企業の財務管理に欠かせないツールとして、広く普及しつつある会計ソフト。しかし、初めて会計ソフトを使う場合、操作方法や機能の活用法に戸惑うこともあるかもしれません。
「会計ソフトの使い方がよくわからず、導入すべきか悩んでいる」
「自社で会計ソフトを導入したとして、本当に効率がよくなるのだろうか?」
このような疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、会計ソフトの基本的な使い方から効率的な活用法まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。会計ソフトを賢く使いこなすことで経理業務の効率化と正確性向上を実現し、経営の意思決定に役立てましょう。
会計ソフトの使い方は難しい?初心者でも使える?
会計ソフトは、一見複雑に見えるかもしれません。しかし、現代の会計ソフトは初心者でも使いやすいように設計されていることが多いです。会計ソフトの使い方についての不安を解消するために、まずは以下のポイントを見てみましょう。
簿記の知識が少なくても使いやすい
現代の会計ソフトは、初心者でも使いやすいようシンプルに設計されています。簿記の専門知識がなくても、直感的な操作で入力が可能です。
初心者でも迷わず操作できるようになっているだけでなく、充実したヘルプページやカスタマーサポートを提供しているサービスも多いです。
また、入力補助機能や自動仕訳機能など、専門知識がなくても正確な会計処理ができるような工夫も施されています。そのため、会計の基本的な知識さえあれば、初心者でも十分に会計ソフトを活用することができるでしょう。
使いながら覚えられる
慣れるまではマニュアルやヘルプページをチェックする必要があるかもしれませんが、会計ソフトを使用していくうちに使い方がわかってくるはずです。
簿記の用語や概念も徐々に理解できるようになるため、実際に取引を入力したり、帳票を確認したりする中で、使い方も自然と身につくでしょう。
また、多くの会計ソフトにはチュートリアルや操作ガイドが用意されており、段階的に機能を学べます。
会計知識があればより活用しやすい
エクセルや手作業と比べて、比較的知識の浅い担当者でも使いやすい会計ソフト。とはいえ、会計知識があるに越したことはありません。
会計業務の経験が浅い方の場合は、会計ソフトを使いながら徐々に専門用語や知識も付けていけるとよいでしょう。会計ソフトでは、取引データを基に自動的に財務諸表や各種レポートを生成できるため、これらを使いこなせるようになることでより大きなメリットを得られます。
財務情報を基に、経営者は投資判断、コスト削減、価格設定など、様々な経営戦略を立てられるようになることが理想です。
会計ソフトの使い方
ここからは、会計ソフトの具体的な使い方について解説します。
詳細は会計ソフトによって異なりますが、以下では一般的な使用方法についてまとめました。以下の流れに沿って、それぞれ具体的な手順を見てみましょう。
〈会計ソフトの使い方〉
- 基本情報を登録する
- 仕訳入力を行う
- 残高をチェックする
- 必要に応じて印刷する
1.基本情報を登録する
まずは会計ソフトに基本情報を登録していきます。会社の正式名称や商号、所在地といった細かな情報を正確に入力していきましょう。また、法人税や所得税など、税務申告での種別も指定していきます。
データの取り込み機能などを活用する場合は、必要に応じて銀行口座やキャッシュアカウントなどの情報も登録しておきましょう。手作業での入力を自動化することで経理業務を大幅に効率化できるので、ぜひ活用してみてください。
2.仕訳入力を行う
続いて、実際に仕訳入力を行います。仕訳入力は会計処理の基本となる重要な作業。領収書や伝票をもとに、取引内容を記録していきましょう。
多くの会計ソフトには商品名や取引内容から適切な仕訳を提案する機能があり、初心者でも入力しやすい仕様になっています。取引の日付、勘定科目、金額、取引先、摘要などの情報を画面に沿って入力していきましょう。
また、サービスによっては自動仕訳機能を搭載しているものも多く、領収書をスキャンするだけで自動的に仕訳が生成される場合もあります。また、頻繁に発生する取引については、テンプレートを作成したり、銀行口座やクレジットカードとの連携機能を活用したりすることで、初心者でも正確かつ効率的に仕訳入力を行うことができるようになります。
3.残高をチェックする
仕訳入力後、残高が適切に反映されているかを確認します。残高確認は、会計処理の正確性を担保するために非常に重要なステップです。万が一不一致の項目がある場合は、入力した仕訳を再確認し、適切に修正しましょう。
なお、銀行口座との自動連携機能を利用している場合は、自動的に残高の照合が行われるため、より効率的に確認作業を行うことができます。
4.帳簿や報告書を適切に保管する
会計ソフトで作成した帳簿や報告書は適切に保管しましょう。
多くの会計ソフトには、法定帳簿や決算書類を簡単に出力する機能が搭載されています。これらの書類は、PDF形式やExcel形式など、様々な形式で出力することができます。
紙媒体での保存は従来通り重要ですが、電子保存のメリットも大きいです。電子保存では、データの検索や集計が簡単に行えるほか、バックアップを取ることで災害時のデータ損失リスクも軽減できます。
使いやすい会計ソフトの特徴
ここからは、会計ソフトの導入を検討している方に向けて、使いやすい会計ソフトの特徴をご紹介します。
操作がシンプル・簡単
初めて会計ソフトを導入する場合は、操作がシンプルで簡単なものを選ぶのがおすすめです。管理画面や入力画面のUIが直感的で使いやすいものを選べば、現場でも普及しやすくスムーズに導入できるでしょう。
特にクラウド型の会計ソフトの場合は無料で使えるトライアル期間を設けているところも多いため、無料版を使って実際の使い心地を試してみることもおすすめです。
また、実際に使用している人の口コミや評判をチェックしてみるのも良いでしょう。
クラウド型がおすすめ
会計ソフトには、パソコンにインストールして使用する「インストール型」と、インターネットを介して利用する「クラウド型」の2種類があります。
買い切り型のインストール型と比べてクラウド型はランニングコストがかかりますが、ベンダー(提供会社)側で法改正への対応やアップデートを行なってくれるメリットがあります。そのため、より会計業務の負担を減らしたいなら、クラウド型の会計ソフトがおすすめです。
自社の業務に対応できる
自社の会計業務に即した内容の入力が可能かどうかも、会計ソフトを選ぶ際の重要なポイントです。業種や企業規模によって必要な機能は大きく異なるため、自社の業務フローに合った会計ソフトを選ぶようにしましょう。
実際に自社のフローに当てはめて使えるかどうかを確かめるために、使い勝手とあわせてトライアルでチェックしてみることをおすすめします。
会計ソフトを効率よく使いこなすコツ
ここからは、会計ソフトを効率よく使いこなすためのコツをご紹介します。
〈会計ソフトを効率よく使いこなすためのコツ〉
- 勘定科目はルールを統一する
- 連携機能で入力を自動化する
- 同じ種類の取引はまとめて登録する
- 摘要欄は細かく記入する
- 残高チェックはまとめて行う
- エクセルとの連携も可能
勘定科目はルールを統一する
同じ内容の取引には同じ勘定科目を使用するようにルールを統一しましょう。ルールを統一することで、入力時に「どの勘定科目を選べば良いのだろう…」と悩む必要がなくなります。
例えば、作業担当者によって交通費が「旅費交通費」と「交通費」の2つの勘定科目でバラバラに記録されてしまうと、後で集計や分析を行う際に手間がかかってしまいます。そのため、会社全体で使用する勘定科目のルールを明確に定義し、全ての担当者がルールに従って入力できる体制を整えましょう。
特に「広告宣伝費」と「販売促進費」の区別など、判断に迷いやすい勘定科目については具体的な基準や事例を示したガイドラインを作成するとよいでしょう。また、新しい取引が発生した際の勘定科目の決定ルールも明確にしておくとスムーズです。
連携機能で入力を自動化する
銀行口座やクレジットカードとの連携機能は積極的に活用しましょう。取引データの自動取り込みができるようになるため、入力作業を大幅に省略できます。
銀行口座との連携では、入出金データが自動的に仕訳として記録されたり、クレジットカードとの連携では、利用明細が自動的に取り込まれたりと、非常にスムーズです。入力ミスのリスクも軽減されるため、導入時にできるだけ自動化を進めるように意識してみましょう。
同じ種類の取引はまとめて登録する
同じ種類の取引はまとめて登録してしまうこともポイントです。日付順にひとつずつ入力していると、確認に手間がかかってしまいます。会計ソフトでは入力したデータは自動で日付順に表示できるようになるため、入力しやすい入力方法で入力すれば問題ありません。
他にも、前回の仕訳をコピーして利用したり、よくある取引はテンプレート化したりするなど、より効率的な入力方法を採用しましょう。
摘要欄は細かく記入する
摘要欄には具体的な内容を細かく記入しておくことで、後から取引内容をチェックしやすくなります。また、入力した本人以外もひと目見て内容を把握できるようになれば、無駄なコミュニケーションコストの削減にもつながります。
例えば、「文房具代」ではなく「コピー用紙500枚購入」のように具体的に記入することで、後から取引内容を確認する際に迷うことがなくなります。また、プロジェクトコードや部門コードなどを摘要欄に記入すれば、より詳細な分析が可能になります。
残高チェックはまとめて行う
残高チェックはとても重要な作業ですが、取引ごとに1つずつ残高を確認していたのでは膨大な時間がかかってしまいます。そのため、入力作業と残高チェックは分けて行うことをおすすめします。
一定期間(例えば1週間分や1ヶ月分)の仕訳をまとめて入力した後に、まとめて残高チェックを行うことで、効率的に会計業務を進められるようになります。
エクセルとの連携も可能
多くの会計ソフトは、Microsoft Excelとの連携機能を備えています。「Excelを使った複雑なデータ集計や計算も行いたい」といった場合には、Excelでデータを整理してから、会計ソフトに取り込む方法を検討してみてもよいでしょう。
会計ソフトを使いこなして業務を効率化しよう
会計ソフトの使い方について解説しました。会計ソフトを使ったことがないと複雑なシステムのように感じるかもしれませんが、最近の会計ソフトは経理の知識が少ない方でも扱いやすいよう、シンプルかつ使いやすく設計されています。
より効率的に使うためには、勘定科目のルールを統一する、連携機能を活用する、同じ種類の取引をまとめて登録するといった工夫がポイントです。
また、会計ソフトを使いこなすことで、リアルタイムでの経営状況の把握もしやすくなります。ぜひ会計ソフトを使いこなせるようにして、業務の効率化と経営の改善につなげていきましょう。
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