エアコンが運転中に急に止まってしまうことはよくあります。どこかに不具合があったり、エアコンの正常な機能によって送風が停止してしまったりすることがあるんです。
この記事ではエアコンが勝手に止まる原因と対処法を、状況ごとに詳しく解説していきます。
故障の場合は自分でできる直し方も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
まずはエアコンが途中で止まる原因を「エラーコード」で確認しよう
突然エアコンが止まったとき、エアコンのリモコンに「A0」のような英数字が表示されることがあります。これはエラーコードといって、エアコンのどこに異常があるのかを表示する記号です。
エラーコードの出る場所やエラーの内容とコードの組み合わせはメーカーによって異なります。各メーカーの公式ホームページやエアコンの取扱説明書に載っているので、確認してみましょう。
エラーコードの内容を見て自分で修理するのが難しいと感じたら、エアコン修理業者に依頼するのが確実です。エアコンの本格的な修理を行う場合、費用相場は3万~8万5,000円くらいかかることもあります。
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エアコンのスイッチを入れてすぐ止まる場合の原因と対処法
エアコンのスイッチを入れて数秒でエアコンが勝手に止まる場合、以下のような原因が考えられます。
原因 | 対処法 |
①エアコンパーツの取り付け不良 | パーツがしっかり取り付けられているかを確認 |
②エアコンが異常動作を記憶・マイコンの異常 | コンセントを抜いて3~5分待ち、もう一度電源を入れてみる |
ひとつずつ説明しますね。
①エアコンパーツの取り付け不良が原因
エアコン掃除の際などに外したパーツが元通りに取り付けられていない場合、数秒でエアコンが止まることがあります。
特にこの2つがきれいにはまっていないケースが多いでしょう。
- ルーバー
- グリル
【ルーバー】
エアコンの吹き出し口に付いている羽のこと。
【グリル】
エアコン前面のフタのこと。
ルーバーがしっかりはまっていない場合はランプが点滅することもあるので、もしそうなっていたら確認してみてください。
パーツを取り外して掃除をしたあとは特に、エアコンのパーツがしっかり取り付けられているかをチェックしてみましょう。それでも止まる場合は以下を確認してみてください。
②エアコンが異常動作を記憶している・マイコンの異常などが原因
エアコンが異常動作を記憶していたり、マイコン(エアコンを制御するコンピューター)が異常を起こしていたりすると、数秒で止まってしまうことがあります。
対処法としては、まずエアコンのコンセントを抜きます。そのまま3~5分待ってコンセントを挿し、もう一度電源を入れてみましょう。こうしてエアコンを「リセット」することで異常が元に戻る場合もあります。
それでも変わらず数秒で止まってしまうなら、マイコンや基盤などの電子部品が故障している可能性が高いでしょう。この場合はプロに修理を依頼する必要があります。
エアコンが2~3分運転した後に止まる場合の原因と対処法
エアコンの電源を入れて2~3分で勝手に止まる場合、室外機の異常が発生している可能性があります。まずはエアコンの電源を入れたあと、数分外に出て室外機の様子を見てみましょう。
エアコンの電源を入れて2~3分経つと、まずファン(室外機の中のプロペラ)が回り出します。その後すぐコンプレッサー(空気を冷やしたり温めたりする部品)が「ブウン」と音を立てて動き出すはずです。
※一番手前の太くて黒い筒がコンプレッサーです。
しかしこのコンプレッサーが動き出した瞬間に止まってしまうパターンが多いでしょう。
この場合もエアコンの「リセット」で解決することがあります。まずは室内に戻ってエアコンのコンセントを抜きましょう。3~5分ほど待ってからコンセントを再度挿し、電源を入れます。
それでも変わらずエアコンが止まってしまうなら、コンプレッサーや制御基盤が故障している可能性が高いでしょう。この場合はプロによる修理が必要になります。
エアコンが5~10分運転した後に止まる場合の原因と対処法
問題なくエアコンが起動しても、5~10分ぐらい経ったあとに勝手に止まることもあります。その場合には、室外機のファン(室外機の中のプロペラ)周辺に異常がある可能性が高いでしょう。
※このプロペラ部分が室外機のファンです。
まずエアコンの電源を付けたら外に出て室外機の様子を見ましょう。本来なら2~3分経てば室外機のファンが回り始めるはずです。
しかしそうならないのであれば、それは故障のサイン。ファンを回すモーターが壊れているか、ファンを制御する基盤に異常がある可能性が高いでしょう。
エアコンは室内の熱を集め、室外機から外に放出しています。そのため室外機のファンが回らないとうまく放熱できなくなり、やがて安全装置が働いてエアコンが自動停止してしまうのです。この場合はプロへ修理を依頼しましょう。
もし室外機のファンが問題なく回っているなら、他の原因が考えられます。そのときは、この次に紹介する対処法を参考にしてみましょう。
エアコンが長時間(30分近く)運転した後に止まる場合の原因と対処法
「エアコンが30分近くは問題なく動いたのに、その後勝手に止まった」「止まったり動いたりを繰り返す」という場合は、以下のような原因が考えられます。
原因 | 対処法 |
①設定温度に達した | エアコンの設定温度を3℃以上変えてチェック |
②室外機の放熱不良(冷房が突然止まる場合) | 室外機の周りの物を移動する、汚れがひどい場合は掃除 |
③霜取り運転(暖房中、電源が付いているのに止まる) | 何もせず様子見 |
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
①設定温度に達した
エアコンが設定温度に達したため、風が止まることがあります。エアコンが効かなくなって止まったのか?と焦るかもしれませんが故障ではなく、むしろちゃんと動いている証拠です。
というのもメーカーによっては、省エネのためにエアコンを自動停止させる機能が付いていることもあるんですね。例えば富士通のエアコンには「省エネファン機能」が付いており、設定温度に達すると室内機のファンが止まります。エアコンの説明書などを見て、省エネ機能が働いていないかもチェックしましょう。
ちなみに「本当に設定温度に達してエアコンが止まったのか?」を確認するためには、エアコンの設定温度を極端に(3℃以上)変えてみるのがおすすめです。これで強風になれば、設定温度に達していたことになります。もし10分以上待っても風が出ないのであれば故障の可能性があるので、修理を依頼する必要があります。
②室外機の放熱不良(冷房が突然止まる場合)
冷房運転の途中に突然エアコンが止まる場合は、室外機の放熱不良が原因になっている可能性が高いでしょう。
エアコンは室内の熱を集めて、室外機から外に逃がしています。そのためエアコンの機械に異常がなくても、室外機周辺の障害物が放熱を邪魔する可能性があるのです。その場合エアコンが温度の異常を検知して自動停止してしまいます。
まずは室外機の周りをチェックし、植木鉢などを置いていれば移動しましょう。室外機を隠すカバー等も一度外してみてください。室外機に直射日光が当たる場合は、よしず等で日陰を作るのも効果があるかもしれません。
また室外機の取り付け場所が悪く、室外機の目の前に壁やベランダが迫っていることもあります。その場合は業者に依頼して室外機を移動する必要があります。
ただしエアコンの室外機を自分で移動するのはやめておきましょう。室外機を自分で移動すると配管の根元が緩んだり折れたりして、ガス漏れを起こす可能性があるからです。室外機の移動は必ずプロに依頼しましょう。
もしこの原因に該当しないなら他の箇所も参考にしてみてください。それらを試しても変わらずエアコンが止まるなら、エアコン内部の故障かもしれません。この場合はプロの修理が必要になります。
③霜取り運転(暖房中、電源が付いているのに止まる)
暖房運転中に、電源は付いているのに温風が途中で止まることがあります。エアコンのランプが点滅している場合も多く、故障かと焦るかもしれません。しかしこれは故障ではなく、「霜取り運転」をしているのかもしれません。
寒さの厳しい地域ではエアコンの室外機が冷えすぎて凍結し、霜が付くことがあります。
これでは暖房が働かないので、エアコンは一時的に室内の温かい空気を外に送って室外機の凍結を溶かします。これが「霜取り運転」です。
霜取り運転が始まると5~15分程度は温風が止まってしまいます。その間は寒いのですが故障ではないので安心しましょう。
もし霜取り運転が長時間終わらないなら、室外機の内部やドレンホースなどに汚れがつまっていないかを確認してみてください。室外機やその周辺に雪が積もっているなら、その雪を取り除くことも大切です。
ちなみに霜取り運転を早く終わらせようとして、室外機にお湯や水をかけるのは絶対にやめましょう。室外機の部品が壊れてしまう可能性があるからです。
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