業務での目標を達成するためには、具体的な方針を決めた上で、行動することが大切です。SMARTの法則を活用した行動目標の立て方から、営業職や技術職、事務職の行動目標の例、行動目標を達成するポイントまで紹介します。
行動目標とは?
業務をスムーズに行うために、報告・連絡・相談の「報連相」が大切なことはよく知られています。同様に業務の質を向上させるためには、「行動目標」が欠かせません。行動目標とはどのようなものでしょうか。
具体的な行動の目標のこと
目標を到達するために、具体的に「どのようなアクションを起こすか」を宣言することを、行動目標といいます。
例えば「1日7000歩」という目標を立てた場合、「朝夕の通勤時に2000歩、帰宅後のウォーキングで5000歩」のように、具体的な方針を決めます。このように「いつ何をどれだけ行うか」を具体的に表したものが、行動目標です。
会社では業務成果や業務効率を上げるために、行動目標を定めるように求められるケースがあります。自分がどのように会社に貢献していくのかを熟考し、宣言することで、達成への足掛かりとするものです。
状態目標・結果目標を立てる
行動目標を立てる前に注意したいのは、ゴール地点である「目標」を明確にしておくことです。目標には「状態目標」と「結果目標」の2種類があります。
状態目標は「運動不足を解消し、細身のスーツをかっこよく着こなす」のように、理想とする姿や状態の目標です。想像してモチベーションが上がるものがよいでしょう。
結果目標は「2カ月で2kg減量する」のような、具体的な目標で、成果目標や到達目標ともいいます。状態目標との違いは、目指すべきゴールが分かりやすい点です。
目標の設定は、企業によってOKRやMBOなど人事評価制度を活用している場合も多くあります。ただし、いずれの人事評価制度であっても目標設定の際の基本的な考え方は変わりません。
関連記事:人事評価制度とは?代表的な手法や導入フローを徹底解説|ミツモア |
関連記事:OKRとは?要素や理念、作成方法を具体例つきでわかりやすく解説|ミツモア |
関連記事:MBOとは?わかりやすい目標管理方法や達成のための手順書|ミツモア |
行動目標の立て方
具体的にどう行動するのかを決めるのが、「行動目標」です。実行できる行動目標を立てるために、立て方の流れを把握しておきましょう。
結果目標を立てる
行動目標を立てる前に、まずは結果目標を立てる必要があります。結果目標に到達するために必要な行動を、行動目標にすると考えれば分かりやすいでしょう。
例えば「簿記の資格を取る」と決めた場合、資格試験が行われるのがいつかを調べ、「11月の試験に受かる」という目標を設定できます。試験に受かるために、「1日にテキストを20ページ進める」や「1日に2時間勉強する」と、行動目標が立てられます。
また会社に提出するものの場合、前年度を参考に立てるとよいでしょう。前年度よりも目標を高く設定することが基本ですが、達成できる範囲内にしておくことがポイントです。
期限やすべきことをまとめる
行動目標を立てるときに必要な要素として、「SMARTの法則」があります。頭文字それぞれの意味は以下の通りです。
- Specific:「具体的」を意味する
- Measurable:「計測できる・数字」を意味する
- Achievable:「達成の可能性」を表す
- Relevant:「関連性」意味する
- Time-bound:「明確な期限」を表す
Sは具体的な目標を立て、Mで指標となる数字を設定します。Aで達成できる現実性を考え、Rで目標達成のためにどのようなスキルが必要か、あるいは身に着くかを視野に入れましょう。Tで行動目標自体の期限を決めておきます。
思いついたときに、スマートフォンやPCへメモを残すなど、行動目標をアウトプットして整理するとよいでしょう。リスト化したりマインドマップを作成したりするうちに、やるべきことが明確になっていきます。オリジナル手帳や、お気に入りのデザインのノートなど、紙に書き出すこともおすすめです。
行動目標の管理を効率化できるソフト選びなら、ぜひミツモアをご利用ください。従業員数や欲しい機能などの各項目を画面上で選択するだけで、ぴったりの製品を最短1分で自動診断。理想のタレントマネジメントシステムが見つかります。 |
行動目標の例
作成方法が分かっても、具体的な行動目標が思いつかないこともあります。業種別に参考になる行動目標例を紹介します。
【営業職の行動目標例】
売上や受注件数など、業績を数値で表すことが多い営業職は、行動目標が立てやすい業種です。現実的で達成可能な数字を結果目標とし、そこに至るまでの具体的な行動目標を立てていくとよいでしょう。
|
これだけ決めておけば、具体的な行動計画がどんどん広がっていきます。
【技術職の行動目標例】
技術職は営業職のように、明確な数値で目標を表すことは難しい業務内容です。そのため技術や品質、業務の生産性が向上するような行動目標を立てるとよいでしょう。
|
行動目標を実行している間に苦手分野が判明したり、SMARTの法則「R関連性」以外にも勉強すべきことが、見つかったりするかもしれません。
結果目標から逸脱しないように注意しながら、行動目標達成を目指しましょう。
【事務職の行動目標例】
事務職は行っている業務の効率化や、業務での課題を解消するような行動目標を立てるとよいでしょう。
|
事務は営業職や技術職と連携して、業務を行うことも多くあります。その場合は一緒に業務に当たる部署と連携し、行動目標を設定するとよいでしょう。
行動目標を立てるポイント
行動目標を立てることは会社のためだけでなく、自分のスキルアップにもつながります。自分に合う目標を見つけるための、考え方を解説します。
自社や自部署の目標を確認
会社が求める行動目標は、結果的に会社に貢献する成果を出す必要があります。会社に貢献するということは、同じ部署・チームに貢献する目標でもあります。
個人の行動目標を立てる前に、まずは自社や自部署の目標を確認しましょう。その目標に対して、自分がどのように業務に当たるべきか考えると、立てるべき行動目標が見えてきます。
同じ部署・チーム内の全員が、自社や自部署の目標達成のために行動目標を立て、同様に努力することで、モチベーションが上がり結束力が高まるでしょう。
現実的な内容にする
自社や自部署に貢献するためとはいえ、現実的ではない行動目標を立ててしまうと、達成できません。かといって簡単に達成できるような目標や、現状のままで達成できる目標は、自身の成長につながらないため避けましょう。
行動目標は無茶をせず楽過ぎず、少しの努力で達成できる内容にする必要があります。
会社や自部署への貢献も必要ですが、自分に向き合った行動目標を立てることが大切です。達成できることを前提とした目標を立てましょう。
曖昧な目標を立てない
「売上アップ」や「ミスをなくす」といった目標だけでは、抽象的でどう行動すべきかが分からず、目標達成が難しくなってしまいます。目標を立てるときは、期日や具体的な数字をはっきりさせておきましょう。
「半期で20%売上をアップさせる」や「1カ月でミスを半分以下に減らす」など、具体的に決めておけば、どう行動すれば目標が達成できるかが見えてきます。
目標によって達成するための手段が異なるので、手段を明確にするためにも、曖昧な目標設定は立てないようにしましょう。
行動目標を達成するには
少し努力すれば達成できる目標でも、簡単に達成できないこともあるでしょう。ただ目標を立てただけで終わらせないためにも、達成するコツを紹介します。
地道な努力が大切
目標は一気に達成しようとするのではなく、こつこつと行動を続けることが大切です。また「ちょっと頑張れば達成できる程度にしたから、大丈夫」と楽観視していると、達成につながらないことがあるので注意しましょう。
日々地道な努力を積み重ねることは、大変なことです。「今日はサボりたいな」と思ったり、うまくいかないときは、「やめたい」と思ったりするかもしれません。
そんなときはこれまでに積み重ねてきた努力や、できるようになったこと、達成に近づいたと実感した日のことなどを、振り返ってみましょう。また努力を続けられるかどうか、環境面を見直すのもよい方法です。
進捗状況を確認する
行動目標を達成するためには、どの程度目標に近づいているか、進捗状況を確認することが大切です。達成に向けて行動した内容を定期的に評価すれば、行動が目標達成に対し、効果的でないことに気づくこともできます。
進捗状況が好調なら、そのままこつこつ努力を続けましょう。好調であることを確認できれば、モチベーションにもつながります。予定通りに行動しているのに、目標に近づいていない場合は、目標達成に対して効果的な行動に変更しましょう。
例えば「売上〇%アップ」という目標に対し、「週2回セミナー参加、既存顧客5件にヒアリング」と行動して、効果が見込めない場合は、「セミナーを減らしてヒアリング件数を増やす」と変更してみるとよいでしょう。
周囲に相談をする
目標達成のための努力は自分がするものですが、努力を続けるためには、周りの協力が必要です。行き詰ったときは、周囲の人に頼ることも視野に入れましょう。
行動目標によって成果の出ている同僚や先輩、上司など、周囲に相談することも、目標を達成するためには大切なことです。特にチームで共有している目標がある場合は、それぞれの行動目標を気にかけておくと、相談しやすい雰囲気になります。
また社内の過去データや、情報を分析することも有効です。役員や上司が現場で業務に当たっていた頃の成果で、参考にできるものがあれば、どんどん吸収しましょう。
行動目標を立てて仕事の質を高めよう
目標に到達するために起こす行動の具体的な計画を行動目標といいます。まずはどこがゴールなのかという結果目標を立ててから、そこに到達するまでの行動目標を立てると効率的です。
SMARTの法則通りに行動目標を立てていきますが、自社や自部署の目標に貢献できてかつ成果が出る目標にしなければなりません。具体的な数値や期間をはっきりとさせた、実現可能性が高い内容にしましょう。
行きづまったときは周囲に相談しながら、こつこつ地道に努力を続け、行動目標を達成させましょう。
なお、目標や人事評価の管理、また人材の活用などにはシステムを用いることで効率化が図れます。人事評価システムやタレントマネジメントシステムの導入も検討してみるとよいでしょう。
ぴったりのタレントマネジメントシステム選びはミツモアで
行動目標やスキル・実績の管理など、従業員の人材情報を一元管理できるタレントマネジメントシステム。月や年次、組織など、さまざまな単位で目標管理ができるので、行動目標の管理も効率的に進められます。
とはいえ、タレントマネジメントシステムは製品によって特徴や機能もさまざま。ひとつひとつ製品を比較したり資料請求をしたりしていては、手間も時間もかかってしまいます。
そんなときはミツモアにおまかせ。最短1分の自動診断で、ぴったりのタレントマネジメントシステムが見つかります。
ぴったりのタレントマネジメントシステムを最短1分で無料診断
従業員数や欲しい機能などの項目を画面上で選択するだけで、最適なタレントマネジメントシステムを最短1分で自動診断。もちろん費用はかかりません。
ぴったりの料金プランも一緒にお届け
希望条件に沿った料金プランも製品と一緒に診断します。実際にかかる金額を見積もりからチェックして、理想のプランを探してみましょう。
診断結果は最大5製品!比較・検討で最適なソフトが見つかる
最大で5製品の診断結果をお届けします。検討していた製品だけでなく、思わぬソフトとの出会いもあるかもしれません。
ミツモアなら、ぴったりのタレントマネジメントシステムがすぐに見つかります。