早く対応したい場合は、エアコン本体の電源プラグをコンセントから抜きます。
ガス漏れの疑いがある場合は、さらなるトラブルを防ぐため、直ちにエアコンの運転を停止してください。 こうすることで、エアコン本体へのダメージを最小限に抑え、安全を確保できます。運転を止めたら、次のステップとしてメーカーや業者への連絡を考えましょう。
ガス漏れが起きているか判断する方法
エアコンの不調がガス漏れによるものか、それ以外の原因かを判断する方法を紹介します。適切な対応のために、ガス漏れの有無を見極めることが重要です。
- パイプや熱交換器の状態を確認
- 洗剤や検知器を活用
パイプや熱交換器の状態を確認
ガス漏れを確認するには、室外機の「パイプ」と「熱交換器」をチェックします。
ガスが漏れていると、冷媒ガスが周囲を冷やして水分を凍らせるため、冷房運転中に室外機の細い方のパイプや熱交換器に異常な量の霜(白くなるほど)が付着します。冷房を15分ほど運転させてから確認しますが、機種によっては自動洗浄機能で一時的に凍結する場合もあるため注意が必要です。
洗剤や検知器を活用
霜で判断できない場合は、他の方法を試しましょう。家にある洗剤を使うと、手軽にガス漏れを確認できます。パイプの断熱カバーを外して、薄めた洗剤をかけるだけです。漏れている箇所があれば泡がたつので一目でガス漏れが判断できます。
ただし、ガスの勢いが強い場合やガスが抜けきっている場合は泡が出ないため、確実な判断方法ではありません。
より確実なのは、ガス検知器を使う方法です。カバーに小さな穴を開けて検知器の先端を挿入すれば、ごくわずかなガス漏れも検知できます。
エアコンメーカーに問い合わせる
エアコンのガス漏れが疑われる場合、購入したエアコンのメーカーに問い合わせるのも良い方法です。特に、保証期間内であれば無償で修理を受けられる可能性があるので、最初に確認すべき連絡先です。
メーカーに問い合わせる主なメリットは次の通りです。
- 保証期間内なら無償修理の可能性: メーカー保証(通常本体1年、冷媒回路5年など)の期間内なら費用がかからない場合があります。
- 製品知識が豊富で安心: 自社製品について最も詳しく、的確な診断やアドバイスを期待できます。
- 純正部品での修理: 修理には基本的に純正部品を使うため、品質面で安心です。
保証期間内であれば、無償で修理を受けられる可能性があるため、まずはメーカーへの問い合わせを検討しましょう。 保証期間は、購入時の保証書を確認するか、メーカーのウェブサイトやサポートセンターで製品型番をもとに調べられます。保証期間が過ぎていても修理を受け付けてくれることが多いですが、その場合は費用がかかります。
業者へ修理を依頼する
エアコンのメーカー保証期間が切れている場合や、メーカーの対応に時間がかかりそうな場合、あるいは引越しなどで設置した業者に連絡が取りにくい場合などは、専門の修理業者に依頼することを考えます。修理を頼める業者はいくつかあり、それぞれに特徴があります。
ご自身の状況に合わせて、適切な依頼先を選ぶことが大切です。主な依頼先には、次のような選択肢があります。
- エアコンメーカー: 純正部品での修理や製品知識が豊富で安心感がある(前述)
- エアコン修理専門業者: エアコン修理に特化し、迅速な対応や高い技術力が期待できる場合がある
- 家電量販店: エアコンを購入した店舗が窓口となり、提携業者を手配してくれる
- 街の電器屋さん: 地域に密着しており、顔なじみであれば気軽に相談しやすい
保証期間が過ぎている場合や、より迅速な対応を求める場合は、専門業者などへの依頼も選択肢です。 ただし、業者によって技術力や料金設定、対応の丁寧さには差があります。状況に応じて、より信頼できる業者を慎重に選びましょう。
エアコンのガス漏れ時にかかる費用は?【修理or買い替え】
エアコンのガス漏れがわかったとき、気になるのは「修理にいくらかかるのか?」そして「買い替えた方がお得なのか?」という費用の問題です。修理費用と買い替え費用、それぞれの目安を知り、どちらがご自身の状況にとってより良い選択なのかを判断する材料をお伝えします。
| 費用 | 判断基準例 | |
|---|---|---|
| 修理 | 6,000円前後~5万円 | ・使用期間が10年未満 ・エアコンの保証期間内 |
| 買い替え | 5万円前後~数十万円以上 | ・使用期間が10年以上 ・修理費用が5万円を超える |
修理費用
エアコンのガス漏れ修理にかかる費用は、故障の状況や頼む業者によって大きく変わりますが、一般的な相場を知っておくと判断の助けになります。修理費用は、主に次の項目で構成されます。
- 出張費・診断料: 技術者が訪問して状況を確認するための基本料金(5,000円~15,000円程度)
- ガス漏れ箇所特定・修理作業費: 漏れている箇所を見つけ、溶接や部品交換などを行う技術料(10,000円~30,000円程度。箇所や難易度で変動)
- 部品代: 交換が必要になった部品(配管、バルブ、熱交換器など)の実費(数千円~数万円以上になることも)
- 冷媒ガス補充(チャージ)費用: 減ってしまったガスを補充する費用(ガスの種類と量により10,000円~25,000円程度)
これらの合計で、簡単なガス補充だけで済めば15,000円程度から、部品交換や複雑な修理が必要になると50,000円以上かかることもあります。 どこからガスが漏れているか、どの部品を交換するかで総額が大きく変わる点に注意が必要です。エアコンのガス漏れ修理費用は、故障箇所や依頼先によって大きく変動するため、必ず事前に見積もりを取りましょう。 複数の業者から見積もりを取って比較すれば、適正な価格を知り、納得して依頼先を選べます。
買い替え費用
エアコンの修理費用が高額になる見込みの場合や、エアコンを長年使っている場合は、新しい製品への買い替えも有力な選択肢です。買い替えにかかる費用は、新しいエアコン本体の価格だけではありません。
買い替えの際には、主に次の費用がかかります。
- エアコン本体価格: 機種や性能(部屋の広さに合った能力、省エネ性能、搭載機能)で大きく変わる(数万円~数十万円)
- 標準取り付け工事費: 基本的な設置作業の費用(10,000円~18,000円程度)
- 追加工事費(必要な場合): 配管の延長、見た目を整える化粧カバーの設置、専用コンセントの増設、電圧の切り替えなど(数千円~数万円)
- 古いエアコンの取り外し・リサイクル処分費用: 法律で定められたリサイクル料金と、それを運ぶための収集運搬費(合計で数千円~1万円程度)
エアコンの買い替えは本体価格だけでなく、工事費や処分費用も含めた総額で考える必要があります。 例えば、10万円のエアコン本体を選んでも、工事費や処分費を含めると総額は13万円以上になることがあります。一方で、最新のエアコンは省エネ性能が向上しているため、長い目で見ると電気代の節約につながるメリットも見逃せません。購入する機種や必要な工事によって総額は変わりますので、販売店でしっかり見積もりを確認しましょう。
修理と買い替えどちらが良い?
ガス漏れしたエアコンを修理するか、思い切って買い替えるか、どちらが良いかはとても悩ましい問題です。最終的な判断はそれぞれの状況によりますが、いくつかの判断基準を参考に検討することをおすすめします。
判断する際に考えると良いポイントは次の通りです。
- エアコンの使用年数: 設計上の標準使用期間(多くのメーカーが10年と設定)がひとつの目安です。10年近く、またはそれ以上使っているエアコンは部品の劣化が進んでおり、修理してもまた別の箇所が故障するリスクがあります。
- 修理費用の見積もり額: 修理費用が高額(例えば5万円を超えるような)になる場合は、買い替え費用と比較して検討する価値があります。
- 故障箇所: ガス漏れ箇所が特定しにくい、あるいは熱交換器やコンプレッサーといった重要部品の交換が必要な場合は、修理費用が高額になりやすいです。
- 現在のエアコンへの満足度: 今使っているエアコンの省エネ性能や機能に不満があるなら、買い替えは快適性の向上や電気代節約のチャンスにもなります。
使用年数が10年近い、または修理費用が高額になる場合は、長期的な視点で買い替えを検討するのがおすすめです。 新しいエアコンは省エネ性能が格段に向上している機種が多く、数年間の電気代の差で初期費用の差を埋められる可能性もあります。修理と買い替え、それぞれのメリット・デメリット、そしてかかる費用を総合的に比べて、ご自身にとって最も納得のいく選択をしましょう。
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少しでも費用を抑えたいなら、複数の業者へ相見積もりを依頼するとリーズナブルな業者を見極めやすくなります。買い替えにかかる費用の見積もりにも「ミツモア」の利用が便利です。
エアコンのガス漏れを予防するには?
エアコンのガス漏れは、ある日突然起こってしまうこともありますが、普段からのちょっとした気配りや定期的なお手入れによって、そのリスクをある程度減らすことが可能です。
故障によって不便な思いをしたり、予期せぬ修理費用がかかったりするのを防ぐためにも、できることから予防策を始めてみませんか。
これらの予防策は、ガス漏れを防ぐだけでなく、エアコン全体の性能を保ち、寿命を延ばすことにも役立ちます。
フィルター掃除を行う
エアコンの室内機についているフィルターを定期的に掃除することは、ガス漏れそのものを直接防ぐわけではありません。しかし、エアコン全体の効率を保ち、内部の部品にかかる負担を軽くするためには非常に重要なお手入れです。 フィルターがホコリなどで目詰まりすると、空気をスムーズに吸い込めなくなり、熱を交換する効率が悪くなってしまいます。
フィルター掃除の基本的なポイントを押さえておきましょう。
- 掃除の頻度: 2週間に1回程度を目安に行うのがおすすめです。(エアコンの使用頻度や部屋の環境によって調整してください)
- 掃除の方法: フィルターを取り外し、表面のホコリを掃除機で吸い取ります。汚れがひどい場合は、水洗い(中性洗剤を薄めたぬるま湯で優しく洗い、完全に乾くまで陰干し)します。
- 掃除の効果: 冷暖房の効きが良くなる、電気代の節約につながる、エアコン内部の汚れやカビの発生を抑える、風量が落ちるのを防ぐ。
フィルター掃除は、誰でも簡単にできる最も基本的なセルフメンテナンスです。 エアコンに余計な負担をかけないためにも、こまめな掃除を習慣にしましょう。(フィルター自動お掃除機能付きのエアコンでも、たまったホコリを捨てるダストボックスの清掃は定期的に必要です。)
室外機の設置環境を見直す
エアコンの室外機は、家の外に置かれて雨や風、直射日光などに耐えながら、熱を放出(または吸収)するという重要な役割を担っています。室外機が置かれている環境が悪いと、熱交換の効率が落ちたり、部品の劣化が早まったりして、結果的にガス漏れを含む様々な故障の原因になることがあります。
室外機の設置環境について、一度チェック・見直してみたいポイントです。
- 周りのスペース: 室外機の空気の吸込口(側面や背面)や吹出口(前面)の周りに、物を置いたり、植木鉢をぴったりつけたりせず、空気の流れを妨げないように十分なスペース(機種にもよりますが、目安として前後左右に10cm~20cm程度)を確保しましょう。枯葉などが詰まらないように掃除も大切です。
- 異音や振動: 運転中にガタガタと大きな音や振動がないか確認しましょう。もし振動が大きい場合は、防振ゴムを下に敷くなどの対策を検討します。
- 設置場所の安定: 室外機が傾いていたり、不安定な場所に置かれていたりしないか確認します。
- 水はけ: 大雨の際に室外機の下が水浸しにならないように、水はけの良い場所に設置するか、専用の台やブロックなどで少し高くしてあげましょう。
- 直射日光や雨風対策(必要に応じて): 夏場に強い西日が長時間当たる場所や、常に雨風に晒されるような場所では、専用の日よけや雨よけカバーを取り付けることも有効です(ただし、空気の流れを妨げない形状のものを選びましょう)。
室外機の周りをきれいに保ち、スムーズに空気が流れるようにすることで、エアコンが効率よく運転でき、部品にかかる負担や劣化を和らげることができます。
定期的にメンテナンス・点検を行う
ご自身で行うフィルター掃除や室外機周りのチェックに加えて、数年に一度はエアコンの専門業者による本格的なメンテナンスや点検を受けることが、ガス漏れをはじめとする様々なトラブルを未然に防ぐ上で非常に効果的です。 専門家(プロ)の目で詳しくチェックしてもらうことで、自分では気づくことができない内部の劣化や、故障につながる可能性のある小さな異常を早期に発見できます。
専門業者による定期メンテナンス・点検では、主に次のようなことを行います。(内容は業者やプランによって異なります)
- 冷媒ガス圧の測定: 専用の機械を使って、エアコン内部の冷媒ガスの量が適切か、圧力が正常な範囲にあるかを確認し、微量なガス漏れの兆候がないかをチェックします。
- 配管接続部の確認: 室内機と室外機をつなぐ配管の接続部分に、ナットの緩みや腐食、油が滲んでいるような跡がないかを詳しく点検します。
- 電気系統の点検: 電線の接続部分に緩みがないか、配線が劣化していないか、コンデンサなどの電気部品の状態は正常かなどを確認します。
- 内部洗浄(オプションの場合が多い): 熱交換器やファンなど、内部に溜まったホコリやカビを、専用の機材(高圧洗浄機など)を使ってきれいにクリーニングし、エアコン本来の性能を回復させます(通常は別途料金のオプションサービスです)。
理想的な頻度はエアコンの使用状況によっても変わりますが、一般的には2~3年に1回程度を目安に、定期的なプロによる点検を検討することをおすすめします。 これにより、ガス漏れのリスクを低減できるだけでなく、エアコン全体の状態を良好に保ち、より長く、安心して使い続けることにつながります。
エアコンのガス漏れ修理を行った人の口コミ
エアコンのガス漏れに関するQ&A
エアコンのガス漏れについて、多くの方が疑問に思ったり、不安に感じたりする点について、Q&A形式で分かりやすくお答えします。
漏れているガスは人体に有害?
現在、日本の家庭用エアコンで主に使用されている冷媒ガス(代表的なものにR32やR410Aがあります)は、毒性が低く、燃えにくい性質を持っているため、通常の生活空間で微量のガスが漏れたとしても、それが直ちに人の健康に深刻な害を及ぼす危険性は低いとされています。
ただし、全く安全というわけではなく、以下の点には注意が必要です。
- 高濃度になった場合の酸欠リスク: もし、非常に狭く、換気が全くされていない密閉された空間で大量のガスが漏れた場合には、空気中の酸素濃度が低下し、酸欠状態になるという理論的なリスクは存在します(ただし、通常の家庭環境でそのような状況になることはまず考えられません)。
- 燃焼によって有害ガスが発生する可能性: 冷媒ガス自体は燃えにくい性質ですが、ストーブの炎など、非常に高温の火気に直接触れると、化学分解を起こして有害なガス(フッ化水素など)を発生する可能性があります。ガス漏れが疑われる状況では、念のため近くでの火気の使用は避け、換気を行うようにしましょう。
結論として、ガス漏れに対して過度に心配する必要はありませんが、安全のために換気を心がけることが望ましいと言えます。
エアコンのガス補充だけをお願いできる?費用はいくら?
業者によっては「ガス補充のみ」の作業を受け付けている場合もあります。しかし、原則として、ガスが漏れている箇所を特定し、修理せずに、ただガスだけを補充するという作業は、根本的な解決にならないため推奨できません。 なぜなら、漏れている原因(穴や隙間)をそのままにしておけば、補充したガスも時間とともに再び抜けてしまい、結局は同じことの繰り返しになるからです。
ガス補充のみを依頼する場合の注意点と費用の目安です。
- 費用目安: 6,000円~20,000円程度(ガスの種類や補充する量、業者によって異なります)に加えて、出張費などがかかる場合があります。
- 問題点:
- 一時しのぎにしかならない: 漏れの原因が解消されていないため、確実に再発します。
- 根本的な解決にならない: 結局、いつかは漏れ箇所を修理する必要が出てきます。
- 環境への負荷: ガスが漏れ続ける状態は、環境に対しても良くありません。
- 信頼できる業者は推奨しない傾向: 多くのまともな修理業者は、漏れ箇所の特定と修理を伴わない安易なガス補充だけを行うことを推奨しませんし、断る場合もあります。
「とりあえずガス補充だけで安く済ませたい」と考えがちですが、長い目で見ると、結局は修理費用がかさんでしまう可能性があります。 必ず、ガス漏れ箇所の特定と修理をセットで依頼するようにしましょう。
修理にかかる時間はどのくらい?
エアコンのガス漏れ修理にかかる時間は、故障の状態や修理する内容によって大きく異なりますが、一般的なケースであれば、業者が訪問してから作業が完了するまで、「1時間~3時間程度」が一つの目安となるでしょう。
作業時間に影響を与える主な要因には、次のようなものがあります。
- ガス漏れ箇所の特定にかかる時間: 比較的簡単に漏れている箇所が見つかる場合もあれば、複数の箇所を詳しく調べないと特定できず、時間がかかる場合もあります。
- 修理作業の内容: 配管接続部のナットを締め直したり、劣化したパッキンを交換したりするような比較的簡単な作業であれば、短時間で済みます。しかし、配管を部分的に交換したり、溶接で穴を塞いだりする作業が必要になると、それなりに時間がかかります。
- 交換部品の在庫状況: もし交換が必要な部品を業者がその場で持っていればスムーズですが、特殊な部品などで取り寄せが必要になった場合は、部品が入荷してから後日改めて訪問して作業することになり、修理完了までに日数がかかることもあります。
修理を依頼する際に、おおよその作業時間の目安を業者に確認しておくと良いでしょう。 ただし、現場の状況によっては、予定よりも時間がかかる場合があることも理解しておきましょう。
保証期間内なら無料で修理できる?
エアコンのメーカー保証期間(通常は本体購入から1年間、冷媒回路は5年間など)や、購入した販売店が独自に提供している延長保証サービスの期間内であれば、ガス漏れ修理が無料、または割引価格で受けられる可能性が高いです。 これは保証に加入していることの大きなメリットです。
ただし、保証が適用されるかどうかには、いくつかの条件や注意点があります。
- 保証の対象となる故障: 通常の使い方をしていて発生した、製品自体の欠陥や製造上の不具合が原因による冷媒回路(コンプレッサー、熱交換器、配管など)のガス漏れは、多くの場合、保証の対象となります。
- 保証の対象外となる主なケース:
- 天災や外的要因による損傷: 地震、落雷、水害などの自然災害による故障、ネズミなどの動物による配管のかじり、お客様自身の不注意による破損(例:室外機に物をぶつけてしまった)など。
- 設置工事の不備が原因の場合: エアコンの取り付け工事が原因で発生したガス漏れは、製品保証ではなく、工事を行った施工業者の保証の範囲となります。
- 経年劣化によるもの: 保証期間を過ぎた後に、通常の長年の使用によって部品が劣化して発生した故障。
- 消耗品の交換: フィルターなどの消耗品の交換は保証の対象外です。
- 保証書の提示: 修理を依頼する際には、保証書(原本)の提示が必要になる場合がほとんどです。
まずは保証書をよく読んで、保証期間と保証内容(特に保証の対象外となるケース)を確認することが大切です。 そして、メーカーや販売店に連絡を取り、今回のガス漏れが保証の対象になるかどうかを具体的に確認しましょう。
賃貸物件のエアコンがガス漏れした時の対処方法は?
賃貸物件に備え付けのエアコンからガス漏れが疑われるときは、ご自身で修理業者を手配するより先に、まずは大家さんや管理会社へ連絡することが最も大切です。 賃貸物件の設備は大家さんの所有物ですので、独断で修理を進めると、後から問題が生じたり、修理費用を自分で負担しなければならなくなったりすることもあります。
通常、連絡を受けた大家さんや管理会社が状況を確認し、専門業者を手配してくれます。修理費用の負担については、状況によって変わってきます。基本的に、経年劣化や通常の使用による故障であれば大家さんや管理会社が費用を負担しますが、次のような場合は入居者の負担になることもあります。
- 入居者がエアコンの取り扱いを誤って故障させてしまった
- 日常行うべきフィルター掃除を怠ったことが故障の原因と見なされた
- 入居者の故意または大きな不注意によって故障した
上記のように、入居者に責任があると判断される場合には、費用負担を求められることがあります。 通常の使用による故障であれば、修理費用は貸主の負担となるのが一般的ですが、まずは賃貸借契約書の内容を確認し、大家さんや管理会社としっかりと話し合ってください。 連絡の際には、エラーコードが表示されていればその番号、いつからどのような症状が出ているのかといった情報を具体的に伝えると、その後のやり取りが円滑に進むでしょう。
エアコンのガス漏れは早めに対処しよう

エアコンがガス漏れだった場合の対処方法について、事前に確認するポイントや注意点を含めて解説しました。
ご自身でガスが漏れていないかどうかを調べることはできますが、実際の修理作業は専門知識やスキルを持つプロに依頼したほうが安心です。
ミツモアでは、豊富な経験と知識を持ったエアコンの修理業者が登録されており、エアコンの種類や修理の日程など、簡単な質問に答えるだけで、最大5つの業者から見積もりが届きます。料金はもちろん、過去にミツモアでお仕事を依頼した利用者からの口コミ評価もチェックできるので、安心して利用できます。
