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会計ソフトがあれば税理士は不要?会計ソフトでできる業務

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最終更新日: 2024年11月14日

法人や個人事業主の方が会計業務を行うにあたり、会計ソフトを導入するか、税理士に依頼するか悩む場合も多いでしょう。「税理士に依頼すると費用が高いので、会計ソフトで代用できないか?」と考えられるかもしれません。

会計ソフトがあれば税理士は不要かどうかは、一概には言えません。会社や個々人の状況によって異なるからです。

税理士に依頼するかどうか判断するには、まず「時間があるか」、「どのくらいの費用をかけられるか」、「簿記や申告書作成の知識があるか」の3つのポイントで考えてみてください。この記事では、これらの3つのポイントを詳しく解説します。

さらに判断に役立つように、税理士に頼むメリット・デメリットもご紹介します。基本的な会計業務の流れや会計ソフトでできること・できないことも説明するので、記事の内容と自身の事業の状況を踏まえて検討してみてください。

税理士に依頼するかどうかの判断ポイント

税理士との握手

会計業務を税理士に依頼する必要があるかどうかは、経理・財務の担当者や会社の状況によって異なります。税理士に依頼するか判断の際には、まず以下の3つのポイントについて考えてみてください。

  • 時間があるか
  • どのくらいの費用をかけられるか
  • 簿記や申告書作成の知識があるか

時間があるか

1つ目のポイントは、「時間があるかどうか」です。

会計業務は、日次、月次、年次で多岐に渡る作業が発生します。細かい作業も多いので、時間がかかります。会計業務に十分な時間を避ける状況であれば、税理士に依頼せず自社で完結させることも選択肢の一つです。

しかし人手不足の場合や事業が忙しい時期は、時間を割くことが難しいかもしれません。税理士に頼めば会計業務にかける時間を削減できるので、自社で全てを行う余裕がない場合は、税理士への依頼がおすすめです。

どのくらいの費用をかけられるか

2つ目のポイントは、「どのくらいの費用をかけられるか」です。

税理士に依頼する場合、費用がかかります。税理士の料金設定によって金額は異なりますが、どのくらいの費用をかけられるのか考慮することが重要です。

依頼する業務の範囲によっても金額が異なりますが、費用をかけられる場合は領収書などを税理士に渡し、記帳から税金の申告まで全て依頼したほうが楽かつ安心でしょう。費用が限られるのであれば、日々の会計業務は自社の担当者でまかない、申告業務のみ税理士に依頼するのかなど、自社の状況に応じて検討してみてください。

個人事業主や事業が小規模である場合は、会計ソフトを活用して費用を抑える方法もあります。

簿記や申告書作成の知識があるか

最後のポイントは、「簿記や申告書作成の知識があるか」です。

会計業務に割く時間や費用があったとしても、簿記の知識や法人税申告書の作成に関する知識がないのであれば、税理士のサポートを得た方がいいでしょう。知識があれば、税理士への依頼は必須ではありません。

個人事業主の方は、確定申告書を自分で作成できるのであれば税理士に頼まなくても問題ないでしょう。事業規模が大きい場合や法人税申告が複雑な場合は、税理士に依頼するのが一般的です。

税理士に頼むメリット

書類を確認する男性

税理士に会計業務を依頼すると、次のようなメリットがあります。

  • 適切に納税できる
  • 時間を節約できる
  • 不明点があるときに相談できる

税理士法では税理士の独占業務として、①税務代理業務、②税務書類の作成業務、③税務相談業務の3点が定められています。これらの業務を税理士に依頼すれば、時間を節約できるだけでなく、専門的な知識と経験に基づいて対応してもらえるので安心です。

適切に納税できる

税理士に頼む最大のメリットは、適切に納税できることです。税理士は税務の専門家です。税法に精通しているので、税金の申告漏れや控除の適用漏れを防げます。法人税や消費税の申告は複雑なので、税理士のサポートを得た方が間違いありません。

複雑な税務処理や法改正に伴う対応が発生したときにも、適切な対応をしてもらえるので安心です。

所得税や法人税の確認を行う税務調査の対象となったときも、税理士に立ち会ってもらえます。

時間を節約できる

会計業務の時間を節約できることも、税理士に依頼するメリットのひとつです。会計業務は細かな作業が多く、手間や時間がかかります。特に税金の申告の時期には多くの時間を割かなければなりません。

税理士には申告の手続きのみならず、日常の会計処理や決算、給与計算業務、年末調整など煩雑な業務を代行してもらえます。個人事業主であれば、確定申告をサポートしてもらうことも可能です。

会計業務にかける時間を節約することで、より本業に使う時間を増やせるでしょう。

不明点があるときに相談できる

税金や会計業務に関する不明点が浮かんだ際に、すぐに税理士へ相談できることも大きなメリットです。

法改正のときや、事業拡大に伴って税務対応を検討する際にも税理士のアドバイスが役立ちます。また、税務署からの問い合わせに対しても税理士が対応してくれるため安心です。

さらに決算書を分析して、会社の強みと弱み、今後の方向性について助言をしてもらえる場合もあります。

税理士に頼むデメリット

税理士による計算

税理士に会計業務を依頼するのはメリットが多いものの、費用がかかることがデメリットです。

法人が税理士に依頼するときの費用は、会社の年商や税理士の訪問頻度によって変動しますが、月額10,000円〜50,000円が相場となります。

個人事業主が税理士に依頼する場合の費用も、やはり年商と税理士の訪問頻度で変わりますが、月額10,000円〜30,000円が目安です。

この金額に加え、決算書の作成にあたって決算申告料がかかります。決算申告料の相場は、月額費用の4〜6か月分です。月の業務は依頼せず決算業務のみを依頼すると、割高になる可能性が高いです。

税理士への依頼を検討する際は、費用面も事前に確認しましょう。

会計業務の流れ

会計ソフトに経費を入力する女性

税理士に依頼するか判断するにあたり、会計業務の流れを正確に理解しておきましょう。会計業務は日々の帳簿付けから月次・年次の締め業務まで多岐にわたります。それぞれの業務の目的は、財務状況の正確な把握や適切な税務申告を行うことです。

会計業務は事業規模や業種によって異なりますが、基本的な流れは共通しています。

  • 日次での業務は帳簿付け
  • 月次での業務は収入と支出のまとめ
  • 年次での業務は決算書や申告書の作成

日次での業務は帳簿付け

日次で行う会計業務は帳簿付けです。領収書や請求書を整理し仕訳します。売上や仕入の記録、現金の出納管理、未払金や立替金の処理なども行います。

日次での業務を怠ったり誤りがあったりすると月次や年次の帳簿に影響を及ぼし、後々のトラブルに発展しかねません。帳簿をまとめて作成するのも大変です。

日々のこまめな帳簿付けが、会計業務をスムーズにかつ正確に行う鍵となります。

月次での業務は収入と支出のまとめ

毎月末には収入と支出の集計を行い、月次報告書を作成します。具体的には、現金出納帳や預金出納帳の残高確認、入金や支払いの未完了分のチェックなどを行います。月次の収支をまとめることで、現金や預金の残高、売上の状況、支払いの進捗の確認が可能です。

また請求書の発行や、先方から受領した請求書の支払処理も行わなければなりません。

会社によっては、従業員の給与計算も経理業務に含まれる場合があります。

年次での業務は決算書や申告書の作成

年次での会計業務では、法人の場合は決算書や法人税申告書、個人事業主であれば確定申告書の作成が必要です。

年度末には事業全体の収支を総括し、税務署に正確な申告を行わなければなりません。法人であれば決算日から2か月以内に決算業務を行い、税務署に税務申告をする必要があります。日次や月次の会計業務を正確に行っていると、年次での業務がスムーズになります。

各申告書の作成は個人でも可能ですが、最終確認や税務関係の細かい規定の確認は税理士のサポートを受けたほうが安心です。

会計ソフトでできること

パソコンのソフトウェアを指差すビジネスパーソン

会計業務は、日次、月次、年次でさまざまな作業が発生します。細かい作業が多いので、手間も時間も要します。

会計ソフトを使えば、会計業務を効率化し、時間と労力を大幅に削減可能です。ただし、すべての会計業務を完全に代替できるわけではありません。

会計ソフトでできることは以下のとおりです。

  • 仕訳の自動化
  • 決算書や帳票の作成・出力
  • レポートによる経営状況の確認
  • 支払い管理
  • 申告書の作成

仕訳ができる

会計ソフトで最も頻繁に使うのは、取引データを自動で仕訳する機能です。銀行口座やクレジットカード、電子マネーと連携することで取引データが自動的に取り込まれ、正しい勘定科目に仕訳されます。

勘定科目の仕訳は経理の知識が必要ですが、会計ソフトを活用すれば、知識のない方でも簡単に仕訳を行うことができ、時間を節約できます。手入力のミスも減り、仕訳にかかる時間が大幅に短縮されるでしょう。

AIが頻繁に使用する取引パターンを学習し、次回から自動で仕訳を提案してくれる機能がある会計ソフトもあります。

決算書や帳票を作成・出力できる

会計ソフトでは日々の取引データをもとに、自動で決算書や帳票を作成できます。具体的には、貸借対照表や損益計算書といった主要な財務諸表に加え、仕訳帳、現預金出納帳、総勘定元帳、補助元帳なども簡単に作成・出力が可能です。

会計ソフトを使えば、これらの税務申告に必要な資料を簡単に準備できるので便利です。計算ミスや作成の際の誤植もなくなるので、正確な資料を作成できます。

レポートで経営状況を確認できる

会計ソフトは、日々の取引データをもとにレポートを作成する機能も充実しており、経営状況を確認するためのツールとしても優れています。

キャッシュフローレポートや収益レポート、科目別の損益レポートなどが自動で作成され、現在の資金繰りや売上高、経費の動向を把握できます。リアルタイムでデータを確認できるので便利です。

会計ソフトは、日々の経営判断にも一役買うでしょう。

支払いを管理できる

支払い管理機能も会計ソフトに含まれています。支払い済みの取引や今後の支払い予定の取引を一元管理し、取引先ごとに支払状況を把握できるため、資金管理の効率が上がります。月末や年度末に支払うべき請求書を一目で確認できるので、支払い漏れや支払いの重複を防ぐことが可能です。

支払い期限が近づいた際にリマインダーしてくれる機能をそなえた会計ソフトもあります。多数の企業と取引を行っている場合、支払い管理機能は特に重宝します。

申告書を作成できる

会計ソフトには、法人税や消費税の申告書、個人事業主向けの確定申告書を自動で作成できる機能があります。日常的な経理業務だけでなく年次の税務業務も簡素化し、税務申告に必要な書類を正確に作成することが可能です。

消費税の計算や個人事業主の青色申告特別控除の適用など複雑な計算をサポートしてもらえるので、税務に関する負担が軽減されるでしょう。

会計ソフトでできないこと

相談窓口

会計ソフトは多くの会計業務を自動化でき、業務の効率を大幅に向上できます。しかし、納税義務や税法に関する判断はできません。

税金の控除や申告に必要な届出の判断などは専門知識が求められます。会計ソフトにも税法関連のガイドやサポート、自動計算機能はそなわっているので、個人事業主であれば税理士のサポートは必須ではありません。

法人の税務申告や税金に関する最終的な判断は、税理士を頼るのが一般的です。

会計ソフトを活用して時間や費用を効率的に使おう

会計業務を税理士に依頼するか判断する際は、時間があるか、どのくらい費用をかけられるか、簿記や申告書作成の知識があるかといったポイントで考えてみましょう。

税理士に依頼すると、適切に納税できる、時間を節約できる、不明点があるときに相談できるなどのメリットがあります。プロに任せるので、税務申告の際も安心です。ただし、税理士への依頼費用は月に10,000円~50,000円ほどかかります。

費用を抑えつつ、会計業務を効率的にかつ正確に行いたいのであれば、会計ソフトが役立ちます。会計ソフトを導入すれば、仕訳の自動化、決算書・帳票・申告書の作成が可能です。さらに経営状況を知るのに役立つレポートを作成する機能もあります。

次の記事ではおすすめの会計ソフト各製品の特徴や機能を比較しています。ぜひ、あわせて参考にしてください。

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