「出社時にできていたマネジメントがテレワークだとできない」と悩んでいませんか？ITツールを活用することでテレワーク中でもマネジメントを効果的に行えます。
最終更新日: 2023年12月18日
この記事ではテレワークマネジメントの課題や成功させる方法、ポイント、おすすめツールを解説します。テレワーク特有の課題を解決してマネジメントを成功させましょう。
テレワーク下のマネジメントは難しい！考えられる3つの課題
出社して働く場合と環境が異なるテレワークのマネジメントでは、就業時間の管理や人事評価、コミュニケーションなどさまざまな課題が発生します。課題をひとつひとつ認識して対策を立てる手がかりにしましょう。
（1）スケジュール管理が難しい
オフィスに姿を現せば出勤・帰宅すれば退勤とひと目で分かった就業時間が、テレワークに切り替わると不明瞭になります。
仕事の開始時間も終了時間も個人の裁量で決められることが多いテレワークで、リアルタイムに社員の行動を把握できないのは大きな課題です。
就業時間だと申告していても仕事をしていない、隠れて残業してしまうなどの問題が起こりえます。
勤怠管理の仕組みづくりが不十分だと、テレワークでも社員の自己申告を頼りにするしかありません。就業時間に関わる不正を防ぐためには、システム化された勤怠管理の制度が必要です。
（2）コミュニケーションが不足しがち
コミュニケーションが減る傾向にある点も、テレワークの弊害といえます。
特に部下に直接向き合って顔色や声色を観察したり、熱意をもって働きかけることでマネジメントを行なっていたりというタイプの人には、非常にやりにくく感じられるでしょう。
出社の頻度が減るテレワーク環境において、上司と部下が顔を合わせる機会は多くありません。
部下が「悩みを抱えていないか」「進捗が滞っていないか」など、上司が適切なマネジメントを行うために必要な情報を得にくくなります。
また直接的でリアルタイムのコミュニケーションが減ることで、双方のレスポンスが遅くなり重要な情報の共有が遅延するといった問題も考えられます。
テレワークでも週に1回は面談をしたり、ビジネスチャットを活用したりして離れていてもコミュニケーションがとれる環境にしましょう。
（3）適正な評価を下しにくい
テレワークでは納品物や売上など現物・数値による評価は可能であるものの、勤務態度や後輩に対する教育・メンバー同士での連携などの定性的な評価は難しくなります。
成果物や数値だけを見て判断した結果、評価が偏る恐れがある点がマネジメント上の課題です。評価が偏ると社員からの不満が出やすくなるので、早急に対処する必要があるでしょう。
また必然的に上司が部下を褒める機会が減るため、個人が不満・不安を抱えやすい状況に陥る可能性もあります。
「こんなに頑張っているのに誰も気づいてくれない」という思いを抱く社員は、モチベーションが下がりやすくなってしまうでしょう。
テレワークでも納得のいく評価ができるよう工夫する必要があります。テレワーク下で適切な人事評価を実現させる方法については、次の記事で詳しく説明しています。参考にしてみてください。
テレワークマネジメントを成功させる7つの方法
（1）スケジュールやタスクを可視化する
チームメンバーのスケジュールやタスクを見える化することで、会議時間の調整や指示を出すタイミングがわかりやすくなります。
他にも誰がどのくらいの業務量を抱えているのかや、メンバー間に業務量の偏りがないかなどが可視化され、メンバー間での調整も可能になります。
タスク管理ツールやプロジェクト管理ツール、社内SNSなどを用いるとテレワーク環境でもメンバーの進捗状況が見えやすくなり、情報共有やサポートが容易になるでしょう。
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（2）経営方針や方向性を浸透させる
組織の目標や方向性を共有し、社内に浸透させることで「一体感」を生み出すことが重要です。
テレワークでは社員同士が直接顔を合わせることがないため、団結しにくいメリットがあります。
そこで共通の目標意識を持たせ、組織の一員として熱意をもって働いてもらうためにも方向性の共有が必要なのです。
（3）社内コミュニケーションの方法を工夫する
テレワークでも気軽にコミュニケーションが取れるよう、1on1の定期的な実施やチャットツールの活用を検討してみるのもよいでしょう。
チームメンバーと密にコミュニケーションをとれれば、部下の悩みや思いを知り、適切なマネジメントも行いやすくなります。
チャットツールの利用例として「分報」が挙げられます。分報はチャットツールのチャンネル機能を利用して、作業内容や進捗状況を分単位で投稿する情報共有の方法です。
メンバー自身の思考の整理に役立つほか、メンバーの悩みや考えを知る手段としても役立ちます。
チームメンバーの課題を細かく知ることで、メンバーそれぞれにあったアドバイスや仕事の割り振りを行えます。
他にも「1on1」の頻度を増やすなど、チームメンバーから報連相がしっかり上がってくる体制の構築が重要です。
また、マネジメントを行う側はメンバーからの報告をただ待つだけでなく、進捗状況や悩みごとなどの情報を積極的に取りに行く必要があります。
テレワークでは意図が伝わりづらいので、アサイン時には仕事の目的や制約条件をきちんと説明することが大切です。
テレワーク下でもコミュニケーション活性化のためにできることはたくさんあります。まずは個人が積極的に働きかけることから始めてみましょう。
| 関連記事：分報で業務の効率を上げよう！導入の手順や定着させるポイントも｜ミツモア 関連記事：1on1とは？進め方や話すテーマ・成功につながる4つのコツを紹介｜ミツモア 関連記事：社内コミュニケーション改善の具体的な方法は？注意点も紹介｜ミツモア |
（4）評価基準を明確にする
テレワークを導入しても公正な人事評価を行うには、評価基準の明確化が重要です。まずは業務の進行状況や労働時間など、数字で表せるものの基準を定めておきましょう。
定量的な評価基準が決まったら、個人によって差が出る要素についても基準を設けます。営業職や事務職・SE・企画職など、職種によって成果と認められるものが違うため、職種ごとに設定するのが理想です。
評価基準は人事やマネジメントを担当する上司だけでなく、一般社員にも公開して全員が納得できる制度でなければなりません。
「何をどのように評価されるのか」がオープンになっていれば、社員から評価に対する不平不満が出にくくなります。
クラウド上に評価項目を公開しておく・オンラインミーティングを定期的に行って告知するなど、ITツールを活用して評価制度を開示するとよりスムーズです。
（5）ITツールを導入して労働環境を整える
テレワークでは互いが離れて仕事を進めるため、作業の流れがスムーズにいかないこともあるでしょう。
勤務地が異なってもオンライン上で情報共有や進捗報告が円滑にできるよう、次のようなITツールを導入するのがおすすめです。
- Web会議システム
- チャットツール
- スケジュール管理ツール
- 勤怠管理システム
以上のツールは勤務状況を正確に把握し、社員同士のコミュニケーションを活性化するのにや下ります。
「Web会議システム」では文字だけでは伝わりにくい内容であっても、顔を合わせながら情報共有できるので、より密なコミュニケーションが可能になります。
また「スケジュール管理ツール」は複数人で予定を共有できるので、誰かが直接リマインドしなくても自動的に知らせてくれます。
勤怠管理システムは出退勤時間を正確に把握するのに便利です。クリック1つで打刻が可能なものもあるので、社員の負担にもなりません。
上記ツールに関する詳しい内容は、次の記事を参照ください。
（6）個人に合わせたアサインメントをする
テレワークでは個人の勤務状況が見えないからこそ、個人の能力や適性に応じてタスクをアサインし、仕事がスムーズに進められるようにしましょう。
仕事を進めるスピード、アウトプットの質を考慮しつつ、テレワーク下でも個人が最大限の力を発揮できる仕組みをつくることが大切です。
テレワークだからと言って個人業務のみをアサインするのではなく、できるだけ共同で作業する仕事をアサインしてコミュニケション活性化につなげるのもポイントです。
適切に業務を振り分けることは個人のアウトプットの質向上だけでなく、最終的には組織全体の成長にもつながる重要な課題となります。
（7）万全なセキュリティ対策をとる
重要な情報を社外に持ち出す場合の取り扱いや、第三者の目に触れる可能性のある環境での作業に関するルールを整備しましょう。メンバーに高いセキュリティ意識を浸透させる働きかけも重要です。
情報の取り扱いがオフィス内で完結していた従来と比べて、各自が思い思いの場所で作業するテレワークでは情報漏えいのリスクが高くなります。
フリーWi-Fi環境下でのセキュリティリスク増大、個人PCへの不正アクセスやマルウエアによるデータの損失にも対策を講じる必要があります。
起こりうるトラブルへの対策として、情報知識の研修や社内の全体通知といった取り組みが効果的です。
会社側ができるセキュリティ対策としては、データの暗号化やセキュリティソフトの導入・本人認証端末の採用などが挙げられます。
ITツールを使ったテレワークマネジメントで生産性の向上を
テレワークマネジメントはテレワークという環境の変化によって、コミュニケーション方法や評価方法を大幅に見直す必要があります。
既存のメールや労務管理方法だけではテレワークマネジメントに限界があるため、ITツールの導入がおすすめです。
ITツールを導入するとテレワーク特有の課題が解消され、優れたテレワークマネジメントを実現しやすくなります。
ポイントを押さえたスマートな運用で、チーム全体の生産性を向上させましょう。
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