日常の会計処理の手間を大きく減らしてくれる会計ソフト。「Windows対応のものは多くても、Macに対応しているものが見つからない…」なんてことも。
そこで本記事では、このような悩みを持つ方におすすめしたいMacで使える会計ソフト12製品を紹介します。インストール型製品から無料で利用できる製品まで幅広く紹介しています。
個人事業主、法人の方向けに注意点も解説しましたので、製品選びのご参考にしてください。
弥生やfreee、マネーフォワードの会計ソフトはMacで使える?
いずれもクラウド製品であるため、Macで使うことができます。ただし、弥生が出しているインストール型の会計ソフト「弥生会計24」はWindows対応製品なのでMacでは使えません。
無料で使えるMac対応の会計ソフトはある?
無料で使えるMac対応の会計ソフトは「円簿会計」「円簿青色申告」「やよいの白色申告オンライン」の3点です。他に無料トライアルができる製品もあります。
Macで会計ソフトを使う3つの方法
会計ソフトはWindows利用を前提に設計された製品が多いです。会計ソフトの老舗である弥生が出しているインストール型会計ソフト「弥生会計24」なども、WindowsOSにのみ対応しています。ただ、結論から言いますとMacでも会計ソフトを自由に利用することが可能です。
Macで会計ソフトを使う方法としてはクラウド型、Mac対応のインストール型会計ソフトを使う、MacにWindowsOSを入れて会計ソフトを使うなど、大きく3つの方法があります。「インストール型」と「クラウド型」の違いについては以下の記事をご参考にしてください。
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クラウド型の会計ソフトを使う方法
クラウド型はインターネットを通じてサービスを提供しているため、特定のOSに依存しません。そのため「Mac対応しているか?」「機能が正常に使えるか?」など気にしなくてもIDとパスワードを発行すれば、すぐに利用を始められます。
クラウド型会計ソフトは操作が簡単で使いやすい製品、メールやチャットでのサポートがある製品が多いです。また法改正や機能の追加などがあった場合、自動でアップデートがおこなわれます。会計初心者のMacユーザーでもさほど苦労せず使うことができるでしょう。ただし月か年ごとに費用が掛かります。
Mac対応のインストール型会計ソフトを使う方法
インストール型の会計ソフトを利用する場合、ソフトがどのOSに対応しているか確認する必要があります。インストール型の場合、基本的に対応OSはWindowsがメインでMac OSには対応していないケースが多いからです。ただ、いくつかMac OSに対応している製品もあります。
そのようなMac対応のインストール型会計ソフトを使う方法としては、パッケージ版かDL版のどちらかを購入し、PCにインストールすれば利用できます。インストール型の製品はインターネット環境に依存せず、一度購入すれば長期間使用できるのが特徴です。
Windows対応の会計ソフトをMacで使う方法
インストール型会計ソフトの多くがMac OSに対応していないと説明しましたが、実はWindows対応のインストール型会計ソフトをMacで使う方法も存在します。おもに以下のような方法が挙げられます。
- 仮想化ソフトウェア(Parallels DesktopやVMware Fusion)を使用し、Mac上でWindowsを動作させる
- Boot Campを利用してMacにWindowsをインストールする
- WineやCrossOverなどの互換レイヤーを使ってインストールする
上記の方法を使えば、Windows対応の会計ソフトでもMac上で利用できます。ただし、追加のライセンス費用がかかったり、動作不良が起こったりする可能性があります。可能であれば、基本的には初めからMacで使える会計ソフトを使用した方がいいでしょう。
【クラウド型】Macで使えるおすすめ会計ソフト6選
インターネット上でログインして使用するクラウド型なら、MacでもWindowsでも利用できる製品が多いです。その中でもMac使用でおすすめの製品は以下の4つです。
「freee会計」〇×の質問に答えるだけで申告書を作成
「freee会計」は54万社以上の導入実績を誇る信頼度の高い会計ソフトです。他ツールと連携して、業務を効率化できる機能が豊富に搭載されています。
誰でも簡単に操作できるだけではなく、自動入力機能も備わっているため、経理や簿記の知識がない方でも決算書を作成することができます。また、通帳などからソフトへの転記作業がなくなるため、転記ミスを防ぐこともできます。
30日間の無料トライアル期間が設けられているのも魅力の一つです。「自社に合ったシステムなのか、利用してから検討したい」という方にもおすすめです。また、チャットやメールなどでサポートを受けることもできるため、初めて導入する方も安心して利用できます。
※フリー株式会社(2024年3月末時点)
「マネーフォワード クラウド会計」他のソフトからの移行がらくらく
マネーフォワード クラウド会計は、外部システムとの連携が豊富にとれる会計ソフトです。銀行だけではなく、クレジットカードや電子マネーなど、2,300社以上の金融機関と連携することができます。
連携したクレジットカードなどの取引明細データや、アップロードした請求書や領収書の情報から、仕訳候補を自動で作成してくれます。一度登録した内容はAIが学習するため、利用すればするほど制度が上がり、より業務が効率化されます。
さらに、レポート機能を利用して、日々のデータを自動集計した結果から経営状況を可視化することができます。そのため、経営の安定化や、資金繰りの不安の軽減を促すことができます。
「マネーフォワードクラウド確定申告」専用アプリでスマホからの申告書提出が可能に
「マネーフォワード クラウド確定申告」は白色申告、青色申告どちらにも対応している会計ソフトです。スマホアプリを利用することで、確定申告書の作成が簡単にできるだけではなく、税務署に行かなくても提出ができる点が魅力的です。
銀行、クレジットカード、電子マネーといった金融機関やサービスを登録すれば、取引明細を自動で取得できます。AIの機械学習が仕訳内容を覚えて勘定科目を自動提案してくれるので、日々の伝票入力が効率化されます。
マネーフォワードクラウド経費・請求書・給与など、マネーフォワードの他のサービスとの連携が可能なため、業務の効率化を促すことができます。会計に関する業務はもちろん、バックオフィスの業務全般をまとめ、手間を削減できるソフトです。
「弥生会計オンライン」税理士とリアルタイムでファイルの共有
弥生会計オンラインは、310万人以上の導入実績を誇る、弥生会計シリーズの中小企業法人向け会計ソフトです。会計機能に特化したシンプルな機能構成が特徴です。
ステップに従って操作するだけで決算書がかんたんに作成できるため、簿記の知識がなくても滞りなく業務を進めることができます。また、登録した取引から自動で決算書を作成できるため、ミスや手間を大幅に減らすことが可能です。
顧問税理士・会計事務所にリアルタイムで会計データを共有できる点においても魅力的です。書類を郵送するコストを削減できるだけではなく、アドバイスを受けることができます。
※弥生株式会社(2023年9月時点)
関連記事:弥生会計 オンラインの製品情報|ミツモア |
「やよいの青色申告オンライン」請求書作成から帳簿作成まで一括で完了
「やよいの青色申告オンライン」は、310万人以上の導入実績を誇り、青色申告を行いたい個人事業主向けのクラウド会計ソフトです。
初心者にも使いやすい操作性が魅力で、日付や金額などを入力するだけで青色申告に必要な複式簿記帳簿が作成できます。そのため、簿記の専門的な知識がない方でも安心して利用できます。
クレジットカードの取引データや、レシートや領収書のスキャンデータの自動仕訳から確定申告書類の作成・提出まで一つのシステムで完了させることができます。さらに、直接e-Taxによる申告ができるため、担当者の負担を軽減することができます。
弥生株式会社(2023年9月現在)
「かんたんクラウド会計」簿記知識がなくても使える手軽さが魅力
「かんたんクラウド会計」は簿記に自信がない人でも使いやすい個人、法人双方の科目体系を備えたクラウド型会計ソフトです。取引例などが多数登録されているため、金額を入力するだけで作業が済みます。入力内容は自動で仕訳され、関係帳簿に転記されるので失敗しにくいでしょう。
標準的に3人まで同時にログインでき、会計事務所と同じデータを共有可能です。経理処理や仕訳入力方法の指導はもちろん、会計監査もクラウド上で完結できる点は魅力です。
銀行やクレジットカードとの連携は容易で、かんたんクラウド給与ともデータ連動して利用できます。仕訳だけでなく、会計にかかる業務を広範に効率化します。
【インストール型】Macで使えるおすすめ会計ソフト3選
インストール型のソフトで、Macに対応しているものは少数派です。Macユーザーでインストール型を検討しているなら以下の製品から選ぶとよいでしょう。
「やるぞ!青色申告」Excelのインポートで仕訳済みのデータも利用可能
個人事業主でも法人でも利用できる会計ソフトなら、「やるぞ!青色申告 Mac対応版」が向いています。最長15カ月間受けられるサポートは、土日祝日でも対応しているため、急きょサポートが必要になったときにも安心です。
また、2ライセンスを得られるため、税理士とデータを共有するときにも使いやすいソフトといえます。Excelで作ったデータをインポートすれば、既に仕訳済みのものをそのまま利用できるのも特徴です。
電子帳簿保存法にも対応しているソフトのため、安心して利用できます。
「やるぞ!確定申告」税控除の入力ミスを防ぐ節税チェッカー機能あり
「やるぞ!確定申告」は最新の税制・法改正に対応した個人事業主、フリーランス向けの会計ソフトです。一般会計だけでなく、不動産や農業会計にも対応しています。e-TAXにも対応しているため、確定申告に迷うことはありません。
対応OSはMac OS X 11/12/13/14と幅広く、最新のものでなくても使用できます。メールや電話、画面共有などのサポートが無料でついているので安心して導入することができるでしょう。
決算書の作成、確定申告書、消費税申告書の作成ができるシンプルで必要な機能のみに絞ったソフトとなっています。5,000円前後で購入できるので会計ソフト選びに迷っているMacユーザーにおすすめです。
「会計ジロウ」インボイス、電子帳簿法に対応したMacユーザーに優しい会計ソフト
「会計ジロウ」はMacで生まれた会計ソフトで、インボイス制度、電子帳簿法の双方にしっかりと対応しています。仕訳データの訂正や削除履歴も記録するため、電子帳簿保存法の要件を満たせます。
個人事業主向けの青色申告ソフトと法人向けの法人会計ソフトの2つを販売しています。税理士とのデータ交換を見越した2ライセンスパックもあり、最新版への無料バージョンアップやサポートの延長は一律7,700円で可能です。
会計データを保存するデータファイルはMacでもWindowsでも開くことができるので、Windowsユーザーとデータをやり取りする時も安心です。
【完全無料】Macで使えるおすすめ会計ソフト3選
ユーザーの中には、まずは無料の会計ソフトで使い心地を試してみたい、有料製品を購入するのに抵抗があるという方も少なくないでしょう。ここでは、Macで使える無料のクラウド型会計ソフトを紹介します。
「やよいの白色申告オンライン」シンプルでデザインで初心者でも使いやすい
やよいの白色申告オンラインは、個人事業主向けクラウド会計ソフトです。シンプルなデザインのため初心者にも使いやすく、初めて確定申告をする方でも簡単に操作できるでしょう。また「フリープラン」は、すべての機能を無料で使えます。
専用のスマートフォンアプリである「弥生 申告」を利用すると、いつでも、どこでも日々の取引入力が可能です。また、レシートをスマートフォンのカメラで撮影することで、データの取り込みや仕分け作業を自動で行うことができます。
金融機関、請求書、POSレジなど連携機能も豊富で、業務効率の向上が期待できます。例えばPOSレジと連携すると、レジ締め時刻にその日の売上データが転送され、取引として自動仕訳されます。レジ締め後の時間を節約できるだけではなく、売上状況がすぐに確認できます。
「円簿会計」無料で使えるソフト!仕訳件数やデータ保管期間の制限もなし
円簿会計は、Windowsだけではなく、Macでも利用できる会計ソフトです。クラウド型のため、オフィスでも自宅でも外出先でも使えます。テレワークを推進している企業にもおすすめです。
すべての機能を無料で利用できる点においても魅力的です。また、データ保持期間や仕訳件数も上限がなく、税制改正などに対応するバージョンアップ費用もかからないため、活用していく中で「想定外の費用が掛かるかもしれない」という心配は不要です。
また、最初の登録時は新規にIDを発行する必要がなく、メールアドレスさえあれば個人情報を入力しなくても利用開始できます。すべてのデータ通信は暗号化された状態で行われるため、第三者による不正な改ざんや個人情報の漏洩を防ぐことができます。
「円簿青色申告」個人事業主向けの完全無料会計ソフトで定期的にバージョンアップも可能
「円簿青色申告」は個人事業主の会計処理に特化した無料のクラウド型会計ソフトです。消費税法改正にも無料バージョンアップで対応するので、安心して使い続けられます。
やよいの青色申告から青色申告データをインポートすることもできます。WindowsからMacに移り、一時的にMacで会計処理をおこないたいなどの場合でも違和感なく使えます。
データ通信は暗号化(SSL)された状態でやり取りされるため、不正な改ざんの心配はありません。無料のクラウド製品ですが、セキュリティ体制がしっかりしている点が魅力です。
Macで使えるおすすめ会計ソフト12製品比較表
Macで使える会計ソフト12製品について価格や特徴をまとめました。参考までにご覧ください。
製品名 | 提供タイプ | 導入費用 | 月額費用 | 特徴 |
freee会計 | クラウド型 | – | 1,078円~ | 54万社以上の導入実績を誇る信頼度の高い会計ソフト |
マネーフォワード 会計 | クラウド型 | – | 3,278円~ | 他のソフトからの移行がらくらく |
マネーフォワードクラウド確定申告 | クラウド型 | – | 990円~ | 白色申告、青色申告どちらにも対応している会計ソフト |
弥生会計オンライン | クラウド型 | – | 2,548円~ | 税理士とリアルタイムでファイルの共有 |
やよいの青色申告オンライン | クラウド型 | – | 944円~ | 310万人以上の導入実績を誇る個人事業主向けのクラウド会計ソフト |
かんたんクラウド会計 | クラウド型 | – | 1,650円~ | 簿記に自信がない人でも使いやすい個人、法人双方の科目体系を備えた製品 |
やるぞ!青色申告 | インストール型 | 1万260円~ | – | Excelのインポートで仕訳済みのデータも利用可能 |
やるぞ!確定申告 | インストール型 | 4,629円~ | – | 税控除の入力ミスを防ぐ節税チェッカー機能あり |
会計ジロウ | インストール型 | 1万6,500円~ | – | インボイス制度、電子帳簿法の双方にしっかりと対応 |
円簿会計 | クラウド型 | 無料 | 無料 | データ保持期間や仕訳件数も上限がなく、税制改正に対応する無料会計ソフト |
やよいの白色申告オンライン | クラウド型 | 無料 | 無料(有料プランもあり)〜 | シンプルなデザインのため初心者にも使いやすい個人事業主向け会計ソフト |
円簿青色申告 | クラウド型 | 無料 | 無料 | 個人事業主の会計処理に特化した無料のクラウド型会計ソフト |
Macでインストール型会計ソフトを使うときの注意点
Mac対応のインストール型会計ソフトを使用する場合、おもに以下のような注意点があります。
製品数が少なく販売が段々と無くなっている
Mac対応のインストール型会計ソフトは圧倒的に製品数が少ないです。また、かつて販売されていたMac対応の会計ソフトも販売が段々なくなっています。
そのため、販売サイトには掲載されているものの、事実上購入ができない製品やMacOSの11や12以降には対応していない製品も存在します。現在販売している製品も、いつ販売終了するか分からず、定期的にホームページが更新されているか?最新年度版が提供されているか含めて確認する必要があります。
機能やサポートが少なく、最新のアップデートがされていない
Mac対応のインストール型会計ソフトは基本的に機能やサポートがあまり充実していません。例えば、企業会計に合わせた数多くの帳票作成、グループや部門別会計、経営分析機能などの機能は無い製品の方が多いです。
また、販売している製品が古く、税制・法改正の対応ができていない可能性もあります。検索すると出てくる「Macの青色申告」などは2021年以降アップデートがされていません。チャットやメールサポートがないこともあるため、機能やサポート、情報更新が少ないことを理解して使った方がいいでしょう。
対応している税理士や会計士が少ない
Mac対応のインストール型会計ソフトは製品自体がマイナーなため、対応している税理士や会計士自体が少ないです。Macで完結させたいが、一部業務を税理士に依頼したいなどの場合、クラウド型の会計ソフトを勧められる可能性が高いでしょう。
税理士は会計ソフトによっては依頼を断る可能性があります。Mac対応のインストール型会計ソフトを導入したいと考えた場合、対応できる税理士を探すか、税理士と相談して製品を選ぶことをお勧めします。
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