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エアコンの冷媒ガスを補充する!自分でやる方法と業者の費用相場

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最終更新日: 2024年08月23日

エアコンの冷媒ガスが漏れてしまって、エアコンから出る風の温度が変わらないことがあります。一般的にエアコンが正しく取り付けられていれば、冷媒ガスは漏れません。しかし、エアコン工事で配管パイプの接続部品が緩んでいたり、配管パイプが劣化して亀裂が入ると、エアコンの冷媒ガスが漏れてしまいます。

自分で冷媒ガスを補充することもできますが、専門知識を理解していないと事故につながるため、注意が必要です。エアコンの冷媒ガスを補充するやり方と、エアコン工事業者に依頼したときの費用を含めて紹介します。

エアコンの冷媒ガス補充はいつ必要?

エアコン冷媒ガス

冷媒ガスは配管を通してエアコンと室外機の間を循環しているガスです。冷暖房の使用時、部屋の熱を外に逃がすため必要なもので、通常はエアコンの使用中に冷媒ガスが漏れ出すことがないため、補充する必要はありません。

ただし、何らかの理由でガスが漏れてしまうことはあります。その場合、室内機と室外機の間で移動する熱の量が減り、冷暖房が効きづらくなってしまいます。完全にガスがなくなってしまうとエアコンが動かなくなってしまうため、以前よりも効きが悪いと感じたときは、冷媒ガスが漏れていることを疑いましょう。

エアコンの冷媒ガスが漏れる3つの原因

エアコンの冷媒ガスが漏れる原因は、主に3つです。

  1. エアコン取り付け工事中の不備
  2. 無理に室外機を移動させたことによる部品の損傷
  3. 経年劣化をはじめとした原因による配管の損傷

1.エアコン取り付け工事中の不備

エアコンの取り付け工事の際、しっかりと配管が接続されていなかったり、ナットの締めつけが緩かったりすると、冷媒ガスが漏れる可能性があります。正しく設置しないと無理な力が入ってしまい、冷媒管や熱交換器の損傷や接続不良でガスが漏れてしまいます。

取り付け工事の不備は購入後に設置するタイミングや、引越し時の移設工事などで発生する場合があり、即日または数年後にエアコンの効きが悪くなるケースがあるので注意しましょう。

2.無理に室外機を移動させたことによる部品の損傷

エアコンの室外機を無理に動かそうとすると、冷媒配管や部品の接続不良や損傷が発生して冷媒ガスが漏れてしまいます。冷媒配管は経年変化で徐々に固くなることから移動時に損傷しやすい部品です。

同様に地震で室外機が倒れたり、元に戻そうとすると同じようにダメージや接続不良が発生する可能性があるため、注意が必要です。

3.経年劣化をはじめとした原因による配管の損傷

エアコンを長期にわたって使用すると、経年劣化でエアコン内部の熱交換器や配管、バルブが腐食します。その部品が接触不良を起こしたり、亀裂が入ってしまうことで冷媒ガスが漏れてしまいます。

経年劣化だけではありません。エアコン本体に直接アルコール除菌スプレーをかけたり、雨風やネズミなどの食害を防ぐために配管カバーを取り付けなかったりすると、配管が劣化してしまうため、取り扱いに気をつけましょう。

自分でエアコンの冷媒ガス漏れをチェックする方法

エアコンの冷媒ガスは普通に見ただけでは漏れているかどうかわかりません。そこで下記の方法で冷媒ガスが漏れているかどうか確認しましょう。

室外機の配管に霜がついているか

エアコンを冷房で15分ほど動かし、その後室外機の配管パイプに霜・水滴が付いているか確認しましょう

  • 霜が付いている:冷房ガス漏れの可能性が高い
  • 水滴が付いている:冷媒ガス漏れの可能性が低い
  • なにもついていない:冷媒ガスがない(空)可能性がある

この際にがついていると冷媒ガスが漏れている可能性が高く、水滴が付いている場合、冷媒ガス以外の部分が故障していることが考えられます。

霜・水滴とも付いていないときは、室外機の配管を触って温度を確かめてみましょう。常温の場合、冷媒ガスが不足している可能性があるため、補充と修理が必要です。

送風口から風が出ていても冷えないか

冷房で運転しているとき、送風口からぬるい風しか出てこない、または暖房時に冷風しか出てこない場合、冷媒ガスが漏れている可能性があります。エアコンのフィルターを掃除してそれでも直らないときは、冷媒ガスを補充しましょう。

検知液を使用する

ガス検知用の検知液を使って、冷媒ガスが漏れていないか確認する方法もあります。冷媒ガスが漏れていそうな配管部分に吹きかけると、ガスが漏れているとき、泡が発生します。この時点で確認できたら、できるだけ早めに冷媒ガスを補充しましょう。

なお検知液は、ホームセンターや通販サイトで2,000円から購入できます。

ガス漏れ検知器を使用する

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ガス漏れ検知器を使ってエアコンの冷媒ガスが漏れているか確認するのもおすすめです。使用した際、ガスが漏れているとランプやブザーなどで知らせます

ただし、検知液と比べて費用がかかるほか、機器によって感度が異なります。どの冷媒ガスに対応しているか確認したうえで購入しましょう。

エアコンの冷媒ガスを補充するやり方

エアコンの冷媒ガスを補充するには専門知識が必要です。誤った手順でやると事故につながる危険性があるので、知識や技術がなければ、エアコン専門の修理や取り付け業者に依頼しましょう。冷媒ガスを補充するやり方は、下記のとおりです。

  1. 必要な道具を準備する
  2. マニホールドと室外機とを接続する
  3. チャージングスケールにガスボンベを載せる
  4. 真空引きを行う
  5. 気密試験を行う
  6. 冷媒ガスを補充する
  7. バルブを閉める

1.必要な道具を準備する

冷媒ガスを補充する際に必要な道具は、以下のとおりです。

フルオロカーボンガス 冷媒ガスのボンベ
真空ポンプ 真空状態を作るためのボンベ
チャージングスケール(はかり) 冷媒の充填量を計測する機械
ゲージマニホールド 真空度を計測するための圧力計や連成計、台座などのセット
チャージングホース 冷媒ガスを補充するためのホース

これらの道具を自分で購入しようとすると30,000〜50,000円以上かかるほか、レンタルの場合も3,000〜5,000円かかります。

2.マニホールドと室外機を接続する

エアコン 配管パイプ 接続

「室外機→マニホールド→真空ポンプ」という順に、チャージングホースを使って接続します配管や室外機の内部に残っている冷媒ガスを取り出すのが目的です。このとき、必ず室外機の低圧側のバルブにつながっていることを確認しましょう。

3.チャージングスケールにガスボンベを載せる

補充する冷媒ガスの量を確認するため、「チャージングスケール」というガスの充填量を計測する器具に冷媒ガスボンベを乗せましょう。ガスを充填するとき、ボンベの減少量を確認しながら補充する量を把握するために行います。

ボンベを乗せる際、ボンベ分の重量を差し引くために重量を0に設定し、マニホールドと冷媒ガスボンベとをつないだうえで、室外機の低圧側バルブを接続します。

4.真空引きを行う

真空引き ガス補充 ガスチャージ

真空ポンプを使ってエアコンの配管内部を真空状態にする「真空引き」を行います。エアコン内部に空気や水分が残っていると、エアコンは正常に作動しません。

室外機に真空ポンプをつなぎ、バルブが開いていることを確認し、真空ポンプの電源を入れて開始します。10〜15分運転した後、マニホールドのゲージ圧が-0.1MPa以下であることを確認したら、低圧側バルブを閉めます。

5.気密試験を行う

バルブが閉まっているのを確認して、真空ポンプの電源を切ります。その状態のまま5分経過した後、マニホールドのゲージ圧を確認しましょう

変化がなければ問題ありませんが、変化しているときはガスが漏れている可能性があります。配管の破損や部品の緩みなどがあれば、修理をしましょう。

6.冷媒ガスを補充する

ガスボンベ

ゲージ圧に変化がなければ、冷媒ガスを補充します。補充する際、エアコンの種類によって量が細かく規定されているので、チャージングスケールを使いながら規定量を超えないように注意しましょう

バルブを開けて、冷媒ガスを充填していきます。チャージングスケールのメモリでガス量を見つつ、マニホールドのゲージ圧を確認しながら規定量をチャージしましょう。

参考:充填作業におけるチャージングスケールの基本的な使い方 | BBKテクノロジーズ

7.バルブを閉める

冷媒ガスの補充が終わったら、バルブを閉めましょう。閉める順番はマニホールド、冷媒ガスボンベの順です。その後「室外機サービスポート→冷媒ガスボンベ」の順に、チャージングホースを外していけば、ガスの補充作業は終了です。

自分で冷媒ガスを補充するときの注意点

自分でエアコンの冷媒ガスを補充するのは危険を伴うほか、エアコンの故障につながる可能性があります。原則として専門のエアコン施工業者に依頼することが大切です

どうしても自分で冷媒ガスの補充をするときは、下記4つのポイントに注意しましょう。

  1. 補充に必要な冷媒ガスの種類を確認する
  2. 室外機をきれいにする
  3. 爆発や火災を起こさないようにする
  4. 冷媒ガスを補充しても冷えない場合は専門の修理業者に依頼する

1.補充に必要な冷媒ガスの種類を確認する

エアコンに使われている冷媒ガスの種類は、主に以下のとおりです。

冷媒ガスの種類 使用用途 特徴
R22
パッケージエアコン、ルームエアコン
オゾン層の破壊が小さい水素を含む冷媒ガス
R410A オゾン層破壊の影響が少ない冷媒ガス
R32

R22・R32は「単一冷媒」と呼ばれるガスでそのまま継ぎ足しができます。その一方で、R410Aは2種類のガスを50%ずつ混ぜ合わせた「二種混合冷媒」と呼ばれるものでそのまま継ぎ足しができません。

室外機に貼られているシールに冷媒ガスの種類が記載されているため、自分で補充する前に必ず確認しましょう

なお「R22」をはじめ、冷媒ガスの種類によっては製造が終了しているものがあります。そのときはエアコンを買い替えましょう。

2.室外機をきれいにする

エアコンの室外機が汚れていると、ゴミが詰まってしまって故障のリスクが高くなるほか、大きな負荷がかかって冷暖房の空気が出なくなってしまいます。ゴミで室外機が汚れている場合は掃除をすると、冷暖房が改善する可能性があるため、掃除をしましょう

3.爆発や火災を起こさないようにする

エアコンの冷媒ガスは引火しやすいため、補充の手順や使用方法を間違えると、爆発や火災を引き起こす危険があります。自分で冷媒ガスを補充するときは十分注意し、ガスが足りないと思ったら無理をせず、プロの業者に依頼しましょう。

4.冷媒ガスを補充しても冷えない場合は専門の修理業者に依頼する

自分で冷媒ガスを補充した後、エアコンをつけても温度がうまく下がらない(上がらない)場合は、室内機が故障している可能性もあります。すぐに運転を止めて、自分でガスの追加補充や修理をせず、専門の修理業者に依頼しましょう。

エアコンの修理を業者に依頼する

エアコンの冷媒ガス補充を業者に依頼するときの費用相場

業者や地域によって異なりますが、エアコン専門の施工業者に冷媒ガス補充を依頼した場合の費用相場は、下記のとおりです。

冷媒ガス補充の料金相場 16,000円~27,000円

なお料金相場はエアコンの状態や配管の劣化状態によって変わります加えて、ガス補充のほかに配管に亀裂が入ったときの取り替え工事や室内機、室外機の取り外し・取り付け作業が発生すると、下記のように追加費用がかかる場合があるので、注意が必要です。

壁掛けエアコンの取り外し・取り付け工事 4,800~15,600円
配管の取り替え(隠蔽配管の設置作業) 10,000~14,000円

ガス補充とは別に追加工事が発生すると、合計で30,000〜87,000円かかる場合があります加えて自分で冷媒ガスを補充するとき、すべての道具を取り揃える必要があり、補充のみで30,000〜60,000円の費用がかかるため、業者に依頼したほうが安く抑えられるでしょう。

使用期間次第でエアコンの買い替えも選択肢のひとつ

エアコンの使用頻度や環境によって変わりますが、エアコンの標準使用期間は10年です。使用期間が過ぎたエアコンで冷媒ガスが漏れている場合、配管の劣化による亀裂が原因の可能性があります。

ガスを補充したとしてもほかの箇所で故障を引き起こす可能性があるため、新しいエアコンに買い替えたほうが安くなる場合があるでしょう。エアコンの機種や年数などによって異なりますが、取り付けにかかる費用は11,000〜16,000円、古いエアコンを取り外すのに4,800〜10,000円かかります。

業者に冷媒ガスの補充を依頼する前に、見積もりを取って費用を確認しましょう。

エアコンの冷媒ガスを補充する修理業者を選ぶポイント

エアコンの効きが悪いので、専門の修理業者に冷媒ガスの補充を依頼するとき、下記のポイントを踏まえて業者を選ぶようにしましょう

無料で現地調査や見積もりを行ってもらえる

エアコンの冷媒ガスの補充を修理業者に依頼する際、業者のホームページや比較サイトなどで無料で現地調査や見積もりをしてもらえるか確認しましょう。業者によっては別途調査費や見積もり費用がかかる場合があります。

なおエアコンメーカーにも依頼できますが、現地調査と見積もりの段階で数千円ほど請求されるケースがあるので注意が必要です。

アフターサービスや保証が充実している

修理業者にエアコンの冷媒ガスを補充してもらっても、また冷えない事象が発生する可能性があります。そのため、冷媒ガスを補充した後もアフターサービスや手厚い保証が受けられる業者を選んでおくと安心です。

エアコンのガス補充や修理に関する口コミ評価が高い

利用者から寄せられた口コミを見て、冷媒ガスの補充や修理に関して高評価を得ているか確認するのもおすすめです。修理業者のホームページや比較サイトなどで満足度や信頼感を確認できます。

実際にある比較サイトには、「エアコンが冷えないので依頼したところ、丁寧に説明したうえで対応してもらえた」「予定よりも早めに工事をやってもらえて助かった」という口コミが寄せられています。

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エアコンの冷媒ガスを補充するやり方について、事前に確認するポイントや注意点を含めて解説しました。自分でガスが漏れていないか調べることができるものの、実際に補充しようとすると専門知識やスキルがないと難しいため、スキルを持ってプロに依頼したほうが安心です。

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