会計ソフトを無料で使い続けるためには、本当に料金が発生しないのかという点だけではなく、インボイス制度や電子帳簿保存法などの法律への対応状況が重要です。
まずは永年無料の会計ソフトと、無料トライアル版の違いについて解説します。続いて事業規模や申告形態に合わせた逆引き式の診断を通じ、無料会計ソフトで経理業務を効率化する方法を紹介します。
会計ソフト選びなら、ぜひミツモアをご利用ください。欲しい機能などの各項目を画面上で選択するだけで、ぴったりの製品を最短1分で自動診断。理想の会計ソフトが見つかります。
永年無料プランと無料トライアルの選びわけの理論
会計ソフトを無料で使うには、永年無料プランと無料トライアルプランの2パターンがあります。どちらを選ぶべきかは、コストの許容度と事務作業に割ける時間によって分かれます。
永年無料プランがおすすめの層
代表的なソフトは、フリーウェイ経理LiteやMain財務管理などです。
コストを1円もかけたくない、あるいはかけられない事業者に向いています。ただし入力はすべて手作業なので、会計ソフトを導入しても思うように業務効率化ができない可能性があります。
無料トライアルがおすすめの層
代表的なソフトは、やよいの青色申告、freee会計、マネーフォワード クラウド確定申告などです。
トライアルの期間は1ヶ月~2ヶ月が目安です。有料プランのお試しという位置づけなので、自動化機能を体験して有用性を確認してから、有料プランに移行するという流れになります。
モバイル特化がおすすめの層
パソコンがない、移動時間などの隙間時間で入力を完結させたい事業者に向いています。スマホなどのモバイル端末に対応しているので、クラウド会計ソフトが第一候補になります。
完全無料で使い続けられる会計ソフトの特徴
「ずっと無料」という言葉には、運用面でのトレードオフが存在します。導入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためには、以下の2つの現実を正確に把握しておく必要があります。
セルフサポートの限界:トラブル時の対応コスト
永年無料のソフトでは、電話やチャットによる有人サポートが提供されないのが一般的です。操作方法や法改正に伴う設定変更で不明点が生じた場合、自力でマニュアルやFAQを参照して解決する「セルフサポート」が前提となります。特に簿記の知識が乏しい場合、エラーの修正に数時間を費やすリスクがあり、その対応コストは実質的な負担となります。
手入力のコストを時給で考える:年間50時間を失うリスク
自動連携機能を持たない無料ソフトの場合、すべての領収書や通帳の内容を手入力しなければなりません。調査によれば、手入力と自動仕訳では作業時間に決定的な差が生じます。
- 手入力の場合: 年間300件の取引がある場合、入力と確認に約10時間を要します。
- 自動化を活用した場合: 銀行連携やAI-OCRを利用すれば、確認作業のみで年間約2.5時間まで短縮可能です。
この約7.5時間の差を、仮に時給3,000円として換算すると、22,500円相当の価値を失っている計算になります。多くの有料ソフトが年額1万円強であることを考慮すると、ビジネスを本格的に展開している場合、あえて「手入力の無料ソフト」を選ぶことが、結果として高くつく可能性がある点に留意すべきです。
永年無料で使える会計ソフト4選
永年無料で使えるおすすめの会計ソフトは、以下の4つです。
Main財務管理:完全無料なのに高機能
インストール型の「Main財務管理」は、クラウド全盛の時代において非常に稀有な存在です。通常は有料プランで提供されることが多い予算管理、資金繰り管理、減価償却といったERP(統合基幹業務システム)級の機能を、広告表示なしの完全無料で提供しています。仕訳件数や利用期間に制限がなく、Windows PCでじっくりと腰を据えて経理を行いたいユーザーにとって、強力な味方となります。
やよいの白色申告オンライン:白色申告特化の決定版
白色申告を行う個人事業主にとって、このソフトは非常に有力な選択肢です。「セルフプラン」であれば永年無料で全機能を利用でき、家計簿をつけるような感覚で直感的に操作できるデザインが採用されています。直接e-Taxでの提出も可能なため、税務署に足を運ぶ手間を省き、スムーズに確定申告を完了させることができます。
フリーウェイ経理Lite:シンプルな操作性のインストール型
個人事業主から法人まで幅広く対応しているインストール型のソフトです。インボイス制度などの主要な税制改正にも無料で対応しており、無駄を削ぎ落としたシンプルなインターフェースが特徴です。マニュアル操作を好むユーザーにとって、動作の軽快さと永続的な無料利用の両立は大きなメリットとなります。
ちまたの会計:任意団体に最適化された設計
PTAや町内会、ボランティア団体といった非営利組織の会計に特化したクラウドソフトです。一般的な企業向けソフトとは異なり、「現金出納帳」や「予算対比」など、団体運営に不可欠な機能に絞り込まれています。クラウド上で複数人がデータを共有できるため、役員の交代時にもスムーズな引き継ぎが可能です。
高機能を体感!無料トライアルがある会計ソフト7選
最新のAI技術や法対応の自動化を体験できる、主要なクラウド会計ソフトを紹介します。
やよいの青色申告オンライン:初年度無料の実質最強プラン
クラウド会計市場で高いシェアを誇る弥生は、初年度無料のキャンペーンを強力に展開しています。青色申告に必要なすべての機能を1年間無料で利用できるため、事業開始1年目のコストを抑えつつ、最高峰の自動化機能をフル活用できます。65万円の青色申告特別控除を目指す個人事業主にとって、最も実績のある選択肢の一つです。
スマホ会計FinFin:モビリティを追求した最新UX
スマートフォンでの操作に特化した設計が施されており、14日間の無料トライアルでその利便性を体感できます。レシートをスマートフォンのカメラで撮影するだけで、強力なOCR機能が内容を読み取り、自動で仕訳案を作成します。PCを開く時間がない多忙なフリーランスにとって、移動中に経理を完結させられる体験は画期的です。
freee会計:簿記知識を必要としない直感操作
「freee会計」は、独自のUI設計により、専門的な簿記知識がなくても質問に答えるだけで帳簿付けができる仕組みを構築しています。30日間の無料トライアル期間中、銀行口座やクレジットカードとの同期機能をフルに活用でき、経理業務がどれほど自動化されるかを実感できます。
マネーフォワード クラウド確定申告:業界最多水準の金融連携
2,300社以上の金融機関と連携可能な点が最大の強みです。1ヶ月のトライアル期間中に、既存の銀行口座やカード情報を同期させることで、手入力のストレスから解放される感覚を味わえます。複数の口座を使い分けている事業主にとって、データの一元管理は大きな効率化に繋がります。
弥生会計Next:法人向けの充実したサポート体制
小規模法人を対象とした「弥生会計Next」は、最大2ヶ月の無料トライアルを提供しています。クラウドの利便性と、長年の実績に基づく信頼性を兼ね備えており、バックオフィス業務全体をデジタル化するための基盤として機能します。
マネーフォワード クラウド会計:外部サービスとの高度な同期
法人の経理業務を自動化するための機能が凝縮されています。勤怠管理や給与計算といった同シリーズのサービスとシームレスに連携できるため、1ヶ月のトライアルを通じて、組織全体の業務フローをいかに最適化できるかを検証するのに適しています。
円簿会計:制限の少ない広告モデル
クラウド型でありながら、仕訳件数無制限で決算書の作成まで可能なソフトです。画面上に広告を表示することで運営コストを賄うビジネスモデルを採用しており、基本機能を永年無料で開放しています。弥生会計からのデータ取り込みにも対応しているため、既存のデータを活かしつつ、コストをかけずにクラウド化を図りたい場合に適しています。
自分にあった無料会計ソフト診断チャート
どのソフトを選ぶべきか迷っている方のために、状況に合わせた最短のルートを提示します。
1.事業形態は「法人」と「個人事業主」のどちらですか?
法人の場合は、マネーフォワー クラウド会計の無料トライアルや永年無料のMain財務管理がおすすめです。
個人事業主の場合は次のステップに進んでください。
2.確定申告の種類は何ですか?
白色申告の場合は、永年無料プランがあるやよいの白色申告オンラインがおすすめです。
青色申告の場合は次のステップに進んでください。
3.パソコンとスマホのどちらで会計処理を行うことが多いですか?
スマホで完結したい場合は、スマホ会計FinFinがおすすめです。14日の無料トライアルが試せます。
パソコンでじっくりと会計処理を行いたい場合は次のステップに進んでください。
4.2年目以降に月額料金や年払い料金を支払う余裕がありますか?
ある場合は、やよいの青色申告オンラインがおすすめです。初年度は無料または半額キャンペーンを行っており、シェア率も高いため検索による自己解決がしやすい点が魅力です。
利用料金を支払う余裕がない場合は、Main財務管理がおすすめです。
主要会計ソフト3製品の「無料の範囲」を徹底比較
最も利用者の多い上位3製品について、無料プランで「どこまでできるか」を一覧にまとめました。
| 項目 | やよいの青色申告 | freee会計 | マネーフォワード |
| 無料期間 | 初年度1年間無料 | 30日間(お試し) | 1ヶ月間(お試し) |
| 確定申告書出力 | 可能 | 不可(閲覧のみ) | 可能(制限あり) |
| 銀行連携 | 可能 | 可能 | 可能 |
| サポート | FAQ/チャット等 | FAQ/チャット | FAQ/メール等 |
無料会計ソフトで会計業務を効率化するために
会計ソフトは単に無料であることのほかに、インボイス制度や電子帳簿保存法といった複雑な法規制への対応が求められます。手入力の永年無料ソフトでコストを最小化するのも一つの正解ですが、最新のクラウドソフトを活用して事務時間を削減し、その時間を本業の売上向上に充てることも、経営者としての賢明な判断です。
まずは、あなたの現在の状況に合わせ、初年度無料の「やよいの青色申告オンライン」や永年無料の「Main財務管理」などの導入を検討してください。
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会計ソフトは製品によって特徴や機能もさまざま。「どの製品を選べばいいかわからない・・・」といった方も多いのではないでしょうか。
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