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【2025年版】建設業向け会計ソフトおすすめ比較10選!汎用型vs特化型の選び方と原価管理のコツ

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最終更新日: 2025年12月09日

建設業の経理担当者や経営者の皆様、毎月の「未成工事支出金」の振替処理や、現場から届かない請求書の管理に頭を抱えていませんか?

2024年から建設業にも適用された時間外労働の上限規制、そして完全義務化されたインボイス制度や電子帳簿保存法への対応など、バックオフィス業務の負担は増すばかりです。

しかし、建設業の会計には「完成工事高」といった特有の勘定科目や、「工事台帳」による厳密な原価管理が求められるため、一般的な会計ソフトでは対応しきれないのが現実です。

「コストを抑えられる汎用クラウドで十分なのか、それとも高機能な特化型を導入すべきなのか」

本記事では、建設業の会計実務に精通した視点から、コストパフォーマンスに優れた「汎用クラウド型」と、機能充実の「建設特化型」を徹底比較し、貴社の規模と管理レベルに最適なソフトを提案します。

【結論】建設業向け会計ソフト比較マップ&おすすめ診断

「結局、ウチの会社にはどれが合うのか?」

この疑問に即答するため、まずは自社の「規模」と「原価管理への要望レベル」から最適な運用パターンを導き出す診断チャートを提示します。

あなたの会社はどのタイプ?おすすめソフト診断

貴社の状況に近いタイプを確認し、推奨される導入パターンを把握してください。

Type A:コスパ重視・小規模(売上1億円未満・従業員数名)

経理は家族経営や少人数で行っており、複雑な原価管理よりも「日々の記帳の楽さ」と「低コスト」を最優先したい企業です。スマホで領収書を撮影して済ませたい場合もこちらに該当します。

  • 推奨: 汎用クラウド(freee会計+えんのしたのコジ、マネーフォワード クラウド会計)

Type B:柔軟性重視・DX志向(売上1~5億円・従業員10~30名)

成長フェーズにあり、従来のやり方を変えてでも効率化したい企業です。「ANDPAD」や「建設BALENA」などの現場管理アプリと会計を連携させ、二重入力を排除したい場合に最適です。

  • 推奨: 汎用クラウド × 建設原価管理アプリ連携(freeeプロフェッショナルプランなど)

Type C:管理重視・中堅以上(売上5億円以上・公共工事あり)

専任の経理担当者がおり、公共工事の入札(経営事項審査)に対応する必要がある企業です。厳密な工事台帳の作成と会計基準への準拠が絶対条件となります。

  • 推奨: 建設特化型クラウド(勘定奉行クラウド[建設業編]、PCAクラウド 建設業会計、建設大臣NX)
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【2025年最新】建設業向け会計ソフト比較一覧表

主要なソフトの機能と特徴を比較しました。特に「未成工事支出金の自動振替」への対応度が、業務効率を大きく左右します。

製品名 分類 参考価格(月額換算) 未成工事支出金の自動振替 スマホ対応 特徴
freee会計 汎用クラウド 低(約2,680円~) △(アプリ連携で◎) UIが直感的。アプリで建設機能を追加可能。
マネーフォワード 汎用クラウド 中(約5,980円~) △(モジュール連携) 給与・経費との連携が強力。
勘定奉行クラウド 建設特化 高(約25,000円~) ◎(標準装備) 圧倒的な信頼性。JV・経審完全対応。
PCAクラウド 建設特化 中(約23,100円) ◎(標準装備) 安定した動作と充実した帳票機能。
建設大臣NX 建設特化 高(購入+保守) ◎(標準装備) × 振替伝票入力が得意。ベテラン向け。

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失敗しない!建設業向け会計ソフトの選び方4つの基準

ソフト選びで失敗する最大の原因は、「機能一覧」だけで比較してしまい、実際の「業務フロー」に合うかを確認しないことにあります。現場と経理の実務に即した4つの基準で選定してください。

1. 「汎用型」か「建設特化型」か(原価管理の深度)

建設業会計で最も躓くポイントが「未成工事支出金」の処理です。ここをどう処理したいかで、選ぶべきソフトが明確に分かれます。

汎用型(freeeなど)の運用

汎用型は基本的に「発生主義」で作られているため、そのままでは決算時に手動で資産(未成工事支出金)への振替作業が発生します。しかし、近年は「えんのしたのコジ」のような連携アプリを組み合わせることで、この振替作業を自動化できるようになりました。小規模な工事が中心であれば、この組み合わせで十分かつ安価に対応可能です。

特化型(奉行・大臣など)の運用

最初から建設業専用に設計されています。仕訳入力時に「工事コード」を入力するだけで、自動的に未成工事支出金として管理され、工事完了の入力をすれば自動で原価に振り替えられます。公共工事のJV(ジョイントベンチャー)管理など、複雑な会計要件がある場合は特化型を選ぶべきです。

2. インボイス制度・電子帳簿保存法への対応力

2024年以降、電子取引データの保存は完全義務化されました。建設業の現場では、職人がホームセンターで購入した資材のレシートや、一人親方からの請求書など、紙とデータの混在が課題です。

注目すべきは「OCR機能(自動文字認識)の精度」と「インボイス判定機能」です。スマホで撮影するだけで日付・金額・取引先をデータ化し、相手が適格請求書発行事業者かどうかを自動判定する機能に関しては、開発スピードの速い汎用クラウド型(freee/マネーフォワード)に一日の長があります。

3. 銀行口座・クレジットカードとの自動連携機能

記帳代行を税理士に依頼している場合でも、現金出納帳の作成などの自社業務は残ります。銀行口座やクレジットカードをソフトにAPI連携させ、明細を自動で取り込む機能があれば、通帳を見ながら手入力する作業はゼロになります。

これはFinTech分野に強い汎用クラウド型が圧倒的に得意とする領域ですが、近年は特化型クラウドも連携機能を強化しています。

4. 税理士・他システム(原価管理・給与)との連携性

ソフト導入は「点」ではなく「線」で考える必要があります。

  • 顧問税理士の対応: 「勘定奉行」や「弥生」しか対応していない税理士も多いため、導入前に必ず顧問税理士へ相談してください。
  • 原価管理システムとの連携: 「ANDPAD」や「建設BALENA」などの施工管理アプリを既に導入している場合、それらの発注・請求データを会計ソフトにAPIで流し込めるかどうかが重要です。二重入力を防ぐことが、経理業務の時間を劇的に削減します。

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【汎用型】小規模~中小建設業におすすめのクラウド会計ソフト3選

「コストを抑えたい」「スマホで経理を完結させたい」「今の税理士との関係を維持したい」と考える企業に最適な3選です。

freee会計(freee株式会社)

出典:「freee会計(法人プラン)公式サイト」

簿記の知識が浅い方でも直感的に操作できるUIが最大の特徴です。かつては建設業特有の処理に弱いとされてきましたが、建設業特化アプリ「えんのしたのコジ」とのAPI連携により、その弱点は解消されました。

このアプリを併用することで、freee上で工事台帳の作成や未成工事支出金の自動振替が可能になります。「とにかく安く、スマホで現場の経理を回したい」一人親方から従業員20名規模の工務店、そしてIT活用を進めたい二代目経営者にとって、最も有力な選択肢です。

マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

出典:「マネーフォワード クラウド会計」公式サイト

会計事務所での採用率が高く、プロ仕様の入力画面とクラウドの利便性を兼ね備えています。強みはシリーズ全体での連携力です。給与計算、経費精算、請求書作成といったバックオフィス業務を一気通貫で効率化できます。

また、「クラウド個別原価」オプションを利用することで、プロジェクトごとの工数管理や配賦計算も可能になります。既にマネーフォワードシリーズを利用している企業や、顧問税理士とスムーズにデータを共有したい企業に最適です。

弥生会計 Next(弥生株式会社)

出典:「弥生会計Next」公式サイト

会計ソフトの代名詞とも言える弥生シリーズが提供する、次世代のクラウド会計ソフトです。これまでの「弥生会計 オンライン」とは一線を画し、自動化機能を大幅に強化しています。

本体機能に建設特化の機能は少ないものの、外部の建設原価管理ソフトとのAPI連携を前提とした設計になっており、拡張性が高いのが特徴です。

長年弥生のインストール版を使ってきた企業が、操作感の違和感を最小限に抑えつつクラウドへ移行する場合の最適解となります。

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【特化型】中堅以上・原価管理重視におすすめの建設業会計ソフト5選

「公共工事がメイン」「専任の経理担当がいる」「JV管理や経審対策が必須」という企業に向けた、信頼と実績の5選です。

勘定奉行クラウド[建設業編](株式会社オービックビジネスコンサルタント)

出典:「勘定奉行 iクラウド[建設業編]」

クラウド版に進化したことで、従来のサーバー保守費用が不要になり、税理士とリアルタイムで同一画面を見ながら相談できるようになりました。IPOを目指す成長企業や、年商5億円以上で厳密な管理体制を構築したい企業に推奨します。

PCAクラウド 建設業会計(ピー・シー・エー株式会社)

出典:「PCAクラウド 建設業会計」公式サイト

他社の原価管理ソフトとの連携実績が豊富で、柔軟なシステム構築が可能です。特に承認ワークフロー機能が充実しており、発注や支払いの内部統制を強化したい企業に適しています。

また、月額サブスクリプション形式で利用できるため、特化型でありながら初期費用を抑えて導入できる点も魅力です。既存の業務システムと会計を連携させたい中堅企業にとって、バランスの取れた選択肢となります。

建設大臣NX(応研株式会社)

出典:「建設大臣NX」公式サイト

「振替伝票」の入力画面の使いやすさに定評があり、長年実務を担ってきたベテラン経理担当者から絶大な支持を得ています。特筆すべきは、入力した伝票データから工事台帳や決算書が即座に連動して作成される処理速度の速さです。

入力業務の効率化を最優先したい企業や、熟練の担当者がいる現場でのリプレイスにおいて、現場の混乱を招かずに導入できる堅実なソフトです。

スイート建設会計(株式会社フォーラムエイト)

出典:「スイート建設会計」公式サイト

土木設計・積算ソフト大手「フォーラムエイト」が開発した完全クラウド型のソフトです。同社の積算ソフト「UC-1」シリーズとのデータ連携が可能で、見積作成から会計処理までを一気通貫で管理できます。

特化型ソフトの中では比較的安価なランニングコストで利用できるため、土木・エンジニアリング系の企業や、高額な特化型ソフトは不要だが汎用型では機能不足と感じる中小企業におすすめです。

TKC DAIC2クラウド(株式会社TKC)

出典:「TKC DAIC2クラウド」公式サイト

TKC会員の税理士事務所と顧問契約を結んでいる企業が利用できるシステムです。最大の特徴は、税理士による強力な経営指導(月次巡回監査)とセットで運用される点です。

現場別工事台帳の作成はもちろん、黒字決算に向けた予算管理や経審対策のサポートが手厚く受けられます。システム単体の機能だけでなく、専門家の伴走支援を受けて経営体質を根本から強化したい企業に向いています

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なぜ建設業の会計は難しい?知っておくべき3つの特徴

ソフト選びの前提知識として、建設業会計がなぜ「特殊」で「難しい」と言われるのか、その理由を改めて整理します。

1. 特有の「勘定科目」への対応(完成工事高・未成工事支出金)

建設業では、一般の商業簿記とは異なる独自の勘定科目を使用します。

  • 売上高 → 完成工事高
  • 売掛金 → 完成工事未収入金
  • 仕掛品 → 未成工事支出金
  • 買掛金 → 工事未払金

特に重要なのが「未成工事支出金」です。工事が完成して引き渡されるまでは、かかった材料費や労務費を「経費」ではなく「資産(在庫)」として計上し続けなければなりません。これを誤って経費計上してしまうと、利益を過少に申告したとして税務調査で指摘されるリスクがあります。

2. 工事進行基準と工事完成基準の違い

売上をいつ計上するかというルールも特殊です。

中小規模の短い工事では、完成・引き渡し時に一括で売上計上する「工事完成基準」が一般的です。一方、長期・大規模な工事では、工事の進捗度合いに応じて期中に分割して売上計上する「工事進行基準」が適用されます。

選定するソフトが、これらの基準に対応し、自動計算できる機能を持っているかは極めて重要です。

3. 現場ごとの「工事台帳」による原価管理

多くの建設会社が倒産する原因の一つが「ドンブリ勘定」です。これを防ぐ命綱が「工事台帳」です。

工事台帳とは、1つの工事に対して「いくらで受注したか(予算)」に対し「いくら材料費や人工がかかったか(実績)」を記録するカルテです。

Excel管理では入力が遅れがちですが、会計ソフトや連携アプリを活用することで、リアルタイムに収支状況を可視化する必要があります。

会計ソフト導入で実現する「利益が出る」経営体制

適切な会計ソフトの導入は、単なる事務処理の効率化だけでなく、経営そのものを強くします。

リアルタイムな原価把握で「赤字工事」を防ぐ

クラウド会計を導入し、現場からスマホで日報や経費を入力する体制を作れば、工事台帳が毎日自動更新されます。これにより、「工事が終わってみたら大赤字だった」という事後報告の悲劇を未然に防ぎます。工事の途中で採算悪化の兆候に気づき、早期に対策を打つことができるようになるため、会社全体の利益率が確実に改善します。

経理のテレワーク化と採用力強化

建設業の経理は「紙の請求書があるから出社しなければならない」というケースが多く見られます。しかし、クラウド化とスキャナ保存(電帳法対応)を進めることで、経理担当者のテレワークが可能になります。

柔軟な働き方ができる環境は、子育て中のベテラン社員の離職を防ぎ、優秀な人材を採用するための強力な武器となります。

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まとめ:自社の規模に合った会計ソフトでDXの一歩を

2025年、建設業界は「人手不足」と「法対応」の荒波の中にあります。しかし、自社の規模と課題に合った会計ソフトを選び、デジタルの力を借りることで、この危機をチャンスに変えることができます。

  • 小規模・コスパ重視なら: freee会計(+えんのしたのコジ) または マネーフォワード
  • 中堅・管理重視なら: 勘定奉行クラウド または PCAクラウド

まずは、気になったソフトの無料体験版を触ってみるか、資料請求をして実際の画面を確認することから始めてみましょう。その小さな一歩が、利益を生み出す強い経営体質への入り口です。

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