エアコンをつけようと思っても、なぜか動かないという経験はありませんか?
本当に故障したのかどうかや、故障したのであれば何が原因かが分かれば対処方が見えてきます。
本記事ではエアコンが壊れたと思ったときのチェック方法や故障原因の特定方法、修理費用等を解説します。
エアコンが壊れたときに確認したいポイント
「エアコンが壊れた?」と思ったらすぐに修理を依頼したくなりますが、本当にエアコンが故障したのかをチェックしましょう。チェックポイントは4つです。
エアコンの故障に思えるような症状も、実は故障ではないことが多くあります。
故障かどうかをチェックして、修理や買い替えといった対処法を取りましょう。
エアコンの設定温度
エアコンの設定温度や運転モードが間違っている場合は、思うように動作しません。エアコンが壊れたのではと思ってしまいますが、慌てずにリモコンをチェックしましょう。
初歩的な確認不足や操作ミスでエアコンが効かない可能性は十分にあります。
注意が必要なのは久しぶりにエアコンを使うときです。運転モードの切り替えを忘れて、設定温度だけ変更しているケースが少なくありません。
エアコンが壊れた!と思う前に、まずはリモコンと設定温度に問題がないかチェックしましょう。
リモコンの不具合・電池切れ
リモコンの電源ボタンを押しても反応がない場合は、2つの原因が考えられます。
エアコンのリモコンのボタンを押しても反応しない原因
- リモコンの故障
- リモコンの電池が切れている
リモコンが動作しない原因を絞り込むには、以下の順番でリモコンのチェックをしましょう。
- 赤外線送信部の汚れを取る
- 電池入れの汚れを拭きとり、電池を交換する
- 室内機の「運転/停止」ボタンでエアコンが作動するか確認する
久しぶりにエアコンのリモコンを使う場合は、リモコンの送信部が汚れていて反応が悪くなっている可能性があります。
リモコンの赤外線送信部を拭いて汚れをとり、通常通りに使用しましょう。汚れがついているだけであれば、問題なく使えるようになります。
もし汚れを拭き取っても反応しない場合は、リモコンの電池切れを疑いましょう。電池を交換し、再び動作するようになれば問題ありません。
赤外線送信部を拭いても、電池を交換してもリモコンが動作しない場合はリモコンの不具合が疑われます。
室内機の側面や下部には、リモコンが使用できなくなった場合の応急運転スイッチがあります。スイッチを押してエアコンが動作するのであればリモコンが故障しています。交換や修理を行いましょう。
室外機本体や周辺環境
エアコンが故障していなくても、室外機のまわりに空気の出入りを妨げるものがあると正常に作動しません。
室外機は空気を出し入れして、部屋に送る風の温度を調節する役割を担っています。冷房も暖房も室外機から正しく風が出入りしないと、設定温度にならないのです。
室外機のまわりが物で覆われていたり金網が汚れていたりすると、空気をうまく出し入れできません。エアコンが作動しないと思ったら、室外機本体や周辺の状況をチェックしましょう。
汚れや換気の邪魔になっているものを取り除き、問題なくエアコンが作動するようなら中のパーツは故障していません。対処しても効かない・動かないという場合は、故障の可能性があります。
霜取り運転の稼働状況
エアコンには「霜取り運転」というモードがあります。霜取り運転中は暖房運転ができないので、故障したと勘違いすることがあります。
霜取り運転とは?
- 室外機についた霜を取り除くためのモード
- 1回の運転は10~15分程度
- 室外機から湯気が出ている場合は故障ではなく霜取り運転中
ほとんどの機種で15分もすれば霜は取れるため、放置しているうちに暖房運転は再開されます。
ランプが点滅する・室外機から湯気や音が発生するといったサインが確認できれば、霜取り運転に切り替わっているだけで心配はありません。暖房運転を続けるために必要なモードなので、完了するまで待ちましょう。
【症状別】エアコンが壊れたときの対処法
特定の症状が出ていて、エアコンが壊れていることが確定しているときの対処法をご紹介します。
対処法を試しても症状が解消されない場合はエアコンの修理または買い替えが必要になるケースが多いです。
エアコンから風が出ない
エアコンから風が出ないときの対処法
- リモコンの運転モードを切り替える
- 設定温度を変更する
- コンセントを抜き数分後に差しなおす
エアコンから風が出ない場合、設定温度や運転モードが間違っている場合はリモコンの操作のみで解消できます。
また、使い続けるうちに内部の基盤が不具合を起こしている場合があります。
内部基盤が不具合を起こしていると、設定は間違っていないのに期待するように作動しないことがあります。
基盤の不具合が疑われる場合は、エアコンのコンセントを抜き、5分ほど経過してから差しなおしましょう。
静電気等が原因で不具合を起こしている場合は、一度電流を断つことで放電が起き、不具合が解消されることがあります。
エアコンをつけても冷えない・暖まらない
エアコンをつけても冷えない・暖まらない場合の対処法
- 運転モードを切り替える
- エアコンのフィルター掃除をする
エアコンをつけても冷えない・暖まらない原因のひとつに、運転モードや設定温度のミスが挙げられます。その場合はリモコンで操作するだけで正しく運転するようになります。
もししばらくエアコンのフィルター掃除をしていないのであれば、フィルターのお手入れをすることでも機能が回復することがあります。
エアコンのフィルター掃除は年に1度水洗いするようにすると、長く快適にエアコンを利用できます。
エアコンのフィルター掃除の手順
- エアコンの電源を切り、コンセントからプラグを抜く
- カバーを開けてフィルターを取り外す
- フィルター表面に掃除機をかけてホコリを吸い取る
- スポンジに中性洗剤をつけてフィルターをこすり洗いする
- フィルターをシャワーで洗い流す
- タオルでフィルターの水気を拭き取り、完全に乾くまで陰干しする
- フィルターを元の位置に取り付ける
エアコンが冷えない、暖まらない原因は関連記事でも詳しく解説しています。
エアコンから水が漏れてくる
エアコンから水漏れする場合の対処法
- ドレンホースを清掃する
- ドレンホースの長さを調節する
- ドレンホースの出口の位置を調整する
- エアコンクリーニングを依頼する
エアコンから水漏れが発生している場合、ドレンホースのつまりが原因として考えられます。
ドレンホースのつまりは比較的対処が簡単です。
ドレンホースの掃除方法
- ドレンホースの排水口に古歯ブラシを入れる
- ホースを壊さないよう注意しながら汚れをかき出す
ドレンホースの掃除をするときはホースを強く引っ張ったり、力を込めすぎたりしないように注意してください。
ドレンホースを清掃しても改善されない場合は、エアコン内部に汚れがたまっていて水漏れが発生している可能性があります。そのような場合はエアコンクリーニングを依頼して、内部を洗浄してもらいましょう。
エアコンから異臭・異音が発生する
エアコンから異臭・異音が発生している場合の対処法
- エアコンクリーニングを依頼する
- 修理依頼を出す
エアコンから異臭・異音がする場合はすぐに使用を止める必要があります。
カビ臭い、酸っぱいような異臭であれば、エアコン内部にカビが繁殖しているため、エアコンクリーニングが必要です。
焦げ臭い、室外機から異音がする場合は重大な故障の可能性が高いです。そのまま使用し続けることで発煙・発火など重大な事故が起こる可能性があるので、すぐに修理を依頼しましょう。
エアコンが壊れた原因が分からないときの対処法
エアコンが壊れた原因が分からないとき、すぐにできる対処法をご紹介します。
以上の対処法を試しても不具合が収まらない場合は修理を依頼することをおすすめします。
① 電源プラグを抜き、数分後に差しなおす
放電による回路不具合の直し方
- エアコンの運転を停止する
- エアコンのコンセントを抜く
- 5~10分ほど時間を置く
- エアコンのコンセントを差しなおす
エアコンは使っていくうちに内部回路に静電気が溜まり、不具合の原因になることがあります。
静電気が原因の不具合の場合は放電をすれば正常に動作するようになります。
回路の放電をするには、電源プラグを抜き、5~10分後に差しなおします。
軽微な不具合であればこの方法だけで問題なく動作するようになります。
② リモコンの発信部の汚れを取る
エアコンのリモコンは赤外線を発して、室内機に動作を指示しています。
赤外線が発せられる発信部(送信部)が汚れていると、指示がうまく届かなくなり反応や動作が悪くなります。
ウェットティッシュなどで発信部の汚れをふき取ることで動作が回復する可能性があります。
③ リモコンの電池を変更する
リモコンの発信部の汚れをとっても動作が改善されない場合は、リモコンの電池が切れている可能性があります。
電池を新しいものに交換し、動作確認をしましょう。
もし電池を交換しても反応が悪い場合は、リモコンが故障している可能性があります。買い替えか修理を行いましょう。
エアコンの汎用リモコンもあるので、普段使う機能分のボタンがあるのであれば汎用リモコンに買い替えることも手段のひとつです。
④ エアコンの適用畳数と部屋の広さをチェックする
エアコンの適用畳数とは、そのエアコンが最も高いパフォーマンスを発揮できる部屋の広さを指します。
6~8畳など、幅を持って記載されることが多いです。この場合は木造住宅であれば6畳、鉄筋造りであれば8畳の部屋に設置することを推奨しています。
部屋の広さとエアコンの適用畳数を確認して、部屋の広さに合ったエアコンを設置するようにしましょう。
エアコンの適用畳数よりも部屋が広い場合の対処法
- パーテーション、仕切りで冷やす範囲を狭める
- エアコンを買い替える
エアコンの適用畳数よりも部屋が狭い場合の対処法
- エアコンを買い替える
- エアコンを弱風モードにする
⑤ 室外機の周辺の風通しを良くする
室外機周辺の風通しが悪い場合、排熱の効率が下がって運転効率も下がってしまいます。
室外機周辺に物を置かないようにし、雑草等を刈って風通しを良くするだけでも熱交換の効率が良くなります。
豪雪地帯の場合は雪かきも忘れずに行いましょう。室外機が雪に埋まってしまい、エアコンが使えなくなるケースがあります。
エアコンを買い替えたほうが良いケース
リモコンや室外機の環境が問題ではなく、実際にエアコンが故障してしまった場合は修理が必要です。しかし修理を頼むより、買い換えを検討するのが賢明なケースもあります。
自宅のエアコンが紹介する状況に当てはまっている場合、新品を買った方がよいでしょう。
① エアコンの保証期間外
エアコンの買い替えがおすすめ
- メーカー保証期限切れ
- 家電量販店等の保証サービスの期限切れ
修理がおすすめ
- メーカーや家電量販店の保証サービス期間内
販売店にもよるものの、エアコンを購入すると購入日から1年間の保証がついています。
保証期間内であれば安価に修理してもらえる可能性が高いので、修理がおすすめです。
しかし保証期間外の場合は新品を購入したほうが安上がりになるケースもあるので、修理費用と買い替え費用を比較することをおすすめします。
家電量販店等では、1年間のメーカー保証とは別に、店舗独自の保証サービスを展開していることがあります。
保証サービスに加入しているのであれば、家電量販店等に連絡し、保証を受けられないか確認しましょう。
② 平均寿命を超えて使っている
エアコンも他の電化製品と同じように、使った年数が長くなるだけ故障や不具合の頻度が上がっていきます。
多くのエアコンメーカーで定められている「標準使用期間」は10年で、実質的な寿命です。
機種ごとの標準使用期間は、本体のシールに記載されています。保証書があれば購入した時期も分かるので、標準使用期間を超えて使っているなら買い換えを検討しましょう。
10年が一般的な標準使用期間が過ぎると、部品がメーカーに保存されていない可能性があります。
修理自体ができない、あるいは部品の確保に追加料金がかかるというケースもあるため、新品に取り換えた方が長期的にコストパフォーマンスが高くなります。
③ エアコンのパワーが部屋の広さとマッチしていない
エアコンには適用畳数があり、どのくらいの広さの部屋にマッチしているかが分かります。
適用畳数と合わない広さの部屋に設置している場合、修理しても再び壊れたり、電気代がかさんだりといった不利益を被る可能性が高いです。
適用畳数より狭い部屋にエアコンを設置している場合
- 部屋の広さに対しオーバーパワーで運転することになり電気代がかさむ
- 室温の微調整ができず、オンオフの切り替えが増えて電気代がかさむ
適用畳数より広い部屋にエアコンを設置している場合
- 常にフルパワーで稼働することとなり故障のリスクが高まる
- 稼働効率が低くなり電気代がかさむ
なお適用畳数が14畳以上のエアコンは200Vのエアコン専用コンセントが必要です。
14畳以上の部屋にエアコンを設置するときはエアコン専用コンセントの形を確認し、100Vの場合はコンセントの増設・交換工事を依頼しましょう。
壊れたエアコンの修理にかかる費用
エアコンを修理する際に気になるのは、どの程度の費用がかかるかという点です。
エアコン修理にかかる費用について解説します。
エアコンの修理費用についてさらに知りたい方は、関連記事もご覧ください。
原因によって修理費用は異なる
エアコンのどの部分が壊れているかによって修理費用は異なります。代表的な症状と費用相場をご紹介します。
故障部位 | 費用相場 |
---|---|
ドレン(排水)関係の不具合による水漏れ | 7,000~15,000円 |
室内機の不具合 | 10,000~50,000円 |
冷媒ガスの漏出 | 20,000~50,000円 |
室外機の故障 | 20,000~100,000円 |
保証期間内であれば無料で修理してもらえることもある
エアコンメーカーでは通常、1年間の保証期間が設けています。
期間内であれば無償で修理してもらえるため、購入から日が浅い人は保証期間がいつまでか確認してみましょう。
ただ約10年というエアコンの寿命に対して、1年の保証はほんのわずかな期間です。
販売店によっては顧客がより安心して使えるように、3〜7年の保証を独自に付ける場合も多くあります。
メーカーや販売店によっては使用年数に応じて保証額が段階的に減っていくスタイルもあるため、保証書で詳細を見てチェックするのがおすすめです。
無料とまではいかなくても、保証期間を過ぎていなければ自己負担額を大きく抑えて修理できる可能性があります。
エアコンの修理を依頼する前の準備
エアコンの修理を依頼するときの事前準備は以下の3つです。
① 修理に必要な情報を整理する
② 業者を探すときは一括見積もりサービスを活用する
保証期間外にエアコンが壊れた場合は、修理業者を自分で見つける必要があります。そのようなときは一括見積もりサービスを使えば簡単に条件に合った業者を見つけられます。
一括見積もりサービスを使えば1回の操作で簡単に複数社からの見積もりを受け取れます。
ミツモアでは最大5社からの見積もりが受け取れます。費用やサービス面だけでなく、口コミも閲覧できるので、見積書だけではわからない魅力が簡単にチェックできます。
③ 修理作業に集中できるよう部屋を片付ける
エアコンの修理を依頼したら、修理日までにエアコンの付近を片付けておきましょう。
エアコンの修理日までに片付けておくべき場所
- エアコンの直下の床
- エアコン周辺の棚
- 室外機の周辺
- ブレーカーの周辺
床に物があったり、近くに高い棚があったりすると作業の邪魔になるのでできる限り片付けることをおすすめします。
見落としがちなのが室外機やブレーカーの周辺です。作業の邪魔になりそうなものはすべてどかしておきましょう。
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